弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人加納制一、同金光邦三の上告理由第一点について。
 所論は、原判決は訴外Dが本件建物を上告人Aに売り渡したことを認定したので
あるから、同訴外人はこれと同時にその所有者でなくなつた訳で、もはや本件建物
につき保存登記をすることは許されない筈であるから、原判示の同訴外人のために
なされた保存登記は無効でありこれに基く被上告人の仮差押登記は上告人に対抗で
きないものであるというのであるが、元来未登記不動産の所有者はこれを他人に譲
渡したときは、先ず保存登記をした上でその者に対して移転登記手続をなすべき義
務を負担するものであり(昭和二九年(オ)第三五四号、同三一年六月五日第三小
法廷判決、集一〇巻六号六四三頁)、未登記不動産の譲渡後、仮差押決定に基く裁
判所の嘱託により譲渡人のためなされた保存登記も一般の保存登記と同一の効力を
有するものである(昭和二九年(オ)第四七八号、同三一年五月二五日第二小法廷
判決、集一〇巻五号五五四頁)ことは当裁判所判例の趣旨とするところである。そ
して不動産の所有者がこれを他人に譲渡しても、その旨の登記をしない間は完全に
排他性ある権利変動を生ぜず、その譲渡人も完全な無権利者とならないことも当裁
判所の判例(昭和三一年(オ)第一〇二三号、同三三年一〇月一四日第三小法廷判
決、集一二巻一四号三一一一頁)の趣旨に徴して明らかであるから、原判決認定の
事実関係の下では、訴外Dが本件建物を未登記の間に上告人Aに売り渡した後被上
告人の申請した原判示仮差押決定に基きDを所有者としてなされた保存登記および
これに基く被上告人のための仮差押登記は有効のものといわねばならない。論旨は
理由がない。
 同第二点について。
 原判決中論旨摘示の部分は「仮りに前記認定の程度において本件物件が不動産と
目することができないものとしても」との仮定に立つての判示であるのみならず、
論旨前段は原判示建て売りの内容に関する事実認定の非難に帰し、後段は所有権承
継取得の時期を明らかにしない違法をいうが、D名義の保存登記が承継移転後であ
れば原判示の通りの結論となり、移転前であればD名義の保存登記は名実ともに完
全有効なものであり、未だ不動産とならない間の保存登記もそれが完成して不動産
となつたときはなお有効な登記として効力を存続するものと解するを相当とするか
ら、いずれにしても、所論の点に関する原審の判断は原判決の結論に影響を及ぼさ
ない。論旨は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

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