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平成18年6月20日判決言渡
平成18年(ネ)第30号損害賠償請求,未払治療費等請求反訴控訴事件
(原審本訴・大阪地方裁判所平成15年(ワ)第13022号反訴・同16年
(ワ)第5736号)
判決
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は,控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1控訴の趣旨
(1)原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
(2)原判決主文第1項を次のとおり変更する。
被控訴人は,控訴人に対し,550万円及びうち500万円に対する平
成15年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)被控訴人の反訴請求を棄却する。
(4)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2控訴の趣旨に対する答弁
主文と同旨。
第2事案の概要
1(1)本件本訴事件は,控訴人が,被控訴人の設置・運営するa病院において
帝王切開術(本件手術)による出産をした後,右卵巣内血腫を生じ,開腹
手術(本件再手術)により右卵巣を摘出するに至ったことについて,被控
訴人の担当医に,本件手術時の卵巣の取扱いあるいは本件手術後の経過観
察に関し注意義務違反があるなどとして,診療契約上の債務不履行に基づ
く損害賠償として550万円の支払いを求めた事案であり,同反訴事件は,
被控訴人が,控訴人に対し,上記手術等における診療契約に基づいて,未
払治療費等33万2667円の支払を求めた事案である。
原審は,本訴について,被控訴人に,本件手術後の経過観察に関しての
注意義務違反があるとして,控訴人の請求のうち50万円の限度で認容し
たがその余の部分の請求を棄却し,反訴について,上記被控訴人の債務不
履行と因果関係のある部分の未払治療費等の額を控除した25万2134
円の限度で認容したがその余の部分の請求を棄却した。
(2)本件の判断の前提となるべき,基礎となる事実,基礎となる医学的知見,
争点,争点に対する当事者の主張は,次に付加するほかは,原判決「事実
及び理由」中の「第3基礎となる事実」,「第4基礎となる医学的知
見」,「第5争点」,「第6争点に対する当事者の主張」に各記載の
とおりであるから,これを引用する。
2控訴人の主張
原判決は,控訴人の卵巣茎捻転の発生に関し事実誤認があり,その結果,注意
義務違反の存否に関する解釈を誤った違法がある。
なお,控訴人は,この卵巣茎捻転発生に関する注意義務違反につき,原審では,
主位的に被控訴人の卵巣取扱いの不注意を主張し,予備的に卵巣のう腫の見逃し
による不注意を主張したが,当審では,この主位的主張については,あえて主張
せず,予備的主張の卵巣のう腫の見逃しによる不注意につき,原判決の事実誤認
を主張し,それを踏まえて,被控訴人の請求する治療費の支払義務について,理
由がないことを述べるものである。
(1)卵巣茎捻転の発生原因に関する事実誤認
①控訴人に発生した本件卵巣茎捻転の発生原因について,原判決は,「卵巣
茎捻転は,正常な卵巣においても起こり得るものである」として,卵巣のう
腫を原因として発生したことを否定している。
しかし,控訴人の卵巣茎捻転が卵巣のう腫を原因として発生したことは,
被控訴人も,当初からそのように主張してきたところである。
すなわち,被控訴人は,原審での準備書面(2)において,「本件帝王切開術
施行時には,肉眼的に確認し得ない程度であった小さな腫瘍が,術後たまた
ま腫大傾向を示し,ある程度大きくなったところで,茎捻転を起こした」な
いし「本件の卵巣内出血の発生経過は『卵巣腫瘍→軽度の自然増大→茎捻転
→卵巣内出血』と考えられる」とし,主治医であるb医師も同じく,その陳
述書(乙A3)において,明確に同様の趣旨を述べている。
このように,本件茎捻転の発生原因を卵巣のう腫に求めざるを得ないのは,
以下の点に基づいている。
アその第1の理由は,医学的に見て,卵巣茎捻転の発生原因として最も可
能性が高いのは卵巣のう腫の存在とされているという事実である。すなわ
ち,乙B7によれば,正常卵巣の場合の茎捻転の割合が「5%」ないし
「4・8%」と報告されているのに対し,乙B14では「卵巣のう腫の合
併症が起きる場合の約半分に茎捻転が起きるであろう」と報告されていて,
原判決の認定は,このような医学的見地から見ても,全く不当である。
イその第2の理由は,被控訴人担当医師自身が,本件帝王切開時から再開
腹手術の経過の中で,卵巣のう腫の存在を現認しているからにほかならな
い。
(ア)すなわち,b医師は,本件再開腹手術の際に摘出した卵巣に「肉眼的
にのう腫様病変らしきものは認めた」「それは2㎝ぐらいというレベル
で認めた」と証言し,この現認があるからこそ,b医師は,乙A1の6
7頁の「入院中主要所見と総括」の2月8日の欄に「右卵巣腫瘍」と,
その時点での「卵巣腫瘍」の存在を明確に記載し,同じ理由で,乙A2
の20頁の「細胞診検査報告書(1)」の「臨床診断」の欄に「右卵巣腫
瘍」と記載しているのである。
このように,本件再開腹手術時点において,卵巣に「2㎝ぐらいとい
うレベル」の卵巣のう腫が存在したことは,動かし難い事実である。
(イ)そして,この卵巣のう腫は,乙A2の42頁にある「病理組織検査報
告書」により,ムチン性膿嚢胞腺腫であることが確認されている経過が
ある。
(ウ)以上のように,担当医師が本件再開腹手術時点で卵巣のう腫を現認し,
しかも茎捻転の原因として医学的に最も可能性の高いのは卵巣のう腫の
存在であることにより,上記のとおり被控訴人は,本件の卵巣内出血の
発生経過は,「卵巣腫瘍→軽度の自然増大→茎捻転→卵巣内出血」と考
えられるとし,さらに,控訴人の妊娠初期に認められた卵巣腫瘍が「平
成15年1月22日時点では肉眼的に確認し得ない程度にまで縮小して
いた」との主張をせざるを得なかったものである。
ところが,被控訴人は,原審の審理が開始されてから1年以上も
経ってから,正常大の卵巣が捻転を起こしたとして,主張内容を180
度変更している。この変更の原因は,被控訴人のいうように,d意見書
が提出されたことによるものではなく,本件茎捻転の発生につき,「卵
巣腫瘍→軽度の自然増大→茎捻転→卵巣内出血」とすることが,本件帝
王切開時の卵巣のう腫の存在に繋がりかねないことを懸念して,変更す
るに至ったにほかならない。
それにもかかわらず原判決は,かかる関係に全く思い至らず,単純に
「卵巣茎捻転は,正常な卵巣においても起こり得るものである」などと
して,茎捻転の原因から卵巣のう腫を除外したものであり,この判断の
不合理性は全く明白である。
(エ)そこで,上記に基づけば,続いて検討すべき要点は,被控訴人が述べ
てきた「帝王切開術時点では肉眼的に確認し得ない程度の小さな卵巣腫
瘍が自然増大して茎捻転を引き起こした」とする主張の妥当性となる。
この点につき原判決は,「本件手術時には,少なくとも肉眼で見える
ような卵巣のう腫はなかったことが認められる」と判示するところ,そ
の根拠として,手術担当医が本件帝王切開時に卵巣を目視したが,卵巣
のう腫は見当たらなかったとしている。
しかし,原審でb医師が証言(以下,b医師の証言は,いずれも原審
でのもの。)する内容は,子細に検討すれば,「肉眼で見えるような卵
巣のう腫はなかった」とするものではないことが分かる。すなわち,b
医師は,卵巣のう腫を取扱う前提として,「帝王切開の時点で,卵巣に
2cm程度ののう腫があっても,それはほとんど意味のないものだという
評価」であり,「(帝王切開時点で)2cmぐらいまでの卵巣のう腫は正
常として,そのまま放置する」という考え方を持っている。そして,b
医師の証人尋問において,控訴代理人から,具体的に本件の場合は,
「何もないという状態だったのですか。(それとも)正常の範囲内だか
ら,特にそのままにしたということですか。」と質したところ,b医師
は,「後者だと思います。正常範囲内と判断したために,何もしていな
いということです。」と答えるに至っているのであって,このb証言よ
り,b医師が帝王切開時に,「正常範囲内の卵巣のう腫を現認した」こ
とが認められるのである。
(オ)この関係で,続いて検討すべきは,本件帝王切開術時点では肉眼的に
確認し得ない程度の小さな卵巣腫瘍が,「自然増大して茎捻転を引き起
こした」とする被控訴人の主張の合理性の有無である。原判決では,こ
の「自然増大」の主張の合理性に関する考察が全くなされていない。
上記のとおり,本件茎捻転の原因が卵巣のう腫に求められることは,
被控訴人自身も認めているところ,茎捻転を引き起こす卵巣のう腫には
一定の大きさが求められることより,被控訴人のいう「帝王切開術時点
では肉眼的に確認し得ない程度の小さな卵巣腫瘍」との整合性を保つた
めには,「卵巣のう腫の自然増大」との考え方を導かねばならない。
本件の茎捻転は,原判決の認定によれば,「1月27日ころから2月
1日ころまでの間に発生した可能性が高い」とするところ,本件帝王切
開術が施行されたのが1月22日であるから,被控訴人のいう「卵巣の
う腫の自然増大」は僅か5日程度の期間で発生したということになる。
しかし,帝王切開時に「肉眼的に確認し得ない程度」の大きさしかな
かった卵巣のう腫が,その僅か5日後には茎捻転を引き起こす程度の大
きさに増大(かかる急激な増大は決して「自然増大」とはいえないであ
ろう)するなどとは,基本的に想定し難い事態である。本件再開腹術時
点で,約2cm程度の大きさの卵巣のう腫が存在したことは,上記のとお
り,客観的に導かれる事実である。この2月8日時点における約2cm程
度の大きさの卵巣のう腫の存在の事実並びに1月27日ころに茎捻転の
発生の原因となりうる程度の卵巣のう腫(即ち約2cm程度の大きさの卵
巣のう腫)の存在したことが合理的に認められることから遡れば,その
僅か5日前である1月22日時点においても,約2cm程度の大きさの卵
巣のう腫が存在したと考えることは全く合理的である。
しかるに,原判決は,「卵巣茎捻転は正常な卵巣によっても起こり得
る。」との立場から,この被控訴人の主張の合理性を全く検討していな
いのであろうが,上記原判決の見解が不当なことは先に述べたとおりで
ある。
(カ)さらに,本件帝王切開時における卵巣のう腫の存否を検討するには,
控訴人の妊娠時に認められた卵巣のう腫との関係の考察が有益である。
この点につき原判決は,「同年5月25日に確認された卵巣のう腫は,
類腫瘍病変であり,本件再手術後に行われた病理組織検査において確認
されたムチン性のう胞腺腫とは別個のもの」とし,その理由は,「平成
14年5月25日の時点で確認された控訴人の右卵巣のう腫2個は,同
年6月1日には縮小していたと認められること及び同月3日以降に控訴
人の右卵巣につき卵巣のう腫が確認されていないこと」にあると思われ
る。なお,原判決は,縮小のみに止まらず,消失したと理解しているご
とくであるが,この認定は全くの誤りである。
すなわち,真の卵巣腫瘍は,消失することはないが,エコー写真上で
縮小する(縮小したように見える)ことはままあることである。それは,
エコー写真の映像は,その撮影の方向,部位によって,同じ臓器を撮影
しても大きさは必ずしも一定となるものではないからであり,b医師も,
この関係を認める旨の証言をしている。よって,この点からしても,原
判決のごとく「縮小したら類腫瘍病変」などと短絡的にいえないことが
明らかである。
この点について,5月25日以降の診察において,卵巣のエコー写真
が撮影されているのは6月1日のみである(当事者間に争いがない)。
この6月1日のエコー写真は,卵巣のう腫の大きさに焦点を当てて撮影
するという方法を取っておらず,卵巣のう腫の大きさを知るには甚だ不
正確な撮影方法ではあるが,それによっても約2cmの卵巣のう腫の存在
が確認されている。そして,それ以降は,そもそも卵巣を撮影したエコ
ー写真そのものが存在しないのであるから,それ以後の卵巣のう腫の大
きさを客観的に知る資料はない。ところが原判決は,6月3日以降に卵
巣を撮影したエコー写真が存在しないという事実から,いきなり「同月
3日以降に控訴人の右卵巣につき卵巣のう腫が確認されていないこと」
という上記認定を導くのであり,これは驚くべき飛躍した認定と言わね
ばならない。この関係でb医師は,6月3日以降の診察において卵巣の
エコー写真がないのは,「卵巣を正常と判断したため」と説明する。し
かし,b医師の言う「卵巣が正常」は,「約2㎝ぐらいまでは正常」と
の意見を前提とするものであることは前記のとおりであり,これを「消
失」とも表現するものである。それにもかかわらず,原判決は,かかる
b医師の用語を完全に誤解し,被控訴人ないしb医師のいう「消失」を
文字どおり理解し,この結果,「同月3日以降に控訴人の右卵巣につき
卵巣のう腫が確認されていない」などとする上記認定に至っているので
ある。
これらからすれば,乙A1の平成14年6月1日欄にある「卵巣やや
小さめの」の「卵巣」を,被控訴人のいうごとく「卵巣のう腫」と読み
替えたとしても,この時点で,控訴人ののう腫は,2㎝よりさらに大き
かったものと推認される。そして,これ以降の診察においても,控訴人
の右卵巣には,b医師の表現では「正常」とされる約2cm程度の大きさ
の卵巣のう腫が存在し続けたことが推認され,この卵巣のう腫が,本件
帝王切開時に,b医師において,「卵巣のう腫は存在したが,正常範囲
内と判断」されたことは,上記のとおりである。
(キ)また,この妊娠時に認められた卵巣のう腫は,カルテの記載からも腫
瘍病変と認めることはできない。
すなわち,平成13年10月22日の診察では,c医師は,カルテに
おいて明確に「皮様のう腫」と診断しており,さらに,平成14年5月
25日のカルテにも,皮様のう腫との記載があり,複数の医師が診断し
ていることに対し,その記載の真実性を否定している。他方,被控訴人
が主張する「黄体のう胞(類腫瘍病変)」は,カルテに一度も登場しな
いものであって,本訴が始まってから被控訴人が言い出したものである。
このように,カルテの記載よりも,具体的裏付のない一方当事者の主張
の方を優先するという原判決の事実認定の手法は,甚だしく不合理なも
のといわねばならない。
②ア以上によれば,平成13年10月22日並びに平成14年5月25日の
各診察時に認められた卵巣のう腫が,同年6月1日以降も2cm程度の大き
さで存続し,これが本件帝王切開時にも存在したにかかわらずそのまま放
置され,これが茎捻転を引き起し,平成15年2月8日の再開腹手術時点
で2cm程度の大きさの卵巣のう腫が現認されたものと認められるのであっ
て,その間,同じ卵巣のう腫が存続し続けたものと考えられるというべき
である。
イこれに対し,5月25日時点に存在した卵巣のう腫がその後消失し,帝
王切開後にまた卵巣のう腫が発生したとして,短期間に変遷を繰り返した
とする原判決の捉え方は,上記の同一の卵巣のう腫が継続的に存在したと
する捉え方に比して遥かに不合理かつ不自然といわねばならず,とりわけ,
本件帝王切開後の数日間での「自然増大」(原判決の立場ではこの考え方
を取らざるを得ない)の主張の不自然さは,その最たるものであり,原判
決には,卵巣茎捻転の発生原因について,事実誤認の違法がある。
(2)卵巣茎捻転の発生に関する注意義務違反の解釈の誤り
上記のとおり,原判決は,帝王切開時に卵巣のう腫が存在した事実を誤認し
て否定した結果,医師に課せられるべき茎捻転発生を回避するための注意義務
違反の存否に関する解釈を誤ったものである。
すなわち,原審での平成17年6月6日の第9回弁論準備手続期日において,
当事者双方が,「帝王切開の手術時に卵巣のう腫を発見した場合,直ちにこれ
を摘出すべきであるという点については争わない。」ことを確認し,その旨調
書へも記載されている。なお,被控訴人は,平成17年7月21日付け上申書
で,この弁論準備手続期日における確認内容を,「仮に,本件帝王切開時の所
見で卵巣が2月8日の再開腹手術所見の如く腫大化が認められた場合,卵巣を
切除・摘出すべきことは争わない,との内容である。」として,これを一方的
に変更しようとするもので,甚だしく不合理な態度であり,これは,先の卵巣
茎捻転の発生原因に関する主張の変更と併せ,意図的な責任回避の姿勢といわ
なければならない。
いずれにしても,上記のとおり,本件帝王切開時に,b医師において,約2cm
程度の大きさの卵巣のう腫を「正常」としてそのまま放置し,その結果本件茎
捻転を惹起せしめたのであり,その点における被控訴人の注意義務違反は明白
である。
ところが原判決は,上記事実誤認の結果,この解釈を誤ったものであり,その
違法は明白である。
(3)被控訴人主張の治療費について
上記のとおり,被控訴人に卵巣茎捻転の発生についての注意義務違反が認めら
れれば,その為に要した治療費は,控訴人が被控訴人の債務不履行によって被
った損害となり,控訴人は被控訴人に対し,治療費相当額の損害賠償を請求で
きる。
上記に基づき,控訴人は被控訴人に対し,被控訴人主張の治療費額と同額の損
害賠償請求権を有しており,この損害賠償債権を自働債権として,被控訴人請
求の治療費と相殺することにより,被控訴人の請求債権は消滅する。
3被控訴人の主張
(1)控訴人の上記主張はいずれも争う。
(2)なお,控訴人は,控訴人の卵巣茎捻転が卵巣のう腫を原因として発生したこと
は,被控訴人も,当初からそのように主張してきた事実であるとする。
しかし,被控訴人は,平成17年2月4日付d意見書(乙B17)を提出し,
これに基づいて従前の主張を整理・修正し,「正常大の卵巣が捻転を起こし,
そのためにうっ血・組織浮腫・出血などの変化が起きて腫大し,捻転が増悪し
たものと考えるのが最も合理的である」として主張したものである。そして,
この点については,原判決も,被控訴人の主張として判決文に表示していると
ころであり,上記控訴人の主張は,被控訴人の主張を誤解ないし曲解するもの
である。
(3)その他,上記控訴人主張にかかる部分の原判決の判断は正当であり,控訴人の
主張は理由がない。
第3当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の本訴請求及び被控訴人の反訴請求は,いずれも原判
決の認容する限度で理由があるから認容し,その余の各請求はいずれも理由
がないから棄却すべきものと判断する。
その理由は,次のとおり付加,訂正するほかは,原判決の「事実及び理
由」の「第7当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これを引用す
る。
1原判決の訂正等
(1)原判決23頁8行目の「卵巣のう腫について」以下10行目末尾までを
次のとおり改める。
「卵巣のう腫の状態を見たところ,前回検査時の34㎜の大きさに比較し
て,計るまでもないほどの小ささに縮小し,しかも,形もいびつになって
いて,明らかに自然の経過あるいは経時的な経過で縮小し,もしくは病的
かどうかの判断や留意の必要性がなく,その意味で消失したと言い切れる
ほどのレベルにまでなっていて,このような経過から上記のう腫は,類腫
瘍病変中の黄体のう胞であると判断したため,ことさらその大きさは測定
せず,卵巣のう腫の意味で,診療録に『卵巣やや小さめ』との記載をし
た。」
(2)同18行目の「同年6月3日以降」を「上記6月8日には,子宮内の胎
児成分が撮影されて計測が行われており,この際,b医師は,当然卵巣あ
るいは卵巣のう腫も画像上確認しているはずであるが,格別異常な所見は
認められなかったため,その撮影はしなかったものと考えられる。そのた
め,結局,同月3日以降」に改める。
(3)同26頁4行目の「右卵巣が」以下同5行目の「茎捻転を生じていた」
までを「右卵巣全体が血腫化して皮膜を持ち,成人頭大の約17㎝に腫大
した状態で存在し,2,5回転の茎捻転を生じていた。b医師は,その割
面を切ったところ,割面は血塊がほとんどで,これがのう腫あるいは腫瘍
であったかどうかまでは確認できず,また,その大きさも厳密には判定し
がたいが,約2㎝程度であったと推定している」と改める。
(4)同33頁4行目の「考えられ,」の次に,「さらに,6月8日にも,子
宮内の胎児成分が撮影されて計測が行われた際,卵巣あるいは卵巣のう腫
の状態も画像上確認したはずであるが,異常所見が認められなかったこと
は前示のとおりである。」を加える。
(5)同33頁25行目以下35頁23行目までを次のとおり改める。
「(イ)また,控訴人は,卵巣茎捻転は,医学的に見て,その発生原因とし
て最も可能性の高いのは卵巣のう腫の存在であり,本件においても,茎
捻転時には2ないし3㎝程度の卵巣のう腫が存在していたと考えられ,
したがって,本件手術時においてもかかる卵巣のう腫が存在していたと
主張する。
しかし,証拠(乙B7ないし13,17)によれば,卵巣茎捻転の発
生については,文献により『5%ないし4,8%』(乙B7の5)ある
いは『18%』(乙B12の翻訳部分)とばらつきはあるものの,殊に,
後者においては,『正常卵管や卵巣の茎捻転は,各々単独であれ共にで
あれ,決してまれではない』とされ,正常な卵巣においても起こりうる
ものであり,特に,産褥期においては,妊娠により増大していた子宮が
急激に縮小するため,茎捻転が起こりやすいものとされていることが認
められる。また,原審における調査嘱託の結果によれば,肉眼的に正常
と思われた卵巣の切片でムチン性のう胞腺腫が時々見られることがある
ことが認められることからしても,本件において,控訴人に茎捻転が発
生したからといって,これをもって直ちに,茎捻転時あるいはそれから
遡った本件手術時に控訴人の右卵巣に2ないし3㎝程度の卵巣のう腫が
存在していたと推認することはできない。
むしろ,d意見書(乙B17)にいうように,控訴人においては,本
件手術時に肉眼的に正常と考える卵巣が確認されていること,また,術
後の控訴人の身体状況の経過からして,1月28日ころから2月1日の
間に茎捻転とそれに伴う血腫を起こした可能性が疑われ,術後少なくと
も6日以上たってからの捻転であることから,正常大の卵巣が捻転を起
こしたものであると推定する,とすることも何ら不合理ではない。
したがって,控訴人の上記主張も採用できない。
(ウ)さらに,控訴人は,b医師が,証人尋問において,本件手術時に2
㎝程度の卵巣のう腫の存在を現認していたことを認めていた旨主張する。
確かに,b医師は,同尋問において,控訴代理人の『何もないという
状態だったのですか。正常の範囲内だから,特にそのままにしたという
ことですか。』との問いに対し,『後者だと思います。正常範囲内と判
断したために,何もしていないということです。』と答えている部分が
ある(b医師の証人尋問調書(以下「b調書」という。)58頁)。
しかし,この部分は,これ以前の,同じく控訴代理人の『この方の場
合はどうだったのですか。全く何もないのか。証人のおっしゃる正常範
囲内だったのかというのは,具体的な記憶がありますか。』との質問に
対し,『結論としては,おそらくは何もなかったというふうにしか記憶
がありません。』と答えていたところである。これに対し,さらに,
『何もないのか,正常範囲だから,そのままにしたかという,細かい記
憶まで残っているのですか。』と問われ,『そこまではないと思いま
す。』としていたところ,さらに,『その点を答えてもらえませんか。
そこまでの細かい記憶が残っているのですか。』と追及され,『異常が
あったか,そこまでチェックしたかという意味なら,そこまでありませ
ん。』との答えに続いているものである。
さらに,それ以前の尋問においては,控訴代理人が,『陳述書に書か
れている卵巣茎捻転の原因となった卵巣腫瘍は,その前年の5月25日
にあったものが,いったん縮小して,それがまた自然増大したものが原
因だという意見だというふうに聞いていいのですね。』と質問したのに
対し,『帝王切開時には,正常の卵巣大であることを確認して,その数
日後におそらくは茎捻転が起こったのだろうということは推定されます
ので,その間に,どれぐらい大きくなったのかということがちょっと分
かりません。だから,それは正常大で回ったのかもしれないのですが,
私があえてそういう書き方をしたのは,飽くまで若干大きくなった方が
茎捻転が起こりやすいという理由からです。』としているところである
(同調書38頁)
これら一連の尋問の経過からすれば,上記b証言が本来意図するとこ
ろは,『結論としては,おそらくは何もなかったというふうにしか記憶
がありません。』ということにあるものであり,少なくとも,控訴人が
主張するように,2㎝程度ののう腫があることを現認したが,この程度
までなら,正常の範囲内であると判断したというものでないと認めるの
が相当である。
そして,このことは,本件手術には,b医師のみならず,a院長も助
手として立ち会って行われており,この両名によって『両側付属器は,
正常大にて特変認められなき』ことが確認されていることからも裏付け
られ,これらの事情を考慮すれば,前記の『正常範囲内と判断したため
に,何もしていないということです。』とする部分は,本件手術以前に
あったのう胞は,それまでの経過から黄体のう胞であると判断していた
ため,『おそらく特別視はしてなかったと思います。一般的なルーチン
チェックだけで済んでいると思います。』(同57頁)と同趣旨で述べ
たものと解するのが相当である。
以上のとおり,いずれにしても,上記b証言から直ちに,本件手術時
に控訴人に2㎝程度ののう腫が存在し,さらに,b医師がこれを現認し
ていたとの事実を認めることはできない。
また,控訴人は,b証人において,本件再手術時に血腫化していた控
訴人の右卵巣に2㎝程度ののう腫様病変の存在を確認したと証言してい
ることから,本件手術時においても同程度の大きさの卵巣のう腫が存在
していたはずであると主張し,診療録中の入院中主要所見と総括欄(乙
A1,67頁),細胞診検査報告書(乙A2,20頁)及び手術所見欄
(同89頁)にも『右卵巣腫瘍湯』もしくは『卵巣腫瘍』との記載があ
る。
しかし,同時に,同じ診療録中の退院SUMMARYの診断名欄(乙
A1,67頁)には『右卵巣内血腫』と,また,病理組織検査報告書の
臨床診断欄(乙A2,42頁)には『右卵巣(血腫)』との記載があり,
これらが同一のものを指していることは明らかであり,これらからすれ
ば,上記『腫瘍』と『血腫』とは同一の意味で用いていると解される。
そして,前示のとおり,本件再手術時のb医師の認識としては,控訴
人の右卵巣全体が血腫化して皮膜を持ち,成人頭大の約17㎝に腫大し
た状態で存在し,その割面を切ったところ,割面は血塊がほとんどで,
これがのう腫あるいは腫瘍であったかどうかまでは確認できず,また,
その大きさも厳密には判定しがたいが,約2㎝程度であったと推定して
いるというものであって,これらからすれば,b医師においては,控訴
人の右卵巣に約2㎝程度ののう腫様病変の存在を確認はしていたが,こ
れが単なる血腫なのか,あるいはのう腫なのかの判定ができず,前記の
とおりの記載となったと推定するのが相当である。
また,b医師の陳述書(乙A3)によれば,本件手術時には確認し得
ない程度の小さな卵巣腫瘍が産褥期という特殊な条件のもとで軽度の自
然増大をきたして茎捻転が起こり,内部に多量の血液が貯まったため,
卵巣が大きくなったとの記載があり,また,原審での病理組織検査をし
たe病理学センターに対する調査嘱託の結果(以下,同調査嘱託はいず
れも原審でのもの。)によれば,茎捻転が発生する前のムチン性のう胞
腺腫の大きさは,当然小さいものと推測されるが,具体的には答えられ
ないとし,さらには,肉眼的に正常と思われた卵巣の切片でムチン性の
う胞が時々見られることがあるとの事実が認められること等に照らせば,
本件再手術時において,上記のう腫様病変が確認されたからといって,
このことから直ちに,本件手術時に遡って約2㎝程度の大きさの卵巣の
う腫が存在していたと認めることはできないものというべきである。」
2控訴人の当審での主張に対する判断
(1)控訴人のこの点についての主張は,要するに,控訴人には,平成13年
10月22日以降,出産を経て平成15年2月8日の本件再手術の時点に
至るまで,同一の2ないし3㎝程度のムチン性のう胞腺腫(粘液性のう胞
腺腫)が存在し,殊に,同年1月22日の本件手術時において,2㎝程度
の卵巣のう種が存在し,b医師は,これを現認していたにもかかわらず,
除去することを怠った点に過失があるとするものである。
①しかし,訂正して引用した原判決も認定するとおり,平成14年5月
25日の時点で確認された控訴人の右卵巣のう腫2個は,同年6月1日
には明らかに縮小し,それ以降も,映像としては残されていないものの,
b医師において,超音波により上記卵巣の状態を確認したが,格別異常
な所見は認められなかったものである。
②そして,一般的な医学的な知見によれば,ムチン性のう胞腺腫等の真
の卵巣腫瘍は縮小,消失することがないところ,上記時点で認められた
卵巣のう腫は,縮小,消失しているから,黄体のう胞等の類腫瘍病変で
あったと解するのが相当である。
③本件手術は,上記のう腫の縮小が認められた時から約半年後の平成1
5年1月22日に行われたものであるところ,同手術には,b医師のみ
ならず,a院長も助手として立ち会い,この両名によって控訴人の卵巣
には異常のないことが確認されていることからしても,同手術時に,控
訴人に2㎝程度のムチン性のう胞腺腫等の真の卵巣腫瘍が存在し,ある
いはb医師において,この程度の大きさののう腫を現認していたと認め
ることはできないものである。
④そうすると,平成14年6月1日以前に控訴人に存在した卵巣のう腫
がどのようなものであれ,少なくても,本件手術時にこのようなのう腫
の存在を認めることはできないし,上記時点で存在したのう腫と本件再
手術時に認められたムチン性のう胞腺腫とは別個のものというべきであ
る。
⑤確かに,卵巣茎捻転の発生原因として最も可能性が高いのは卵巣のう腫の
存在であるということは,控訴人の主張のとおりである。
しかし,正常あるいは正常と見える卵巣においても,卵巣茎捻転が起こり得
るものであることは,文献(乙B7の5)やd意見書(同17)及びe病
理学センターに対する調査嘱託の回答に示すとおりである。そして,こ
れが決してまれではなく(乙B7の5及び17),しかも,短期間内に
も発生し得るものであり(乙B17),このことからしても,上記の判
断に不合理な点はないものというべきである。
したがって,本件手術を担当したb医師らにその手術上の過失はない
から,控訴人の上記主張は理由がない。
(2)平成15年1月22日の本件手術当時,控訴人に2㎝程度の卵巣のう腫
が存在していたと認めることができないことは,先に説示のとおりである
が,仮に,この時点において,その程度までには至らないものの,何らか
の卵巣のう腫の存在が認められたとしても,下記のとおり,b医師らに本
件手術上の過失はない。
すなわち,前記認定事実(原判決引用)によると,平成12年3月には
f病院で5㎝大の卵巣のう腫がある旨,平成13年8月には卵巣のう腫の
縮小が認められた旨,その後,のう腫の大きさ等につき,縮小が認められ
た,27㎜の皮様のう腫,30㎜,32㎜,そして,平成14年5月25
日には34㎜ののう腫2個が存在する,これが同年6月1日には明らかな
縮小と変形が認められた,さらに,本件手術当時,卵巣は正常大にて特変
認めない旨各診断されており,特にその卵巣のう腫が明らかに縮小してい
ることに照らすと,上記の本件手術当時,卵巣のう腫が存在したとしても,
それは,黄体のう胞等の類腫瘍病変であり,縮小することのないムチン性
のう胞腺腫と解することはできない。ところで,本件再手術により剥離切
除された成人頭大の卵巣血腫は,その病理組織検査の結果により,ムチン
性のう胞腺腫及び出血性壊死と診断されているのであるから,本件手術当
時,仮に卵巣のう腫が存在していたとしても,これが増大したものである
とはいえず,本件手術後に発生したか,本件手術当時は,b医師らの目に
とまらない程度のものであったムチン性のう胞腺腫が急速に増大したもの
と推認するのが相当である。したがって,本件手術当時,何らかの卵巣の
う腫が存在していたとしても,その卵巣のう腫を切除しなかったことに過
失はないものというべきである。
(3)①また,控訴人は,被控訴人は,ア本訴の当初,本件帝王切開術施行時には
肉眼的に確認し得ない程度であった小さな腫瘍が,術後たまたま腫大傾向を
示し,ある程度大きくなったところで茎捻転を起こした,ないし,イ本件の
卵巣内出血の発生経過は『卵巣腫瘍→軽度の自然増大→茎捻転→卵巣内出
血』と考えていたにもかかわらずこれを変更し,「正常大の卵巣が捻転を起
こした」と主張するに至ったが,これらは,本件帝王切開時に卵巣のう腫が
存在したとの事実に繋がりかねないことを懸念して変更するに至ったにほか
ならない。また,ウ原審の弁論準備手続期日において,当事者双方が,「帝
王切開の手術時に卵巣のう腫を発見した場合,直ちにこれを摘出すべきであ
るという点については争わない。」ことを確認し,その旨調書へも記載され
ているにもかかわらず,このような主張の変更をすることは,いずれも意図
的な責任回避の姿勢の表れであるとして非難する。
②確かに,被控訴人の主張の内容については,控訴人のいうような変遷が認
められる。しかし,訴訟進行中の当事者の認識状況の変化により,ア,イの
ような主張の変更が認められることはもとより,ウのような訴訟の円滑な進
行を図る上での了解事項というべき合意が成立し,これが調書に記載された
からといって,当該事項が自白に該当するような場合やことさら訴訟の遅延
を図る目的を持ってなされた等の不合理なものでない限り,その後の主張に
ついて拘束力を持つというものではなく,許されるものである。
そして,被控訴人において,このような主張の変遷があったのは,控訴人
の卵巣茎捻転の原因については,b医師においても,「本当の理由は分から
ず」,「卵巣茎捻転は,一般論としましては,やや増大したほうがねじれや
すいということは事実でありますが,d先生の意見書にあるごとく,あるい
は文献にもあるごとく,正常大の卵巣でも茎捻転があり得るという報告はい
くらでもありますので,今回,控訴人の卵巣が全くの正常大で茎捻転を起こ
したのか,少し腫大して起こしたのか,そこまでははっきりと断定しかねる
と思います。」(b調書22頁)とするように,結局のところ,不明であり,
このような事情を背景に,被控訴人の主張するように,本件の場合,「正常
大の卵巣が捻転を起こし」たものと推察する旨のd意見書(乙B17)の提
出を機に主張の変更をするに至ったとすることは,格別不合理なものと認め
ることはできない。
③加えて,被控訴人は,当初から本件手術時の控訴人の卵巣は視診上正常で
あり,仮に,のう腫が存在したとしても,肉眼的には確認できないものであ
ったと主張し,b医師もこれに沿う証言をして,控訴人には2ないし3㎝大
の卵巣のう腫があり,b医師はその存在を確認していたとの控訴人の主張を
否認していたものである。
そして,これまで説示したとおり,本件手術当時,控訴人にその主張する
ようなのう腫が存在したこと及びb医師はこれを認識しながら放置したとの
事実を認めがたい本件においては,既にこの点について,被控訴人の過失を
認めることはできず,控訴人のこの点についての主張は理由がないことに帰
する。そうであれば,このような結論は,被控訴人の主張の変遷とはかかわ
りなく導かれるものであり,この点からしても,控訴人の被控訴人に対する
上記批判は当を得ていないものというべきである。
(4)上記によれば,当審での控訴人の主張(1)は理由がなく,また,この原判
決の事実誤認の主張を前提とする同(2)及び同(3)の主張も,いずれも理由がな
い。
第4結論
よって,これと同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄
却することとし,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第1民事部
裁判長裁判官横田勝年
裁判官梅津和宏
裁判官植屋伸一

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