弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決中「当審における未決勾留日数中一七〇日を原判決の刑に算入す
る。」との部分を破棄する。
     その余の部分に対する本件各上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意について
 記録によれば、被告人は、第一審判決判示第三の強盗の事実につき起訴前である
昭和五九年一二月二九日勾留状の執行を受け、その後第一、二審を通じて勾留を継
続されていたものであるが、その間、第一審は、昭和六一年六月九日「被告人を懲
役七年に処する。昭和六〇年三月一一日付公訴事実中別表番号6の窃盗の点につき、
被告人は無罪。」との判決を言い渡し、これに対し被告人が昭和六一年六月一〇日
控訴を申立てたところ、原審は、昭和六二年一月二七日、右控訴を棄却するととも
に、「当審における未決勾留日数中一七〇日を原判決の刑に算入する。」との判決
を言い渡したことが明らかである。また、記録によれば、被告人は、昭和四〇年七
月二一日福島地方裁判所会津若松支部において、強盗致死等の事実により、無期懲
役の判決言渡しを受け、同判決は昭和四一年一一月八日確定し、同日から右刑の執
行を受け始めたものであるが、昭和五六年五月二八日仮出獄を許され、残刑は執行
されなかつたところ、本件被告事件が第一審に係属中の昭和六〇年三月一九日仮出
獄を取り消され、同月二二日から右残刑につき執行が開始され、原審の判決言渡し
当時いまだ右刑につき受刑中であつたことが認められる。
 そうすると、被告人に対する本件の原審における未決勾留の全期間が右刑の執行
と重複することが明らかであり、原判決中原審における未決勾留日数を本刑に算入
した部分は、刑法二一条の適用について、所論引用の当裁判所の判例(昭和二九年
(あ)第三八九号同三二年一二月二五日大法廷判決・刑集一一巻一四号三三七七頁、
同五五年(あ)第四〇九号同年七月一八日第二小法廷判決・裁判集刑事二一八号二
六三頁、同五六年(あ)第一七四八号同五七年五月七日第二小法廷判決・裁判集刑
事二二七号三〇三頁、同五九年(あ)第二七号同年三月二九日第一小法廷判決・裁
判集刑事二三六号四二九頁)と相反する判断をしたものといわなければならない。
論旨は理由がある。
 なお、原判決中その余の部分に対する検察官の上告は、上告趣意としてなんらの
主張がなく、したがつて、その理由がないことに帰する。
 弁護人吉村浩の上告趣意について
 所論のうち、憲法三八条二項違反をいう点は、所論の各自白調書に任意性がある
とした原判断は相当であるから、前提を欠き、憲法三八条三項違反をいう点は、原
判決指摘の各関係証拠はいずれも被告人の自白の補強証拠とするに足りるとの原判
断は相当であるから、前提を欠き、その余は事実誤認の主張であつて、適法な上告
理由に当たらない。
 被告人本人の上告趣意について
 所論は、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当たらな
い。
 よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決
中「当審における未決勾留日数中一七〇日を原判決の刑に算入する。」との部分を
破棄し、原判決中その余の部分に対する各上告は、同法四一四条、三九六条により
棄却し、当審における訴訟費用は、同法一八一条一項但書により被告人に負担させ
ないこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 検察官西岡幸彦 出席
  昭和六二年七月一六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    高   島   益   郎
            裁判官    大   内   恒   夫
            裁判官    佐   藤   哲   郎
            裁判官    四 ツ 谷       巖

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛