弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人小脇芳一、同古田進の上告理由第一点について。
 原審が適法に確定したところによれば、被上告人(一審原告)は、一審被告A1
に対し、原審第一回口頭弁論で、岡山市ab宅地一四坪八合を、その地上にある木
造木羽葺平家建建物(建坪一四坪八合)から退去して、明渡すべきことを求めたが、
原審第三、第五回口頭弁論で、右宅地を、右建物を収去して、明渡すべきことを、
予備的に求め、その請求原因として、被上告人は右宅地を被上告人の所有であると
いい、前者につき、建物は一審被告Dら五名の共有であり、同人らはこの建物を勝
手に建てて右宅地を不法占有しているが、一審被告A1はこれを借受けて居住し、
その宅地を不法占有している旨主張し、後者につき、右A1はDら五名からこの建
物を買受けて所有者となり、その宅地を不法占有している旨主張しているというの
であり、また、被上告人(一審原告)は、一審被告A2に対し、原審第一回口頭弁
論で、岡山市ac番地宅地一〇坪七合を、その地上にある木造木羽葺平家建建物(
建坪一〇坪七合)を収去して明渡すべきことを求めたが、原審第五回口頭弁論で、
右宅地を、右建物から退去して明渡すべきことを、予備的に求め、その請求原因と
して、右宅地は被上告人の所有であるといい、前者につき、建物は同被告の所有で
あり、同人は建物を勝手に建てて宅地を不法占有している旨主張し、後者につき建
物が訴外Eの所有であり、同被告が訴外人と同居しているとするも、訴外人の占有
が不法占有であるから、同被告の占有も不法占有である旨主張しているというので
あつて、このような場合には、結局被上告人の請求は、いずれも宅地所有権の存在
を基本としていることには変りはなく、上告人A1、同A2に対する被上告人の請
求の予備的申立は、その主たる申立との間に請求の基礎に変更がないものとしてこ
れを許すべきものと解するを相当とし、この点に関する原判示は正当であり、また、
このような訴の追加的変更を許容した場合、判決において特にこれを許すべき理由
を説示しなければならないものではない。それ故、原判決には所論の違法は認めら
れない。
 同第二点について。
 一審被告A1、同A2に対する被上告人(一審原告)の請求に関し、土地賃借人
A1、Eの本件宅地の自己使用の必要性については、記録上特段の主張も立証も認
められないのであるから、原判決がこの点をしんしやくせず、被上告人の罹災都市
借地借家臨時処理法による土地賃貸借の更新拒絶につき、正当事由を認めた点につ
いては、所論の違法は認められない。
 同第三点について。
 原判決は、本件土地に関する所論賃貸借契約は、その仲介をした亡Fが勝手にし
たものであり、従つて、右契約は地主との間に成立したものとは認められず、また
その予約も成立したものとは認められない旨判示しており、右原審の事実認定は、
挙示の証拠によりこれを是認し得る。所論は、原審の裁量に属する証拠の取捨、事
実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。
 同第四点について。
 原判決が一審被告Gに対する被上告人(一審原告)の明渡請求を棄却したのは、
被上告人が本件宅地の一部を一審被告Gに売渡し、Gから更に訴外Hを経て一審被
告Iに売渡した際の売買においては、原判示のような所有権留保の特約があり、こ
の所有権留保の特約が将来解けるならば、これらの部分について被上告人は当然所
有権を失い、結局被上告人は本件建物の収去もその敷地の明渡も求め得なくなるも
のであるから、そのような状況の下にあつては、被土告人の前記明渡請求は権利の
濫用であつて、許されない旨を理由とするものである。しかし、一審被告A3につ
いては、右のような事情は存しないのであるから、原判決がこれにつき当該建物が
原判示のような所有権留保の特約附で被上告人から一審被告Gに売渡された土地の
上に存在するということだけからしては、権利の濫用を認められないと判示したこ
とは正当であつて、原判決の右各判示の間には所論のような理由不備ないし理由そ
ごの違法は認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

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