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平成12年(行ケ)第438号 特許取消決定取消請求事件(平成13年5月16
日口頭弁論終結)
          判         決
       原      告   ノートン ベタイリグングスゲゼルシャ
フト ミットベシュレンクテル ハフツング
      (異議決定上の表示)ノートン ゲゼルシャフト ミットベシ
ュレンクテル ハフツング
       訴訟代理人弁護士   上   谷       清
       同          宇   井   正   一
       同    弁理士   永   坂   友   康
       同復代理人弁護士   笹   本       摂
       被      告   特許庁長官 及川耕造
       指定代理人   石   井   良   夫
       同小   林       明
       同          森   田   ひ と み
       同          宮   川   久   成
          主         文
      特許庁が平成10年異議第71375号事件について平成12年6月
13日にした決定を取り消す。
      訴訟費用は原告の負担とする。
          事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
 1 原告
   主文と同旨
 2 被告
   原告の請求を棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
  (1) 原告は、名称を「耐火性物質および該物質の製造方法」とする特許第26
55699号発明(昭和63年10月5日出願、1987年11月23日及び同年
12月17日優先権主張・ドイツ連邦共和国、平成9年5月30日設定登録)の特
許権者である。
  (2) 平成10年3月23日、本件特許につき特許異議の申立てがされ、この申
立ては、平成10年異議第71375号事件として特許庁に係属し、特許庁は、上
記事件につき審理した結果、平成12年6月13日、「特許第2655699号の
請求項1ないし5、9ないし11、16ないし19に係る特許を取り消す。」との
決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年7月22日、原告に送
達された。
  (3) 原告は、平成12年11月16日、本件決定の取消しを求める本件訴えを
提起した後、同年12月11日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説
明の記載の訂正(以下「本件訂正」という。)をする訂正審判の請求をし、訂正2
000-39152号事件として特許庁に係属した。特許庁は、同年3月28日、
本件訂正を認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし、その謄本は、同年
4月11日、原告に送達された。
 2 本件明細書の特許請求の範囲の記載
  (1) 本件訂正前のもの(以下、【請求項1】~【請求項19】に係る発明を、
それぞれ「本件発明1」~「本件発明19」という。)
   【請求項1】63~82重量パーセントのSiC、15~27重量パーセントのSi3N4
および3~10重量パーセントの無機酸化物からなる耐火性物質。
   【請求項2】SiCの量が67~72重量パーセントであることを特徴とする、請
求項1記載の耐火性物質。
   【請求項3】Si3N4の量が23~25重量パーセントであることを特徴とする、
請求項1記載の耐火性物質。
【請求項4】Si3N4の量が23~25重量パーセントであることを特徴とする、
請求項2記載の耐火性物質。
【請求項5】無機酸化物の量が5~8重量パーセントであることを特徴とす
る、請求項1記載の耐火性物質。
【請求項6】無機酸化物が酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウム
であることを特徴とする、請求項1記載の耐火性物質。
【請求項7】無機酸化物が酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウム
であることを特徴とする、請求項5記載の耐火性物質。
【請求項8】完全にあるいは一部、酸化鉄を酸化亜鉛に、酸化アルミニウム
を酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種に、そして酸化ナトリウム
を酸化カルシウム、カリウムおよびマグネシウムの少なくとも1種に置換すること
を特徴とする、請求項1記載の耐火性物質。
【請求項9】請求項1記載の耐火性物質の製造方法であって、
 a)63~82重量パーセントの炭化珪素粉末、10~36重量パーセントの珪素
粉末および10重量パーセントまでの、最大300μmの粒度を有する無機酸化物、を安
定な懸濁液に混合し、
 b)成形し、
 c)乾燥し、そして
 d)窒素大気中で1380~1450℃で燃焼する、ことを特徴とする方法。
【請求項10】70~80重量パーセントの炭化珪素粉末、15~22重量パーセン
トの珪素粉末および8重量パーセントまでの無機酸化物粉末を混合することを特徴
とする、請求項9記載の方法。
【請求項11】17~20重量パーセントの珪素粉末および5重量パーセントの
無機酸化物を用いることを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項12】酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウムを酸化物と
して用いることを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項13】2重量パーセントまでの酸化鉄、1~6重量パーセントの酸
化アルミニウムおよび0.4重量パーセントまでの酸化ナトリウムを用いることを特徴
とする、請求項12記載の方法。
【請求項14】0.5~1.5重量パーセントの酸化鉄および0.1重量パーセントま
での酸化ナトリウムを用いることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】完全にあるいは一部、酸化鉄を酸化亜鉛に、酸化アルミニウ
ムを酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種に、酸化ナトリウムを酸
化カルシウム、酸化カリウム、および酸化マグネシウムの少なくとも1種に置換す
ることを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項16】用いる粉末の粒度が0.1~150μmであることを特徴とする、
請求項10記載の方法。
【請求項17】可塑剤を有機結合剤として用いることを特徴とする、請求項
10記載の方法。
【請求項18】脂肪、ワセリン、ポリビニルアルコールおよびトリステアリ
ンの少なくとも1種を可塑剤として用いることを特徴とする、請求項17記載の方
法。
【請求項19】燃焼温度が1420℃であることを特徴とする、請求項10記載
の方法。
  (2) 本件訂正に係るもの(訂正部分には下線を付す。)
   【請求項1】63~82重量パーセントのSiC、15~27重量パーセントのSi3N4
および3~10重量パーセントの、酸化鉄及び酸化アルミニウムである無機酸化物か
らなる耐火性物質。
【請求項2】無機酸化物の量が5~8重量パーセントであることを特徴とす
る、請求項1記載の耐火性物質。
【請求項3】無機酸化物が酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウム
であることを特徴とする、請求項1記載の耐火性物質。
【請求項4】無機酸化物が酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウム
であることを特徴とする、請求項2記載の耐火性物質。
【請求項5】完全にあるいは一部、酸化鉄を酸化亜鉛に、酸化アルミニウム
を酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種に、そして酸化ナトリウム
を酸化カルシウム、カリウムおよびマグネシウムの少なくとも1種に置換すること
を特徴とする、請求項3記載の耐火性物質。
【請求項6】請求項1記載の耐火性物質の製造方法であって、
 a)63~82重量パーセントの炭化珪素粉末、10~36重量パーセントの珪素
粉末および10重量パーセントまでの、最大300μmの粒度を有する、酸化鉄及び酸化
アルミニウムである無機酸化物、を安定な懸濁液に混合し、
 b)成形し、
 c)乾燥し、そして
 d)窒素大気中で1380~1450℃で焼結すること、を特徴とする方法。
【請求項7】70~80重量パーセントの炭化珪素粉末、15~22重量パーセント
の珪素粉末および8重量パーセントまでの無機酸化物粉末を混合することを特徴と
する、請求項6記載の方法。
【請求項8】酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化ナトリウムを酸化物とし
て用いることを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項9】2重量パーセントまでの酸化鉄、1~6重量パーセントの酸化
アルミニウムおよび0.4重量パーセントまでの酸化ナトリウムを用いることを特徴と
する、請求項8記載の方法。
【請求項10】0.5~1.5重量パーセントの酸化鉄および0.1重量パーセントま
での酸化ナトリウムを用いることを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項11】完全にあるいは一部、酸化鉄を酸化亜鉛に、酸化アルミニウ
ムを酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種に、酸化ナトリウムを酸
化カルシウム、酸化カリウム、および酸化マグネシウムの少なくとも1種に置換す
ることを特徴とする、請求項8記載の方法。
 3 本件決定の理由の要旨
   本件決定は、本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請求の範囲記
載のものとした上、本件発明1~5は、いずれも本件特許出願前に刊行された、セ
ラミックデータブック編集委員会編「セラミックデータブック1982」(昭和5
7年3月工業製品技術協会発行)266~271頁、山下景久編「セラミックデー
タブック'76」(昭和51年11月工業製品技術協会発行)250~251頁、特公
昭45-10070号公報(以下「刊行物3」という。)、特開昭60-1662
65号公報及び西独国特許出願公開第3,343,577号明細書(1984年公開、以下
「刊行物5」という。)に記載された発明であり、本件発明9~11は、いずれも
刊行物3、5に記載された発明であるから、特許法29条1項により、また、本件
発明16~19は、いずれも刊行物3、5に記載された発明に基づいて当業者が容
易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項により、それぞれ
特許を受けることができないものであって、これら発明に係る本件特許は、拒絶の
査定をしなければならない特許出願に対してされたものであり、特許法等の一部を
改正する法律(平成6年法律第116号)附則14条の規定に基づく、特許法等の
一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205
号)4条2項の規定により取り消されるべきものであるとした。
第3 原告主張の決定取消事由
   本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請求の範囲記
載のとおりと認定した点は、訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記の
とおり訂正されたため、誤りに帰したことになるから、本件決定は、本件発明の要
旨の認定を誤った違法があり、取り消されるべきである。
第4 被告の主張
   訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正され
たことは認める。
第5 当裁判所の判断
   訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正され
たことは当事者間に争いがなく、本件訂正によって、本件明細書の特許請求の範囲
は減縮されたことが明らかである。
   そうすると、本件決定が本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請
求の範囲記載のとおりと認定したことは、結果的に本件発明の要旨の認定を誤った
こととなり、この誤りが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、
本件決定は取消しを免れない。
   よって、原告の請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用は、原告の申
立て等本件訴訟の経過にかんがみ、原告に負担させることとして、主文のとおり判
決する。
     東京高等裁判所第13民事部
            裁判長裁判官   篠  原  勝  美
               裁判官   石  原  直  樹
               裁判官   長  沢  幸  男

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