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平成17年(行ケ)第10128号 特許取消決定取消請求事件
(旧事件番号 東京高裁平成16年(行ケ)第562号)
口頭弁論終結日 平成17年7月19日
          判           決
   
       原      告   住友電気工業株式会社
       訴訟代理人弁護士   杉本進介
       被      告   特許庁長官 小川 洋
       指定代理人   一色貞好
       同          大元修二
       同          小曳満昭
       同          伊藤三男
          主           文
    1 特許庁が異議2002-72612号事件について平成16年11月
12日にした決定を取り消す。
    2 訴訟費用は各自の負担とする。
          事実及び理由
1 原告は,主文第1項と同旨の判決を求め,請求原因として別紙のとおり述べ
た。
2 被告は,請求棄却の判決を求め,請求原因事実は争わないと述べた。
  上記争いのない事実によれば,原告の本訴請求は理由があるからこれを認容
し,訴訟費用については,本訴の経緯にかんがみ,これを各自に負担させるのを相
当と認め,主文のとおり判決する。
     知的財産高等裁判所第2部
         裁判長裁判官 中野哲弘
    裁判官 岡本 岳
    裁判官 上田卓哉

(別紙)
請求原因
1 原告は,発明の名称を「ハウジングとケーブルの接続構造及び接続方法」とす
る特許第3277761号発明(平成7年7月31日出願,平成14年2月15日
設定登録。以下「本件特許」という。)に係る特許権者であり,その設定登録時の
特許請求の範囲は,別紙1のとおりである。
2 その後,本件特許につき特許異議の申立てがされ,異議2002-72612
号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成16年3月23日,本件特許
の特許請求の範囲等の訂正(以下「第1次訂正」という。)を請求した。第1次訂
正に係る特許請求の範囲は別紙2のとおりである。特許庁は,同事件につき審理し
た上,平成16年11月12日,「訂正を認める。特許第3277761号の請求
項1ないし5に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)を
し,その決定謄本は同年12月6日原告に送達された。
3 原告は,平成16年12月27日,本件決定の取消しを求める本訴を提起し,
その係属中の平成17年3月17日,特許庁に対し,本件特許の特許請求の範囲等
につき更に訂正審判の請求をした(以下「第2次訂正」という。)。第2次訂正に
係る特許請求の範囲は別紙3のとおりであるが,特許庁は,同請求を訂正2005
-39049号事件として審理した上,同年5月30日,訂正を認める旨の審決
(以下「本件訂正審決」という。)をし,その審決謄本は同年6月9日原告に送達
された。
4 第2次訂正によって特許請求の範囲が減縮されたことは明らかであり,本件訂
正審決の確定により,本件決定が前提とする発明の要旨の認定は誤りに帰したこと
になるので,本件決定の取消しを求める。

(別紙1)
特許請求の範囲(設定登録時のもの)
【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密
封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテ
レフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,難燃化し
た熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の架橋体であり,この
シース材がハウジングの溶融成形によりハウジングと接着しているハウジングとケ
ーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,ポリブロモジフェニルエーテルを除く難燃
剤によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項3】前記難燃剤は,エチレンビス臭素化フタルイミド,ビス(臭素化フェ
ニル)エタン,ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミドからなる群より選ばれる
1種もしくは複数種の混合物である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接続
構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポ
リオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジング
とケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,難燃化し
た熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の架橋体であって,ポ
リブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によってハウジングを形成するととも
に,その溶融成形時にハウジングと前記シース材を接着させてハウジングとケーブ
ルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続方法。

(別紙2)
特許請求の範囲(第1次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。)
【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密
封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテ
レフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,難燃化し
た熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によっ
て架橋した架橋体であり,このシース材がハウジングの溶融成形によりハウジング
と接着しているハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,ポリブロモジフェニルエーテルを除く難燃
剤によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項3】前記難燃剤は,エチレンビス臭素化フタルイミド,ビス(臭素化フェ
ニル)エタン,ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミドからなる群より選ばれる
1種もしくは複数種の混合物である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接続
構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポ
リオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジング
とケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,難燃化し
た熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によっ
て架橋した架橋体であって,ポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によって
ハウジングを形成するとともに,その溶融成形時にハウジングと前記シース材を接
着させてハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続方
法。

(別紙3)
特許請求の範囲(第2次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。なお,2重下線部
分は,第1次訂正時との相違部分である。)
【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密
封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテ
レフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,

燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線
によって架橋した架橋体であり,このシース材がハウジングの溶融成形によりハウ
ジングと接着しているハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,
によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続
構造。
【請求項3】前記難燃剤は,
難燃剤である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接
続構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポ
リオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジング
とケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハ
ウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,

燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線
によって架橋した架橋体であって,ポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形に
よってハウジングを形成するとともに,その溶融成形時にハウジングと前記シース
材を接着させてハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの
接続方法。

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