弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人三輪寿壮、同加藤真の上告趣意第一点は憲法違反をいうも、所論は原審に
おいて主張せず、原判決の判断を経ていない事項を主張するものであつて適法な上
告理由に当らないのみならず、本件犯行時に適用のあつた旧酒税法六〇条一項は「
免許ヲ受ケズシテ酒類、酒母又ハ醪ヲ製造シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ五十万円
以下ノ罰金ニ処ス」と定め、同法三条は「酒類ヲ分チテ、清酒、合成清酒、濁酒、
白酒、味淋、焼酎、麦酒、果実酒及雑酒トス」と定めている。従つて免許を受けな
いで合成清酒や焼酎を製造すれば六〇条一項の罰則が適用されるのである。そして
同法一四条は「酒類ヲ製造セントスル者ハ製造スベキ酒類ノ各種類ニ付製造場一個
所毎ニ政府ノ免許ヲ受クベシ」と規定しているから酒類を製造しようとする者は製
造すべき酒類の各種類につき政府の免許を受けなければならないのであるから、犯
罪としての無免許酒類製造行為は原則として製造にかかる酒の種類毎に成立すると
解すべきである。本件において第一審判決の確定した事実によると、被告人は政府
の免許を受けないで第一、昭和二六年二月五日頃新潟県新発田市字a町の被告人が
以前住居した居宅において米、米糀及水を原料としで仕込み醗酵させた醪を蒸溜し
て酒精分二〇度以上を含有する焼酎約六斗を製造し、第二、昭和二六年二月一二日
頃前記場所において前記製造に係る焼酎の内三斗四升にグリセリン琥珀酸木香油等
を添加して酒精分約一五度以上を含有する合成清酒約三斗四升を製造したものであ
るというのであつて、第二の合成清酒の原料となつた焼酎が第一の焼酎の一部であ
ることは明らかであるが、被告人はそのいずれについても免許を受けていないので
あり、被告人が合成清酒を製造する意思でその前提として先ず焼酎を造つたという
事実は第一審判決の認定していないところであり、第一審判決が証拠に採用してい
る被告人の検事に対する第二回供述調書によると「私が酒を造ろうと思つたのは、
焼酎を作るつもりであつて、焼酎が出来てから、気がかわつてその一部を合成清酒
に造つたのであります」とあつて最初から合成清酒を作るつもりで焼酎を製造した
ものでないことが認められるのである。従つて本件のような場合には焼酎製造行為
の外に合成清酒製造行為が存するのであつて二罪が成立するとみるのが相当である
(昭和二七年(あ)第三九二六号昭和二九年二月二七日第二小法廷決定参照)。 
然らば本件焼酎無免許製造行為と合成清酒無免許製造行為との間には事実の同一性
がなく各別個の行為が起訴処断の対象となつているのであるから、所論憲法違反の
主張はその前提を欠き採用できない。同第二点は単なる量刑不当の主張であつて刑
訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきも
のとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和二九年四月三〇日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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