弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人平岡清国の上告理由第一点について。
 原審は、本件建物は、上告人等七名よりなるD株式会社設立発起人組合の唯一の
財産であること、工場建設および会社設立に関する費用の支出等につき発起人間に
種々紛争が起つたため、右発起人組合は解散することとし、その清算をE、Fの両
弁護士に一任することにしたこと、整理の未解決中に債権者等から本件建物に対し
差押等の手続が取られることが予想されたので、これが対策として本件建物を大口
出資者である上告人名義に保存登記をなし、組合の財産の保全をはかつたことを認
定し、従つて本件建物について経由された右保存登記は仮装のものであつて、該登
記があるからといつて本件建物が上告人の所有に属するものとは認められない旨を
判示している。そして右原審の認定、判断は挙示の証拠により是認することができ
る。所論は、ひつきよう原審の裁量に属する証拠の取捨、事実の認定を非難し、原
判示に副わない事実関係を前提として原判決の法令違反を主張するに帰し、採るを
得ない。
 同第二点について。
 原審は、所論甲第六号証およびその他の証拠資料を綜合して判示の発起人組合が
第三者に対し金銭債務を負担しており、右組合解散の場合には整理の未解決中に債
権者等から本件建物に対し差押等の手続が取られることも予想されたので、組合財
産を保全するために、本件建物を大口出資者である上告人名義に登記した旨を認定
しており、右認定は挙示の証拠によりこれを是認できる。そして、本件の場合、右
債権者たる第三者の氏名、その債権の発生原因、数額等は、必ずしもこれを判決に
おいて確定せねばならないものではない。よつて、所論の違法は認められない。
 同第三点について。
 原審は、甲第四号証のほか、原判決挙示の各証拠を対比して、所論のような認定
をした上、その他原審が措信しないと判示した資料を除いて、上告人の主張を首肯
するに足る確証はない旨を判示しているのである。それ故、原判示は、所論甲第七
号証による立証趣旨、証拠力を結局否定したものであることは明瞭である。されば
所論の違法は認められない。
 原審は、本件建物につき上告人が単独所有権を取得したものではなく、右建物は、
判示の発起人組合の所有に属する旨を判示すると共に、右組合は解散され、清算人
が選任せられ、そしてその清算は未だ終了した何らの証拠もない旨を認定している
のである。このような場合においては、本件家屋に対する所有権に基く妨害排除請
求権の行使は、清算人の権限に属し、本来の所有者はこれをなし得ないものと解す
るを相当とする。されば所論は原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を
主張するものとは認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

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