弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人臼杵敦の上告趣意について、
 所論は憲法一四条一項違反をいうけれども、原判決は右被告人が朝鮮人であるか
ら日本人である他の共同被告人よりも重く処罰したと認むべき資料は存しないので
あるから、所論違憲の主張はその前提を欠き、所論の実質は量刑不当の主張であつ
て、適法な上告理由に当らない
 同被告人の弁護人村上信金の上告趣意第一点について、
 所論は単なる法令違反、量刑不当の主張を出でないものであるから適法な上告理
由に当らない、
 同第二点について
 所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 被告人B本人の上告趣意について、
 所論は判例違反をいうけれども原判決が具体的に如何なる判例に違反するかを明
示しておらず、所論は名を判例違反に藉りてその実質は事実誤認を主張するもので
あつて、適法な上告理由に当らない。
 同被告人の弁護人梯薫の上告趣意(追加分を含む)第一点について、
 所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 同第二点について
 所論は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。なお本件記
録及び当裁判所が職権により調査した結果によれば、原審は右被告人Bに対し、控
訴趣意書提出最終日を昭和二九年一二月二〇日に指定する旨の通知書と共に弁護人
選任の照会書を同年一一月二〇日発送し、翌日同被告人においてこれを受領したこ
と、右弁護人選任の照会書には七日以内に回答すべく期限が定められていたこと、
同被告人は所定の期限内に何等回答をすることなく、又弁護人を私選することもな
く、自ら控訴趣意書を作成して前記控訴趣意書提出最終日までに提出したこと、原
審は第一回公判期日を昭和三〇年九月一四日午前一〇時と指定し、その召喚状を同
年八月四日被告人に送達したこと、原審裁判長は右第一回公判期日より六日前であ
る同年九月八日弁護人坂本好男を国選弁護人に選任したものであること明らかであ
る。そして本件は窃盗被告事件であるから、必要的弁護事件であるこというまでも
ない。されば原審裁判長は、刑訴規則二五〇条により控訴審にも準用されるものと
解すべき同一七八条一項前段、三項の規定に従い、前記の如く弁護人選任の照会に
対して所定の期限内に右被告人から回答がなく、又弁護人の選任もなかつた以上、
直ちに同被告人のため弁護人を選任しなければならなかつたものといわなければな
らない。しかるに原審裁判長は、ことここに出でず、前記の如く控訴趣意書提出最
終日を経過すること八ケ月余にして始めて国選弁護人を選任したのであるから、そ
の措置は右条項に違反したものであること所論のとおりである。しかしながら本件
は事案簡単にして、右被告人は第一審公判において自白しており、右国選弁護人は
原審第一回公判期日に出頭し、異議なく被告人提出の控訴趣意書に基いて弁論し、
そのまま結審となつていること記録に徴し明白であるから、右法令の違反があつて
も、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。
 同第三点について、
 所論は原判決には判例違反か、さもなければ法令違反の違法がある旨主張する。
しかし被告人Bには、昭和二九年五月二七日神戸地方裁判所において窃盗罪により
懲役一〇月、三年間執行猶予に処せられた前科があり、その判決確定の日は同年六
月一一日であること記録上明らかである。そして同被告人の本件犯行の日は同年六
月四日(原判決の是認した第一審判決は犯行の日を六月二四日と判示しているけれ
ども、それは六月四日の誤記であることは、同判決の法令の適用において、右前科
との関係上、刑法四五条後段、五〇条を適用していることからみても、又挙示の各
証拠からみても明白である。)であるから、右執行猶予の判決が言渡された後、そ
の確定前に当るのである。このように本件犯行が執行猶予の判決言渡直後敢行され
たものであること、本件犯行自体、右被告人外三名共謀して港内の船からその積荷
である輸出用綿布梱包二個(時価約二三万六千円相当)を窃取した事案であること、
並びに同被告人には前記の前科の他に、昭和二三年一〇月一八日大阪簡易裁判所に
おいて窃盗罪により懲役一〇月、三年間執行猶予に処せられた前科もあること記録
上明らかであることなどの諸事情に照し、原判決が本件につき刑の執行を猶予すべ
き情状があるとは認めなかつたのは相当であるというべく、従つて所論引用の各判
例は本件に適切でない、結局所論の実質は単なる法令違反の主張を出でないもので
あつて、適法な上告理由に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書(被告人Bにつき)に
より主文のとおり決定する。
 この決定は被告人Bの弁護人梯薫の上告趣意第二点に対する裁判官小谷勝重の補
足意見を除き裁判官全員一致の意見である。
 裁判官小谷勝重の補足意見は、昭和二五年(あ)第二一五三号、同二八年四月一
日大法廷判決における同裁判官の補足意見(集七巻四号七一九頁以下)をここに引
用する。
  昭和三三年五月九日
     最高裁判所第二小法廷
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
 裁判長裁判官小谷勝重は出張につき記名押印することができない。
            裁判官    藤   田   八   郎

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