弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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○ 主文
一 原判決を次のとおり変更する。
被控訴人が昭和五七年一一月一〇日付でした
1 控訴人の昭和五四年分の所得税の更正及び過少申告加算税の賦課決定のうち総
所得金額一五一六万八九六〇円を超える部分
2 控訴人の昭和五五年分の所得税の更正及び過少申告加算税の賦課決定のうち総
所得金額一六七九万九五九二円を超える部分
3 控訴人の昭和五六年分の所得税の更正及び過少中告加算税の賦課決定のうち総
所得金額一三五八万〇四一四円を超える部分
をいずれも取り消す。
4 控訴人のその余の請求を棄却する。
二 訴訟費用は第一、二審ともこれを二分し、その一を控訴人の負担とし、その余
を被控訴人の負担とする。
○ 事実及び理由
一 控訴の趣旨
1 原判決中、請求棄却部分を取り消す。
2 被控訴人が昭和五七年一一月一〇日付でした
(一) 控訴人の昭和五四年分の所得税の更正のうち税額一二一万四一〇〇円を超
える部分及び過少申告加算税の賦課決定のうち税額三万六九三五円を超える部分
(二) 控訴人の昭和五五年分の所得税の更正のうち税額五〇万二一〇〇円を超え
る部分及び過少申告加算税の賦課決定のうち税額二三〇〇円を超える部分(更正・
賦課決定のいずれも審査裁決による一部取消し後の部分)
(三) 控訴人の昭和五六年分の所得税の更正のうち税額六一万三八三〇円を超え
る部分及び過少申告加算税の賦課決定のうち税額六一〇一円を超える部分(更正・
賦課決定のいずれも審査裁決による一部取消し後の部分)
をいずれも取り消す。(昭和五五年分、五六年分の更正・賦課決定については、い
ずれも当審において請求を減縮)
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 事案の概要
1 課税処分の経過(争いのない事実)
原判決二枚目裏二行目から同一二行目までのとおりであるから、これを引用する。
2 事業所得金額の推計課税の必要性(争点1)
(一) 被控訴人の主張
控訴人は、食料品の小売業者で、白色申告者であるが、本件係争各年分の所得税確
定申告書の所得金額欄に所得金額のみを記載して被控訴人に提出した。
被控訴人の担当職員は、昭和五七年八月三日から数回にわたり、控訴人の本件係争
各年分の所得金額について、控訴人店舗に臨み、帳簿書類の提示を求める等をして
調査をしようとしたが、控訴人は、民主商工会事務局員の立会を強要する等して右
調査に協力しようとしなかった。
そのため、被控訴人は、控訴人の本件係争各年分の事業所得金額を推計課税の方法
により算出した。
(二) 控訴人の主張
被控訴人は、本件係争各年分の所得金額の調査に際し、控訴人が求めた第三者の立
会を拒否し、自ら調査を放棄したものであって、控訴人が調査に協力しなかったた
めに調査をすることができなかったものではないから、本件推計課税は必要性を欠
くものである。
3 事業所得金額の推計課税の合理性と実額反証(争点2)
(一) 被控訴人の主張
(1) 推計課税の方法
被控訴人は、控訴人の取引先等を反面調査することにより判明した控訴人の本件係
争各年分の仕入先と仕入金額を基礎にして、控訴人と業種、業態、事業規模の類似
する青色申告の同業者(食料品小売業者)の平均売上原価率及び算出所得率を適用
して、原判決添付別表2記載のとおり、控訴人の本件係争各年分の事業所得金額を
推計し、総所得金額を算出したものであり、その内訳は次のとおりである。
(2) 売上原価
同別表2記載の売上原価は、控訴人の本件係争各年分の仕入金額の合計額であり、
その明細は原判決添付別表3記載のとおりである。
(3) 売上金額
同別表2記載の売上金額は、前記売上原価を、原判決添付別表4の1ないし3記載
の同業者の原価率(売上原価の売上金額に対する割合)の平均値で除して算出した
ものである。
(4) 算出所得金額
同別表2記載の算出所得金額は、前記売上金額に同別表4の1ないし3記載の同業
者の算出所得率(売上金額から売上原価及び一般経費を控除した金額の売上金額に
対する割合)の平均値を乗じて算出したものである。
(5) 雇人費
同別表2記載の昭和五五年分、五六年分の雇人費は、控訴人から被控訴人に提出さ
れた給与所得等支払状況内訳表に記載された金額であり、五四年分の雇人費は、右
五五年分、五六年分の各雇人費率(雇人費の売上金額に対する割合)の平均値を、
五四年分の売上金額に乗じて算出したものである。
(6) 建物減価償却費
原判決三枚目表末行から同五枚目表一行目までのとおりであるから、これを引用す
る。
(7) 事業専従者控除額
原判決五枚目表三行目から同四行目までのとおりであるから、これを引用する。
(二) 控訴人の主張
(1) 原判決添付別表5の1を本判決添付別表5の1に改め、別表5の2を添付
する。
(2) 控訴人は、本件係争各年分の売上金額を合理的に推計し、経費を把握可能
な実額で算出して別表5の1、2記載のとおり、本件係争各年分の事業所得金額を
導いたものであって、被控訴人の用いた推計課税よりも合理性の高いものというこ
とができる。
被控訴人は、本件更正に先立ち、控訴人の取引先の一部を反面調査しただけで本件
各処分をしたものであって、控訴人からの異議申立てにより明らかとなった取引先
について初めて全面的に反面調査を行ったものであり、本件各処分は、被控訴人が
単なる憶測に基づいて控訴人の事業所得金額を推計したに過ぎないものである。
控訴人のような零細事業者は、帳簿の記帳能力や資料の保存が不十分であるから、
この不十分な資料を前提に事業所得の実額を明らかにすれば、被控訴人のした推計
課税の合理性を覆し得るものというべきである。
(3) 売上原価
売上原価のうち、原判決添付別表3記載の昭和五四、五五、五六年分の番号7は同
番号33に、同番号13は同番号34に、昭和五四年分の番号31のうち二一一万
六九五八円は同番号34にそれぞれ含まれている。その余の売上原価は、同別表3
記載のとおりである。従って、売上原価は、本判決添付別表5の1の売上原価欄記
載の金額となる。
(4) 売上金額
控訴人は、本件係争各年分の売上関係書類を残していなかったことから、控訴人の
仕入先の証明した差益率に基づいて本判決添付別表5の1の売上金額欄記載のとお
り算出したものであり、控訴人の売上金額のすべてである。
被控訴人は、控訴人の取り扱っている商品の殆どが京都中央卸売市場と大津卸売市
場から仕入れたものであるから、控訴人の仕入先を容易に把握できるのに控訴人の
明らかにした以外の仕入先を把握していないのである。
(5) 雇人費
被控訴人の認めた雇人費は、控訴人の本店とストア店のみのものである。
控訴人は、駅前店においても、従業員、パートタイマーを雇用し、同人らに給与を
支払っていたものであり、同人らの希望により支払給与について源泉徴収をしてい
なかったとしても、同人らに対する支払給与を雇人費として認めるべきである。
(6) その他の経費
同別表5の2記載のとおりである。
4 不動産所得金額
原判決五枚目表六行目のとおりであるから、これを引用する。
三 当裁判所の判断
1 事業所得金額の推計課税の必要性(争点1)
本件事業所得の算定について、推計課税の必要性があるものと認めるが、その理由
は、原判決五枚目裏五行目から同七枚目表一二行目までのとおりであるから、これ
を引用する。
2 事業所得金額の推計課税の合理性と実額反証(争点2)
(一) 推計課税の方法
被控訴人は、控訴人の取引先等を反面調査することにより判明した本件係争各年分
の控訴人の仕入先と仕入金額を基礎にして売上原価を把握し、次いで、控訴人と業
種、業態、事業規模が類似すると判断した青色申告の同業者(食料品小売業者)の
平均売上原価率を適用して売上金額を算出し、右売上金額に同様の方法で導いた平
均算出所得率を適用して算出所得金額を算出した上、雇人費を控訴人の提出した昭
和五五年、五六年分の給与所得等支給状況内訳表に基づいて実額で(但し、昭和五
四年分については右五五年分と五六年分の各雇人費率の平均値からの推計で)把握
し、控訴人の主張した建物減価償却費、事業専従者控除額をそのまま認めて、原判
決添付別表2記載のとおり本件係争各年分の事業所得金額を算出したものである。
(原審証人A、弁論の全趣旨)
(二) 売上原価率及び算出所得率の算定
(1) 売上原価率及び算出所得率の算定と右算定の基礎とされた同業者の選定方
法については、次のとおり付加、削除するほか、原判決七枚目裏二行目から同八枚
目表八行目までのとおりであるから、これを引用する。
原判決七枚目裏三行目の「同業者(食料品小売業者)の」の次に「本件係争各年分
に該当する年分の所得税青色申告決算書に基づいて算出された」を付加する。
同八枚目表七行目の「ものであって、その選定には恣意の介入する余地はない」を
削除する。
(2) 右認定事実によると、選定された同業者は、二〇ないし二三件であり、そ
の業種、業態及び事業規模等において控訴人と類似性を有し、しかも所得税申告額
について数値の正確性が担保される青色申告者のみであり、又、恣意の介在する余
地なく選定されており、同業者の選定基準、選定件数、選定過程等においていずれ
も合理性があるものと認められるのであって、
これらの同業者の当該年分の所得税青色申告書に基づく売上原価率及び算出所得率
の算出方法には合理性があるものということができる。
同業者の選定に関する控訴人の反論はいずれも理由がないと判断するが、その理由
は、原判決八枚目裏六行目から同一〇枚目表二行目までのとおりであるから、これ
を引用する。
(三) 売上原価の算定
原判決一〇枚目表九行目から同一二枚目表八行目までのとおりであるから、これを
引用する。(但し、原判決一〇枚目裏一行目から二行目にかけての「争いのない事
実7」の「7」を削除する。)
(四) 売上金額の算定
原判決一二枚目表一〇行目から同一三枚目表八行目までのとおりであるから、これ
を引用する。
(五) 算出所得金額
原判決一三枚目表一〇行目から同裏九行目までのとおりであるから、これを引用す
る。
(六) 雇人費の算定
(1) 被控訴人は、昭和五五年分、五六年分の雇人費については、控訴人から被
控訴人に提出された給与所得等支給状況内訳表(乙八、九)の記載に基づいて、原
判決添付別表2雇人費欄記載の一九九七万六四一六円、一九四五万〇〇七一円と把
握し、昭和五四年分の雇人費については、右五五年分、五六年分の各雇人費率の平
均値を昭和五四年分の売上金額に乗じて同表2雇人欄記載の二〇〇三万二二三〇円
と算出した。これに対し、控訴人は、右給与所得等支給状況内訳表には控訴人の本
店とストア店のみの雇人費の一部しか記載されていないとして、昭和五四、五五、
五六年分の雇人費について、本店、ストア店に関しては控訴人の作成した給料台帳
(甲五九、六〇、六一。枝番省略)、賃金月別集計表(甲六二、六四、六五。枝番
省略)に基づいて、昭和五四年分を一八四三万四九四三円、五五年分を二〇〇一万
二四二六円、五六年分を一九四三万六四一〇円、駅前店に関しては給与明細書(甲
二、三、四、二五ないし三三。枝番省略)に基づいて、昭和五四年分を一二八二万
三七九九円、五五年分を一〇九九万三一〇〇円、五六年分を一二一〇万一一六五円
(以上内訳は本判決添付別表6の1ないし3記載のとおり。)であるとして、本判
決添付別表5の1雇人費欄記載のとおり昭和五四年分を三一二五万八七四二円、五
五年分を三一〇〇万五五二六円、五六年分を三一四七万五〇四七円(計算違い)で
あると主張して争っている。(弁論の全趣旨)
(2) ところで、先にみたとおり、被控訴人は、控訴人の取引先を反面調査する
ことにより判明した仕入先と仕入金額を基礎にして、同業者の平均売上原価率及び
算出所得率を適用して、本件係争各年分の算出所得金額を推計の方法で算出した
が、雇人費については、控訴人の提出した給与所得等支給状況内訳表の記載に基づ
いて、実額で(但し、昭和五四年分については五五年分と五六年分の各雇人費率の
平均値から推計で)把握したものということができる。このような場合には、控訴
人の主張する雇人費の実額について、客観的な帳簿書類等の関係書類による裏付け
があると認められるときは、同業者の経費率に比べ明らかに過大であると認められ
るような特段の事情のない限り、右の実額による金額をもって、控訴人の本件係争
各年分の雇人費の額と認めるのが相当である。
これを本件についてみると、控訴人は、昭和五四、五五、五六年当時、本店、スト
ア店、駅前店のいずれにおいてもタイムカード(甲六三、六六ないし八六、九二。
枝番省略)により、従業員の勤務時間を管理しており、本店、ストア店の昭和五五
年分、五六年分のタイムカードの大部分を保管していた。そして、控訴人は、本
店、ストア店においてはタイムカードに基づいて給料台帳(甲五九、六〇、六一。
枝番省略)、賃金月別集計表(甲六二、六四、六五。枝番省略)を作成して保管し
ていたほか、昭和五五、五六年分については給与所得等支給状況内訳表(乙八、
九)も作成した。控訴人は、駅前店においてはタイムカードに基づいて給料台帳の
代わりに給与明細書(甲二、三、四、二五ないし三三。枝番省略)を作成してその
大部分を保管していたが、本店、ストア店よりも忙しい駅前店の給与が高額となり
配偶者控除を受けられなくなるおそれがあるという従業員からの希望を容れて、店
長のBとその妻のC以外の従業員については源泉徴収をしなかったため給与所得等
支給状況内訳表を作成しなかった(甲九〇、九一、原審証人D、同E、同F、同
C、原審における控訴人本人)。もっとも、保管されていた本店、ストア店の右タ
イムカードの記載には、二月三〇日等本来存在しない日に押印されていたり、手書
きで残業時間が記載されている等の不自然な個所もみられるが、右記載から直ちに
全体としてその信用性が否定されるとまでは言い難いというほかはない。又、駅前
店の右給与明細書の記載には、一か月に三五日出勤したことになっていたり、時間
給が引き上げられたり引き下げられたり、集計すると従業員の給与の方が店長を上
回る結果となったり、夏期、冬期の手当の支給月数が高額に過ぎたり、後日書き直
したと窺われる個所もみられたりするが、右記載のうち不自然な個所については個
別に検討を要するとしても、右記載から直ちに全体としてその信用性が否定される
までには至らないというべきである。そうだとすれば、右のような控訴人の給料台
帳、賃金月別集計表、給与明細書の作成保管状況からすると、これらの関係書類は
全体として信用することができるのであって、これらの関係書類による裏付けのあ
る雇人費については、その記載に疑問を残す個所を除き、控訴人の主張する各年分
の雇人費として支出されたものと推認することができるものと考えられる。
(3) まず、控訴人の前記給料台帳、賃金月別集計表、給与明細書の各記載の集
計上の誤りを訂正して雇人費を集計し直すと、別表6の1ないし3記載のとおり、
本店、ストア店(但し、駅前店の店長Bとその妻のCを含む。以下同じ。)は、昭
和五四年分が一八三四万五八五五円、五五年分が二〇〇一万二四一六円、五六年分
が一九四三万六四一〇円、駅前店(但し、右B、Cを除く。以下同じ。)は、昭和
五四年分が一二八二万三七九九円、五五年分が一〇九七万七八九八円、五六年分が
一二一〇万一一六五円、合計は、昭和五四年分が三一一六万九六五四円、昭和五五
年分が三〇九九万〇三一四円、昭和五六年分が三一五三万七五七五円となる。
(4) 次に、控訴人の給料台帳、賃金月別集計表、給与明細書の各記載のうち控
訴人主張の雇人費と関係する限度で問題点を検討する。
昭和五四年分の本店勤務のGの給料台帳(甲五九の八の二)には、同人の冬期賞与
として一万八六八五円が支給された旨記載されているが、右給料台帳の記載からG
が同年八月以降勤務していないことが認められるから、その他特段の事情の認めら
れない本件のもとにおいては右冬期賞与が支給されたものと認めることは困難であ
る。
昭和五五年分の駅前店勤務Hの一一月分給与明細書(甲三の一〇の二)には、同人
の同月分給与合計額として七万三四三一円と記載されているが、同人の日給額を合
計して導かれる額は四万三二四〇円であるから、その他特段の事情の認められない
本件ではその差額三万〇一九一円は同月分の給与として支給されたものと認めるこ
とは困難である。
昭和五五年分の駅前店勤務Iの四月分、一一月分の給与明細書(甲三の一七の六・
七)には、同人の給与合計額として四月分が三万九九四五円、一一月分が四万三一
一〇円とそれぞれ記載されているが、同人の日給額を合計して導かれる額は四月分
が三万一二四〇円、一一月分が二万八〇六〇円であるから、その他特段の事情の認
められない本件のもとにおいては、四月分と一一月分の差額合計二万三七五五円は
給与として支給されたものと認めることは困難である。
以上のほか、昭和五四年分の駅前店勤務Jの二月分給与明細書(甲二の六の二・
三)には、同人の同月分給与として二六日分が二個所に記載されているが、金額も
少なく分けて記載されただけと窺える余地もあり、右記載から直ちに重複があるも
のと推認することはできない。
昭和五四年分の駅前店勤務K(旧姓○○)の給与明細書(甲二の五の一、二の一四
の六)には、一一月に三五日出勤したように記載されているが、同人が七月から一
二月まで勤務していたことが窺われるから(甲二の一四の三ないし六、二の五の
一・二)、いずれかが一〇月分と推認することができ、右記載から一一月分の給与
支払を疑問視することは困難である。
昭和五五年分の駅前店勤務Lの給与明細書(甲三の一四の一・二)には、五三を五
五と訂正して五五年七月分給与が記載されており、しかも、同人が八、九月と勤務
しないで一〇月、一一月と勤務していること(甲三の一四の一ないし五)から疑問
も残るが、右記載だけから直ちに同人の七月分給与としての支給を否定することは
困難である。
昭和五四年分の駅前店勤務Dの夏期手当の記載された給与明細書(甲三二の一)に
は、同手当が有給休暇を含めて算出されているように記載されているが、原審にお
ける控訴人本人の供述から駅前店における有給休暇の存在自体が必ずしも明らかで
ないことから、右記載から一般的には有給休暇を含めないで算出されるという同手
当が水増しされたものと認めることは困難である。
その他、昭和五五年分の駅前店勤務Mの夏期・冬期手当の記載された給与明細書
(甲三〇の三・四)、同年分の駅前店勤務Dの夏期・冬期手当の記載された給与明
細書(甲三二の三・四)には、いずれも手当の支給月数が二か月から三か月に訂正
され、Mの右給与明細書の夏期手当の合計金額欄には二か月分の金額が訂正されな
いまま残されていること(甲九〇、原審証人Dの証言から、手当として三か月分の
受給を否定しているとまでは認められない。)、同年分の駅前店勤務Nの夏期手
当、同Oの夏期・冬期手当の記載された同年分雇人費メモ(甲五八)には、いずれ
もその算出根拠の記載を欠き不明確であること、同年分の駅前店勤務Pの冬期手当
の記載された給与明細書(甲三三の三)には、同手当として平均給与の三か月分と
記載されているが、同人が同年中に三か月しか勤務していないことが窺われる(甲
三三の一ないし五)にも拘らず三か月分もの手当が支給されたことになること、昭
和五六年分の駅前店勤務Oの夏期・冬期手当の記載された給与明細書(甲二八の
一・二)には、その算出根拠を欠き不明確であること、昭和五四年分の駅前店勤務
Dの夏期手当の記載された給与明細書(甲三二の一)、昭和五六年分の駅前店勤務
Nの夏期手当の記載された給与明細書(甲二九の二)、同年分の駅前店勤務Pの夏
期手当の記載された給与明細書(甲三三の四)には、いずれも同手当の計算の基礎
となるべき給与の記載された給与明細書の一部を欠いていること(原審証人Cは、
右欠落している給与明細書について紛失しただけであると証言している。)、昭和
五四年分の駅前店勤務Mの冬期手当の記載された給与明細書(甲三〇の二)、同年
分の駅前店勤務Eの冬期手当の記載された給与明細書(甲三一の二)には、いずれ
も同手当の計算の基礎となるべき給与の記載された給与明細書の記載金額との間に
わずかながら齟齬がみられること、昭和五六年分の本店勤務Q、同R、同Sの給与
については、いずれも給料台帳が欠落していることが認められるが、右各記載金額
には右にみたような不明確さが残るということだけから直ちに同人らに対し雇人費
として支給されたことを否定するまでには至らないというべきである。
本店、ストア店勤務Tの昭和五五年五月分、七月分、一〇月分、一二月分、五六年
三月分、五月分、一〇月分、一二月分、同Uの五五年五月分、七月分、一〇月分、
一二月分、五六年三月分、五月分、七月分、一〇月分、一二月分、同V、同W、同
X、同Y、同Rの各五五年一一月分のタイムカード(甲六七の二の一・二、同三の
一・二、六九の二の一・二、同三の一・二、七二の二の一・二、同三の一・二、七
四の二の一・二、同三の一・二、七七の二の一・二、同三の一・二、七九の二の
一・二、同三の一・二、八一の三の一・二、八四の二の一・二、同三の一・二、八
六の二の一・二、同三の一・二、七三の七の一・二、同八の一・二、同九の一・
二、同一〇の一・二、同一二の一・二)には、本来存在しない日に出勤したように
記載されている個所がみられるが、右カードに基づいて作成された給料台帳に記載
されている労働日数はいずれも存在する当該月の日数を超えていないことが認めら
れるから(甲六〇の二・三・七・八・九・一〇の各一・二、六〇の一二、六一の
二・三の各一・二)、右タイムカードの記載から直ちに給料台帳の労働日数に基づ
いて算出された給与を否定することは困難というほかはない。
本店、ストア店勤務の従業員のタイムカード(甲六三、六六ないし八六。枝番省
略)には、残業時間が手書きで書き込まれている個所があるが、原審における控訴
人本人の供述から本店、ストア店の勤務がすべて勤務時間内に終了していたものと
まで認めることはできないのであって、残業時間の記載部分が直ちに給与の水増し
と推認することは困難である。
駅前店勤務Mの昭和五四年分の給与明細書(甲二の八の五・三・六)、同Oの五五
年分の給与明細書(甲三の七の六・七・八)、同Nの五五年分の給与明細書(甲三
の一一の六・七・八)には、時間給単価が上下して記載されており、また、同Oの
昭和五五年一二月分の給与明細書(甲三の七の九)、同Eの五五年一二月分の給与
明細書(甲三の一二の一二)、同Pの五五年一二月分の給与明細書(甲三の二二の
三)には、いずれも月の中途で時間給単価が上下して記載されているが、右のよう
な取扱が異例である(原審における控訴人本人)というだけで、右記載部分が直ち
に不自然であるとして否定することは困難である。
昭和五四、五五、五六年分の駅前店勤務E、同D及び同Mの給与、昭和五四、五六
年分の同Pの給与が駅前店長Bの給与を上回っていること、昭和五四、五五、五六
年分の駅前店勤務の従業員の夏期・冬期手当三か月分が本店、ストア店勤務の従業
員の夏期・冬期手当一か月分に比較して高額に過ぎることが認められるが、その他
特段の事情の認められない本件のもとにおいては、いずれも右事実だけで駅前店長
を上回る給与、三か月分手当が不合理であるとして否定することは困難である。
(5) 昭和五五、五六年分の給与所得等支給状況内訳表(乙八、九)について、
被控訴人は、駅前店においても従業員から源泉徴収、雇用保険料の徴収がなされて
いたとみることができるから、本店、ストア店のみでなく駅前店の雇人費も含まれ
ているとみるべきであると主張するが、先にみたとおり、駅前店の昭和五四、五
五、五六年分の雇人費について作成、保管されている前記給与明細書が全体として
信用できるものである以上、被控訴人の右主張は理由がないというほかはない。な
お、昭和五五年分の給与所得等支給状況内訳表には、Rの同年一〇月分給与七万二
〇〇〇円の計上漏れのあることは明らかである(甲六〇の一二)。
(6) 以上により雇人費を計算すると、本店、ストア店は、昭和五四年分が一八
三四万五八五五円から一万八六八五円を差し引いた一八三二万七一七〇円、五五年
分が二〇〇一万二四一六円、五六年分が一九四三万六四一〇円、駅前店は、昭和五
四年分が一二八二万三七九九円、五五年分が一〇九七万七八九八円から五万三九四
六円を差し引いた一〇九二万三九五二円、五六年分が一二一〇万一一六五円とな
り、合計すると、昭和五四年分が三一一五万〇九六九円、五五年分が三〇九三万六
三六八円、五六年分が三一五三万七五七五円となるところ、右雇人費が同業者の雇
人費率に比べ明らかに過大であると認められるような特段の事情の認められない本
件のもとにおいては、右金額をもって控訴人の本件係争各年分の雇人費の額と認め
るのが相当である。
(七) 建物減価償却費
原判決一五枚目裏一二行目から同末行までのとおりであるから、これを引用する。
(八) 事業専従者控除額
原判決一六枚目表二行目のとおりであるから、これを引用する。
(九) 事業所得金額の算定
以上により事業所得金額を計算すると、昭和五四年分は、算出所得金額四六五八万
九八四四円から雇人費三一一五万〇九六九円、建物減価償却費二〇万〇三一五円、
事業専従者控除額八〇万円を控除すると一四四三万八五六〇円、五五年分は同様に
計算すると一六〇六万九一九二円、五六年分は一二八五万〇〇一四円となる。
3 不動産所得金額の算定
控訴人の本件係争各年分の不動産所得金額は、原判決添付別表2の(11)記載の
とおりである。(争いがない。)
4 総所得金額の算定
以上により控訴人の本件各係争年分の総所得額を計算すると、昭和五四年分は一五
一六万八九六〇円、昭和五五年分は一六七九万九五九二円、昭和五六年分は一三五
八万〇四一四円となる。
四 結論
以上の理由により、本件各処分の取り消しを求める控訴人の請求(昭和五五年分、
五六年分の更正・賦課決定の取消請求については、いずれも当審において、審査裁
決により一部取消し後の部分に減縮されているほか、昭和五五年分については、取
り消すべき税額の最下限を引き上げることにより減縮されている。)は、本件各処
分のうち前記認定にかかる本件係争各年分の総所得金額を超える部分に相当する部
分の取り消しを求める限度で理由があるから、その限度でこれを認容すべきであ
り、その余は理由がないから棄却すべきであり、右と結論の一部を異にする原判決
を右のとおり変更することとして、主文のとおり判決する。
(裁判官 山本矩夫 福永政彦 山下郁夫)
別表5の2、6の1ないし3(省略)
(原裁判等の表示)
○ 主文
一 本件訴えのうち、被告が原告に対して昭和五七年一一月一〇日付でした
1 原告の昭和五五年分所得税の更正処分中、税額八八一万二六〇〇円を超える部
分及び四一万七五〇〇円を超える過少申告加算税賦課決定処分、
2 原告の昭和五六年分所得税の更正処分中、税額七六三万六三〇〇円を超える部
分及び三五万七〇〇〇円を超える過少申告加算税賦課決定処分、
の取消を求める請求部分をいずれも却下する。
二 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
三 訴訟費用は原告の負担とする。
○ 事実及び理由
第一 請求
被告が原告に対し、昭和五七年一一月一〇日付でした
一 原告の昭和五四年分所得税の更正処分中、税額一二一万四一〇〇円を超える部
分及び三万六九三五円を超える過少申告加算税賦課決定処分、
二 原告の昭和五五年分所得税の更正処分中、税額四七万九〇一〇円を超える部分
及び一二一〇円を超える過少申告加算税賦課決定処分、
三 原告の昭和五六年分所得税の更正処分中、税額六一万三八三〇円を超える部分
及び六一〇一円を超える過少申告加算税賦課決定処分、をいずれも取消す。
第二 事案の概要
一 争いのない事実
1 原告は、食料品小売業を営む者であるが、被告に対し昭和五四年分ないし五六
年分(以下、本件係争各年分という。)の所得税について、別表1の確定申告欄記
載のとおり、確定申告をした。
2 被告は、昭和五七年一一月一〇日付で原告に対し、別表1の更正処分欄記載の
とおりの更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分(以下、本件各処分という。)
をした。
3 原告は被告に対し、本件各処分について、昭和五八年一月一〇日異議申立をし
たところ、被告は同年四月五日付でこれを棄却したため、原告は同年五月六日国税
不服審判所長に対し、審査請求をしたが、同所長は昭和六〇年二月一五日付で別表
1の裁決欄記載のとおりの裁決(昭和五四年分は棄却、その余の各年分は一部取
消)をした。
4 原告が食料品小売業を営む、いわゆる白色申告者であること、原告が被告に対
して提出した本件係争各年分の所得税の確定申告書には所得金額欄に所得金額が記
載されているのみであった。
5 被告の部下職員は、昭和五七年八月三日以降数回にわたり原告の事業所に臨場
し、原告に所得税調査に来た旨を告げた。
6 被告は、原告の取引先等を反面調査したうえ本件各処分をした。
7 売上原価(原告の本件係争各年分の仕入金額)は、別表3記載のとおりである
{但し、同表番号7、13、31(但し、昭和五四年分のみである。)の各分を除
く。}。
8 原告の本件係争各年分の雇人費のうち、昭和五五年、昭和五六年分は、原告が
草津税務署長に提出した「給与所得等支払状況内訳表」に記載された金額である。
9 建物減価償却費
原告使用の店舗、倉庫は、左記(一)ないし(三)のとおりであり、本件係争各年
分の建物減価償却費は、各記載の計算式により推計した金額で、各年分とも(一)
ないし(三)記載の金額の合計額である。
(一) 原告所有の店舗(草津市<地名略>)  一七万六三六九円
(1) 右建物の一階及び二階の面積は、各四四九・七五平方メートルで、その合
計面積は八九九・五〇平方メートルとなり、草津市の固定資産税評価額は一〇四五
万一四四七円(取得価額)である。
(2) 原告は、その二階の約半分を居住用として使用していると認められるの
で、事業専有割合は概ね七五パーセントである。
(3) 右建物は、金属造りで骨格材の肉厚が四ミリメートルを超えるため、その
耐用年数は四〇年(償却率〇・〇二五)である(「減価償却資産の耐用年数に関す
る省令」の別表第一による。以下同じ。)。
(計算式)
(取得価額)  (事業専有割合) (減価償却対象額)
10.451.447円×75%=7.838.586円
(減価償却対象額、円)(残存価額、円)(償却率)(建物減価償却費)
(7.838.586-783.858)×0.025=176.369円
(二) Z名義の店舗(草津市<地名略>) 一万〇五七八円
(1) 右建物の一階及び二階の面積は、八四・三〇平方メートル(一階)及び七
九・三四平方メートル(二階)で、その合計面積は一六三・六四平方メートルとな
り、草津市の固定資産税評価額は五三万八一一八円(取得価額)である。
(2) 原告が店舗用に使用する面積は、一階部分で、事業専有割合は概ね五二パ
ーセントである。
(3) 右建物は、木造瓦葺であるため、その耐用年数は二四年(償却率〇・〇四
二)である。
(計算式)
(事業専有面積) (総面積) (事業専有割合)
84.30m2÷163.64m2=52%
(取得価額) (事業専有割合)(減価償却対象額)
538.118円×52%=279.822円
(原減価償却対象額、円) (残存価額、円) (償却率) (建物減価償却費)
(279.822-27.982) × 0.042=10.578円
(三) Z名義の倉庫(草津市<地名略>) 一万三三六八円
(1) 右建物の面積は、一三六・七九平方メートルで、草津市の固定資産税評価
額は五一万二一七三円(取得価額)である。
(2) 右建物は、金属造りで骨格材の肉厚が四ミリメートルを超えるため、その
耐用年数は三五年(償却率〇・〇二九)である。
(計算式)
(取得価額)    (残存価額)  (償却率)(建物減価償却費)
(512.173円-51.217円)×0.029=13.368円
10 事業専従者控除額             八〇万円
右は、原告が本件係争各年分の所得税の確定申告書にそれぞれ記載した原告の母P
1及び妻P2にかかる事業専従者控除額である。
11 不動産所得
原告の本件係争各年分の不動産所得金額は、別表2の(11)記載のとおりであ
る。
12 被告は、原告への本件係争各年分の所得税の税務調査(以下、
本件税務調査という。)に当り事前通知を行わなかった。
二 争点
争点は、原告の本件係争各年分の所得金額は幾らかということに尽きるが、具体的
争点は次のとおりである。
1 推計課税の必要性
2 推計の合理性
3 推計課税により算出された原告の本件係争各年分の所得金額は、原告の実額の
主張により破られるか否か。
第三 争点に対する判断
一 争点1関係{推計課税の必要性(本件各処分に至る経緯)}
争いのない事実、証人P3、同P4の各証言、原告本人尋問の結果の一部、後掲証
拠及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。
1 原告は、食料品小売業を営む、いわゆる白色申告者であるが、原告が被告に対
して提出した本件係争各年分の所得税の確定申告書には所得金額欄に所得金額が記
載されているのみで、所得金額の計算の基礎となる収入金額及び必要経費の記載を
欠く不十分なものであった(乙五ないし七)。
2 そこで、被告は、本件税務調査のため、部下職員二名(以下、職員らとい
う。)をして、事前通知なしに、昭和五七年八月三日、同月四日(午前一〇時頃と
夕刻の計二回)、同月一八日(午前中と夕刻の計二回であるが、午前中分について
は原告と職員らとの間で約束ずみの訪問であった。)、同年一〇月二〇日及び同月
二七日の計七回にわたり、原告の事業所(ストア店)に臨場させたところ、職員ら
は、昭和五七年八月四日の夕刻、同月一八日(二回)及び同年一〇月二七日の四回
にわたり、原告に対して本件係争各年分の所得金額の計算の基礎となる帳簿書類等
の提示を求め、調査に応じるよう説得したが、原告はいずれのときもこれに応じな
かった。
なお、昭和五七年八月一八日の午前中の調査の際には、原告が本件税務調査と無関
係の民主商工会事務局員一名及び同会会員五名の計六名(以下、第三者という。)
の立会を強要し、かつ、その場でテープレコーダーによる録音を始めたことから、
職員らは原告に第三者の退出と録音の中止を求めたが、原告は「何をいうとんの
や、勝手なことをいうな。」、「このテープレコーダーが爆発するとでもいうん
か。」などと申し立て、職員らの右求めに全く応じず、調査に協力しようとはしな
かった。
そこで、被告は、やむなく推計課税の方法により原告の事業所得金額を算定するこ
とにし、原告の取引先等を反面調査し、その調査結果に基づいて本件係争各年分の
事業所得金額を算定したところ、いずれの年分も原告の申告額を上回ったので(そ
の明細は後記のとおりであるが、被告は不動産所得金額については原告の申告額を
そのまま採用している。)、本件各処分をした。
なお、原告は職員らの右反面調査の際、取引先に対し、「調査に協力したら承知し
ないぞ。」とか「取引を止める。」等威圧的に抗議し、職員らの右反面調査を妨害
した。
以上のとおり認められ、右認定に反する原告の供述は証人P3の証言に照らしてそ
のままには信用できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
右の事実によると、原告は被告の税務調査に非協力的態度を取り続けており、四回
にもわたる税務調査への協力要請にも拘らず遂に原告所得の実額算定に必要な帳簿
書類等の資料を被告に提示しなかったことが認められ、従って、被告において原告
の所得を実額算定することは不能であったのであり、公平な税微収を図る立場にあ
る被告が推計課税の方法を選択したことはやむを得なかったものと評価できるから
推計課税の必要性はあるものというべきである。
ところで、原告は、(一)申告納税制度のもとでは、税務調査には合理的、客観的
な理由が必要であるにもかかわらず、被告は恣意的に民商会員である原告を狙い打
ちの如く調査し、(二)被告の職員らは、本件税務調査の際事前通知をしなかった
から本件各処分は手続的に違法である旨を主張するが、(一)につき、本件全証拠
によるも被告が恣意的に民商会員である原告を狙い打ちの如く調査したことは認め
るに足りず、(二)につき、事前通知は、被告が質問調査を行う上での法律上の不
可欠の要件とはいえず、事前通知をするか否かは被告の合理的裁量に任されている
ものと解すべきであるところ、本件全証拠によるも被告が右裁量権を逸脱、濫用し
たことを裏付ける事情を見出し難いから、原告の右主張は採用できない。
二 争点2関係(推計の合理性)
1 同業者の選定方法
原告は、食料品小売業を営む者である(争いのない事実1)ところ、被告は原告と
事業内容が類似する同業者(食料品小売業者)の平均売上原価率及び算出所得率を
適用して、原告の本件係争各年分の事業所得金額を推計したが、右推計に当たり採
用した同業者は、原告の納税地(住所地)を管轄する草津税務署と、これに隣接す
る大津、近江八幡、水口の各税務署管内の、青色申告により所得税確定申告書を提
出している同業者のうちから、本件係争各年を通じて次の各条件をすべて満たす者
を選定した。
(一) 各種食料品小売業を営んでいること。
(二) 他の業種目を兼業していないこと。
(三) 年間を通じて事業を継続して営んでいること。
(四) 売上原価が四二〇〇万円以上一億八五〇〇万円未満であること。
なお、右売上原価の範囲は、原告が三店舗を所有するのでその売上原価を三で除し
た金額を各店舗の売上原価と推定し、上限は昭和五五年分の約二倍、下限を昭和五
六年分の約半分とした。
(五) 所得税について不服申立又は訴訟係属中でないこと。
ところで、右選定の同業者数は、別表4の1ないし3記載のとおり、昭和五四年分
は二〇名、昭和五五年分は二二名、昭和五六年分は二三名であり、また、同業者の
選定は大阪国税局長の前記各税務署長に対する通達に基づき機械的に行われたもの
であって、その選定には恣意の介入する余地はない(乙一ないし四の各一、二、証
人A、弁論の全趣旨)。
2 売上原価率及び算出所得率の算定
1 の事実によると、被告は、前記数の同業者について、その当該年の所得税青色
申告決算書に基づいて、その平均売上原価率及び算出所得率を算定したものである
から、その数値は正確であるというべきである。
3 原告との類似性等
lの事実によると、前記条件により選定された同業者は、業種、業態及び事業規模
等において原告と類似性を有し、しかも、数値の正確性が担保される青色申告者の
みを選定しているから、その選定方法には合理性があるというべきである。
4 原告の反対趣旨の主張の検討
(一) 被告は、同業者名を明らかにしないので、被告選定の同業者が原告と類似
性を有するか否か不明であるし、被告が自己の主張に合致するように利益の多い同
業者のみを選定した可能性も捨て切れないとの主張関係。
(1) 同業者の住所、氏名を明らかにすることは、当該同業者の売上金額及び所
得金額等を公表することにつながり、被告が守秘義務を根拠に同業者名を明らかに
しなかったことには、理由がある。
(2) 前認定のとおり、本件では同業者の選定は機械的に行われ、その選定には
恣意の介入する余地はないと認められるから、原告の右主張は採用できない。
(二) 原告は、本店、ストア及び駅前店の三店舗を有するが、被告は推計の際右
三店舗の実態を考慮していない。すなわち、被告の主張では三店舗が独立採算によ
ってもすべて利益を上げていることを前提としているが、右三店舗の実態はこれと
異なり、ストアは赤字続きの店であり他の二店でその赤字を埋めている状態であ
る。こうした実態を無視し、曖昧な同業者率を適用するのは誤りである。仮に、原
告と類似性のある同業者を選定するなら、三店舗のうちの一つが赤字の同業者を選
定すべきであり、被告の同業者選定方法を維持するのなら、更に赤字の業者の分を
も含めた同業者率を適用するのでなければ、合理的とはいえないとの主張関係。
(1) 推計課税をするために同業者の売上原価率及び算出所得率の算定をする場
合、各同業者の売上原価率及び算出所得率に差があるのはむしろ当然のことであっ
て、その平均値を求めるのが推計課税の目的であり、同業者間に通常存する程度の
売上原価率及び算出所得率の差異は無視しうるものであって、納税者の個別的売上
原価率及び算出所得率の如何はそれが当該平均率による推計を不合理ならしめる程
度に顕著なものでない限り、これを斟酌しないでよいものと解すべきである。被告
は、前記のとおりの基準で同業者を選定しており、推計の基礎的要件に欠けるとこ
ろはない以上、売上原価率及び算出所得率の個別的特性は同業者率の中に包摂さ
れ、平均化しているものである。そして、本件全証拠によっても前記特段の事情の
立証はないものというべきである。
(2) また、原告主張のように三店舗のうちの一つが赤字の同業者を選定すると
すれば、同業者が抽出されなくなる可能性が大きく、推計が不可能になるばかり
か、推計に普遍性がなくなる。
(3) 更に、本件同業者は、通達に基づき機械的に抽出された結果であり、その
中に赤字の同業者がいないからといって、本件同業者を基礎とした推計が不合理と
はいえない。
(4) 以上の理由で、原告の右主張は採用できない。
三 争点3関係(原告の総所得金額及び本件各処分の適法性と原告の実額の主張)
1 原告の総所得金額及び本件各処分の適法性等
(一) 事業所得
原告の事業所得の明細は、以下の理由により別表2記載のとおり推認できる。
(1) 売上原価
売上原価は、原告の本件係争各年分の仕入金額の合計額であり、その明細は、別表
3記載のとおりである。
なお、原告の事業においては、本件係争各年分の棚卸高は不明であるが、係争各年
を通じて原告の事業内容、規模に著しい変動があったとは認められないので、被告
は本件係争各年分の期首、期末の各棚卸高は同額と認定し、係争各年分とも当該年
分の仕入金額を売上原価とした{争いのない事実7、乙一八の1、2(同表番号7
分)、二四の1、2(同表番号13分)、三二の1(同表番号31の昭和五四年
分)、弁論の全趣旨。右認定に反する甲五六(同表番号31の昭和五四年分関係)
は乙三二の1及び弁論の全趣旨に照らしてそのままには信用できない。}。
ところで、原告は、「(一)同表番号7につき、原告が同番号の仕入先から仕入れ
た商品は缶詰であるが、そこは青果を扱っている店であることなどから、原告は野
菜諸口(同表番号33)へ含めており、したがって右番号7分は二重計上である。
(二)同表番号13につき、原告と同番号の仕入先との取引は少額であり、しかも
昭和五五年度までしか取引がないことから、原告は塩干・鮮魚・惣菜(同表番号3
4)へ含めており、したがって右番号13分は二重計上である。(三)同表番号3
1の昭和五四年分につき、被告は一月ないし三月分を推計しているが、右期間分に
ついては原告は塩干・鮮魚・惣菜(同表番号34)へ含めており、したがって右期
間分の二一一万六九五八円は二重計上である。(四)以上によると、昭和五四年分
売上原価は別表3の合計額二億七四四八万七一五八円から右番号7の四万二五〇〇
円、右番号13の一八七万六五六四円、右番号31の二一一万六九五八円を各控除
した二億七〇四五万一一三六円(別表5の1の(2)の金額)となり、昭和五五年
分売上原価は別表3の合計額二億七七〇八万四〇二四円から右番号7の七万四八〇
〇円、右番号13の二一万六二二〇円を各控除した二億七六七九万三〇〇四円(別
表5の1の(2)の金額)となる。」旨を主張するが、被告主張の売上原価(仕入
金額)のうち、同表番号33(野菜諸口)及び番号34(塩干・鮮魚・惣菜)の各
年分の仕入金額は原告が審査請求の際主張した金額をそのまま採用したものであり
(弁論の全趣旨)、被告が右各仕入金額の算定根拠を明らかにすることはできない
と思われるところ、同表番号7、13の各分については、その商品はいずれも瓶缶
詰類であると認められる(乙三三、三四)からこれを野菜諸口、塩干等と独立させ
て認定したのであり、原告主張の如く瓶缶詰類を野菜諸口、塩干等に含めるとする
ならおよそどんな種類の商品でもそれらに含ましめることができ、ひいては原告主
張の売上金額の算定根拠(仕入金額を基に商品の種類ごとの差益率から売上金額を
算出する方法)自体の不合理さを示すことにもなろう。また、右番号31の昭和五
四年分につき、被告が一月ないし三月分を推計していることは事実である(弁論の
全趣旨)が、その間分についての原告の主張(塩干等に含めており二重計上にな
る。)も右同様の理由で失当であるばかりか、原告の昭和五四年四月分ないし一二
月分の友和水産からの仕入金額は、六三五万〇八七六円であり(乙三二の1)、月
額平均約七〇万円であることに照らすと、仮に原告の右主張のとおりだとすると、
塩干等の右期間の日額仕入金額は昭和五四年四月分以降の日額仕入金額に比して友
和水産からの仕入金額部分を考慮すると相当多額になるはずであるから、原告が塩
干等の昭和五四年一月分ないし一二月分を一律に日額九万円として計算し、塩干等
の中に友和水産からの仕入金額が含まれているという原告の主張は不合理である。
なお、原告は、「友和水産からは練り製品を仕入れているから、一月、二月は仕入
が少なくなる。」旨供述するが、乙三二の2によると、昭和五五年分の友和水産か
ら仕入金額につき、必ずしも一月、二月分が他の月に比して仕入金額が少ないとは
いえないことが認められ、原告の右供述は信用できない。
以上の次第で、原告の右主張は採用できない。
(2) 売上金額
原告の本件係争各年分の売上金額は、いずれも右(1)の各売上原価を別表4の1
ないし3「同業者の原価率及び算出所得率表」各(3)記載の同業者の原価率(売
上原価の売上金額に対する割合)の平均値、昭和五四年七八・二四パーセント、昭
和五五年七七・一七パーセント、昭和五六年七七・二〇パーセントで、それぞれ除
して、次の計算式のとおり算出した金額と推認できる。
(計算式)
昭和54年分 274.487.158円÷0.7824=350.827.14
4円
昭和55年分 277.084.024円÷0.7717=359.056.65
9円
昭和56年分 256.699.358円÷0.7720=332.512.12
1円
ところで、原告は、「本件各処分を予想していなかったため、売上関係書類(レジ
ペーパー)等は現存していないが、原告の仕入先の証明による差益率調べ(甲二四
の1ないし5)に基づく売上算定根基によれば、売上金額は別表5の1の(1)の
とおりとなる。」旨主張するが、原告主張の差益率は、右甲号各証で立証した一部
商品以外は根拠のない率であり、また右立証した商品は仕入先から販売価格の指定
のある商品であることが認められ(甲二四の1ないし5、弁論の全趣旨)、結局、
本件全証拠によってもいわゆる指値のない商品の差益率についての立証はないとこ
ろ、原告は売上金額について帳簿等から実額により主張せず、一部商品の仕入価格
と販売価格との差益率を立証するだけで、右差益率を適用して全商品の売上金額を
算出しており、このような算出方法は裏付けを欠く失当なものであるといわざるを
得ず、原告の右主張は採用できない。
(3) 算出所得金額
原告の本件係争各年分の算出所得金額は、いずれも右(2)の各売上金額に別表4
の1ないし3の各(5)記載の同業者の算出所得率(売上金額から売上原価及び一
般経費を控除した金額を売上金額で除した割合)の平均値、昭和五四年一三・二八
パーセント、昭和五五年一三・三七パーセント、昭和五六年一三・六五パーセント
を乗じて、次の計算式のとおり算出でき、その各金額が、原告の本件係争各年の所
得金額と推認できる。
(計算式)
昭和54年分 350.827.144円×0.1328=46.589.844

昭和55年分 359.056.659円×0.1337=48.005.875

昭和56年分 332.512.121円×0.1365=45.387.904

(4) 特別経費
ア 雇人費
原告の本件係争各年分の雇人費のうち、別表2の(6)昭和五五年、昭和五六年分
は、原告が草津税務署長に提出した「給与所得等支払状況内訳表」に記載された金
額であり(争いのない事実)、右(6)昭和五四年分については、次の計算式によ
り、原告の昭和五五年、昭和五六年分の各雇人費率(雇人費金額を売上金額で除し
た割合)を算定し、その平均値を、昭和五四年分の売上金額に乗じて、算出した金
額と推認するのが相当である。
(計算式)
昭和55年分の雇人費率 19.976.416円÷359.056.659円=
0.557
昭和56年分の雇人費率 19.450.071円÷332.512.121円=
0.0585
平均雇人費率  (0.0557+0.585)÷2=0.0571
昭和54年分の雇人費  350.827.144円×0.0571=20.03
2.230円
ところで、原告は、「被告が別表2の(6)で認める雇人費(乙八、九相当分)
は、主に原告の本店、ストア店分のみであるが、原告は他に駅前店を有しており、
同店の従業員、パートタイマーにも給与を支払っているのであり、同店の従業員ら
の要望により源泉徴収をしなかったため、駅前店の大部分の従業員らの雇人費は、
乙八、九に含まれないことになったから、これを含めると原告の雇人費は別表5の
1の(4)(1)の金額となる。」旨主張する。
しかしながら、事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要
経費を控除して計算されるのである(所得税法二七条二項)から、まず原告はその
主張する売上金額が原告の全ての売上金額(総収入金額)であること、その主張す
る売上原価が原告の全ての売上原価であること及びその主張する一般経費が売上金
額と対応するものであることを客観的資料に基づき合理的疑いをいれない程度に立
証すべきであり、その上で特別経費である雇人費が客観的資料に基づき合理的疑い
をいれない程度に立証されなければならないというべきである。換言すれば、売上
金額等(特別経費である雇人費を除く。)を推計による金額のままにして特別経費
である雇人費のみの実額を主張立証しても、真実の事業所得が出てこない恐れが強
く、真実の事業所得を把握するためには右売上金額等の実額の主張立証をも要求せ
ざるを得ないのである。
したがって、原告主張の雇人費が、本店、ストア店及び駅前店の三店舗分の合計額
であるというなら、まず原告主張の売上金額が原告が営業する三店舗の全ての売上
金額であることを客観的資料に基づき合理的疑いをいれない程度に立証すべきとこ
ろ、原告は独自の推計により売上原価(仕入金額)から売上金額を推計している
が、原告が推計の基礎とする売上原価(仕入金額)には計上漏れがあることが窺わ
れ(原告本人、弁論の全趣旨)、原告の売上原価(仕入金額)の全てではないこと
が推認されるばかりか、原告の売上金額に係る独自の推計に合理性がないことは前
認定のとおりであり、結局、本件全証拠によるも原告主張の売上金額が原告が営業
する三店舗全ての売上金額であることの立証はないというべきであるから、原告の
雇人費に係る右実額主張は前提において既に理由がなく採用できない。
しかも、雇人費についての原告の主張に沿う証人E、同D、同F、同C及び原告の
各供述部分並びに甲号各証は、被告第九準備書面第三の三の2(三五頁以下)に指
摘するような様々の疑問があり、右各証拠によって原告主張の金額を直ちに認める
に足らず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。
イ 建物減価償却費
右は、本件係争各年分とも二〇万〇三一五円である(争いのない事実9)。
(5) 事業専従者控除額
右は、本件係争各年分とも八〇万円である(争いのない事実10)。
(6) 結論
そうすると、原告の事業所得は、右(3)(算出所得金額)から、右(4)(特別
経費)及び(5)(事業専従者控除額)を差引いた金額(右は別表2の(10)記
載のとおり)となる。
(二) 不動産所得
原告の本件係争各年分の不動産所得金額は、別表2の(11)記載のとおりである
(争いのない事実11)。
(三) 総所得金額
以上によると、原告の本件係争各年分の総所得金額は、事業所得と不動産所得の合
計金額であり、別表2の(12)記載のとおりとなる。
(四) 本件各処分の適法性
そうすると、右(三)の原告の総所得金額の範囲内で、別表2のとおり所定の計算
{なお、同表(13)の所得控除の金額は、原告が本件係争各年分の所得税の確定
申告書に記載した金額である(乙五ないし七)。}をして出された本件各処分(但
し、昭和五五年、昭和五六年分は裁決で一部取消された後の金額である。)はいず
れも適法というべきであるから、原告の本訴請求はいずれも理由がなく、棄却を免
れない(但し、後記本訴一部却下部分を除く。)。
2 本訴一部却下の理由
本件訴えのうち、被告が原告に対して昭和五七年一一月一〇日付でした(一)原告
の昭和五五年分所得税の更正処分中、税額八八一万二六〇〇円を超える部分及び四
一万七五〇〇円を超える過少申告加算税賦課決定処分、(二)原告の昭和五六年分
所得税の更正処分中、税額七六三万六三〇〇円を超える部分及び三五万七〇〇〇円
を超える過少申告加算税賦課決定処分の取消を求める請求部分については、前認定
のとおり既に国税不服審判所長の裁決により取り消されているのであるから、重ね
て本訴において取消を求める利益がないから、右各請求部分はいずれも却下を免れ
ない。
四 結論
以上の次第で、原告の本件訴えのうち、一部を却下し、原告のその余の請求をいず
れも棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法
八九条を適用して、主文のとおり判決する。
別表3、4の1ないし3(省略)

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