弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人長野国助、同稲本錠之助、同原玉重、同関根俊太郎、同田中登、同石原輝
の上告趣意第一点は、判例違反を主張するが、所論引用の昭和三五年(あ)第一一
七三号同三六年三月一七日第二小法廷判決(集一五巻三号五二七頁)は、本件と事
案を異にして適切でないから、右判例違反の論旨はその前提を欠き、また、原判決
は、所論引用の昭和三六年(あ)第一六七五号同年一一月一〇日第二小法廷判決(
集一五巻一〇号一七〇六頁)となんら相反する判断をしているものと認められない
から、右判例違反の論旨は理由がない。
 同第二点は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあた
らない(本件で被告人らが頒布した(A個人演説会場」と題して同候補者の個人演
説会の日程、演説会会場の場所等を記載した文書、「A選挙事務所の御案内」と題
して同候補者の選挙事務所の住所、電話番号、案内図を記載した文書および「A政
見放送のお知らせ」と題して、同候補者の政見放送の放送局名、放送日時等を記載
した文書が、いずれも、公職選挙法一四二条にいう選挙運動のために使用する文書
にあたるとした原判断は相当である。)。
 同第三点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告
理由にあたらない。
 よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和四四年七月一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    飯   村   義   美
            裁判官    関   根   小   郷

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