弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 被告人の上告趣意について。
 論旨の内、第一審裁判官が被告人を誘導したとの点は、記録上かかる根跡の認め
られないのみならず、控訴趣意書において主張せず、原審の判断を経ていない事項
であるから、上告の適法な理由とならない。その余の論旨はすべて、明らかに刑訴
四〇五条の上告の理由にあたらない。
 弁護人野中幸榮の上告趣意第一、二点について。
 所論第一審判決は不当に長く拘禁された後の自白を証拠とした違法があるとの論
旨は、これ亦、控訴審において主張せられたものと認められないから上告適法の理
由とすることはできない。(記録を精査しても、所論被告人の供述がいわゆる「不
当に長く拘禁された後の自白」にあたるものとは認められない)その余の論旨は、
刑訴四〇五条の上告の理由にあたらないこと明らかである。
 尚本件について、同法四一一条を適用すべき事由も認められない。
 よつて、同法四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二六年六月一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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