弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負担とする。
         理    由
 上告代理人阿部義次の上告理由は別紙記載のとおりであつて、これに対し当裁判
所は次のように判断する。
 上告理由第一点について。
 論旨は、原判決は経験則に背いて事実を認定し、且つ自作農創設特別措置法第一
五条第二項の解釈を誤つたものであると主張して、本件建物はその位置環境、構造
等すべて農業用家屋として適当であり、訴外Dがこの建物に居住し十年以上も農業
を続けておるから、それが非社会性を認められぬ限り農業経営の家屋として適当で
あるというのである。しかし原判決が証拠に基き本件家屋は農業用家屋として適当
と認め難いと認定したのは相当であつて、経験則違反でなく且つ自作農創設特別措
置法第一五条第二項の解釈を誤つたものとも認められないから論旨は理由がない。
 同第二点について。
 論旨は、自作農創設特別措置法第一五条第一項の場合、同項一号においては被買
収物と当該農地との間に「利用上必要である」という従属性又は附随性を要するが、
その二号においてはそのような特殊性を必要としておらぬ只単に開放農地の売渡を
受けた者は賃借建物の買収を請求し得るだけの規定である。即ち一号と二号との間
には確然と区別がある。然るに原判決はこの解釈を誤り二号の場合なお且つ従属性
を必要とする旨判示されたことは賛同しないという。なるほど論旨のいう通り同条
第一項二号には一号のように「利用上必要な」との明文はない。しかし同条の買収
が農地売渡に附帯して行われるものであること同条一項本文により明かである以上、
明文がないからとて利用上必要でないものまで買収することは同条の趣旨とすると
ころではない。それ故論旨は採用することを得ない。(昭和二四年(オ)第三二二
号同二六年一二月二八日当裁判所第二小法廷判決、集五巻一三号八四九頁、昭和二
五年(オ)第一九八号同二七年八月二三日当裁判所第三小法廷判決、集六巻八号七
二三頁参照)
 また論旨は、原判決が訴外Dが僅かに三畝一〇何歩の売渡を受けたに過ぎないこ
とを理由に本件附帯買収を相当でないと判示したのに対し、右三畝一〇何歩を耕作
するために本件宅地が必要であるというのであるが、同人が本件建物を必要とする
理由は三畝一〇何歩の耕作のため必要であるというよりは、その生活のため必要で
あるというに過ぎず、かかる借家人の地位は借家法の保護もあり従前から多くの土
地を耕作して居た者が新にわずかばかりの農地の売渡を受けたからとて特にその土
地の耕作に必要である等特別の事情ある場合の外、従前よりの住宅及びその敷地を
買取る権利を生ずるものとすることは出来ない。要するに原判決は法律解釈を誤つ
たものとはいえない。論旨理由がない。
 よつて上告理由なしとし、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致
の意見で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛