弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決中上告人敗訴部分のうち、被上告人B1につき一四五万八〇四四
円、被上告人B2につき一四五万二一〇五円をそれぞれ超えて被上告人らの請求を
認容した部分を破棄する。
     右部分につき本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
     上告人のその余の上告を棄却する。
     前項の部分に関する上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人苑田美穀、同山口定男、同立川康彦の昭和五八年一二月二一日受付上
告理由書記載の上告理由第一、第二及び同月二三日付け上告理由書記載の上告理由
について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及び説示に照らして
是認することができ、その過程に所論の違法はない。原審の確定した事実関係の下
において、被上告人B1、同B2に対する本件解雇は労働組合法七条一号に違反す
る不当労働行為に該当するものとして無効であるとした原審の判断は、正当として
是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつきよう、原審の
専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原審の認定にそわな
い事実若しくは独自の見解に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用するこ
とができない。
 同昭和五八年一二月二一日受付上告理由書記載の上告理由第三について
 使用者の責めに帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間中に他の職に
就いて利益を得たときは、使用者は、右労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当た
り右利益(以下「中間利益」という。)の額を賃金額から控除することができるが、
右賃金額のうち労働基準法一二条一項所定の平均賃金の六割に達するまでの部分に
ついては利益控除の対象とすることが禁止されているものと解するのが相当である
(最高裁昭和三六年(オ)第一九〇号同三七年七月二〇日第二小法廷判決・民集一
六巻八号一六五六頁参照)。したがつて、使用者が労働者に対して有する解雇期間
中の賃金支払債務のうち平均賃金額の六割を超える部分から当該賃金の支給対象期
間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許されるものと
解すべきであり、右利益の額が平均賃金額の四割を超える場合には、更に平均賃金
算定の基礎に算入されない賃金(労働基準法一二条四項所定の賃金)の全額を対象
として利益額を控除することが許されるものと解せられる。そして、右のとおり、
賃金から控除し得る中間利益は、その利益の発生した期間が右賃金の支給の対象と
なる期間と時期的に対応するものであることを要し、ある期間を対象として支給さ
れる賃金からそれとは時期的に異なる期間内に得た利益を控除することは許されな
いものと解すべきである。以上と異なり、中間利益の控除が許されるのは平均賃金
算定の基礎になる賃金のみであり平均賃金算定の基礎に算入されない本件一時金は
利益控除の対象にならないものとした原判決には、法律の解釈適用を誤つた違法が
あるものといわざるを得ず、右違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。論
旨は理由があり、原判決中被上告人らの本件一時金請求を認容した部分(すなわち、
被上告人B1につき一四五万八〇四四円、同B2につき一四五万二一〇五円をそれ
ぞれ超えて被上告人らの請求を認容した部分)は破棄を免れない。そして、右部分
については、原審の認定に係る昭和五一年度冬期、同五二年度夏期、冬期及び同五
三年度夏期の各一時金につき、被上告人らがそれぞれその支給対象期間に対応する
期間内に得た利益の額を控除してなお残額が存在するかどうか更に審理を尽くさせ
る必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。
 よつて、民訴法四〇七条一項、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁
判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    高   島   益   郎
            裁判官    大   内   恒   夫
            裁判官    佐   藤   哲   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛