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裁判例


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主文
原判決を取り消す。
Xの請求を棄却する。
訴訟費用は,第1,2審とも,Xの負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2(1)本案前の申立て
本件訴えを却下する。
(2)本案の申立て
Xの請求を棄却する。
3訴訟費用は,第1,2審とも,Xの負担とする。
第2事案の概要
,(「」1本件は平成17年1月市町村合併によりXとなる前の旧Z町以下Z町
というにおいてYは原判決別紙物件目録記載の各土地以下本件各土。),,(「
地というにつきZ町との間で締結した平成10年9月22日付け公害防」。),
止協定以下本件協定というに基づいて産業廃棄物最終処分場としての(「」。)
使用が認められていたところ,本件協定に基づく使用期限である平成15年1
2月31日が経過したにもかかわらず,今なお本件各土地を産業廃棄物最終処
分場として使用しているとして,Yに対し,上記使用の差止めを求めた事案で
ある。なお,原審係属中になされた市町村合併により,XがZ町を承継した。
原審が上記請求を認容したところ,Yが控訴するとともに,当審において,
上記第1の2(1)の本案前の申立てを追加した。
2前提事実(争いのない事実又は証拠等により容易に認定できる事実)
(1)当事者等
アXは,平成17年1月24日にZ町及びD町が合併して成立した普通地
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方公共団体であって,上記合併により,Z町の権利義務を承継した。
イYは,昭和40年4月にPが立ち上げた個人事業が昭和47年12月に
法人成りした有限会社であって,土木工事請負業,残土処理及び産業廃棄
物の処理等を営むものである。
(以上につき,争いがない,原審におけるP)
(2)現在までにYが得た許可等の経緯及び本件各土地の利用
アYは,昭和63年12月以前から現在まで,F県知事から,廃棄物の処
理及び清掃に関する法律以下廃棄物処理法というに基づく産業廃(「」。)
棄物処理業の許可を得ている。
イYは,昭和63年12月ころ,Z町大字E○○番外合計2万3224平
方メートルに安定型産業廃棄物最終処分場を設け,昭和64年1月初旬,
その旨をF県知事に届け出て(平成3年改正前の廃棄物処理法15条1
項,そのころ使用を開始した(以下「本件処分場」という。)。)
ウその後,Yは,F県知事に対し,本件処分場につき,平成元年7月及び
平成4年7月に順次所在地埋立地の種類埋立面積等を変更す,,「」「」「」
る旨を届け出ていたが,さらに,平成9年改正前の廃棄物処理法15条の
2第1項に基づき設置場所をZ町大字E◎◎番ほか67筆面積を3,「」,「
万1787平方メートルから4万5468平方メートル容量を6」「」,「
9万4960立方メートル」から「88万4266立方メートル」とする
旨の平成7年9月13日付け産業廃棄物処理施設変更許可を申請し,同年
10月13日付けで申請内容どおりの許可(以下「第1回変更許可」とい
う)を得た。。
エさらに,Yは,F県知事に対し,本件処分場につき,設置場所を「Z町
大字E◎◎番ほか76筆本件各土地として埋立面積を4万546」(),「
8平方メートル」から「5万3621平方メートル」と,容量を「88万
4266立方メートル」から「102万9705立方メートル」とする旨
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の平成10年1月9日付け産業廃棄物処理施設変更許可を申請し(平成9
年改正前の廃棄物処理法15条の2第1項。ただし,平成9年同法附則1
条1号5条1項同年3月9日付けで申請内容どおりの許可以下第,),(「
2回変更許可」という)を得て,現在に至っている。。
オYは,現在,本件処分場の一部に産業廃棄物を搬入するなどして,産業
廃棄物最終処分場としてこれを現に利用している。
(以上につき,争いがない,乙1,5∼7,81,83,84,原審におけ
るP,弁論の全趣旨)
(3)F県産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例
(以下「産廃条例」という)の制定とその内容。
F県は,産廃条例(平成2年条例第20号)を定め,これを平成3年1月
までに施行した甲4の1・2その主要な内容ただし平成7年改正前()。(,
のもの)は以下のとおりである。
2条9項この条例において「関係市町村の長」とは,関係地域を管轄す
る市町村の長をいう。
4条市町村は,紛争の予防及び調整に関して県が行う施策に協力すると
ともに,その地域における生活環境の保全を図るため,自らも紛争の予
防及び調整に努めるものとする。
6条1項設置者は,産業廃棄物処理施設の設置をしようとするときは,
(中略)事業計画書を作成し,知事に提出しなければならない。
2項事業計画書は中略法廃棄物処理法第15条第1項の規,()()
定による届出(平成4年条例38号による改正後は「法(同上)第15
条の2第1項の規定による許可の申請)の前に提出しなければならな」
い。
7条1項知事は,前条第1項の規定による事業計画書の提出があったと
,()()きは中略事業計画書に記載した地域を管轄する市町村の長中略
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に,事業計画書の写しを送付するものとする。
2項知事は,前項の規定により事業計画書の写しを送付した市町村
の長の意見を聴いた上,事業計画書に係る関係地域を定めなければなら
ない。
,,,3項知事は前項の規定により関係地域を定めたときは速やかに
その旨を設置者及び関係市町村の長に通知するものとする。
9条1項設置者は中略次条第1項の説明会の開催に関する事項その,()
()他事業計画書の周知のために必要な事項を記載した計画書周知計画書
を知事に提出しなければならない。
2項知事は,周知計画書の提出があったときは,速やかに,その写
しを関係市町村の長に送付するものとする。
10条1項設置者は中略関係地域内において事業計画書の説明会を開,()
催しなければならない(以下略。)
11条1項設置者は,周知計画書に記載した説明会の開催等により事業計
画書について周知を図ったときはその実施状況について中略報告,,()
書を知事に提出しなければならない。
2項知事は,前項の報告書の提出があったときは,当該報告書の写
しを関係市町村の長に送付するものとする。
15条知事は,関係住民又は関係市町村の長が事業計画の実施に関し,設
置者との間において,生活環境の保全のために必要な事項を内容とする
協定を締結しようとするときは,その内容について必要な助言を行うも
のとする。
(4)第1回変更許可に至るまでの経過と平成7年7月26日付け公害防止協定
の内容等
アYは上記(2)イの届出に先立ち昭和63年10月18日M郡Z町大,,,
字E区との間で公害防止協定書(乙4)を取り交わし,上記届出に際して
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同協定書をF県知事に提出した。同協定書においては,本件処分場の使用
期間については「F県知事が許可した期間とする」とだけ定められてい,。
た。
イF県知事は,産廃条例が制定されたことから,その後,Yを含む各産業
廃棄物処分業者に対し,同条例に定める手続を践むよう行政指導を行うよ
うになった。これを受け,かねて,平成元年以降に買収した土地を本件処
分場に組み入れてこれを拡張しようと計画(以下「第4次事業計画」とい
。),。うしていたYは産廃条例の規定に従った手続を履践することとした
ウそこで,Yは,F県知事に対し,平成5年6月付けで,第4次事業計画
に係る事業計画書を提出する一方,Z町長に宛てて,第4次事業計画に沿
った場合の本件処分場の今後の運営につき,同処分場への埋立搬入は平成
10年12月までとし,その後覆土復原仕上げ工事をして本件処分場から
完全撤退する旨などを記載した,平成5年6月3日付け「E処分場の今後
の運営計画について」と題する書面を提出した。
エF県知事は,上記事業計画書を平成5年8月11日付けで受理し,同年
11月16日付けで,Z町長に対し,同事業計画書の写しを送付するとと
もに,Z町E区等を関係地域に指定することにつき意見を求め,平成6年
1月20日付けで,同町長に対し,上記求意見のとおり関係地域を定めた
旨を通知した(産廃条例7条2項。)
引き続き,F県知事は,Yから,関係地域内における説明会の開催に関
する事項が記載された平成6年2月9日付け周知計画書,さらに同計画書
に沿った周知の実施状況等に係る同月25日付け報告書の提出を受け,上
記計画書及び報告書の各写しを,その都度,Z町長に宛てて送付した(同
9条∼11条。)
オそして,平成7年7月26日付けで公害防止協定(以下「旧協定」とい
う)が締結され,同協定書1通がF県に送付された。。
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「(「」。),(「」。)同協定書にはZ町以下甲というとY以下乙という
とは中略Z町大字E○○番地外77筆において乙が行う産業廃棄物処(),
理施設(本件処分場)の設置に伴い,住民の健康保持と生活環境の保全を
図るため公害防止について次の通り協定を締結するとの前文に引き続,。」
き処理施設の概要との標題の下に本件処分場の名称設置場所施,「」,,,
設の種類,施設の規模(面積・5万3768平方メートル,埋立容量・1
),「」,03万9050立方メートルが掲げられた上施設使用期限として
「平成15年12月31日まで。ただし,それ以前に上記埋立て容量に達
。」,「,した場合はその期日までとすると記載されており12条には乙は
頭書記載の処理施設の概要に記載された面積,容量,使用期限を超えて産
。」(「」業廃棄物の処分を行ってはならないとの定め以下施設使用期限条項
という)がある。。
このほか,旧協定上,Xに対するYの義務として規定されているのは,
各種届や報告書等の提出1条2項(2)(3)7条1項10条2項各(,,,),
,(,,),種検査調査及び分析結果の提出ないし報告3条4条1項6条1項
Z町のする本件処分場内への立入りに対する協力(7条2項)であり,他
方,Z町において行うことができる旨定められているのは,本件処分場内
への立入り7条2項Yの費用負担による復元工事等14条3項で(),()
ある。
そして,同協定書の末尾には「甲」として「Z町長S」と署名され,,
ており,その右横に「Z町長」の職印が押捺されている。
カ旧協定の締結を見たF県知事は,平成7年8月10日付けで,Z町長に
対しYと貴職との間で環境保全協定が締結され施設の設置に関して合,「,
意形成に至ったと確認されたことから,当該条例の手続を終了した」旨の
通知を発した。
キその上で,Yは,第1回変更許可申請に及び,同許可を得た。
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(,,,,(),,以上につき争いがない甲11935∼39枝番を含む乙4
80,原審におけるP,弁論の全趣旨)
(5)本件協定の締結及びその内容
アYは,第1回変更許可に引き続き,平成10年3月9日付けで第2回変
更許可を得て,これをもって,本件処分場の規模(面積及び埋立容量)を
第4次事業計画のそれと同程度とすることができた。
イこれを見たZ町民生部環境保全課環境保全係長Qは,Yに対し,第2回
変更許可をもって確定した本件処分場の規模(面積及び埋立容量)が旧協
定に表示されていた本件処分場の規模を下回るものであったことから,同
表示を第2回変更許可の内容に沿うものにすべきこと,公害防止協定の公
開に関する規定を新たに盛り込むべきことなどを指摘・説明して,旧協定
に代わる新しい公害防止協定の締結を示唆した。
ウその結果,平成10年9月22日付けで新たに本件協定が締結され,同
協定書1通がF県に送付された。
本件協定は,①「処理施設の概要」中に表示された施設の規模が第2回
変更許可のとおり改められ,②旧協定においてYが設置することとされて
いた付替道路につきYにおいて平成10年3月に提出した確約書を遵守す
べき旨13条3項協定について住民から開示を求められた場合にはX(),
においてこれに応じることができる旨(16条1項)の各規定が新たに盛
り込まれたほかは,旧協定の定めと同じである。
そして,本件協定の協定書の末尾には「甲」として「Z町長R」の,,
記名があり,その右横に「Z町長」の職印が押捺されている。
エもっとも,本件協定の締結に当たっては,F県知事の関与はなかった。
(以上につき,争いがない,甲2の1,26,弁論の全趣旨)
3争点及び争点をめぐる当事者の主張の要旨
(1)本件協定の当事者(当審における新争点)
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(Yの主張)
本件協定は,産廃条例15条に基づいて締結されたものであるところ,同
条の規定は,その文言からして,同条所定の「協定」については「関係市町
村の長」がその主体となることを前提としている。また,本件協定は,形式
上,YがZ町長宛てに協定書を差し入れる扱いとされており,契約を結ぶ場
合とは異なる。
以上によれば,本件協定の当事者はあくまでもYとZ町長であって(本件
協定の協定書末尾の記名押印も,Z町長名でなされている,Z町(X)は。)
これに当たらない。そうであれば,Xは本件訴えにおける原告適格を有しな
いから,本件訴えは不適法として却下されるべきである。
(Xの主張)
本件協定は,住民の健康保持と生活環境の保全を目的として合意された契
約であって,その主体は,地方公共団体たるZ町である。協定書末尾の記名
押印は,Z町長がZ町の代表者としてしたものである。
産廃条例15条は,関係住民等と設置者が協定を締結しようとする場合に
県知事が必要な助言を行う旨定めるものに過ぎず,公害防止協定の締結の根
拠を定めたものとはいえないし,同条において協定の締結者として定められ
ている関係市町村の長は長である個人ではなく法人たる普通地方「」「」,「
公共団体の長」を指すものと解される。
(2)本件訴えの法律上の争訟性(同上)
(Yの主張)
ア本件協定のような公害防止協定は,地域全体の環境というもっぱら公的
な利益を保護する旨の行政目的のために締結されるものであるから,私人
間の純然たる契約とは異なり,行政契約の性質を有するものである。
したがって,本件訴えは,地域の公害の防止,住民の健康保護及び地域
全体の生活環境の保全という一般公益の保護を目的として行政上の義務の
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履行を求める訴えにほかならない。
イところで,最高裁第三小法廷平成14年7月9日判決・民集56巻6号
1134頁以下平成14年最判というは国又は地方公共団体が(「」。),
提起した訴えは,法規の適用の適正ないし一般公益の保護ではなく,自己
の主観的な権利利益に基づき保護救済を求めている場合に限って法律上の
争訟性を肯定することができるとするものであるが,同最判の趣旨は,国
又は地方公共団体において,公害防止協定等の行政契約を端緒とする場合
を含め,行政権の主体として提起する訴訟全般にも妥当するものというべ
きである。
ウそうすると,本件訴えは,法律上の争訟に当たらないものであって,不
適法である。
(Xの主張)
平成14年最判の事案は,地方公共団体が条例に基づく行政上の義務の履
行を求めて提起した訴えの適法性が争われた事案である。
しかるに,本件協定は二当事者間の民事上の契約であるから,同協定に基
づく義務は上記「行政上の義務」には当たらない。すなわち,本件は,本件
協定の一方当事者であるZ町が他方当事者であるYに対し,本件協定に基づ
く義務の履行を求めるものであるから,平成14年最判は本件には妥当しな
い。
(3)本件協定ないし施設使用期限条項の法的拘束力
(Xの主張)
ア旧協定は,本件処分場の使用期限をめぐってYとZ町とが交渉した末,
「平成15年12月31日まで」とする合意を見たものである。そして,
本件協定は,Z町において,旧協定に代わる協定締結の必要性を説明し,
Yから具体的な協定書案の提示を求められるなどの経緯を経て締結された
ものである。
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イ一方,Pは,旧協定の締結当時,同協定はYにおいて守るべき約束であ
る旨既に認識していたし,その後もZ町との協議の席上やF県に提出した
平成13年9月18日付け確約書甲15において平成15年には()「()
撤退する」とか「平成15年12月31日の時点で必ず撤去する」旨を述
べていたのであるから,Pにおいて,Yには本件協定を遵守すべき法的義
務があることを認識していたことは明らかである。
ウ以上によれば,本件協定は,YとZ町間の契約として法的拘束力を有す
るものというべく,Yは,Z町に対し,同協定に基づき,平成15年12
月31日経過後は本件処分場を使用してはならない義務を負っている。
(Yの主張)
ア本件処分場は,平成5年12月の時点で埋立可能な容量の限界に達して
おり,それゆえに,Yにとっては,第4次事業計画について所定の許可を
得る必要に迫られていた。その一方で,Yは,F県から,Z町との間での
公害防止協定の締結を強く指導されており,上記許可を得るためには,公
害防止協定の締結が不可欠の前提となっていた。Yは,もともと本件処分
場に使用期限を設けることには反対であったが,上記のとおり窮地に立た
されていた最中,当時のS町長から,平成15年12月31日を本件処分
場の使用期限とするように強硬に求められ,やむなくこれを受け入れて旧
協定を結んだものである。
したがって,旧協定は,Yの自由な意思に基づくものではないし,同協
定中の施設使用期限条項は,Yの営業権や事業活動等を著しく不合理に制
限するものであって,公序良俗に反する。
イまた,S町長は,旧協定の締結へ向けた交渉や同締結後の町議会におい
て,公害防止協定を指して紳士協定であるとか,施設使用期限条項は法的
根拠のないものである旨発言していたのであるから,その旨の認識を持っ
ていたはずである。
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ウ仮に,旧協定や本件協定に法的拘束力が認められれば,廃棄物処理法に
おいて業者に対して何らの監督権限も認められていない市町村(長)に法
令上の根拠なく産業廃棄物行政を行うことを許し,強行法規である同法に
違反するとともにその潜脱を認めることとなる。
エ以上によれば,旧協定及びこれを受けて具体的な交渉を経ないまま事務
的に調印されたものに過ぎない本件協定,なかんずく同協定中の施設使用
期限条項には,法的拘束力はない。
(4)差止めの必要性
(Xの主張)
Yは,本件処分場について,産業廃棄物最終処分場としての埋立処分の終
了及びその廃止へ向けた廃棄物処理法所定の手続を何ら履行していない。そ
うである以上,本件各土地の全部について,産業廃棄物最終処分場としての
使用を差し止める必要性がある。
(Yの主張)
Yは,原判決別紙物件目録記載5,7,19,21,25,34ないし3
7,39,44,46ないし52,54,57,59,61,68の各土地
の全部又は一部については,既に産業廃棄物最終処分場としての使用を終了
し,覆土・整地仕上げをして,地主に返還するなどしており,現時点では産
業廃棄物の処分場としては使用していない。したがって,上記各土地につい
ては,もはや差止めの必要性を欠いている。
(5)権利濫用の成否
(Yの主張)
ア(ア)Yは,本件処分場において,F市生活圏の産業廃棄物の処理を行っ
てきたのであり,その存在意義は極めて大きい。また,Yは,本件処分
場において違法・不適切な処理をしていないし,実際,本件処分場の使
用を原因とする住民の健康や生活環境に対する実害は生じていない。こ
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れまで,周辺住民から,本件処分場の使用差止めの要求や苦情に接した
こともない。
(イ)しかるに,Yによる本件処分場の使用が差し止められれば,Yは,
本件処分場たる敷地の取得,関連施設の設置及び機材の調達へ向けて投
下された資本を回収する途を閉ざされ,倒産の危機に直面することとな
り,営業の自由や財産権が害される。また,そうなれば,Yの従業員か
ら労働の機会や生活の糧を奪うこととなる。
イこれに対しZ町はYに対し上記(3)アのとおり旧協定を押しつけた,,,
上,本件処分場の使用期限が迫り,Yから,同期限の延長へ向けた再三に
わたる協議の申入れや調停申立てを受けたのにこれらに一切応じず,同期
限が経過するや直ちに本件訴えを提起したものである。このようなZ町の
一連の振舞いは,同町において,害意をもって,YをZ町から撤退させる
べく計画されたものというほかない。
また,Xの管轄地域内には,本件処分場のほかにも,いわゆる迷惑施設
が存在するのに,Xは,これらの迷惑施設につき,Y以外の設置者とはご
く一部の者としか公害防止協定を締結していないし,締結していても本件
協定ほど厳格な施設使用期限を設けている例もなければ,当該協定に基づ
いて施設の使用の差止めを請求した例もない。したがって,本訴請求は,
他の迷惑施設の設置者との比較において,Yを合理的な理由もなく差別す
るものである。
ウ以上によれば,Xの本件請求は,権利の濫用であって許されないものと
いうべきである。
(Xの主張)
本件請求が権利の濫用であるとのYの主張は争う。
第3当裁判所の判断
1争点判断の前提
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,,,本件協定は旧協定のうち前提事実(5)ウ①②で見た点が改められたほかは
旧協定と体裁及び内容を同じくするものである。そうであれば,本件協定は,
実質的に見れば,旧協定との同一性を保ったまま,所要の改定が加えられたに
過ぎないものといって差し支えないから,本件処分場の使用期限をめぐる定め
に関しても,旧協定について検討すれば足りるものというべきである。
2争点(1)について
(1)旧協定は協定書の前文においてはZ町甲がY乙及びその連,,「()」()
帯保証人たるP(丙)との間で協定を締結するものであるかのような表記が
,,「」なされているけれどもその末尾に設けられた当事者の署名押印欄には甲
として「Z町長」との肩書の下に当時の町長(S町長)の署名がなされてい
るにとどまるのでありその右横に押捺されているのは町長の職印であるな,(
お,本件協定にかかる協定書中の同欄の体裁は,当時の町長の署名ではなく
記名があるほかは,旧協定のそれと同じである。そうであれば,協定書の。)
,「」表記ないしは体裁のみからは協定の一方当事者が地方公共団体たるZ町
であり同町長が町を代表して協定を締結したものであるのかそれともZ,,,「
町長」が協定の当事者として協定を締結したものであるのかを断ずることは
できないものといわなければならない。
(2)アところでYは産廃条例が制定された後はF県知事から産業廃棄物,,,
処分場をめぐる廃棄物処理法所定の許可を新たに得ようとするならば,事
実上,同許可申請に先立ち,産廃条例に定められた各種手続(以下「申請
前手続」という)を践むほかはないこととなったものであり(前提事実。
(4)イ,実際,Yにおいて,第1回変更許可を得るに当たり,申請前手続)
を重ねたことは明らかである(同(4)ウ∼キ。)
そして,旧協定は,Z町の担当者,Yの双方において,Yが第1回変更
許可を得るための事実上不可欠の前提であるとの認識の下に,申請前手続
の過程で,産廃条例15条に基づくF県の関係部署による指導ないし助言
−14−
を得て締結されたものである(甲26,原審証人Q,原審におけるP。)
そうであれば,Z町及びF県の各担当者並びにYの三者は,一致して,
同協定を産廃条例15条所定の「協定」に該当するものと位置付けていた
ものといってよい。
イしかるに同条所定の協定は関係市町村の長が設置者との,「」,「」「」
間で締結するものと規定されており産廃条例上関係市町村の長と市,,「」「
町村」とは明らかに使い分けられていることが文言上明らかである(産廃
条例2条9項,4条。)
そうだとすると,協定書末尾に設けられた当事者欄の記載のありようが
上記(1)のとおりであることとも相まって旧協定の一方の当事者はZ町,「
長」であるとするYの主張をむげに排斥することはできない。
,,,(3)アしかし協定書の体裁上上記(1)でみたような問題点があるとはいえ
「Z町」が「協定を締結する」旨の文言(前文)は,協定の一方当事者が
「Z町」であることを端的に表示するものであるから,同文言の持つ意味
は小さくない。
イまた,旧協定が「住民の健康保持と生活環境の保全を図る(前文)こ,」
とを目的として謳っていることからすれば,Yの相手方当事者(甲)が協
定の締結に応じたのは,本件各土地の周辺に居住する住民の生命・健康や
同住民が安心して生活するために必要な環境を守らなければならないとい
う責務を負っていたからにほかならないところ,かかる責務は,本件各土
地及びその周辺を管轄する行政主体であるZ町において引き受けているも
のであることは明らかである。
そして,S町長は,旧協定の締結交渉の過程において本件各土地周辺住
民の意見を踏まえ,これを代弁すべくYとの交渉に臨んだ上で同協定を締
結し,もって,Z町の上記責務を全うしようと立ち働いたことが認められ
る(乙97,原審証人S。)
−15−
(4)以上のとおり旧協定の締結主体がZ町であるのかそれとも同町長であ,,
るのについては多分に曖昧で微妙な面もないわけではないが上記(3)で見,,
たところからすれば,旧協定は,町長において,行政主体であるZ町を代表
して締結したものであるか,あるいは,産廃条例上の文言に留意して協定の
締結者はZ町長としたものの,それはZ町のために締結したものであると解
するのが自然であり,そうであれば,いずれにしてもその効力はZ町に及ぶ
ことになる。
上記第2の3(1)のYの主張は結局のところ採用することができない。
なお,以下においては,旧協定の締結者はZ町であるものとして検討する。
3争点(2)について
(1)ア旧協定はY並びにZ町及びF県の各担当者において産廃条例15条,,
にいう「協定」として認識されていたものであることは明らかであるが,
同条は協定が締結される場合における県知事の助言・指導の余地を定,「」
めたものに過ぎず,これをもって旧協定そのものの法的根拠とすることは
できないし,ほかに旧協定が特定の法令上の根拠に基づくものであること
はうかがえない。そして,旧協定の協定書の前文及び末尾の体裁は前提事
,,,実(4)オのとおりであることをも考え併せれば旧協定はZ町とYとが
自らの意思で締結した「契約」にほかならない。
イとはいえ,旧協定締結の重要な契機が産廃条例15条にあったこともま
た明白であること,協定締結の当事者の一方がZ町という地方公共団体で
あること,その協定締結の目的は本件処分場の周辺住民の健康の保持と生
活環境の保全といった公共の利益(ただし,それは,地域的にも人的範囲
の面でも多分に限定されたものであるの実現にあることというような。),
幾つかの特色があるのであって,これらの諸事情に鑑みれば,この契約は
行政契約としての性格を有するものと解するのが相当である。
ウところでYは平成14年最判を援用して上記第2の3(2)Yの主張,,,
−16−
欄のとおり主張する。
しかしながら,同最判の事例は,地方公共団体において,条例に基づい
て同地方公共団体の長が発した建築工事の中止命令に従わない名宛人を被
告として,同建築工事の続行差止めを請求し,もって上記命令に基づく行
,,()政上の義務の履行を求めたものであるのに対し本件は契約本件協定
に基づいて,一方の当事者であるX(Z町)が他方の当事者であるYに対
し,契約上の本件処分場の使用期限の到来を主張して本件処分場の使用差
止を請求しているものであるから,平成14年最判の事例とは事案を大い
に異にするものといわなければならない。
もっとも,上記イで見たとおり,旧協定は行政契約の性格を有するもの
であるところ,一般論としては,行政契約に基づく義務の履行請求も行政
上の義務の履行を求めるものにほかならないという場合もないとはいえな
い。しかし,産廃条例15条は,この種の協定が,産業廃棄物処理施設を
設置しようとする者と関係住民との間で締結される場合もあることをも予
定しているのであり,その場合においては,協定締結の当事者がともに私
人であること,協定締結の目的とされる関係住民の生命・健康の保持と生
活環境の保全も,まさに協定締結の当事者である関係住民自身の権利その
ものであること等からして,同協定は民事契約としての性格を有すること
は疑問の余地がない。そうであれば,旧協定が行政契約の性格を有すると
いっても,同種の協定が関係住民と設置者との間で締結された場合と対比
しても,その差はまさに紙一重といった微妙なものにすぎないというべき
である。したがって,Z町(X)のYに対する本件請求をもって,直ちに
行政上の義務の履行を求めるものであると解することはできない。
また,平成14年最判の帰結は,地方公共団体等の行政主体の国民に対
する義務履行請求を著しく制限するものであるから,その射程距離は極力
控え目に解するべきであり,そのような観点からしても,本件のような場
−17−
合についてまで同最判をそのまま当てはめるのは相当でないものといわな
ければならない。
そうすると,Yの上記主張は採用することができない。
(2)以上によれば本件訴えはZ町の権利義務を承継したXとYとの間にお,,
ける,契約に基づく権利義務ないし法律関係の存否をめぐる紛争にほかなら
,,,ずかつ法令の適用により終局的に解決することができるものというべく
「」()。これが法律上の争訟裁判所法3条1項に当たることは明らかである
4争点(3)について
(1)産業廃棄物の処理についてはこれを業とする者収集運搬業者処分業,(,
者)は当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(以下「知事」と
いう)の許可を受けなければならないこととされ(廃棄物処理法14条,。)
産業廃棄物処理施設以下産廃処理施設というの設置・変更について(「」。)
も同様に知事の許可を要するものとされ同法15条同条の2の5知事(,),
は,産廃処理施設の改善を命じ,期間を定めて施設の使用の停止を命ずるこ
とができ同法15条の2の6場合によっては許可を取り消さなければな(),
,()。らずあるいは取り消すことができる同法15条の3ものとされている
これは,産業廃棄物の処理は社会にとって必要不可欠な事業であるが,も
しも何らの規制を加えることもなく自由競争に委ねるならば,同事業が適正
に行われないこともあり得るものというべく,その場合には,関係住民の生
命・健康や生活環境に重大な危険を及ぼすなど,取り返しのつかないことに
もなりかねないがゆえに,上記各種の規制に服せしめることとした上で,こ
(,,れらの許可権限や産廃処理施設に対する監視権限改善命令使用停止命令
許可の取消し)等を挙げて知事に委ねたものである。
(2)産廃処理施設の設置許可については同法15条の2に許可基準等が定め,
られているところ,そこでは,同施設の設置に関する計画の技術面からの検
討1項1号同計画及び維持管理に関する計画の生活環境面等からの検討(),
−18−
同2号業者の能力面同3号及び不適格事由の有無同4号の検討(),()()
がなされることとされているし,上記許可基準をめぐる規定のほかにも,生
()。活環境の保全を全うするための規定同条2項ないし4項が置かれている
してみると,知事は,産廃処理施設の設置を許可するかどうかの判断に当た
っては,特に周辺地域の生活環境の保全という点に十二分に留意すべきもの
といわなければならない。
とはいえ,当該産廃処理施設の関係住民としては,同施設が設置されるこ
とによる健康被害や生活環境の悪化について不安を払拭できないのは無理か
らぬところであり,それゆえに,当該施設を設置しようとする業者と関係住
民との間に往々にして深刻な紛争が生じ,ひいては社会公共上必要な産廃処
理施設の設置がままならなくなるというようなことにもなりかねない。F県
において,平成2年に産廃条例が制定されたのは,このような事情を配慮し
たからにほかならない。そして,同条例15条は,関係住民又は関係市町村
の長が,施設の設置者(業者)との間で,生活環境の保全のために必要な事
項を内容とする協定を締結することのあるべきことを前提にした上で,その
場合には県知事が協定の内容について必要な助言をする旨を規定したもので
ある。そうであれば,この協定が締結されると,それは,生活環境の保全と
いう目的のために,あたかも許可条件と同じか,あるいはこれに準ずる役割
を果たすことになるものと考えられる。
,,「(),(3)ところで廃棄物処理法15条の2第4項は15条1項の許可には
生活環境の保全上必要な条件を付することができる」とし,これは同法15
条の2の5(変更の許可等)においても準用されているから,産廃処理施設
の設置・変更の許可に際して期限が付されるということもあり得ないことで
はないが,一般には,そのようなことはないものといってよく(特に,最終
処分場の場合には,埋立容量の面から規制されることになるものと考えられ
る,この点は本件処分場についての第1回変更許可においても例外ではな。)
−19−
い。しかるに,旧協定には施設使用期限条項が置かれているから,これがそ
のとおりの効力を有するとすれば,本件処分場についての第1回変更許可に
際して許可の期限が付されたか,あるいは,当該時点をもって許可が取り消
されるべきことが予定されているも同然の結果となる。
しかしながら,産廃条例15条が予定している協定は,生活環境の保全の
ために締結されるものであって,それ以上のものではない。ところが,施設
使用期限条項は,上記のとおり,許可の期限を付すか,あるいは許可の取消
時期を予定するに等しいものであるから,そのような,許可そのものの運命
を左右しかねないような本質的な部分に関わる条項が同協定に盛り込まれ,
そのことによって許可を根本的に変容させるというようなことは,同協定の
基本的な性格・目的から逸脱するものであって,本来予定されていないもの
というべきである。これに対しては,産廃処理施設の使用期限を定めること
は,まさに生活環境の保全に関わるものであるという反論が予想される。確
かに,本件処分場の使用が終了するならば,生活環境を脅かす根源が消滅す
ることになるのであるから,この上なく生活環境の保全に資することにはな
るが,廃棄物処理法及び産廃条例において「生活環境の保全」というときに
,,「」は産廃処理施設が使用されることを大前提とした上で生活環境の保全
という要請との折り合いの付け方のいかんを模索すべきことが予定されてい
るのであって,産廃処理施設の使用を打ち切ることによる生活環境の保全と
いうようなことは想定外のことであるものといわなければならない。
そうすると,施設使用期限条項は,産廃条例15条が予定する協定の内容
としては相応しくないものであり,同協定の本来的な効力としてはこれを認
めることはできない。この種の事柄は,知事の判断事項として知事の専権に
委ねられているものというべきである。
(4)もっとも産廃処理施設が設置される地域の関係住民にすればこの種の,,
施設が設置されないに越したことはないのであって,仮に,当該施設の必要
−20−
性自体は認めなければならないとしても,できる限り早期に操業(使用)を
止めて撤退してもらいたいというのが本音であろう。そうであれば,関係住
民が,当該施設の設置者(産廃業者)に対して,その使用期限を明示すべき
ことを求めるというのは考えられることであるし,業者との折衝の結果,施
設使用期限条項が協定中に盛り込まれたというのであれば,それが同協定の
趣旨・目的に適っているかどうかは別にして,関係住民において同条項に定
められているとおりの当該処理施設の操業の打ち切りと撤退を求めるのもま
た自然な成り行きである。本件がまさにそうであり,旧協定の締結当事者で
あるZ町としては,上記のような関係住民の意向を踏まえて,本件訴えを提
起しないわけにはいかないというのも理解できないことではない。
しかしながら,Yが,本件処分場の変更許可申請をするに際して,Z町と
の間で旧協定を締結したのは,産廃条例15条にその種の協定を締結するこ
とが予定されているからにほかならない。換言すれば,Yとしては,本件処
分場についての変更許可を得るためには旧協定を締結するほかはなく,これ
を円満に締結するためには施設使用期限条項が盛り込まれることを受け容れ
るほかはないという状況下に置かれていたものというべく,当時,Yにとっ
て,それ以外の選択肢はなかったものといってよい(したがって,施設使用
期限条項を,同協定と切り離して,これとは別個の合意であると解すること
もできない。もとより,産廃条例15条が予定する協定は,それが関係市。)
町村(長)との間で締結される行政契約であるか,関係住民との間で締結さ
れる民事契約であるかに関わらず,双方当事者はともに誠実に締結しなけれ
ばならず,その場しのぎのものであってはならないことは当然である。そう
であれば,Yが旧協定に施設使用期限条項が盛り込まれることを受け容れな
がら,今になって,その効力を否定するというのは,遺憾なことではある。
Yとしては,旧協定締結のための折衝時に,施設使用期限条項は同協定に相
応しくないことをZ町や関係住民に十分に説明し,それでもなお理解を得ら
−21−
れないのであれば,産廃条例15条の規定するところに従い,正式に県知事
の助言を得るべきであったものといわなければならない。
このように,まるで手の平を返したかのようなYの態度には遺憾な点があ
ることは否めないのであるがそのことのゆえに上記(3)の結論を覆すという,
のも相当なことではない。
(5)以上によれば旧協定に施設使用期限条項が盛り込まれておりそれが本,,
件協定にも引き継がれているからといって,それに基づいてYの本件処分場
の使用差止めを請求することはできないものといわなければならない。本件
処分場の存続そのものに関わるような事項は,県知事において,諸般の事情
を勘案した上で判断すべきものであり,X及び本件処分場の関係住民として
は,廃棄物処理法15条の3に該当する事由があることを主張して,県知事
に本件処分場をめぐる許可の取消しを求めるべきである(その場合に,本件
協定に施設使用期限条項が置かれていて,同期限が既に到来しているという
,。)。事情も県知事が判断する際の考慮要素の一つとはなり得るかもしれない
そして,許可が取り消され,Yにおいてこれに承伏できなければ,Yが同処
分の取消しを求めて行政訴訟を提起する成り行きとなるのであって,司法権
の判断は,同訴訟の場においてなされることとなるものと解するのが相当で
ある。
5そうすると,本件協定のうち施設使用期限条項については法的拘束力を認め
ることができないから,XのYに対する本件処分場の使用差止請求権は認めら
れないものというべく,その余の点について検討を加えるまでもなく,Xの本
訴請求は理由がないというに帰する。
,(,),以上の次第であるから本件訴えは適法な訴えであるけれども上記23
本件請求は理由がないから棄却すべきである。これと異なり,Xの請求を認容
した原判決は失当であって,取消しを免れない。本件控訴は理由がある。
−22−
福岡高等裁判所第3民事部
裁判長裁判官西理
裁判官有吉一郎
裁判官吉岡茂之

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