弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成15年(行ケ)第278号 審決取消請求事件(平成16年2月18日口頭弁
論終結)
          判           決
       原      告   飛島建設株式会社
       訴訟代理人弁護士   石 谷   勉
       同    弁理士   原 田 信 市
       同          原 田 敬 志
       原      告   株式会社カテックス
       訴訟代理人弁護士   大 場 常 夫
       同    弁理士   原 田 信 市
       同          原 田 敬 志
    被      告   東海ゴム工業株式会社
       訴訟代理人弁護士   鳥 海 哲 郎
       同          山 岸 和 彦
       同          金 子 憲 康
       同    弁理士   西 藤 征 彦
          主           文
      特許庁が無効2002-35198号事件について平成15年5月2
3日にした審決を取り消す。
      訴訟費用は被告の負担とする。
          事実及び理由
第1 請求
   主文と同旨
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
   被告は,名称を「地山固結工法」とする特許第2056106号発明(平成
元年2月22日特許出願〔以下「本件特許出願」という。〕,平成8年5月23日
設定登録)の特許権者である。
 原告らは,平成14年5月21日,上記特許の明細書の特許請求の範囲の
【請求項1】に係る特許(以下「本件特許」という。)を無効にすることについて
審判の請求をし,無効2002-35198号事件として特許庁に係属したとこ
ろ,被告は,平成15年2月6日付け訂正請求書により,願書に添付した明細書の
特許請求の範囲の記載等を訂正(以下「本件訂正」といい,訂正後の明細書と願書
に添付した図面を併せて「本件明細書」という。)する旨の訂正請求をした。
 特許庁は,上記事件について審理した上,同年5月23日に「訂正を認め
る。本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は,同年6月4
日,原告らに送達された。
 2 本件明細書の特許請求の範囲の【請求項1】の記載(以下「【請求項1】の
記載」という。)
 地山に穿設した長孔内に,周壁孔開き長尺管を挿嵌固定し,上記長尺管の内
部を,長手方向に所定間隔に設けた隔壁により複数の空間に区切るとともに複数の
吐出管を上記長尺管内に配設して複数の吐出管の先端をそれぞれ上記複数の空間に
開口させた状態にし,上記複数の吐出管の先端開口から速硬性の固結用薬液を吐出
して上記各空間内に充満させたのち,さらに上記長尺管の周壁孔から長尺管外周の
地山内に浸透硬化させ,上記長尺管内および長尺管外周の地山に固結領域を形成す
ることを特徴とする地山固結工法。
(以下「本件発明」という。)
 3 審決の理由
   審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,請求人(注,原告ら)の主張する
無効理由,すなわち,①【請求項1】の記載は,発明の詳細な説明に実施例として
記載したものではない発明を記載し,また,特許を受けようとする発明の構成に欠
くことができない事項のみを記載した項に区分されていない点において,平成2年
法律第30号による改正前の特許法36条(以下「旧36条」という。)4項1
号,2号に違反し,②本件明細書の発明の詳細な説明は,当業者が容易にその実施
をすることができる程度に,本件発明の構成を記載していない点において,同条3
項の規定に違反し,③本件発明は,特開昭61-186613号公報(本訴甲3添
付,審判甲1,以下「刊行物1」という。),昭和57年11月20日理工図書株
式会社発行,斎藤重治著「トンネルにおけるパイプルーフ工法・地盤」17頁~2
1頁,38頁~42頁,104~105頁(同,審判甲2,以下「刊行物2」とい
う。),昭和61年11月5日社団法人土木学会昭和61年改訂版第1刷発行,土
木学会トンネル工学委員会編「トンネル標準示方書(山岳編)・同解説」185頁
~190頁(同,審判甲3,以下「刊行物3」という。),特公昭63
-63688号公報(同,審判甲4,以下「刊行物4」という。)及び実願昭57
-88803号(実開昭58-194299号)のマイクロフィルム(同,審判甲
5,以下「刊行物5」という。)に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発
明をすることができたものであり,同法29条2項の規定により特許を受けること
ができないものであるから,本件特許は,同法123条1項の規定により無効とさ
れるべきであるとの主張に対し,上記①及び②の無効理由はいずれも失当であり,
上記③の無効理由について,本件発明は,刊行物1~5記載の発明に基づいて,当
業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないので,請求人の主
張及び証拠方法によっては本件特許を無効とすることはできないとした。
第3 原告ら主張の審決取消事由
   審決は,旧36条4項1号,2号所定の記載要件の充足性の判断を誤り(取
消事由1),同条3項所定の記載要件の充足性の判断を誤り(取消事由2),本件
発明の進歩性の判断を誤った(取消事由3)ものであるから,違法として取り消さ
れるべきである。
 1 取消事由1(旧36条4項1号,2号所定の記載要件の充足性の判断の誤
り)
(1)審決は,【請求項1】の記載は,「長尺管の内部を,長手方向に所定間隔
に設けた隔壁により複数の空間に区切る」工程と「複数の吐出管を上記長尺管内に
配設して複数の吐出管の先端をそれぞれ上記複数の空間に開口させ」る工程が同時
に行われる場合を排除する趣旨とは解されず,実施例には上記2工程を同時に行う
ことが記載されているから,本件発明は,両工程を同時に行うことを予定している
として,旧36条4項1号,2号所定の記載要件の充足性を肯定した(審決謄本5
頁~6頁「(六)無効理由についての検討」の1の項)が,誤りである。
(2)本件明細書の発明の詳細な説明には,上記2工程を経時的に行う実施例の
記載がないから,【請求項1】の記載は,旧36条4項1号,2号所定の記載要件
を充足しない。
  【請求項1】の記載は,上記2工程を同時に行うことのほか,経時的に行
うことも包含していると解釈できることは,その表現法ないし記載態様自体から,
また,本件発明が方法の発明に係るものであることから容易に理解でき,審決も,
【請求項1】の記載は,両工程を時間的順序に従い経時的に行う場合をも包含する
ものであることを前提にしていると解される。そうすると,本件発明は,上記2工
程を経時的に行う場合を包含するものであるにもかかわらず,本件明細書の発明の
詳細な説明には,両工程を経時的に行うことの記載がないことは明らかであるか
ら,本件特許は,特許請求の範囲に発明の詳細な説明に記載したものでない発明を
記載し,また,特許を受けようとする発明の構成に欠くことのできない事項のみを
記載した項に区分されていないことになる。
2 取消事由2(旧36条3項所定の記載要件の充足性の判断の誤り)
(1)審決は,「長尺管5内に,隔壁板6と吐出管7の組み合わせ体を挿嵌す
る」ことについて,長尺管5の内周面若しくは隔壁板6の外周面に対する潤滑油の
塗布等が行われることにより,また,シール機能を奏する構成を付加する等により
実施不可能とはいえない(審決謄本6頁第2段落)と判断したが,誤りである。
(2)本件明細書の発明の詳細な説明の記載は,実施例に係る組み付け構造体を
地山に押し込み埋設されている長尺管5内に挿嵌することが不可能と認められるか
ら,旧36条3項所定の記載要件を充足しない。すなわち,発明の詳細な説明に記
載の実施例は,隔壁板6として厚み300mmの円板体6個と,長さが5mずつ異
なる最長28m,最短3m,外径が12mm,内径10mmの6本の吐出管7とを
一体化して成る組み付け構造体を,地山2に押し込み埋設された内径100mm,
全長略30mの長尺管5内に挿嵌するとしているが,このように,内径100m
m,全長略30mという極端に細長い長尺管5を,地山に押し込み埋設する場合,
その押し込み時に不陸を生ずるとともに内部に掘削ずり(スライム)が残留するの
を避けることができない。また,隔壁板6は,その目的,作用及び機能上,外径
が,長尺管5の内径との間で液密を保持することができる寸法であることが必要で
あるから,潤滑油の塗布等によって挿嵌が可能であるとしても,上記のような極端
に細長い長尺管5に,その口元(外端)から嵌合して内奥端近くまで押し込むよう
なことは,実際には不可能であると認められる。さらに,シール機能を奏する構成
を付加することについて,本件明細書には何ら開示されていないから,発明の詳細
な説明に記載の実施例は,当業者が容易に実施できるものではない。
3 取消事由3(本件発明の進歩性の判断の誤り)
(1)審決は,本件発明と刊行物1(甲3添付)記載の発明(以下「刊行物1発
明」という。)との相違点として認定した,「本件特許発明(注,本件発明)で
は,地山に穿設した長孔内に,周壁孔開き長尺管を挿嵌固定し,吐出管から吐出さ
れた速硬性の固結用薬液を各空間内に充満させたのち,さらに長尺管の周壁孔から
長尺管外周の地山内に浸透硬化させ,上記長尺管内および長尺管外周の地山に固結
領域を形成する(注,以下「構成A」という。)のに対し,甲第1号証に記載され
た発明(注,刊行物1発明)では,地盤に建込みスリーブグラウトを注入したケー
シング内に長手方向にゾーンごと区画して注入口が形成された外管を備えるグラウ
ト注入装置を挿入し,次いでケーシングを引き抜く前施工後,速硬性との限定のな
いグラウトを,内管から相互に異なる注出室内に注出し,外管の注入口からスリー
ブグラウトを破りながら周辺地盤へと注入することを,内管部材を外管内の軸心方
向に移動させてゾーンごとにステップアップしながら行う点」(審決謄本10頁相
違点)について,「本件特許発明は,作用において・・・吐出管が長尺管内を移動
自在で,ステップアップして吐出作業を行うものではなく,また,後に吐出管は引
き抜かれるものではなく,残置されるものである(注,以下「構成B」とい
う。)。一方,甲第1号証に記載された発明は,内管とパッカー部を有する内管部
材が,外管内をその軸心方向に移動自在とされており,内管部材を外管内の軸心方
向に移動させてゾーンごとにステップアップしながら注入を行うものであり,甲第
1号証に記載された発明において,また,甲第1号証に記載された発明の従来例と
してあげられている,外管の注入口間隔たる1ステップごと内管をスライドさせな
がら注入する,ソレタンシュ工法において・・・内管とパッカー部を有する内管部
材を地山内に残置したままとするとは考えられない。したがって・・・甲第1号証
に記載された発明及びソレタンシュ工法において,外管の注入口からスリーブグラ
ウトを破りながら,内管の注出口から注出されたグラウトを周辺地盤へと注入する
ことを,内管部材を外管内の軸心方向に移動させてゾーンごとにステップアップし
ながら行って,周辺地盤への注入が終了後,内管部材を引き抜いた後の,外管内に
セメントベントナイト等の中詰め材を中詰めして,外管内に固結領域を形成すると
しても,『吐出管から吐出された速硬性の固結用薬液を各空間内に充満させたの
ち,さらに長尺管の周壁孔から長尺管外周の地山内に浸透硬化させ,上記長尺管内
および長尺管外周の地山に固結領域を形成する』という,相違点における本件特許
発明に係る構成(注,構成A)は有し得ないと解される。また,上記相違点におけ
る本件特許発明の『吐出管から吐出された速硬性の固結用薬液を各空間内に充満さ
せたのち,さらに長尺管の周壁孔から長尺管外周の地山内に浸透硬化させ,上記長
尺管内および長尺管外周の地山に固結領域を形成する』という構成は,甲第2~5
号証(注,刊行物2~5〔いずれも甲3添付〕)のいずれにも記載されていない。
そして,本件特許発明は当該構成によって,明細書記載の作用効果を奏するもので
あるから,本件特許発明は,上記甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に
基づいて当業者が容易になしうる発明であるとはいえない」(同10頁最終段落~
11頁第3段落)と判断したが,誤りである。
(2)まず,本件発明の構成Aに係る上記「吐出管から吐出された速硬性の固結
用薬液を各空間内に充満させたのち,さらに長尺管の周壁孔から長尺管外周の地山
内に浸透硬化させ,上記長尺管内および長尺管外周の地山に固結領域を形成する」
との構成について検討すると,前半の「吐出管から吐出された速硬性の固結用薬液
を各空間内に充満させたのち,さらに長尺管の周壁孔から長尺管外周の地山内に浸
透硬化させ」ることは,刊行物1発明が,第1内側管22A,第1外側管21Aの
注出口22a,21aから吐出されたグラウト(A液,B液)を,注出室71,7
2に注出させるとともに,外管10の注入口11A,11Bから周辺地盤に浸透さ
せているのと一致し,後半の「上記長尺管内および長尺管外周の地山に固結領域を
形成する」ことは,刊行物2,3(いずれも甲3添付)に記載され,本件特許出願
前,既に周知慣用の技術である。したがって,本件発明の構成Aは,刊行物1発明
と刊行物2又は3記載の周知慣用の技術とを組み合わせることによって当業者が容
易に想到することができる。
(3)また,構成Aに係る速硬性の固結用薬液についてみると,刊行物1~3記
載の固結用薬液は,速硬性の固結用薬液を格別除外しているとは認められず,速硬
性の固結用薬液自体は,本件明細書にも記載されているように,本件出願前公知の
ものであり,かつ,特開昭63-8477号公報(本訴甲6添付,審判甲6,以下
「刊行物6」という。)には,速硬性の二液型発泡ウレタン樹脂から成る岩盤固結
用薬液の組成などについて詳述されている。したがって,本件発明が速硬性の固結
用薬液を採用している点に,発明としての新規性や進歩性もない。被告は,刊行物
1~3記載の各発明においては速硬性の固結用薬液は注入途中で硬化してしまうの
で使用できないと主張するが,速硬性の固結用薬液自体が本件特許出願前から公知
である以上,刊行物1発明に速硬性の固結用薬液を採用することは,当業者にとっ
て容易である。
(4)次に,本件発明の構成Bについても,刊行物4,5(いずれも甲3添付)
等により,隔壁や吐出管に相当する部材を地山内に残置することは,本件特許出願
前から公知であり,また,従来,ソレタンシュ工法においても,必ずセメントベン
トナイト液等の中詰め材により注入外管(マンシェットチューブ)内を中詰めして
いる事実がある以上,本件発明の吐出管等の埋設残置構成は,刊行物1発明と上記
刊行物記載の技術に基づいて,当業者が容易に想到することができたものである。
第4 被告の反論
  審決の認定判断は正当であり,原告ら主張の取消事由はいずれも理由がな
い。
 1 取消事由1(旧36条4項1号,2号所定の記載要件の充足性の判断の誤
り)について
 本件訂正は,訂正前の【請求項1】記載の発明では,「区切り工程」と
「管開口工程」とが「経時」であることと「同時」であることの双方を含むもので
あったのを,「同時」であることに限定したものであり,本件明細書には,本件発
明の一実施例として,隔壁板6と吐出管7との組合せ構造体を長尺管5内に挿嵌す
る両工程を同時に行うことが記載されているから,本件訂正後の本件発明の記載と
実施例とが対応しており,旧36条4項1号,2号所定の記載要件を充足する。
2 取消事由2(旧36条3項所定の記載要件の充足性の判断の誤り)について
 原告らの主張は,施工の実際を無視した主張であり,実際の施工では,長尺
管5内に掘削ずりの残留は,通常生じない。仮に,水流の勢いが弱く掘削ずりが多
少残ったとしても,水圧を高くして,再度,水流で排出することが行われるのであ
り,これは技術常識である。また,ドリル刃11の軸先端から水を吹き出させなが
らドリル刃11を回転させ,地山に所定寸法の孔を容易に穿設することができるこ
とから,長尺管5の不陸は生じない。したがって,長尺管5内に,隔壁板6と吐出
管7の組合せ体を挿嵌することは容易に行うことができ,さらに,この場合,上記
組合せ体の隔壁板6をスポンジ材等で構成すれば,挿嵌の容易性とシール機能とを
満足させ得ることは当業者の技術常識である。
3 取消事由3(本件発明の進歩性の判断の誤り)について
(1)本件発明の構成Aについての容易想到性をいう原告らの主張は失当であ
る。すなわち,刊行物1(甲3添付)に記載されたグラウト注入装置は,ソレタン
シュ工法に係るものであり,この装置は,地盤内に埋設された外管10内に,固結
用薬液注入用の内管部材20,50(パッカー31,32,33を備え外管内壁に
対し液密になっている。)を軸方向に移動自在に挿入し,内管部材20,50を外
管10内の軸方向に移動させ,ゾーンごとにステップアップしながらグラウト(固
結用薬液)を,内管部材20,50から外管10の注入口11A,11Bを経て周
辺地盤へ注入する。そして,①内管部材をゾーンごとにステップアップする際,そ
のゾーンでの注入を終え,次のゾーンヘと内管部材をステップアップさせた後の外
管の部分には,固結用薬液は存在せず,その結果,すべての注入を終えた後の外管
全体は空のまま地盤内に残される。また,このとき,②内管部材は外管から引き抜
かれており外管内に残置されない。ソレタンシュ工法においては,上記①,②は技
術常識であり,刊行物2,3(いずれも甲3添付)に,地山に,単なる長尺パイプ
を埋設し,そのパイプ内にセメントモルタル等を注入充填するパイプルーフ工法が
記載されていたとしても,当業者が,ソレタンシュ工法の上記技術常識を打破し
て,固結用薬液の注入施工後の後加工で外管10内にセメントモルタルを注入し充
満させるならともかく,外管内に内管をステップアップして固結用薬液を注入する
過程で,刊行物2,3のセメントモルタルを充満させ固結領域を形成することに想
到することはなく,そのようなことは技術的にも不可能であるから,刊行物1発明
と刊行物2又は3記載の技術とを組み合わせることは,当業者が容易に想到し得る
ものではない。
(2)また,本件発明は,速硬性の固結用薬液を使用することができるのに対
し,刊行物1発明では,それを使用することができないのであり,この点も構成A
の大きな相違点となる。すなわち,刊行物1発明では,内管部材20,50を引き
抜き再度注入に使用すること及び注入を内管部材20,50を引き上げ段階的に行
う(ゾーンごとにステップアップして行う)ことから,速硬性の固結用薬液を使用
すると内管部材20,50内で硬化し,内管部材20,50が再使用できなくなっ
たり,注入の途中で内管部材20,50内で固結用薬液の硬化が始まり,詰まった
りすることから,速硬性の固結用薬液を使用することができない。これに対し,本
件発明は,速硬性の固結用薬液を使用し,作業の容易化,施工時間の大幅な短縮化
及び地山補強効果の増大という刊行物1発明からは得られない顕著な作用効果を奏
することができる。なお,刊行物2,3(いずれも甲3添付)記載の発明も,速硬
性の固結用薬液を使用することができない。すなわち,上記両刊行物の発明は,パ
イプルーフ工法に関するものであり,パイプルーフ工法のパイプは長尺であって,
薬液は長いパイプの入口から注入され,先端開口から吐出されるため,速硬性の薬
液を用いると,パイプの途中で硬化し,パイプが詰まってしまうからである。ま
た,刊行物4(甲3添付)には,短尺のパイプから成るパッカーの先端開口から速
硬性の固結用薬液を吐出させることが記載されており,刊行物5(甲3添付)に
は,固定用のパッカーを備えた短尺のロックボルト内にセメントモルタルを圧送し
て先端から吐出させ地山に浸透させることが記載されているが,いずれも,対象が
短尺管であり,また,吐出される固結用薬液は,地山の削孔に対するものであり,
本件発明のように,対象が長尺管であって,その区切られた空間に対するものでは
ないことから,当業者がこれらをソレタンシュ工法に係る刊行物1発明に適用する
ことは困難である。
(3)本件発明の構成Bについても容易想到ということはできない。すなわち,
刊行物1発明は,ソレタンシュ工法に関するものであり,同工法の上記(1)②の技術
常識から,刊行物1発明のグラウト注入装置の内管部材20,50は,全注入作業
終了後,外管10から引き抜かれて,次の使用に供されるものであり,地盤内に残
るのは外管10だけであるから,外管10は,空の状態で地盤内に残される。この
ように,ソレタンシュ工法では,内管部材20,50は,全注入作業終了後引き抜
かれることが当業者の技術常識であるから,刊行物4(甲3添付)に,薬液注入
後,本件発明における長尺管ではない削孔内にシール材を備えた中空パイプ14を
残置させることが記載され,また,刊行物5(同)に,パッカー31,32,33
を備えたロックボルト1を削孔7内に残置することが記載されていても,ソレタン
シュ工法の上記技術常識に反して,内管部材20,50を外管10内に残置するこ
とについて当業者が想到することは困難である。実際上も,内管部材20,50を
外管内に残すと,残したところから上側に位置するゾーンには,固結用薬液の注入
ができなくなること,及び内管部材20,50は極めて高価なことから外管内に内
管部材20,50を残置し,内管部材20,50の繰り返し使用ができないとする
と,施工コストがばく大なものとなることから,内管部材20,50を外管内に残
置することは,技術的にも経済的にも不可能である。
第5 当裁判所の判断
 1 取消事由3(本件発明の進歩性の判断の誤り)について
(1)審決は,刊行物1発明を,「地盤にボーリング機を用いてケーシングを建
込み,そこにいわゆるスリーブグラウトを注入し,その後ケーシング内に,長手方
向にゾーンごと区画して注入口が形成された外管と,この外管内をその軸心方向に
移動自在とされた内管部材とを備え,前記内管部材は,複数の独立した流路を有す
る内管と,長手方向に間隔を置いて外管の内面にそれぞれ内接してグラウトの液密
を図るべく設けられた3以上のパッカー部とを有し,前記パッカー部間における外
管と内管との間隙たる相互に異なる注出室に,前記内管の各流路が1対1で独立的
に連通しているグラウト注入装置を挿入し,次いでケーシングを引き抜く,前施工
後,複数の独立した流路を有する内管の注出口からグラウトを,相互に異なる注出
室内に注出し,外管の注入口からスリーブグラウトを破りながら周辺地盤へと注入
することを,内管部材を外管内の軸心方向に移動させてゾーンごとにステップアッ
プしながら行う地盤へのグラウト注入工法」(審決謄本7頁第2段落~8頁第1段
落)と認定した上,本件発明と刊行物1発明との相違点として認定した,「本件特
許発明(注,本件発明)では,地山に穿設した長孔内に,周壁孔開き長尺管を挿嵌
固定し,吐出管から吐出された速硬性の固結用薬液を各空間内に充満させたのち,
さらに長尺管の周壁孔から長尺管外周の地山内に浸透硬化させ,上記長尺管内およ
び長尺管外周の地山に固結領域を形成する(注,構成A)のに対し,甲第1号証に
記載された発明(注,刊行物1発明)では,地盤に建込みスリーブグラウトを注入
したケーシング内に長手方向にゾーンごと区画して注入口が形成された外管を備え
るグラウト注入装置を挿入し,次いでケーシングを引き抜く前施工後,速硬性との
限定のないグラウトを,内管から相互に異なる注出室内に注出し,外管の注入口か
らスリーブグラウトを破りながら周辺地盤へと注入することを,内管部材を外管内
の軸心方向に移動させてゾーンごとにステップアップしながら行う点」(同10頁
第1段落の相違点の項)について,刊行物1~5(いずれも甲3添付)に基づく容
易想到性を否定した。
(2)そこで,審決の認定した本件発明の構成Aに係る刊行物1発明との相違点
について検討する。
  昭和57年3月20日鹿島出版会発行,坪井直道著「薬液注入工法の実
際」236頁~238頁(乙4)によれば,ソレタンシュ工法は,①削孔機(掘削
機)を用いて直径100mm前後の孔を設けケーシングを建て込み,②この孔の中
に約30cm間隔に注入孔が開けられ,バルブとして作用する短いゴムスリーブで
覆われた内径40mmのマンシェットチューブを建て込み,③マンシェットチュー
ブとケーシングとの間に,スリーブグラウトと呼ばれる特殊注入を行い,その後に
ケーシングを引き抜き,④注入予定箇所の上下にダブルパッカーを設置できる仕組
みの注入パイプをマンシェットチューブの中にセットして注入する,という工程の
薬液注入工法である。
  ところで,刊行物1(甲3添付)には,「長手方向にゾーンごと区画して
注入口が形成された外管と,この外管内をその軸心方向に移動自在とされた内管部
材とを備えた注入装置において;前記内管部材は,複数の独立した流路を有する内
管と,その長手方向に間隔を置いて外管の内面にそれぞれ内接してグラウトの液密
を図るべく設けられた3以上のパッカー部とを有し;前記パッカー部間における外
管と内管との間隙たる相互に異なる注出室に,前記内管の各流路が1対1で独立的
に連通していることを特徴とするグラウト注入装置」(1頁左下欄特許請求の範
囲),「〔従来の技術〕この種のグラウト注入工法として,いわゆるソレタンシュ
注入工法は,注入位置を適確に定めることができるなどの利点から,汎く用いられ
ている。・・・注入装置の流路は1つである。また,同工法に使用されるグラウト
は1種のみで,もし異種グラウトを注入するのであれば,先行注入グラウトを注入
した後,他の種のグラウトで流路を置換する必要がある」(1頁左下欄末行~右下
欄第3段落),「〔発明が解決しようとする問題点〕・・・本発明は,注入の確実
性を損うことなく施工能率を向上させることができ,異種グラウトの同時注入を行
うことができるグラウト注入装置を提供することを主たる目的としている」(1頁
右欄最終段落~2頁左上欄第2段落),「〔作用〕本発明は,内管に複数の流路を
独立的に構成していること,パッカー部を3以上設けていること,前記各流路の注
出口がパッカー部間において開口しており,各流路と相互に異なる注出室とが1対
1で対応していることを主要点としている。したがって,内管の第1流路に第1グ
ラウトを供給し,注出口から注出室に注出させ,さらに注入口から直接に,または
スリーブを撓せながら周辺地盤へ注入しているときに,内管の他の第2流路に第2
グラウトを供給し,同様にして別の注入口から周辺地盤に注入できる。したがっ
て,同時にゾーンごと区画された注入口から各グラウトを注入できる。その結果,
各注入口からの注入量が従来例と同じであっても,時間当りの注入量は2倍とな
り,施工手間は1/2となる。そして,第1グラウトと第2グラウトとの種別を異
らせておくと,異種グラウトを同時注入できる」(2頁右上欄第2段落~左下欄第
2段落),「(基本例の作用)かかる装置においては,まずボーリング機を用いて
ケーシングを建込み,そこにいわゆるスリーブグラウトを注入し,その後ケーシン
グ内に本装置を挿入し,次いでケーシングを引き抜く。この前施工後,本体内管部
材50の内側管にAグラウト(A液)を供給する。その結果,A液は,ソケット6
0,接手61および第2内側管22Bを通り,第2パッカー部32を抜け第1内側
管22A内に入り,その注出口22aから注出室71内に注出され,さらにそれ自
体の圧力で,注入口11Aからスリーブ12を撓せながらその両端部から注入さ
れ,続いてスリーブグラウトを破りながら周辺地盤へと注入される。これに対し
て,本体内管部材50の外側管51と内側管との間にBグラウト(B液)を圧送す
ると,B液はソケット60の貫通孔60cを抜け,継手33Cおよび33Eと接手
61との間隙を通り,第1外側管21Aと第2内側管22Bとの間に入った後,注
出口21a,注出室72および注入口11Bを通り,スリーブ12を撓せながら,
周辺地盤へと注入される。前述の説明からも明らかなように,A液およびB液の流
路(A液路,B液路)は,内管部材20内において独立しており,また注出口21
a,22a,換言すれば注入口11B,11Aが装置の長手方向において間隔を置
いて区分されている。(施工例)したがって,A,B両流路に異種のA,B両液を
同時に供給して,注入することができる。またA,B両流路を通して同種グラウト
を長手方向に異なる注入口11A,11Bから同時に注入することができる。その
結果,改良ゾーン当りの施工時間は実質的に1/2となる。勿論,注入口12A,
12Bからの注入タイミングを適宜ずらすことも可能である。同種グラウトを同時
注入する場合,第3図のように,注入口11A,11Bの間隔長の2倍のステップ
ごとステップアップしながら注入することができる」(3頁右上欄最終段落~右下
欄最終段落),「上記例は2重内管例であるが,第7図のような3重管以上の流路
構成にて3個所以上からの同時注入を行うこともできる。なお,第7図の左方には
第4パッカーが設けられるが,図示されていない」(4頁左上欄第3段落)との記
載がある。
  上記記載によれば,刊行物1には,審決が認定した刊行物1発明であるソ
レタンシュ注入工法の改良工法が開示されていると認められるが,内管に複数の流
路を独立的に構成していること,パッカー部を3以上設けていること,上記各流路
の注出口がパッカー部間において開口し,各流路と相互に異なる注出室とが1対1
で対応していることを主要点としており,「3重管以上の流路構成にて3個所以上
からの同時注入を行うこともできる」との記載から,内管の独立的に構成した複数
の流路の数を,周辺地盤へグラウトを注入させるべき外管の注入口の数と同数と
し,当該流路の注出口に対応する注出室をパッカー部間により形成し,各注出口か
ら同時に注出室に注出させ,さらに,スリーブをたわませながら周辺地盤へグラウ
トを注入する工法(以下「刊行物1開示工法」という。)も開示されているものと
認めることができる。そして,刊行物1の上記記載によれば,刊行物1開示工法
は,内管を移動させる必要がなく,また,「内管(本件発明の吐出管に相当する。
以下,同様に相当する構成を記載する。)から吐出されたグラウト(固結用薬液)
を各注出室(空間)内に注出させ,さらに,スリーブをたわませながら(充満させ
たのち),外管(長尺管)の注入口(周壁孔)から外管(長尺管)外周の地盤(地
山)内に浸透硬化させ,上記外管(長尺管)内及び外管(長尺管)外周の地盤(地
山)に固結領域を形成する」ものであることが明らかである。
  ところで,被告は,本件発明は,速硬性の固結用薬液を使用することがで
きるのに対し,刊行物1発明では,それを使用することができないのであり,この
点も構成Aの大きな相違点となると主張する。しかしながら,刊行物1(甲3添
付)には,グラウトが速硬性か否かについての明示はなく,ソレタンシュ工法であ
れば速硬性の固結用薬液を使用することに支障があるとしても,速硬性の固結用薬
液を使用すること自体は,刊行物6(甲6添付)に「下記のA液およびB液を備え
た速硬性の二液型ウレタン樹脂からなる岩盤固結用薬液」(1頁左欄特許請求の範
囲の請求項1)と記載され,本件明細書(甲8添付)に「最近では,硬化が早く,
高強度を有することからウレタン樹脂等の薬液用いた工法も行われている」(2頁
〔発明が解決しようとする問題点〕欄)と記載されているように,本件特許出願前
から周知であると認められるところ,刊行物1開示工法においては,速硬性の固結
用薬液を使用することに何ら支障は認められない。そして,刊行物6に,「上記工
法は,岩盤固結用薬液として,2液混合後の硬化時間が3~5分の二液型発泡ウレ
タン樹脂を使用しているため,上記孔内にパッカー30を挿入してウレタン樹脂を
圧入すると,地山に浸透する樹指の硬化までに時間がかかって樹脂の浸透領域が大
きくなり,したがって,使用樹脂量が多くなると同時に樹脂の圧入時間も長くな
る」(2頁右上欄末行~左下欄),「従来の岩盤固結工法は硬化時間の長い薬液を
用いるため,地山を通じての切羽手前への薬液のリークは時として避けられず,固
結に先立って天盤面にコンクリート吹き付け処理を行う必要があり,施工に時間が
かかるという難点がある。この発明は,このような事情に鑑みなされたもので,施
工時間の短縮,使用樹脂液の低減および施工作業の簡素化を実現しうる岩盤固結用
薬液の提供をその目的とする」(2頁左下欄~右下欄第2段落)と記載されている
ように,本件発明や刊行物1発明のような地山固結工法において,速硬性の固結用
薬液を使用すれば作業時間を短縮することができることは明らかであり,かつ,作
業時間の短縮は自明の課題であるということができる。
  刊行物1開示工法は,刊行物1に開示された工法であるから,これを刊行
物1発明に適用できないとする理由はなく,刊行物1発明に刊行物1開示工法を適
用し,その際,自明の課題である作業時間の短縮を図るために周知の速硬性の固結
用薬液を使用することは,当業者が容易に想到し得ることである。したがって,本
件発明の構成Aに係る刊行物1発明との相違点である「吐出管から吐出された速硬
性の固結用薬液を各空間内に充満させたのち,さらに長尺管の周壁孔から長尺管外
周の地山内に浸透硬化させ,上記長尺管内および長尺管外周の地山に固結領域を形
成する」との構成は,刊行物1発明,刊行物1開示工法及び周知の技術に基づいて
当業者が容易に想到し得ることというべきである。
(3)次に,本件発明の構成Bに係る刊行物1発明との相違点である「吐出管が
長尺管内を移動自在で,ステップアップして吐出作業を行うものではなく,また,
後に吐出管は引き抜かれるものではなく,残置されるものである」との構成につい
て検討する。
  審決は,本件発明は,吐出管を長尺管内でステップアップして吐出作業を
行うものではなく,また,後に吐出管は残置されるものであるのに対し,刊行物1
発明及びソレタンシュ工法は,内管部材をステップアップしながら注入を行うもの
であり,内管部材を地山内に残置したままとするとは考えられない(審決謄本10
頁最終段落~11頁第1段落)とし,被告は,刊行物1発明は,ソレタンシュ工法
に関するものであり,ソレタンシュ工法では,内管部材は,全注入作業終了後引き
抜かれることが当業者の技術常識であるから,これを外管内に残置することを当業
者が想到することは困難であり,実際上も,内管部材を外管内に残置することは,
技術的,経済的に不可能であると主張する。
  審決が認定した,本件発明が,吐出管を長尺管内でステップアップして吐
出作業を行うものではなく,また,後に吐出管は残置されるものであるとの点につ
いては,【請求項1】に明示的に記載されてはいないが,「速硬性の固結用薬液」
を使用すると規定する以上,速硬性であればステップアップしたり,引き抜くこと
は困難であると認められるから,これを前提とした審決の上記認定に妥当性はある
ということができる。一方,刊行物1発明に刊行物1開示工法を適用し,その際,
周知の速硬性の固結用薬液を使用することは,当業者が容易に想到し得ることは上
記のとおりである。そして,刊行物4(甲3添付)には,「該パイプ部材を前記孔
内に固定せしめる一方,かかるパイプ部材の中空部を通じてパイプ部材他端側より
所定の固結薬液を前記孔内奥部に注入せしめ,更に岩盤に浸透せしめて反応,固化
させることにより,該孔内に前記パイプ部材を残置させつつ,該孔周囲の岩盤を固
結せしめるようにすることを特徴とする岩盤固結工法」(1頁左欄特許請求の範囲
の請求項1)と記載され,刊行物5(同)には,「トンネル内岩盤削孔に挿入され
凝結材を注入囲繞されて埋設されるトンネル施工用ロックボルト構造において,ア
ンカボルトが中空パイプにされ,その中途に差圧バルブが設けられ,而して該差圧
バルブの基部寄りにノズルが設けられて該アンカボルトに外設したパッカに接続し
ており,一方該アンカボルト前部に他のノズルが設けられていることを特徴とする
トンネル施工用ロックボルト構造」(1頁実用新案登録請求の範囲)と記載されて
いるように,地山固結工法において吐出管を残置させることは,従来周知の技術で
あったものと認めることができる。そうすると,刊行物1開示工法を刊行物1発明
に適用し,速硬性の固結用薬液を使用した場合において,ステップアップしたり,
引き抜くことは困難であり,かつ,そのようにする必要性はなく,上記周知の技術
を参酌して,構成Bに係る「吐出管を長尺管内でステップアップして吐出作業を行
うものではなく,また,後に吐出管は残置されるものである」とすることは,当業
者が当然選択し得ることである。
  そして,刊行物1開示工法を適用し,速硬性の固結用薬液を使用した刊行
物1発明が容易想到であること,及びこの発明において,「後に吐出管は残置され
るものである」とすることは,当業者の当然選択し得ることであるから,被告主張
のように,これが技術的に不可能であるということはできず,また,極めて高価な
内管部材の繰り返し使用ができないと施工コストがばく大なものとなるとする被告
主張の経済的問題についても,内管部材が高価か否かは,内管部材を外管内に残置
することの容易想到性の判断とは関係のない事項であって,本件発明と同様の,隔
壁板と吐出管の組合せ構造体を採用することによる対応が可能であるから,被告の
上記主張は,上記容易想到性の判断を左右するものではなく,採用することができ
ない。
(4)以上のとおり,本件発明と刊行物1発明との相違点に係る構成は,刊行物
1開示工法及び周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得るというべきである
から,本件発明の刊行物1~5(いずれも甲3添付)に基づく容易想到性を否定し
た審決の判断は誤りであり,この誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかで
ある。したがって,原告らの取消事由3の主張は理由がある。
2 よって,その余の点について判断するまでもなく,審決は取消しを免れず,
原告らの請求は理由があるから認容することとし,主文のとおり判決する。
     東京高等裁判所第13民事部
         裁判長裁判官 篠  原  勝  美
    裁判官 岡  本     岳
    裁判官 早  田  尚  貴

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛