弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主      文
 被告人Aを懲役1年8か月に,被告人B,同Cをいずれも懲役6年に各処す
る。
 未決勾留日数中被告人Aについては80日,被告人B,同Cについては90
日をそれぞれの刑に算入する。
            理      由
(罪となるべき事実)
第1 被告人Aは,B及びCらと共謀の上,平成13年4月7日午後6時50
  分ころから同日午後7時10分ころまでの間,秋田市ab丁目c番d号株
  式会社D店において,同店内に設置された回胴式遊技機の払出口に所携の
  金具を挿入するなどし,同機を誤作動させて,同店店長E管理に係る遊技
  コイン約1217枚(貸出価格約2万4340円相当)を窃取した
第2 被告人B及び被告人Cは共謀の上,第1記載の日時,場所において,同
  記載のとおり,遊技コイン約1217枚を窃取した際,被告人Bが同店従
  業員Fらに不審を抱かれ,同店事務所に連行されようとするや,逮捕を免
  れるため,前記F(当時21歳)に対し,その顔面を殴打し,さらに,前
  記連行に協力した常連客のG(当時24歳)に対し,その顔面を手拳で殴
  打し,催涙スプレーを噴きつけるなどの暴行を加えた
第3 被告人Bは,中華人民共和国の国籍を有する外国人であるが,平成13
  年1月下旬ころ,有効な旅券又は乗員手帳を所持しないで,同国から船で
  本邦内の港に到着し,そのころ同所に上陸した後引き続き同年4月7日ま
  で東京都内などに居住するなどし,もって,本邦に不法に入国し,上陸後
  引き続き不法に在留した
第4 被告人Cは,中華人民共和国の国籍を有する外国人であり,平成3年1
  0月上旬ころ,有効な旅券又は乗員手帳を所持しないで,同国から船で本
  邦内の港に到着した者であるが,そのころ同所に上陸した後引き続き同1
  3年4月7日まで東京都内などに居住するなどし,もって,本邦に上陸し
  た後引き続き同12年2月18日以降本邦に不法に在留した
ものである。
(法令の適用)
被告人Aの第1の所為      刑法235条,60条
被告人B,同Cの第2の所為 同法238条,236条1項,60条
被告人Bの第3の所為      出入国管理及び難民認定法70条1項1
                号,3条1項1号,70条2項(包括し
                て)
被告人Cの第4の所為      同法70条2項
第3,第4の罪につき刑種の選択 懲役刑
被告人B,同Cにつき併合罪加重 刑法45条前段,47条本文但書,10
                条
         重い第2の罪の刑に法定の加重
未決勾留日数の本刑算入     同法21条
訴訟費用の不負担        刑事訴訟法181条1項但書
(量刑の理由)
本件の窃盗及び事後強盗の犯行は,被告人らが犯行用具を使用してパチンコ
店に設置されているスロットマシンから遊技コインを盗み,それを換金して金
儲けすることを企てて,わざわざ東京から秋田まで赴いて犯したものである。
被告B,同Cは,被告人Cの自宅に置いていたスロットマシンを使って盗みの
練習をしており,又犯行が発覚した場合逮捕を免れて逃走するための用具とし
て催涙スプレーや特殊警棒なども用意していた。被告人Aは盗みには参加せず,
もっぱら報酬を受ける約束で自動車の運転手役を担当していたものであり,相
被告人らの犯した本件事後強盗までの認識がなかったものの,窃盗についての
認識は十分あったものである。
 本件事後強盗は,被告人B,同Cが,スロットマシンのコインの窃盗の犯行
中,店員や他の客に盗みが発覚し逮捕されそうになるや,同人らを殴るなどし
たほか,催涙スプレーを噴射し,そのため客の1人は翌日まで目が開けられな
いくらいの症状を呈し点滴を受けたりした。
 これらのことから被告人B,同Cの事後強盗はきわめて悪質なものと言うべ
きであり,又被告人Aの共謀による窃盗の犯行も同様に悪質である。
 さらに被告人B及び同Cに対する出入国管理及び難民認定法違反の各事実に
ついては,同被告人らは,いずれも金稼ぎ目的で本邦に密入国し,しかも被告
人Bは2度目の密入国で3か月弱の間,被告人Cは約9年半にわたって本邦に
不法在留していたのであり,その上で,当初は作業員などをしていたものの,
やがて仕事がなくなるや本件のようなパチンコ店での盗みを繰り返して行って
いたのであって,これまた悪質な不法入国及び不法滞在であったと言うべきで
ある。
 以上の事情に照らせば,被告人らが反省していること,被告人Aがパチンコ
店に2万円を支払ったこと,被告人B,同Cが被害者に各5万円を支払ったこ
とその他諸般の情状を考慮しても,被告人B,同Cについては相当長期の実刑
は当然であるが,被告人Aについても,運転手役の重要性にかんがみて,これ
又実刑は免れないものと認められ,被告人Aを懲役1年8か月に,被告人B及
び被告人Cを,いずれも懲役6年に処することとする。
     (裁判官   穴  澤  成  巳)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛