弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士土家健太郎の上告理由について。
 記録によれば、被上告人が原審口頭弁論期日において、疏乙第一八号証を提出し、
被上告人が本件仮処分の本案訴訟の第二審において勝訴した事実を立証すると陳述
していることが明らかであり、原審における弁論の全趣旨から、被上告人は右事実
を原審において主張したものと認めるのを相当とする。従つて原審が疏乙第一八号
証により、右事実につき疏明ありとし、これに基き本件仮処分を取消すべき事情の
変更があつたものとは認められないと判断したからといつて原判決には当事者の主
張しない事実に基いて審理判断した違法はない。又本件仮処分を取消した第一審判
決があつたからといつて、右仮処分が直ちにその効力を失うものではないから、右
第一審判決の言渡により、前記仮処分が当然失効することを前提とする論旨の理由
のないことは明らかである。その他原判決には、これを破棄すべき違法の点は認め
られない。
 よつて民訴四〇一条、九五条及び八九条を適用し、裁判官全員一致の意見により、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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