弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を無期懲役に処する。
     原審における未決勾留日数中一〇〇日を右刑に算入する。
     押収に係る皮バンド一本(当庁昭和四一年押六〇五号の一)を没収す
る。
         理    由
 本件控訴の趣意は検事小嶌信勝作成の控訴趣意書記載のとおりであり、これに対
する答弁は弁護人金谷康夫作成の答弁書記載のとおりであるからこれらを引用す
る。
 検察官の所論第一点事実誤認の主張について
 所論は被告人はAを強姦しようとして同人の背後よりその頸部を絞め同女が失神
状態に陥つたのをみて、このまま放置すれば蘇生するかも判らない、そうなれば同
女を無理に犯そうとしたことがばれてしまうので、同女を完全に殺してしまわなけ
ればならないと決意するとともに、同女を殺してしまえば遠い所へ逃げなければな
らない、逃げるとすると金がいるが四〇〇円位しか持つていないから、同女を殺し
たうえ、その所持金を取つて逃げようと考えて失神状態にあつた同女を絞め殺しそ
の場にあつた同女のハンドバツグ内より現金約一九、八〇〇円を抜き取り強取した
ものであるから、強盗殺人罪が成立するし、又被告人は右殺害行為当時依然さきの
強姦の意思を持続しており右の如く同女を殺害し金銭強取の目的を遂げた直後、引
続き同女を姦淫して当初の強姦の目的を達したものであるから右姦淫当時同女は既
に死亡していたが強盗強姦罪も成立するから、原判決が右殺害行為を単に右強姦の
犯行の発覚を防ぐためのものであり、金品強奪の手段とするの意図はなかつたもの
と認めて強盗殺人の犯行を認めず、また右強姦についても強盗強姦行為と認めず単
に殺人と強姦致死とを認め両者が一個の行為で数個の罪名に触れる場合であり、か
つこれと殺害後の金品の窃盗とが併合罪の関係にあると認めたのは事実を誤認した
ものであるというのである。
 所論にかんがみ記録並に当審における証拠調の結果に徴するに、被告人が被告人
居住のaアパートb階c号室の斜上階にあたるd階e号室の独身女教諭である右A
に関心を抱きできれば同人と情交関係を持ちたいと考え同女とは未だ面識のない間
柄であるからこれに近づく手段として同女が中学校の教師であるところより、被告
人の弟である中学生のBに不良化の兆しがあることよりその相談に託して同人に近
づくことを考え昭和四一年三月一〇日午後九時五〇分頃A方を訪れ、同家二帖の間
で右弟のことから話を切り出し同女と語り合ううち、同女も打ち解けてその私事を
語るに至つた。ここにおいて被告人は情欲を燃やし、無理強いにでも同女と情交を
遂げようと思い、午後一〇時四〇分頃同女が立上つて奥六帖の間に入ろうとしたと
き、いきなり同女の背後より両手で抱きついたところ、被告人の予期に反して同女
が悲鳴をあげたため、被告人は隣近所に事が知れるのを恐れて、同女が声を立てな
いように、右手で同女の口を押えたが、それでも同女の声が漏れるので、これを止
めるべく、被告人の左腕を同女の頸部にまわし、その左手の端を右腕に掛けるなど
して同女の頸部を絞めつけた。これがため同女は声を出さなくなり失神して前かが
みに倒れて痙攣を始めたことなどの点については原判示認定のとおりこれをそのま
ま認めることができる。而してその後の経過については原判決は右の如く同女を失
神せしめるという意外の結果発生に驚いた被告人は同女が蘇生することになれば被
告人の右犯行は露見すべく、もう駄目だと思い、そのまま同女に止どめを刺して同
女の死を確実にしようと決意し、被告人着用のズボンの皮バンドを外して同女の頸
に巻きつけてこれを絞めつけ、その場で同女を窒息死させて殺害の目的を遂げた。
そして午後一一時一〇分頃同室から立去るに先立つて逃亡の費用に充てるため同室
内にあつた同女の手提鞄、皮製ハンドバッグ内より同女所有の現金約一九、八四〇
円を盗取するとともに既に死亡している同女を姦淫した(但しこの姦淫の点は所謂
死姦であるから罪とならず)と認めたが、しかしこの点については検察官は前記の
如く右認定を争い、被告人が同女を殺害したのは原判決認定の如く被告人が強姦行
為に及ぼうとしたことの発覚を防ぐ手段に過ぎなかつたものに止るものではなく、
同時に被告人は殺害後の逃走費用を入手する意図をもつて同女を殺害して金銭を強
奪したものであるから強盗殺人であり、また姦淫の点も強盗犯人が強姦したもので
あるから強盗強姦の認定をすべきであると主張するものである。
 よつて案ずるに、原判決の証拠として挙げる被告人の司法警察員に対する昭和四
一年三月一六日付供述調書一二乃至一四項によると、被告人とAとが前記の如く対
談中同女が奥六帖の間へ入りかけた時以後のことにつき被告人の供述として「同女
は僕に背を向けていましたがこの時に急に変な気がおこつたのです。この人に抱き
つきたい、この人の貞操を犯してみたい、つまり性欲がむらむらとおこつたので
す、それで僕も立上つて先生の後から両手で先生の身体を抱きすくめました、その
瞬間先生はきやーとか、うわーとか言葉にならないような変な叫び声を出したので
僕は夢中で声が近所に聞えたら大変だと思つて左腕の前腕の内側を先生の首にかけ
右腕の前腕内側を左手の部分にかけて、手前の方に締めつける状態、つまり柔道の
首絞めのような状態で締めつけました、そのまま押して行き半分開きになつていた
襖の間から六帖の部屋に押込みました、その状態のままで二人一緒に六帖の部屋に
倒れこんだのです、六帖の部屋にはホームコタツがあり、その上に布団がかけてあ
りました、その布団とステレオの間に倒れたのです、僕が上になり、先生はうつ向
きのまま僕の体の下になりました、そのまま絞めつけましたが、それでも息を吸い
こむためのぜいぜいというような苦しそうな音が止みませんでした、そんな状態が
暫く続きました僕にすれば五分間位絞め続けたように思います、そのぜいぜいとい
う苦しそうな音が止みかけた時上半身全体がけいれんを起していました、死にかけ
ですが、まだ生きている感じでこのままではひよつとしたら生き返るかもわからん
と思いました。完全に殺してしまわなくては私の行為がばれてしまうと思うと、そ
れが恐ろしくなると同時に殺してしまえば逃げなくてはならん、逃げるとすると、
金がいるが所持金は四百円位しか持つていなかつたので、この先生の持つている金
目のものをとつて何処か遠いところへ逃げてやろうと腹を決めました、それで完全
に殺してしまわなくてはいかんと決心しまだけいれんしてぴくぴく動いている時に
僕のバンドを抜きとり絶対生き返らないようにするため、このバンドを両手に持ち
先生をあおむけにしてからこれを先生の首に一回巻きつけ両手で引張つて絞めつけ
ました、二三分もそうしていましたら完全に動かなくなりました、万一生き返つて
はと思い、絞めていたバンドをもう一回首に巻きつけ二重にしました、そして絞め
つけてから一重に結びました。そのままでバンドはゆるみませんでした。このまま
十分位おいておきましたら完全に死んでいました。その十分間程の間僕はえらいこ
とをした、このままでは僕の犯行であることはばれるだろうがやはりのがれるだけ
逃げてみたいと言う気持が先に立ち逃げるための金を探しにかかりました」旨の記
載、次で被告人は同女の頭附近にあつた同女の手提鞄及びハンドバッグの中から現
金合計約八、九千円とC信用金庫の普通貯金通帳にはさんであつた一万円札をとつ
た上、整理タンス、洋服タンスの抽出しを物色した後の行動につき同一八項におい
て被告人の供述として「とつた現金は僕の背広の左内ポケットに入れましたそれま
で電燈はつけつぱなしでしたが帰ろうと思いましたので六帖の丸い螢光燈を消し二
帖の間に来ました。そこで自分のズボンが下つているので上げようとしてバンドが
ないことに気付きましたので、それをとりに戻りました。そうして再びこの部屋の
螢光燈をつけてからホームコタツの方を頭にして仰向けに寝ている先生の首からバ
ンドを外しました、その時に再びこの人を犯したい気持に戻つたのです、そこで先
生のスカートを脱がし、更にシミーズを胸の方にめくりあげパンツを脱がしまし
た、そして関係した」旨の各供述記載に、右調書の作成者である当審証人Dの受命
判事に対する「自分は本件当時奈良県警察本部刑事部捜査課強行犯担当課長補佐の
警察官であつたが本件発生後王寺警部派出所に設けられた捜査本部で本部長の刑事
部長に代り直接の指揮に当つた、兵庫県警察の生田署で三月一六日の午前零時過に
被告人が逮捕せられ身柄が午前七時過ぎに到着したが捜査員も未だ食事をしていな
いので被告人と一緒に朝食をとり八時半頃から自分が調べに入つた。当時奈良県で
は捜査員が制約されており、また高田警察署管内に警備の必要な事件があり、その
方に人員がとられていたので、人員の配置、捜査方針を樹てるため被告人がどんな
供述をするだろうか一応の見当をつけるために調べをなし後は部下の係長に引継ぐ
つもりで調を初めたところ、ずるずるとそのまま本筋を詳しく神妙な態度で述べた
ので、そのまま記載したのが、被告人の昭和四一年三月一六日付の供述調書であ
る。この場合全部自供したので、普通は後を係長に持たして花を持たすということ
になるのですが、この場合花を持たせないような格好になつてしまつたのです。そ
の時理詰めで詰問しなければ具合が悪いという時期ではなかつたからそのようなこ
とはしていないし、金は持つていたかというと持つていないというので、それでは
どうするつもりであつたかということを聞き、首を絞める前に盗る気になつたとい
う供述を得たので右調書一三項記載のとおりの調書を作成し、自分が読みかけて、
本人が署名指印したものである」旨の供述記載と被告人がその後検察官に対しても
右司法警察員に対すると全く同旨の供述をしていること、また被告人は原審公判廷
において右金員奪取の意図は同女殺害後であると弁疏する外右供述記載を全部認め
ておること、被告人は司法警察員並に検察官に対し同女殺害以前に逃走のために金
銭を奪取する意図があつたと述べたことはないと主張するが、右証人Dの供述調書
及び原審における検察官のこの点に関する発問これに対する被告人の供述の各記載
に徴すると右各取調官はこの点につき慎重に取調をして右各被告人の供述調書を作
成したと認められること、被告人においてもその間誘導、強迫等の事実の主張はな
く各読み聞けがなされた後署名指印した旨認めていること等に徴し、右殺害は被告
人が強姦に着手した犯行の発覚を防ぐためとともに逃走に備えこの金銭奪取のため
にするものであつたとの右各供述記載は信用するに足るものであると認め<要旨>ざ
るを得ない。果して然らば被告人は一旦強姦のために相手方に暴行を加えてこれを
失神状態に陥れるとともに、そのさい逃走に備えて金品強取の目的をもつ
て、右失神状態にあるAの頸部を自己の皮バンドにて更に絞めてこれを殺害した
上、同所で同女の手提鞄やハンドバッグ、整理タンス等を物色して同女所有の現金
合計約一九、八四〇円を強奪したものであるから、優に強盗殺人罪が成立するもの
と認められ、この点において原判決は事実の認定を誤つているのみならず、また被
告人が右Aを姦淫したのは同女が死亡した後のことに属することは原判示のとおり
であるが、しかし、右姦淫に及んだ経緯は当初被告人が強姦を企てて同女に襲いか
かり背後より同女の頸部を絞めつけてこれを失神状態に陥らしめた後事の意外に驚
きこの犯行の発覚を恐れこれを妨ぐるためにあると共に併せて逃走のための金品奪
取のために同人の殺害を決意して自己着用の皮バンドを使用してその頸部を絞めつ
けてこれを殺害し、その直後前記の如く金品を物色してこれを奪取した後逃走にあ
たり右バンドに気付きこれを同女の頸部より取外したさい、再び前記同女を強姦す
る気になりスカート、パンツ等を脱がして同女に乗りかかりこれを姦淫したもので
あるから、右姦淫当時同女は既に死亡していたにしても、殺害直後に前記当初の強
姦未遂の犯行に引続き同じ現場でこれを姦淫したことは前後を包括して強姦(既
遂)罪が成立するものというべく、又強盗の身分は最初の強姦未遂の時には生じて
いなかつたが、その後の殺害並に姦淫の目的を遂げた時にはその身分が生じていた
ことが明らかである本件においては強盗強姦既遂罪が成立すると認めるを相当とす
るから(昭和三六年八月一七日最高裁判所第一小法廷判決参照)この点においても
原判決は事実を誤認したものであり何れも原判決に影響を及ぼすことが明らかであ
るから原判決は破棄を免れない。よつて量刑不当の論旨に対する判断を省略し、刑
事訴訟法三九七条一項、三八二条により原判決を破棄し、同法四〇〇条但書により
更に判決することとする。
 (罪となるべき事実)
 被告人は、昭和四一年二月一三日より奈良県北葛城郡f町大字ghのi番地aア
パートb階c号室に母Eと共に住んでいたものであるが、入居後間もなく、同アパ
ートd階e号室にその以前より住んでいたA(昭和一〇年一一月二一日生)がF中
学校に勤務する離婚した独身女教諭であることを知るとともに、日々同女の部屋か
ら流れて来るクラッシック音楽を聞くにつけ、被告人自身も音楽に趣味を有するこ
ととて、同女に関心を抱き、やがては同女に近づき、できれば同女と情交関係まで
持ちたいと考えるようになつた。かくて昭和四一年三月一〇日、当時G株式会社H
営業所の勤務を怠つて欠勤していた被告人はなんとか同女に接近する切つ掛けを作
つて、これを実行しようと思い、たまたま当時被告人の弟で中学生のBに不良化の
兆しがあるさいであり、同女が中学校の教師であるのに乗じて同人のことを相談し
たいということで同女を訪問しようと考えた、そこで同日被告人は同女を訪問する
時刻を調節するため右aを出て、大阪の天王寺駅に行きそこで時を過ごした後王寺
駅に引き返してきては駅をぶらついたが、その間被告人はなおどういうことを話し
にA方を訪ねるかと思い迷つた、かくて被告人は同三月一〇日午後九時五〇分頃a
d階e号室のA方を訪れ、同家二帖の間で前記弟のことから話を切り出し、同女と
語り合ううち、同女も打ち解けてその私事を語るに至つた。ここにおいて被告人は
情欲を燃やし、無理強いにでも同女と情交を遂げようと思い、午後一〇時四〇分頃
同女が立上つて奥六帖の間に入ろうとしたときいきなり同女の背後より両手で同女
に抱きついた。ところが抵抗は予期したものの、意外にも同女が悲鳴をあげたた
め、被告人は隣近所に事が知れるのを恐れて、同女が声を立てないように、右手で
同女の口を押えたが、それでも同女の声が漏れるのでこれを止めるべく、被告人の
左腕を同女の頸部にまわし、その左手の端を右腕に掛けるなどして同女の頸部を絞
めつけた。これがため同女は声を出さなくなつたものの、失神し前かがみに倒れて
痙攣を始めた。意外の結果発生に驚いた被告人は、同女が蘇生することになれば、
被告人の右強姦に着手した犯行は露見するからこれを防止するために同女を殺害し
よう、殺害すれば逃げなければならないが、それには金が要るが、被告人は所持金
として僅かに四〇〇円位しか持つていなかつたので、同女の金銭を強奪して逃げよ
うと考え同女を完全に殺害することを決意した上、被告人着用のズボンの皮バンド
(当庁昭和四一年押六〇五号の一)を外して同女の頸部に巻きつけてこれを締めつ
け、その場で同女を右絞頸により窒息死させて殺害した上、計画通り同室内にあつ
た同女の手提鞄ハンドバックの内より同女所有の現金約一九、八四〇円を抜取り強
取し更に、その直後の午後一一時一〇分頃同室から立去るに先立つて、自己のバン
ドが同女の頸部に巻きつけたままであることに気付きこれを取戻すべく同女に接近
したさい、その姿態を見て当初の強姦の犯意を実現すべく同女のスカート、パンツ
等を脱がしてその上に乗りかかつて姦淫して強姦の目的を遂げたものである。
(証拠の標目)
 一、 被告人の原審第一、四回公判期日における各供述調書
 一、 被告人の検察官に対する供述調書三通
 一、 被告人の司法警察員に対する供述調書七通
 一、 証人E、同Iの原審公判廷における各供述調書
 一、 J(二通)、K(二通)、Lの司法警察職員に対する各供述調書
 一、 M、Nの司法警察職員に対する各供述調書
 一、 司法警察員作成の実況見分調書
 一、 警察事務吏員O作成の現場指掌紋確認報告書
 一、 医師P作成の死体検案書及び鑑定書
 一、 警察技術吏員Q作成の鑑定書
 一、 大阪市東住吉区長作成のAの住民票除抄本
 一、 押収に係る皮バンド一本(当庁昭和四一年押六〇五号の一)水色手提袋一
個(同号の二)、皮製ハンドバッグ一個(同号の三)、大封筒一枚、(同号の
四)、ビニール製サック付預金通帳一通(同号の五)、ケースなし預金通帳一通
(同号の六)
 (法令の適用)
 被告人の判示所為中強盗殺人の点は刑法二四〇条後段に、強盗強姦の点は同法二
四一条前段に当るが右は同法五四条一項前段に当るから同法一〇条により重き前者
の刑に従うべく、情状につき案ずるに、被告人が面識のない独身の女教師と情交関
係を望む不逞の考えを抱いて辞を構えてこれを訪ね対談のうちに相手方を強姦しよ
うとしてこれに抱きつきその反抗に会うやその頸部を絞頸して心神喪失に陥らしめ
た後これが犯跡を隠蔽すると共に逃走のための金銭を強奪することを企てて、これ
を殺害した上金品を強奪した後更に当初の強姦の犯意を実現しようとしてこれを姦
淫したものであつてその犯行は極めて残虐にして又反道徳のものであること、原審
並に当審における証拠調の結果により明らかなように、被告人に対する被害者の遺
族の激しい憤り、本件の社会人心に及ぼした影響その他記録に現われた諸般の事情
を考えると被告人の責任はまことに重大であるから所定刑中無期懲役刑を選び刑法
二一条を適用して原審における未決勾留日数中一〇〇日を右本刑に算入し、押収に
係る皮バンド一本(当庁昭和四一年押六〇五号の一)は判示殺人の用に供した物で
被告人以外の者に属さないから同法一九条一項二号、二項を適用してこれを被告人
より没収し、原審並に当審における訴訟費用は刑事訴訟法一八一条但書により被告
人に負担させないこととして主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 畠山成伸 裁判官 柳田俊雄 裁判官 尾鼻輝次)

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