弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     別紙目録記載の不動産について甲府地方裁判所が昭和五二年三月二日申
立外Aに対してなした各競落許可決定は、これを取消す。
         理    由
 本件抗告の趣旨並びに理由は別紙記載のとおりである。
 本件記録によると、甲府地方裁判所が昭和五一年八月二〇日別紙目録記載の不動
産を競売に付したところ、申立外BがAを代理人として競買の申出をし、最高価競
買人として別紙目録記載(一)、(二)の土地(同庁昭和五〇年(ケ)第一五三号
事件の分)を金三、六〇〇万円て、同(三)の土地(同庁昭和五〇年(三)第一〇
一号事件の分)を金四、一〇〇万円でそれぞれ競落し、その各一割相当額の保証金
を納付して、同月二五日競落許可決定を得たこと、ところが同人は競落代金の支払
期日である昭和五一年一二月一三日午後二時までに右代金を支払わなかつたので、
甲府地方裁判所が昭和五二年二月二五日右不動産を再競売に付したところ、今度は
Aが本人として競買の申出をし、最高価競買人となり、別紙目録記載(一)、
(二)の土地を金三、七〇〇万円で、同(三)の土地を金二、八〇〇万円てそれぞ
れ競落し、その各一割相当額の保証金を納付して、同年三月二日本件各競落許可決
定を得たことが認められる。
 思うに、競売法三二条によつて準用される民訴法六八八条五項において、再競売
に前競落人が参加することを許さない趣旨は、ひとたび競落人となりながらその代
金の支払義務を尽さなかつた者は、その不信行為の故に再度競売に参加させること
は適当でなく、また再競売においてもその義務の履行を期し難いこと並びに再競売
に到らせることが適正な競売価額の形成の妨害や競売完結の遅延を目的として前競
落人に濫用されるのを防止することにあると解される。
 <要旨>ところで、本件のように前競落人の代理人であつた者が再競売において本
人として競落人となる場合には、右の法意に照らし、かつ右法条の潜脱を防
ぐためにも、前の競落人と後の競落人は実質的に同一人とみなすのが相当であり、
両者を同一視すべきでない特別の事情が認められないかぎり、同法条を類推適用す
べきものと解される。
 そうすると、本件において、最高価競買人Aは、再競売に参加することが許され
ず、競落人となる資格がないものといわなければならない。従つて、別紙目録記載
の不動産についてAに対してなされた本件各競落許可決定は、不適法であり取消さ
るべきである。
 よつて、抗告人の本件申立はその余の点について判断するまでもなく理由がある
から、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 外山四郎 裁判官 海老塚和衛 裁判官 鬼頭季郎)
       目   録
(一)甲府市a町
    第b番c
      宅地一八三・七一m2
(二)同所
    第b番d
      宅地一七七・四五m2(以上所有者 C)
(三)同所
    第e番f
      競落人の代理人であった者が再競売において本人として競落人となる
ことの適否
      宅地三九六・六九m2(以上所有者 C)

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