弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人伊藤幸人の上告理由第一点について。
 訴訟が裁判をなすに熟するときは、裁判所は職権をもつて弁論を終結することが
でき、また閉ぢた弁論を再開すると否とは、裁判所の裁量に委ねられている事項で
あるから、原審が、所論のように弁論を終結し、上告人の弁論再開の申請を採用せ
ず、上告人は所論新主張及び新証拠の申出をなすに由なかつたとしても、これを違
法と目することはできない。またその他の所論は独自の見解にもとづく主張に過ぎ
ないので、論旨はすべて採用できない。
 同第二点について。
 所論は、原判決の引用する一審判決が、挙示の証拠により、所論判示事実を認定
したことは実験則に反すると主張する。しかし、一審判決挙示の証拠によれば、所
論一審判示事実を認めるに足り、実験則に反する認定ということはできない。論旨
は原判決において適法になした事実の確定を非難するもので採用できない。
 同第三点について。
 所論は、原審において主張判断のない事項にもとづく主張であつて採用できない、
のみならず、かりに所論のように上告人に過失なく、被上告人に過失があつたとし
ても、そのことから直ちに上告人が無権利者たる渡辺修蔵から売買により本件建物
の所有権を取得するいわれはない。論旨は理由がない。
 上告代理人元林義治の上告理由第六の一について。
 民訴一四七条には口頭弁論の方式に関する規定の尊守は調書によつてのみこれを
証することができる旨明定してあり、原審昭和三元年一二月一九日午前一〇時の口
頭弁論調書には「裁判長は合議の上、弁論を終結する旨を告げ、裁判言渡期日を来
る昭和三二年一月二八日午前一〇時と指定して告知した」と明記されているから、
右調書の記載に反する口頭弁論の方式に関する事項を主張する所論は理由がない。
 同第六の二について。
 裁判所は、訴訟が判決に熟すると認めるときは職権をもつて弁論を終結しうるの
であつて、必ずしも、当事者に新たな攻撃防禦の方法を提出させるための機会を与
えるために、弁論を続行し、または閉ぢた弁論を再開しなければならないものでは
ないから、所論は採用しえない。
 同第六の二について。
 原審において当事者が一審口頭弁論の結果を陳述したことは記録上明らかであり、
控訴審において当事者が一審における弁論の結果を陳述したときは、一審において
提出された一切の訴訟資料はすべて控訴審に顕出されたものとなるのであるから、
論旨は理由がない。
 同第六の三について。
 原審は上告人の申出に係る文書取寄申請を却下することなく弁論を終結している
ことは所論のとおりである。しかし、記録上、原審は所論申請を取調の必要がない
ものとして、暗黙に排斥したものであることが窺われるから、原判決には所論の違
法はない。論旨は理由がない。
 同第六の四について。
 原審が上告人の申出に係る文書取寄申請を許可したが、その嘱託手続を採つた形
跡は記録上認めえないことは所論のとおりである。しかし、所論申請書はこれにも
とづいて文書の取寄せをなすに由ない不備なものであることは記録上明らかである
から、原審は所論嘱託手続を採らなかつたとしても違法ではない。論旨は理由がな
い。
 同第六の五について。
 本件訴訟の経過に徴すると、所論原審の措置は違法ではない。所論は要するに独
自の見解にもとづく主張であつて、論旨は理由がない。
 同第六の六について。
 原判決が一審判決の理由中どの部分を引用したものであるかは、原判文上明瞭で
あるから、所論は理由がない。
 同第六の七について。
 所論は、要するに、原判決の引用する一審判決には経験則違反、条理違反、理由
不備、理由齟齬、ないし証拠によらないで事実を認定した違法があるとの主張に帰
する。しかし、一審判決の所論認定は、その挙示する証拠に照らし、いずれも首肯
するに足り、その間、所論の違法は認められない。論旨はすべて採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    高   橋       潔
            裁判官    島           保
            裁判官    垂   水   克   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛