弁護士法人ITJ法律事務所

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主文
1本件控訴をいずれも棄却する。
2控訴費用は,控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求める裁判
1控訴人ら
(1)原判決を取り消す。
(2)被控訴人が,平成9年3月13日付けで控訴人Aに対し,関自旅2第×
×号をもってなした一般乗用旅客自動車運送事業経営免許申請は却下すると
した決定はこれを取り消す。
(3)被控訴人が,平成9年7月15日付けで控訴人Bに対し,関自旅2第×
×号をもってなした一般乗用旅客自動車運送事業経営免許申請は却下すると
した決定はこれを取り消す。
(4)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2被控訴人
主文と同旨
第2事案の概要等
事案の概要は次のとおり付け加えるほか原判決事実及び理由中の第,,「」「
2事案の内容」に記載のとおりであり(ただし,専ら原告C,同D,同E,
同F及び同Gに関する部分を除く,証拠関係は,本件記録中の証拠目録記。)
載のとおりであるから,これらを引用する。
(控訴人らの補足的主張)
控訴人らは,法6条2項の基準が抽象的であるから違憲・違法であるとは主
張していない。被控訴人の本件却下処分が法6条2項の定めに違反している本
件審査基準に基づく却下処分であるから違憲,違法,最判違反である等主張し
ているものであり,原判決は控訴人らの主張を勝手にすり替えミスリードして
要約した曲解判決である。
第3当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人らの請求はいずれも理由がないものと考えるが,その理
由は,次のとおり付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第3当裁
判所の判断」に記載のとおりであるから,これを引用する。
(控訴人らの補足的主張に対する判断)
控訴人らは,法6条2項の基準が抽象的であるからこれが違憲・違法である
とは主張しておらず,被控訴人の本件却下処分が法6条2項の定めに違反して
いる本件審査基準に基づく却下処分であるから違憲,違法,最判違反である等
主張しているものであるとしている。
しかし,控訴人らは平成10年月9日付け準備書面5頁において,法6条1
項4号,2項は極めて抽象的なものであり,行政庁に自由裁量を許し,独断に
よって,法人タクシー業者を競争から護ることによって法人タクシー業者の利
益を護り,運輸監督行政の権限を護り,個人の職業選択の自由,営業の自由,
幸福追求の自由を害し,かつ,法の下の平等に反するなどと主張しており,更
に平成13年11月14日付け準備書面2頁においても,法6条は2種免許者
に対して職業選択の自由,営業の自由等に違反する旨明確に主張しているもの
である。また,本件審査基準の合憲性,適法性については,同基準第10項以
外の違法事由の主張は本件各処分の違法と何ら関係がないから,本件で判断す
べきものではなく,第10項の地理・法令試験を課することが違法といえない
ことは原判決書32頁1行目から34頁20行目記載のとおりであるところ,
基準の適用に当たっては,形式的画一的に流れることなく,当該一般旅客自動
車運送事業の種類及び路線又は事業区域に応じ,実情に沿うように努めなけれ
ばならないと定める法6条2項に違反する点も見いだせない。
第4結論
よって,原判決は相当であり,本件控訴はいずれも理由がないからこれらを
棄却し,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法67条1項本
文,61条,65条を適用して,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第17民事部
裁判長裁判官秋山壽延
裁判官藤村啓
裁判官志田博文

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