弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣旨は末尾添附の弁護人吉田太郎の差し出した控訴趣意書記載のとお
りである。
 吉田弁護人の控訴趣意第一点の(一)の(A)、及び(二)について
 よつて按ずるに原審が「被告人は大蔵大臣の定めた基準外国為替相場によらない
で取得した本邦内にある対外支払手段であるアメリカ合衆国通貨合計二千ドルを所
定期間内に外国為替公認銀行等の所定機関に売却しないで昭和二十八年七月一日頃
右通貨二千ドルを携帯し、所定の通関手続を経ることなく、都内大田区羽田空港か
らA会社の航空機に搭乗してスイスに向つて出発しもつて対外支払手段を輸出し」
たとの事実を認定し、これに対し外国為替及び外国貿易管理法第二十一条第一号及
び同法第四十五条等を適用し以上を併合罪として処断していることは所論の如くで
あるところ、論旨は本件におけるが如く各行為が一連の行為として行われた場合に
買受ドル貨の不売却行為と右買受ドル貨の輸出行為とを各別に処罰するが如きは法
律の予定しておらないところであつて、かくの如き場合においては買受ドル貨の輸
出行為を罰することにより法律の目的は充分に達成することができるのであるから
原審が右ドル貨の輸出行為のほかに買受ドル貨の不売却行為をも処罰しているのは
法律の適用を誤つたものといわなければならないと主張するのであるが、外国為替
及び外国貿易管理法第二十一条及び第四十五条はいずれも同法第一条に示されてい
る外国貿易の正常な発展を図り、国際収支の均衡、通貨の安定及び外国資金の最も
有効な利用を確保するために必要な外国為替、外国貿易及びその他の対外取引の管
理を行い、もつて国民経済の復興と発展とに寄与せんがための方策たることにおい
<要旨>てはその目的、性質を同じくするものということができるであろうけれど
も、同法第二十一条第一号はわが国に獲得された外貨資金を政府の手に集中
管理するがために外国為替公認銀行等に対する売却義務を定めたものであり、同法
第四十五条は外貨資金の流出入の直接的及び間接的原因となる支払手段等の輸出入
を禁止したものであつて自らその重点を異にし、したがつてまた取締の範囲を異に
しており、且つそのいずれか一方が成立すれば他方は成立せず、若しくは一方は常
に他方を吸収する関係にあるものとは到底認められない。したがつて原審が原判示
買受ドル貨の不売却行為とこれが輸出行為とを併合罪の関係にある二個の犯罪行為
として擬律していることは固より相当であり、また外国為替及び外国貿易管理法第
七条第六号、第二十一条第一号、第四十五条、第三十条第三号、第二十二条第三号
は夫々独自の重点、目的を有し、したがつてまた取締の範囲を異にしており、且つ
以上の各所為が通常手段結果の関係にあるものとは認め難くその他法条競合あるい
は法条吸収関係にあるものとは認められないから、原審が原判示第一乃至第四の各
所為を夫々併合罪の関係にある独自の犯罪と認定していることもまた相当であると
認められる。それゆえ論旨は採用できない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 中村光三 判事 脇田忠 判事 鈴木重光)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛