弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人佐々木一珍の上告理由第一、第五について。
 原審が確定した事実関係によれば、本件手形取引契約において、訴外株式会社D
相互銀行に対する関係では、被上告人が主債務者であり、上告人と訴外Eとは連帯
保証人であるが、本件一三〇万円の金員の実際の借用主はEであり、被上告人、上
告人およびEの内部関係では、主債務者はEであり、上告人はその連帯保証人兼担
保提供者であるが、被上告人は単に形式上の主債務者にすぎないというのである。
しかして、本訴は、被上告人から委託を受けて連帯保証人となつた上告人が、被上
告人に対して求償を求めるものであるところ、前記のとおり被上告人が形式上の主
債務者にすぎないものである以上、上告人が被上告人に対し求償権を取得しえない
ことは当然の事理といわねばならないから、これと同趣旨に出て、上告人の本訴請
求を棄却すべきものとした原審の判断は正当である。右判断を非難するに帰着する
所論は採用できない。
 同第二、第三について。
 原判決挙示の証拠によれば、Eが被上告人に対し、その名義でD相互銀行から一
三〇万円を借り受けて貰いたい旨申し入れ、被上告人の承諾を得、これに基づき、
被上告人を債務者として本件手形取引契約が締結され、被上告人を借主名義として
一三〇万円の貸付がなされた旨および右貸付金一三〇万円の授受にあたり、昭和三
七年一月二〇日、右銀行員訴外Fは、右金員を被上告人方で被上告人に交付し、被
上告人は、その場で、右金員を同席していたEにそのまま手渡した旨の原審の認定
は、是認できる。所論は、ひつきよう、原審の認定しない事実を種々想定して、原
審が適法にした証拠の取捨判断および事実の認定を非難するものであつて、採用で
きない。
 同第四について。
 原判決挙示の証拠およびこれによつて認めた判示事実に徴すれば、本件手形取引
契約において、被上告人は形式上の主債務者にすぎない旨の原審の認定は首肯でき
る。所論は、原審が適法にした証拠の評価および事実の認定を非難するものであり、
採用できない。
 同第六について。
 被上告人が、本件手形取引契約について、単なる形式上の主債務者にすぎない旨
の原審の認定を首肯できることは先に説示したとおりであり、右認定に採証法則、
理由不備、理由そごの違法はない。この点に関する所論は、原審の認定と相容れな
い事実に立脚し、原審が適法にした事実の認定を非難するにすぎない。
 また、原審が確定した事実関係のもとにおいて、上告人が被上告人に対する求償
権を取得しえないとした原審の判断が正当であることは、所論第一、第五について
判断したとおりであり、右判断に法律解釈の誤り、理由不備、理由そごの違法はな
い。この点に関する所論は独自の見解に立つて原判決を非難するものでしかない。
 所論はすべて採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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