弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中被上告人B1に対する請求に関する部分を破棄し、右部分につ
き本件を仙台高等裁判所に差し戻す。
     被上告人B2に対する本件上告を棄却する。
     前項の部分に関する上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 職権をもつて按ずるに、原判決(第一審判決引用)の確定した事実によると、本
件目録二記載の土地については、その登記簿(成立に争いのない甲一号証)に記載
されているとおりの経過で、すなわち、もと訴外Dの所有であつたが、その後、訴
外E、同F、同Gが順次家督相続によりその所有権を取得し、さらに、昭和一八年
一一月二五日訴外Hが家督相続によりこれを取得し、昭和三元年八月一五日売買に
より上告人がこれを取得したものであり、他方、右土地については、昭和二四年一
二月二日を買収時期とする自作農創設特別措置法三〇条による未墾地買収がなされ
たというのであり、また、右買収により、国が右土地と他の土地とを合せてこれを
仙台市a字bc番山林一町八反一畝、同字d番山林一町四反七畝としたうえ、昭和
二七年七月一日被上告人B1に売り渡したこと、および、前記登記簿はそのまま閉
鎖されることなく存在していることは、いずれも、本件当事者間に争いのないとこ
ろである。
 右事実関係からすれば、本件目録二記載の土地は、前記Hが所有している間に、
一方において未墾地買収処分によつて国に買収されるとともに、他方において上告
人に売り渡され、上告人だけがその旨の所有権取得登記を経たものであるから、こ
のような場合には、国から右土地の売渡を受けた被上告人B1は、右土地の所有権
取得をもつて上告人に対抗することができないものといわなければならない(最高
裁昭和三九年(オ)第八二号同年一一月一九日第一小法廷判決、民集一八巻九号一
八九一頁参照)。
 被上告人B1は、右土地を含む前記字bc番およびd番の各土地につき、それぞ
れ昭和二八年四月一一日自作農創設特別措置法四一条による売渡を原因とする所有
権保存登記をなした旨主張するが、本件目録二記載の土地に関するかぎり、右保存
登記は二重登記であるからその効力を有しないものというべきであつて、右保存登
記が存することは前記判断の妨げとなるものではない。
 右のとおりであるから、本件目録二記載の土地についての前記未墾地買収処分が
有効であるというだけの理由から、被上告人B1に対して右土地の所有権確認を求
める上告人の本訴請求を排斥した原判決は、実体法規の解釈適用を誤つたものとい
うべきであり、したがつて、原判決中同被上告人に対する請求に関する部分は、本
件上告理由に対する判断をまつまでもなく失当として破棄を免れない。しかして、
同被上告人の時効取得の抗弁等の点につきなお審理させるため、右部分につき本件
を仙台高等裁判所に差し戻すのが相当である。
 つぎに、被上告人B2に対する関係において、本件上告理由について判断する。
 上告代理人中山明司、同平井篤郎の上告理由について。
 所論は、本件未墾地買収処分における瑕疵が明白であるとはいえないとした原判
決の法令違反をいうが、原判決が確定した事実関係のもとにおいては、所論原審の
判断は正当であるし、その他の所論も、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取
捨判断および事実の認定を非難するに帰するから、論旨は、いずれも、採用できな
い。
 よつて、民訴法四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    岩   田       誠

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