弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴をいずれも棄却する。
2控訴費用は,控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決中,控訴人らに関する部分を取り消す。
2被控訴人Aは,植木町に対し,金1億6754万1673円を支払え。
3被控訴人植木町長は,植木都市計画事業植木中央土地区画整理事業の施行のた
め,予算を支出してはならない。
第2事案の概要
本件第1事件は,熊本県鹿本郡植木町の町長である被控訴人Aが土地区画整理事
業に関してなした平成9年度及び平成10年度の予算執行について,法令上の根拠
を欠く違法なものであるとして,同町の住民が,地方自治法(平成14年3月法律
第4号による改正前のもの。以下,単に「法」という)242条の2第1項4号に。
基づき,同町に代位して,被控訴人Aに対し,損害賠償として合計1億4754万
,,1673円の支出額相当の支払いを求めた住民訴訟の事案であり本件第2事件は
被控訴人Aが土地区画整理事業に関してなした平成11年2月8日から同年8月2
9日までの予算執行について,かつ植木町議会が土地区画整理事業に関してなした
平成11年度の予算の議決について,それぞれ法令上の根拠を欠く違法なものであ
り,また,一旦巨額な予算が支出されれば損害の回復が困難になるとして,植木町
の住民が,法242条の2第1項4号に基づき,同町に代位して,被控訴人Aに対
し,損害賠償として2000万円の支出額相当の支払いを求めるとともに,同項1
号に基づき,被控訴人植木町長に対し,平成11年度区画整理事業費の予算執行の
差止めを求めた住民訴訟の事案である。
なお,一審原告のうち,訴え却下の判決を受けたB及びCを含む控訴外目録記載
の者は,原判決に対して控訴をしなかった。
1当事者間に争いのない事実
⑴控訴人らは,熊本県鹿本郡植木町の住民であり,被控訴人Aは,同町の町長
であって,町の予算を執行する権限を有する者である。
⑵植木町議会は,昭和45年9月26日,植木都市計画事業土地区画整理事業
(,「」。)施行規程を定める条例昭和45年植木町条例13号以下旧規程という
を制定し,旧規程は,同年10月7日公布され,同年11月6日施行された。
⑶熊本県知事は,昭和46年10月11日,α等の地域を施行区域として,旧
(「」。)規程に基づく植木都市計画事業植木土地区画整理事業以下旧事業という
の事業計画において定める設計の概要を認可した。
⑷植木町議会は,昭和49年6月7日,旧規程を廃止する条例を可決し,同条
例は,同月13日公布され,同日施行された。
⑸植木町議会は,平成11年6月21日,植木都市計画事業植木中央土地区画
(,「」整理事業施行規程を定める条例平成11年植木町条例10号以下新規程
という)を制定し,新規程は,同月25日公布され,平成12年2月21日施。
行された。
⑹平成12年2月21日,植木町は,新規程に基づく植木都市計画事業植木中
央土地区画整理事業(以下「新事業」という)の事業計画を定め,被控訴人町。
長は同日これを公告した。
⑺植木町議会は,平成11年度の区画整理事業費として,同年3月23日付け
で1億9712万4000円,同年6月21日付けで8875万7000円,
同年9月17日付けで52万円の予算を議決した。植木町は,同日,町役場に
「植木都市計画事業植木中央土地区画整理事業計画」という文書を掲示し,ま
た,同日付けで「測量に伴う土地立ち入りについて(お願い」という文書を,)
住民に配布した。
⑻控訴人番号1番から13番までの(第1事件原告番号1番から17番までに
対応する)控訴人らは,平成10年12月21日,平成9年12月22日から
平成10年3月末日までになされた土地区画整理事業に対する町予算の支出が
違法であるとして,植木町長に対し損害賠償の支払いを求めるとともに,土地
区画整理事業は不当な手続によるものであるとして,土地区画整理事業の差止
(「」。)。,めを求めて住民監査請求を行った以下第1次措置請求という次いで
控訴人番号14番から130番までの(第1事件原告番号28番から264番
までに対応する)控訴人らは,平成11年2月8日,平成10年4月1日から
平成11年2月7日までになされた土地区画整理事業に対する町予算の支出が
違法であるとして,植木町長に対し損害賠償の支払いを求めるとともに,前同
様の理由で土地区画整理事業の差止めを求めて住民監査請求を行った以下第(「
2次措置請求」という。次いで,第2事件原告番号1番から396番までに。)
対応する控訴人らは,同年8月30日,同年2月8日から同年8月29日まで
になされた土地区画整理事業に対する町予算の支出が違法であるとして,植木
町長に対し損害賠償の支払いを求めるとともに,予算執行の差止めを求めて住
民監査請求を行った(以下「第3次措置請求」という。。)
⑼植木町監査委員は,平成11年2月4日,第1次措置請求につき,理由がな
いという判断をした。次いで,同委員は,同月8日,第2次措置請求につき,
第1次措置請求と同一内容の監査請求であるとしてこれを却下した。次いで,
同委員は,同年9月8日,第3次措置請求につき,第1次及び第2次措置請求
と同一内容の監査請求であるとしてこれを却下した。
3本件の争点
⑴監査請求経由の有無について
(被控訴人Aの主張)
住民訴訟は,普通地方公共団体の住民であることに加え,住民監査請求を
した上で,①監査委員の監査結果又は勧告に不服があるとき,②勧告を受け
た機関又は職員の措置に不服があるとき,③監査委員が監査又は勧告を監査
請求があった日から60日以内に行わないとき,④勧告を受けた機関又は職
員が当該勧告に明示された期間内に必要な措置を講じないとき,のいずれか
に該当する場合でなければ提起できない(法242条の2第1項。)
第2次措置請求は,植木町監査委員によって却下されており,上記のいず
れの場合にも該当しないから,第1事件について,控訴人番号14番から1
30番までの控訴人らには原告適格がなく,これらの者の訴えは却下される
べきである。
(控訴人らの主張)
監査委員が監査請求を却下した場合において,却下の判断が違法である場
合は「監査委員が監査を行わないとき(法242条の2第1項)に該当す,」
るものとして,住民訴訟を提起することができる。
植木町監査委員は,第2次措置請求について,いわゆる一事不再理の原則
に該当することを理由に却下したものであるが,一事不再理の原則とは,同
一請求人による同一内容の再監査請求を排除するものであって,第2次措置
請求は,第1次措置請求とは異なる請求人によるものであり,しかも,第1
次措置請求とは異なる予算支出を監査対象とするものであるから,一事不再
理の原則は適用にならず,第2次措置請求は適法である。
したがって,植木町監査委員のなした却下の判断は違法であるから,前記
控訴人らは,本件第1事件にかかる住民訴訟について原告適格を有する。
⑵予算執行の違法性について
(控訴人らの主張)
ア植木町は,昭和49年6月13日,旧規程を廃止する条例を公布し,しか
も,旧事業の施行期間は昭和50年3月31日をもって徒過したにもかかわ
らず,平成11年6月21日に新規程が制定されるまでの間,土地区画整理
事業に関しその遂行の根拠となるべき条例等制定などの何らの措置も取って
いない。また,植木町は,旧規程の廃止後,熊本県に対し土地区画整理法7
6条所定の建築行為等の制限を行わないよう申し入れ,かつ土地区画整理地
内において,都市計画法54条所定の許可基準以上の建物の建築許可申請に
関わったり,区画整理のために先行取得していた土地を一般人に売却したり
している。
このような事実からすると,旧規程の廃止に伴い,旧事業は廃止されたと
いわざるをえず,旧建設省の見解も同様であり,植木町もそうした前提で町
政を運営していたとみられる。ところが,植木町の平成9年度及び平成10
年度予算は,いずれも旧事業が継続していることを前提に策定され,植木町
議会で議決されているのであって,新事業に対する予算として植木町議会の
承認を得ていない。なお,新事業に対する予算を執行するためには,都市計
画法上,都市計画案の縦覧(17条1項,都市計画の決定(18条,都市))
計画の告示(20条1項,関係図書の縦覧(20条2項)といった手続を経)
なければならないのに,これらの必要な手続は行われていない。
イ植木町の町長である被控訴人Aは,これらの事実を認識しながら,ことに
旧事業は廃止されているとの旧建設省の見解については,平成9年8月13
日に,若しくは遅くとも同年9月30日には認識していたにもかかわらず,
,,旧事業は生きていると公言しそのための予算を組んで執行してきたもので
その予算の執行は,法令上の根拠を欠く違法なものである。また,これを新
事業のための支出とみることは,予算執行の目的を逸脱するものであるし,
上記のとおり新事業に対する予算を執行するための必要な手続が行われてい
ないことからして違法である。予算につき議会の議決があることは,その支
出についての違法性を阻却するものではない。
加えて,土地区画整理事業は,その調査費を含めて国がその経費の一部を
補助すべき事業であるのに、被控訴人Aは,平成9年度,平成10年度の予
算支出に当たり,国庫補助金の申請をせず,国からの補助金は交付されてい
ない。これは,被控訴人Aにおいて,旧事業は廃止になっており,補助金を
申請するには新たな施行規程の制定が必要であることを認識していたためで
ある。このように,被控訴人Aは,国に対して土地区画整理事業に関する国
庫補助金の申請をせずに予算の支出をしたのであるが,植木町の財政状況が
,,極めて逼迫していたことを考えるとそもそもその過大ともいうべき支出は
法2条14項,地方財政法4条1項に違反するものである。
こうして違法に支出された予算の執行額は,平成9年度が8102万46
73円,平成10年度が6651万7000円,合計1億4754万167
3円に上り,平成11年2月8日から同年8月29日までは新事業のために
少なくとも2000万円が支出された。
ウ被控訴人らは,調査費用としてこれらの支出をした旨主張する。しかし,
新事業の施行区域の大部分は旧事業の施行区域の一部であるところ,植木町
は,昭和45年から昭和47年にかけて調査を行っており,平成5年には地
,。籍調査も行っているのであって事業に必要な調査の大部分を終了している
したがって,新事業に対する調査は殊更必要でない。
エ前記のとおり,植木町議会が区画整理事業費として平成11年度の予算を
議決するなどしており,被控訴人植木町長がその予算を執行する蓋然性が高
い。そして,一旦巨額な予算が支出されれば,その損害を回復することは困
難であるといえる。
もっとも,この予算の執行が既になされた以上,差し止め請求自体は意味
を持たないとしても,この支出は違法であるべきものである。
(被控訴人らの主張)
ア旧規程が廃止されたからといって,旧事業も当然に廃止されるわけではな
く,休止の状態で存続しているのである。旧建設省は,従来この見解を採用
しており,被控訴人Aも,旧建設省の見解に従って,旧事業は廃止されてい
。,,ないものとしてそのための予算を組んで執行してきたしかし旧建設省は
平成10年9月ころ,土地区画整理事業に関する施行規程が廃止されれば,
事業自体も廃止されるという見解に改めたので,被控訴人Aも,以後はその
改めた見解に従うこととしたのである。
なお,植木町は,旧規程が廃止された後,土地区画整理地内において都市
計画法54条所定の許可基準以上の建物の建築許可申請に関わったりしてい
るが,これは,土地区画整理事業に関する施行規程が廃止された場合,事業
自体が廃止されるか否かという見解の相違から派生したことであり,その時
々の町長の姿勢の違いによって生じた問題である。
イ町が支出負担行為をするには,法令又は予算の定めるところに従いなされ
る必要がある(法232条の3。本件の各年度における予算の支出は,新事)
業を行うための調査費用としての支出であるところ,土地区画整理事業は,
本来的に地方自治体の事務であり(都市計画法3条,平成11年7月法律第
87号による改正前の地方自治法2条3項12号,事業計画の変更又は新し)
,。い事業計画の策定のために町が調査費を支出することも町の事務に当たる
そして,建設省告示による都市計画用途地域の指定や都市計画区域の決定等
がなされており,土地区画整理事業に関する施行規程の制定や事業計画の決
定前にも様々な調査をする必要があることから,これらの手続を履践するた
。,,めに支出を行うことも許されるしかも被控訴人Aがなした予算の執行は
議会の議決を経た予算に基づく支出である。
したがって,被控訴人Aが行った支出は適法である。なお,土地区画整理
事業に関する予算の執行額は,平成9年度が5599万6898円,平成1
0年度が1億0725万3346円である。
ウ被控訴人Aが行った支出について,これを旧事業の変更事業のための支出
,。とみるか旧事業とは異なる事業のための支出とみるかは評価の問題である
また,被控訴人Aが本件の予算執行をなすに当たり,国庫補助金の交付申
請をしなかったのは,会計検査院から長期停滞地区として指摘を受け,事業
再開を図るように指導を受けていた経緯があること,新事業の施行区域の大
部分が旧事業の施行区域内にあり,旧事業の関係で交付された国庫補助金の
対象に調査費用も含まれていたことから,新事業の調査費用に関して国庫補
助金の交付を受けると,補助金の二重使用となる恐れがあったからである。
,,なお施行規程の制定前でも国庫補助金を活用することができるのであって
新たな施行規程を制定しなければ補助金の交付が受けられないというもので
はない。
第3争点に対する判断
1監査請求経由の有無について
当裁判所も,植木町監査委員は本来適法な第2次措置請求を誤って却下したも
のであり,当該請求をした住民は,適法な監査請求を経たものとして,本件第1
事件にかかる住民訴訟を提起することができ,これについて原告適格を有するも
のと判断するが,その理由は,原判決「事実及び理由」の「第3争点に対する
判断」の1項⑵に記載のとおりであるから,これを引用する。
2予算執行の違法性について
⑴判断の前提となる事実関係は,次のとおり付加,訂正するほか,原判決「事
実及び理由」の「第3争点に対する判断」の2項⑴に記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
ア原判決11枚目5行目の「しかし」の前に「植木町は,旧規程の制定や旧
事業の事業計画の公告に先立ち,昭和45年から昭和47年にかけて総額3
030万円の費用を支出し,昭和45年度は測量,権利調査,換地設計,土
地評価等を,昭和46年度は区画整理設計,換地設計等を,昭和47年度は
建物の解体移転補償等を行い,これらの事業に関して総額2020万円の国
庫補助金の交付を受けた」を加え,同16行目の「制定し」を「植木町議会。
に提出して可決され」と改め,同18行目の「31」の次に「41ないし4,
3」を加える。,
イ原判決11枚目25行目から26行目の「同法は公共団体施行の事業の廃
止を認めていないと解釈されており」を「同法は,都市計画が変更され施行
区域が廃止される場合を除いて,公共団体施行の事業の廃止を認めていない
という有力な解釈があり」と改める。
ウ原判決12枚目1行目の「当時の」から同2行目末尾までを削除し,これ
に代えて「他方,旧建設省都市局都市計画課監修による都市計画法の解説書
(平成元年発行等)によれば,都市計画事業の中止に関して,同法63条所
定の事業計画の変更の手続により対応しうると考えられ,都市計画事業の認
可等は,認可等の中で定められた事業施行期間を徒過してしまうと失効して
しまうから,事業施行期間を短縮することにより,認可等の効力を失わせる
。(,,)」。ことができるとの解釈が示されていた甲6364乙36を加える
エ原判決13枚目22行目の「32ないし35,37」を削除する。,
オ原判決13枚目22行目の次に行を改め,次のとおり加える。
「(カ)一方,熊本県は,都市計画課等の関係各課において植木町とともに植
木土地区画整理推進協議会を設立するなどして,土地区画整理事業の再
開を全面的に支援してきたことから,事業再開の方策や法的処理の問題
について旧建設省の意向を確認するべく,平成9年8月13日,担当の
同省区画整理課との間で協議を行ったところ,旧建設省側から「旧事業,
の施行期間がすでに過ぎていることから,事業再開を行う際には,新た
に認可を取ることになるのではないかと考えられる」との見解が示され。
た。次いで,同月26日に旧建設省都市局区画整理課と熊本県都市計画
課の各担当者の間で行われた協議の際には,旧建設省側から「施行規程,
の廃止等を考慮すると,新規の方がいいと思われる。新規に取り扱った
場合,事業を事実上廃止したとも解釈されるため,各都道府県における
同様の地区の実態調査を行った上で,変更で取り扱うべきか新規で取り
扱うべきかを検討して回答したい」との表明がなされ,平成10年2月。
9日に同様に行われた協議の際には,旧建設省側から「事業計画にお,(
いて定める)設計の概要の認可については,施行規程が町議会において
廃止されていることを考えれば,新たに認可をすべきではないかと考え
る。施行規程の廃止は,町としての1つの意思表示と思われる。なお,
全国的な調査結果によると,事業計画における施行期間が終了した後,
再開した事例においては,いずれも設計の概要の変更認可で対応してい
る。個々の地区の詳細については,再度調査を行う予定である」との見。
。,,解が示されたさらに同年3月23日に同様に行われた協議の際には
旧建設省側から「法律上の規定はないものの,一旦開始された事業を廃,
止することは不可能ではないと考える。事業再開に当たっては,新規事
業として新たな事業計画を作成するとともに(設計の概要につき)県知,
事の認可を受けることとする。この県知事認可を受けたことで,旧事業
。,計画は昭和49年度末に遡って終了したものとみなすこととなるなお
今回の植木地区の事業廃止に関する取り扱いはあくまでも特例であり,
公共団体施行の土地区画整理事業が施行規程を廃止することによって事
業が廃止されるという意味ではないため,他県から照会されても説明に
当たっては留意すること」との説明がなされた。。
熊本県の担当者は,こうした旧建設省との協議の内容について,その
都度植木町都市計画課の担当者に伝えていた。
(甲106の1ないし4,115,乙53,当審証人D,同E」)
カ原判決14枚目9行目の「建設省の」を「旧規程が廃止されても旧事業は
廃止されないとの」と改める。
「」「」,キ原判決15枚目18行目の都市計画課課長の前に植木町のを加え
同19行目の「都市区画整理事業」を「土地区画整理事業」と改める。
ク原判決17枚目13行目の「2月21日」を「2月15日,熊本県知事か
ら新事業の事業計画において定める設計の概要につき認可を得た上,事業計
画を定め,同月21日」と,同15行目の「○○」を「○○」とそれぞれ改
める。
ケ原判決17枚目18行目の「部分である」を「部分であり,前記の役場跡
地と都市計画変更により新たに加えられた区域を除いて,大部分が旧事業の
施行区域の範囲内にある」と改める。
コ原判決20枚目21行目の「補正予算編成により」の次に「区画整理事業,
,費として平成11年6月21日の議会の議決により8875万7000円が
,」。同年9月17日の議会の議決により52万円がそれぞれ計上されを加える
⑵以上の認定事実に基づき,被控訴人Aが土地区画整理事業に関してなした平
成9年度ないし平成11年度の予算執行の違法性の有無について検討する。
ア前記認定によれば,被控訴人Aは,町長就任後に作成された植木土地区画
整理事業基本構想案などに基づき土地区画整理事業を推進するに当たって,
旧規程が廃止されても,旧事業は廃止されずに休止又は中断状態にあり,こ
れが旧建設省の見解でもあるとの考えの下,旧事業につき事業計画を変更し
て推進するための諸々の調査業務を委託するに当たって必要となる費用を支
弁するため,植木町議会に都市計画総務費や都市計画事業推進費が計上され
た平成9年度及び平成10年度予算を提出し,議会の議決を得た上でこれら
の費用を支出していたが,平成10年11月ころFメモの存在を知ったこと
を契機に,旧建設省の見解が変わったとの理解により,旧事業は廃止された
ものと考えるに至り,以後は旧事業とは別個の新たな土地区画整理事業を立
ち上げるため,既に執行した分も含めてその費用に当てることとし,平成1
1年度予算にはこの新たな事業のための区画整理事業費が計上されて,議会
の議決を得た上でその費用を支出したということができる。
イ旧事業の廃止
地方公共団体施行にかかる土地区画整理事業に関しては,個人施行者や土
地区画整理組合施行の場合と異なり,事業の廃止について土地区画整理法上
何ら明文の規定がない。しかし,地方公共団体が土地区画整理事業を施行し
ようとする場合においては施行規程及び事業計画を定めなければならず土,(
地区画整理法52条1項,ただし,平成11年12月法律第160号による
改正前のもの,施行規程は地方自治体が条例で定めることとされ(同法5。)
3条,事業計画においては施行期間等を定めることとされていること(同法)
54条,6条)を考えると,本件のように,一旦制定された施行規程が条例
をもって廃止され,かつ事業計画における施行期間が終了した場合は,地方
公共団体は土地区画整理事業を遂行する根拠を失うのであって,事業は廃止
されることとなるものと解するのが相当である。したがって,本件において
は,旧規程が廃止され,旧事業の事業計画における施行期間(昭和50年3
月31日まで)が経過したことにより,旧事業は廃止されたものである。
ウ旧事業の存続を前提とした予算執行
控訴人らは,旧事業は廃止されたものであるのに,継続していることを前
提に策定され,かつ執行された平成9年度及び平成10年度予算の支出は,
法令上の根拠を欠く違法なものである旨主張する。
しかしながら,普通地方公共団体は,当該普通地方公共団体の事務を処理
するために必要な経費その他法律又はこれに基づく政令により当該普通地方
公共団体の負担に属する経費を支弁するものとされ(地方自治法232条1
項,ただし,平成11年7月法律第87号による改正前のもの,普通地方。)
公共団体が土地区画整理事業を行うことは,その事務に該当し(同法2条3
項12号,ただし,同改正前のもの,都道府県又は市町村は,都市計画に。)
定められた施行区域について土地区画整理事業を施行することができるので
ある(土地区画整理法3条3項。したがって,植木町が平成9年度以降土地)
区画整理事業を推進するに当たり,必要な経費を支弁するため,これを予算
に計上して議会の議決を得た上で支出することは,上記法令に基づいた適法
な支出である。そして,過去に事業計画の決定された旧事業との関連で,旧
事業が未だ存続していて,この旧事業の事業計画の変更として経費を支出す
るのか,あるいは旧事業は廃止されており,この旧事業とは別個の新たな事
業として経費を支出するのかは,植木町において推進が計画された土地区画
,,整理事業の性格の捉え方の違いいわゆる評価の相違にすぎないのであって
植木町が推進を計画した土地区画整理事業のための支出であることに変わり
はなく,旧事業の継続を前提に予算を策定して執行したからといって,その
予算の執行が当然に違法となるものではない。
以上のとおり,控訴人らの上記主張は採用することができない。
エ新事業のための予算執行
控訴人らは,本件各年度における予算の執行が新事業のためになされたも
のとしても,旧事業の継続を前提になされた予算の支出を新事業のための支
出とみることは,予算執行の目的を逸脱するものであり,また,関係図書の
縦覧など都市計画法上の必要な手続が行われておらず,そのような予算の執
行は法令上の根拠を欠いて違法である旨主張する。
まず,旧事業の継続を前提になされた予算の支出を新事業のための支出と
,,みることは予算執行の目的を逸脱するという点については前説示のとおり
旧事業の継続とみるか,別個の新たな事業とみるかは,植木町の計画した土
地区画整理事業に対する旧事業との関連での評価の相違にすぎないのであっ
て,一旦旧事業が継続しているとの考えの下に予算を策定執行し,後になっ
て旧事業が廃止されているとして見解を改め,当該予算の執行を新たな事業
のための支出と捉え直したからといって,予算執行の目的を逸脱することに
はならない。
,,,次に土地区画整理事業を遂行するためには都市計画や事業計画の決定
並びに施行規程の策定に先立って,必要な検討資料を収集するための調査や
計画立案作業などを行う必要があり,例えば,環境評価,現地踏査,基本構
想の作成,現況測量,区画整理設計,基本計画案の作成,広報活動といった
調査や準備を行うことが考えられるのであって(甲107,乙20,都市計)
画の決定や告示,関係図書の縦覧等の都市計画法上要求される手続を踏む前
においても,これらの調査等を行うために費用の支出が必要となり,そのた
めの予算措置を講じなければならないのである。そして,本件の各年度にお
,,,いて被控訴人Aがなした予算の執行並びに議会が議決した予算の内容は
上記の調査や準備を行うためになされたものといえるから,未だ都市計画法
上の必要な手続が行われていないからといって,本件の予算執行を違法とい
うことはできない。
なお,控訴人らは,植木町においては昭和45年から昭和47年にかけて
調査を行うなど,事業に必要な調査の大部分を終了させているのであり,新
たな調査は不要である旨主張する。しかし,新事業の施行区域の大部分が旧
事業の施行区域の範囲内にあるからといって,旧事業の遂行のための調査が
なされてから平成9年まで25年以上が経過しており,その間の地域環境,
経済情勢,交通状況,人口動態等は大きく変化しているものと考えられるか
ら,新たに土地区画整理事業を推進するに当たり,再度これらの調査をする
必要があるものというべきであって,控訴人らの上記主張は採用することが
できない。
オ国庫補助金の申請
控訴人らは,被控訴人Aは,植木町の財政が極めて逼迫した状況にあった
のに,国に対して土地区画整理事業に関する国庫補助金の申請をせずに本件
の過大な予算支出を行ったものであり,この行為は法2条14項,地方財政
法4条1項に違反する旨主張する。
土地区画整理法118条1項は,地方公共団体が施行する土地区画整理事
業に要する費用は当該施行者が負担する旨定めているが,地方財政法9条た
,,,だし書10条の2第3号は重要な都市計画事業に要する経費については
国がその経費の全部又は一部を負担するとされ,また,土地区画整理法12
1条は,地方公共団体が施行する土地区画整理事業が大規模な公共施設の新
設にかかるものである等一定の要件を満たす場合において,国は,予算の範
囲内において,その土地区画整理事業に要する費用の2分の1以内を補助金
として交付することができる旨定めている。
本件の新事業に要する費用(調査費用)が国庫補助の対象になるか否かは
さておくとして,仮に申請をすれば補助金の交付を受けられるとしても,そ
の申請をしなかった行為について,法2条14項,地方財政法4条1項に違
反するものとして,被控訴人Aに損害賠償責任を負わせることはできない。
法2条14項(平成11年7月法律第87号による改正前の法2条13項)
は「地方公共団体は,その事務を処理するに当たっては,住民の福祉の増進,
に努めるとともに,最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければなら
ない」と規定し,地方財政法4条1項は「地方公共団体の経費は,その目。,
的を達成するための必要かつ最小の限度をこえて,これを支出してはならな
い」と規定しているところ,これらの規定は,地方公共団体における事務処。
理や財政の基本指針を定めたものであって,これらの規定を根拠にして補助
金の交付申請義務を導き出すことは困難である。地方公共団体がいかなる場
合に国に対して補助金の交付を申請するかは,政治的な判断の問題であり,
財政が逼迫した状況下において補助金の交付を申請しなかったことで何らか
の政治的な責任問題が浮上することはありえても,法的に損害賠償責任を課
することはできないというべきである。
なお,控訴人らは,植木町における公債費負担比率(公債費に充当された
一般財源等の一般財源等総額に対する割合)が平成9年度は14.3パーセ
ント,平成10年度は16パーセント,公債費比率(公債費に充当された一
).,般財源等の標準財政規模に対する割合が平成9年度は157パーセント
平成10年度は15.2パーセントであり(甲99,100,植木町の財政)
は極めて逼迫していた旨強調するが,仮にそのように評することができると
しても,被控訴人Aのなした予算の支出が過大であるとは直ちには認められ
ない。
以上のとおり,控訴人らの上記主張は採用することができない。
カ被控訴人Aの認識
前記のとおり,被控訴人Aは,平成10年11月ころFメモの存在を知る
までは,旧規程が廃止されても旧事業は廃止されずに存続しており,これが
旧建設省の見解であると認識していたが,Fメモの存在を知ってからは,旧
事業は廃止されたと考えるに至ったものである。これに対し,控訴人らは,
被控訴人Aは,Fメモの存在を知る前から旧事業は廃止されていると認識し
ていたものであり,平成9年8月13日若しくは遅くとも同年9月30日に
はそのように認識していたにもかかわらず,旧事業は生きていると強弁して
いた旨主張する。
しかしながら,前記のとおり,土地区画整理法に地方公共団体施行の土地
区画整理事業について廃止に関する明文の規定がないことに加えて,公刊さ
れていた同法に関する解説書には,都市計画施行区域が廃止される場合を除
いて,地方公共団体施行の事業の廃止は認められないなどと記載されていた
こと(都市計画事業の認可等は,認可等の中で定められた事業施行期間を徒
過してしまうと失効するという旧建設省都市局都市計画課監修の解説書も,
直接は都市計画法に関する解釈として認可等の中で事業施行期間が定められ
た場合について述べたものであり,これを土地区画整理法の解釈に応用する
,,。),としても裁判所の確定的な判例などとは異なり一つの見解にすぎない
昭和49年ころに当時の植木町助役が,旧建設省の担当者から,旧事業の廃
止に絡んで土地区画整理事業の廃止はない旨厳しく指摘されたことがあった
ことを考え合わせると,むしろ旧建設省の従来の見解は,地方公共団体施行
の土地区画整理事業について廃止は認められないという解釈であったとも考
えられるのであって,被控訴人Aにおいて,これが旧建設省の見解であると
考え,自己においてもそのように認識したことは,やむをえなかったものと
いわざるをえない。
また,熊本県と旧建設省が平成9年8月13日から平成10年3月23日
にかけて,植木町の計画する土地区画整理事業について協議を重ねていたこ
とは前記のとおりであり,その際に旧建設省の担当者から,旧事業の施行期
間が過ぎていたり,旧規程が廃止されていることを考慮すると,事業を再開
するためには,新たに事業計画を作成するとともに県知事の認可を取るべき
ではないかとの見解が再三にわたって示され,この協議の内容はその都度植
木町の担当者にも伝えられていたことからして,被控訴人Aも,旧建設省の
担当者がこのような見解を持っていることを知り,若しくは知りえたものと
いうことができる。しかし,旧建設省の担当者は,このような見解を示す反
面「各都道府県における同様の地区の実態調査を行った上で,変更で取り扱,
うべきか新規で取り扱うべきかを検討して回答したい(平成9年8月26日」
の協議「個々の地区の詳細については,再度調査を行う予定である(平成),」
10年2月9日の協議「今回の植木町のケースはあくまでも特例であり,),
施行規程を廃止することによって公共団体施行の土地区画整理事業が廃止さ
れるという意味ではない(平成10年3月23日の協議)との説明も併せて」
繰り返していたものであって,この当時における旧建設省の法解釈は尚も流
動的であり,施行期間の経過や施行規程の廃止によって旧事業は廃止される
との解釈は,確たるものではなかったことが明らかである。したがって,被
控訴人Aにおいて,旧建設省の担当者がこのような解釈方向を示しているこ
とを知り,若しくは知りえたからといって,これを旧建設省の確定的な法解
釈と受取ることは困難であったとみるべきであって,これを知ることで直ち
に旧事業の廃止を認識し,若しくは認識しえたということはできない。
さらに,前記のとおり,植木町は,旧規程の廃止後,熊本県に対し土地区
画整理法76条所定の建築行為等の制限を行わないよう申し入れたり,旧事
業が存続しているとすれば同条や都市計画法54条(平成12年5月法律第
73号による改正前のもの)の規定上許可基準を超えるのではないかと思わ。
れる建物の建築が許可されるなどしていることが窺えるが,他方で,昭和5
5年ころには当時のG元町長が,平成元年10月から平成4年12月にかけ
ては植木町の企画課長が,それぞれ町議会において旧事業の変更として土地
区画整理事業に取り組む旨を説明したり,平成2年4月には旧事業を見直し
て土地区画整理事業の推進を図ることを謳った基本構想や基本計画が策定さ
れていることに照らすと,植木町の行政実務において,旧事業が廃止された
との取扱いが確立していたものということはできない。この点は,被控訴人
Aが植木町の町長に就任後のこととして,建築確認申請にかかる調査報告書
に土地区画整理事業はない旨の記載がなされたことがあったこと,控訴人ら
の主張するように,被控訴人Aが本件の予算支出に当たり国庫補助金の交付
申請をしなかったことを斟酌しても,変わりがない。
なお,甲116号証によれば,平成元年6月に作成された植木都市計画図
には,都市計画法上の土地区画整理事業の施行区域は記載されているが,事
業計画が認可された旧事業の施行区域は記載されていないことが認められる
ところ,上記都市計画図は,都市計画法14条の規定に基づいて作成された
図書であるとみられるが,同条によって表示が要求されている施行区域は,
都市計画法上決定された土地区画整理事業の施行区域であって,土地区画整
理法によって事業認可を受けた施行区域ではないから,後者の施行区域が記
載されていないことから,当時,植木町当局が,旧事業は廃止されていると
認識していたことを推認させるものとみるのは困難である。
以上のとおり,被控訴人Aについて,Fメモの存在を知る前から旧事業は
廃止されていると認識していたものということはできず,この点に関する控
訴人らの主張は採用することができない。
⑶したがって,被控訴人Aのなした本件各年度における土地区画整理事業に関
連した予算執行は,いずれも適法な行為というべきである。
なお,ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し,実務上の取扱
いも分かれていて,そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に,公
務員がその一方の見解を正当と解しこれに立脚して公務を執行したときは,後
にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに当該公務員に過失があっ
たものとすることは相当でない(最高裁昭和46年6月24日判決・民集25
巻4号574頁参照。したがって,被控訴人Aが旧事業は存続しているとの認)
識の下に本件の予算執行をしたことについて,仮に違法性が認められるものと
しても,前記の説示に照らせば,その当時においては,旧事業が存続している
との法解釈にも相応の根拠があったということができるから,後になってその
法解釈が誤っており,その解釈の下になされた予算執行が違法と判断されたか
らといって,被控訴人Aに過失があったということはできないのであって,被
控訴人Aが本件にかかる損害賠償責任を負うものでないとの判断に変わりはな
い。
3予算支出の差止め
控訴人ら(別紙控訴人目録記載の控訴人らのうち,第2事件原告番号欄に表示
のある者)は,被控訴人植木町長に対し,土地区画整理事業の施行のための予算
支出の差止めを請求するが,その主張からすると,平成11年度における予算の
執行の差止めを求めていることが明らかである。そうすると,弁論の全趣旨によ
れば,上記予算はすでに執行済みであることが認められるから,差止めを求める
訴えの利益を欠き,差止め請求は却下を免れない。
第4結論
よって,控訴人らの本件各請求につき,被控訴人Aに対する損害賠償の請求を棄
却し,被控訴人植木町長に対する予算支出の差止請求を却下した原判決は正当であ
って,本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとする。
福岡高等裁判所第3民事部
裁判長裁判官小林克已
裁判官内藤正之
裁判官白石史子

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