弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中酒税法違反被告事件に関する部分を破棄する。
     本件中酒税沃違反事件についての公訴を棄却する。
     本件中食糧管理法煙草専売法違反被告事件に関する控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は別紙控訴趣意書と題する書面に記載の通りである。
 第一点は酒税法違反事件については告発が訴訟条件であり又告発の前提として通
告処分が必要であるのに、本件中酒税法違反事件については通告処分をなした形跡
もなく、又告発書はあるけれども犯則事実の記載がないので告発は無効であるか
ら、原審は公訴を棄却すべきであつたのに拘らず不適法な起訴に基いて有罪の判決
をした違法があるというのである。
 然し乍ら、通告処分は必ずしも必要ではなく、直ちに告発をすることの出来る例
外の場合が認められていることは国税犯則取締法第十三条第十四条の定めるところ
であるから、通告処分がないという一事を以て直ちに告発が無効であるということ
は出事ない。本件酒税法犯則事件の告発書には告発の理由が具体的に明示してない
憾みはあるが「国税犯則取締法第十三条第一項により」とあるので、同法第十三条
第一項第一号乃至第三号の中のいづれかの理由によつて通告処分なしで直ちに告発
をしたものであることが認められるので、此の点の論旨は当つていない。
 <要旨>次に右告発書には「左記の者酒税法犯則事件につき国税犯則取締法第十三
条第一項に依り告発致します」とあり罪名、該当法条、証拠物件、嫌疑者の
住所氏名職業年齢が記載してあるだけで犯則事実の記載は全然ない告と論旨に指摘
の通りである。そして告発とは犯罪者及被害者以外の第三者から捜査機関に対し犯
罪事実を申こして訴追を促す行為であるから、如何なる犯罪につき訴追を促すもの
であるかを示さない右告発は告発としての効力がないものと解すべきである。
 尤も本件記録には酒税法違反事件に関して収税官吏作成の書面として前記告発書
の外に臨検捜索顛末書、差押顛末書、鑑定書、質問願末書があるので之等の書類の
記載を総合すれば犯則事実の大要を知ることが出来ないことはないが、前記告発書
には犯則事実記載の欄さえ全然ないのは勿論「参考事項」「添附書類」の欄にも何
も記載してないのであるから、右質問顛末書等の各書類を以て右告発書と一体をな
すものであるとか或は之等に記載の内容を以て告発書の犯則事実の記載に代るもの
であると認めることは到底出来ないので、前記告発は矢張り無効のものと断ずる他
はない。間接国税犯則事件につき国税局長又は税務署長の告発が訴訟条件をなすも
のであることは云う迄もない。
 従つて酒税法違反事件についての本件起訴は不適法のものであつて原審としては
刑事訴訟法第三百三十八条第四号によつて公訴棄却の判決をすべきであつたのに拘
らず有罪の判決をした違法があると云わねばならない。論旨は理由がある。
 それで刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十八条第二号により原判決を破棄した
上同法第四百条但書第四百四条第三百三十八条第四号を適用して本件中酒税法違反
に関する公訴(公訴事実―被告人は政府の免許を受けないで肩書自宅において一、
昭和二十五年十月初旬頃米麹約二斗、麦約一斗、小麦粉約一斗、水約三斗を原料と
して、三斗桶一個に仕込み醗酵させ之を蒸溜して焼酎約二斗七升を製造し、二、同
月二十二日頃米約五升、米麹約五升、水約一斗を原料として四斗入桶一個、二升甕
一個に仕込み醗酵させて濁酒醪約二斗二升を製造した)は之を棄却することとし
た。
 第二点は本件食糧管理法違反並に煙草専売法違反の罪につき原審の科した刑は重
きに失するというのである。
 然し乍ら、食糧管理法違反の罪については前科調書の記載で明らかなように被告
人は、昭和二十四年十二月十二日に同様の罪で罰金二千五百円に処せられたことが
あるにも拘らず更に本件の罪を犯したこと煙草専売法違反の罪について被告人は本
件葉煙草を持つていて逮捕された時それは妻の父の法要の為大阪に行く積りでいた
のであつて煙草は妻の母えの土産にする為のものだつたと弁解しているけれども
「葉煙草が入手出来たので出掛けたのではないか」との原審判事の問に対し答えて
いないのを見ると右弁解は必ずしも措信出来ないこと、所持していた葉煙草、輸送
した精米の各量その他諸般の情状を考えて原審の科刑は重きに失するとは云えな
い。論旨は理由がない。
 それで刑事訴訟法第三百九十六条に従つて、本件中食糧管理法違反及び煙草専売
法違反の被告事件についての控訴は之を棄却することとした次第である。
 (裁判長裁判官 柳田躬則 裁判官 藤井寛 裁判官 永見真人)

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