弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件非常上告を棄却する。
         理    由
 検事総長佐藤藤佐の非常上告趣意について。
 累犯加重の事由とされた前科に関し、確定判決に事実誤認のあることを主張し、
これを前提として同判決における累犯加重の違法を主張しても、非常上告の理由と
ならないことは、当裁判所の判例とするところである。(昭和二五年(さ)三六号
同年一一月八日大法廷判決、集四巻一一号二二二一頁)
 所論は、被告人Aにつき累犯加重の事由とされた同人の前科に関し、原確定判決
の事実認定が誤りであることを主張し、「原判決は……二つの無力の証拠を羅列し
て前科刑の執行終了事実を認定した意味において、審判上の非違をなしたか、また
は科刑に影響ある事実の認定をなすに審理を十全に尽さなかつたという手続上の過
誤を犯したものと謂うの外なく、該不法の処置は審判法令に違背するものとして破
棄せらるべきもの」であり、さらに、「その必然的結論として、原判決が右前科刑
執行終了の事実を誤認してなした累犯加重に関する刑罰法令を適用処断した点も、
畢竟法令適用の前提条件を欠如するものに対しこれを適用したこととなるのである
から、これまた審判法令に違反するものと謂うの外なく、所詮破棄を免れないとこ
ろ」であると主張する。すなわち所論は、原確定判決に、右のような前科に関する
事実認定上の違法があることを主張し、さらにこれを前提として累犯加重の違法を
主張するものであつて、前科に関する単なる事実誤認を主張し、これを前提として
法令違反を主張するのではない。
 しかし、累犯加重の事由とされた前科に関し、確定判決に所論のような事実認定
上の違法(審理不尽等)があることを主張し、かつこれを前提として同判決におけ
る累犯加重の違法を主張することもまた、非常上告の理由となしえないものといわ
なければならない。けだし、非常上告は、本来法令の解釈適用を統一することを目
的とするものであつて、(イ)右のような具体的な個々の事実認定そのものにおけ
る、審理不尽等の違法を是正することを目的とするものではないし、(ロ)また、
たとい右のような事実認定上の違法があることを前提とするのであつても、前記の
ような事実認定について、通常手続終了後に、その誤りを是正し、右事実認定の当
然の結果にすぎずそれ自体には誤りのない法令の適用をあらためることを目的とす
るものではないからである。
 のみならず、本件記録を調査すると、原確定判決の所論前科に関する事実認定に
ついては、必ずしも所論のような事実認定上の違法があるといえないのである。す
なわち、静岡地方裁判所沼津支部の判決日時の点については、原確定判決は、検察
官が提出した吉原区検察庁検察事務官B作成の前科調書中の記載を措信したものと
解せられるし、右判決日時を前提とするかぎり、原確定判決の認定した被告人の犯
行日時までに右前科の刑の執行が終了していたものと判断しても、あえて不合理と
はいいきれない。そうすると所論は結局、事後の調査の結果に基いて、右事項に関
し単なる事実誤認を主張することに帰着せざるをえないわけである。
 以上の理由により本件非常上告はこれを許容することができないから、刑訴四五
七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 検察官 安平政吉出席。
  昭和二八年四月二八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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