弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人上野義清の控訴の趣意は末尾に添えた書面記載のとおりである。
 控訴の趣意第一点について。
 <要旨>しかし刑事訴訟法第三百八十二条によれば所論のように事実の誤認を理由
とする場合には、訴訟記録及び原審において取り調べた証拠に現われている
事実を援用しなければならないのに拘らず、所論は原判決言渡後作成されたA作成
の証書と題する書面の記載のみをもつて原判決に事実の誤認があるというのであつ
て、之は法令に定むる方式に違反しているから判断を要しないものと認める。而し
て職権により調査するに原判示事実は原判決挙示の証拠を総合すれば優にこれを認
めることができるから原判決には事実の誤認はない。
 控訴の趣意第二点について。
 しかし訴訟記録及び原審において取り調べた証拠を精査し、被告人の環境、犯罪
の動機及び情状等諸般の事情を考察すれば原判決が原判示事実につき被告人に懲役
三月及び罰金五万円を科し、懲役刑につき三年間執行猶予の言渡をしたことは相当
であつて、刑の量定重きに過ぐることは認められない。論旨は理由がない。
 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に則つて主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 伏見正保 裁判官 和田邦康 裁判官 小竹正)

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