弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人伊藤静男、同平田省三の上告理由第一点ないし第三点について。
 論旨は、原判決が検甲第一三号、同第一八号、同第二二号、同第二四号、同第二
五号、検乙第七号、同第八号、同第九号の各投票を候補者Dに対する有効投票と判
定したのを、経験則に違背するものと主張するが、右各投票の記載に徴し、所論は
首肯しがたく、原判示を正当とする。
 つぎに論旨は、原判決が上告人の氏名の記載のほかその上部に「○」の附記ある
検乙第一号投票を公職選挙法六八条五号該当の無効投票として上告人の得票と認め
なかつたのを、社会常識ないし経験則に違反し、公職選挙法六七条後段の趣旨に適
合しないものと論じ、かつ、これを打点の附記あるにかかわらず候補者Dの得票と
判断された検甲第一八号投票と対比して、原判決の判断は公平を欠き理由齟齬の違
法があるものと主張する。しかし、その附記の位置、形状、筆勢等から推して、原
判決がこれを有意の記載と認め、検甲第一八号投票とその効力判断を異にしたのは
相当であつて、所論の過誤あるものとはなしがたい。公職選挙法六七条後段の規定
は、同法六八条各号に該当しないかぎりにおいて、投票の効力判断にあたりできる
だけ投票者の意思を尊重すべきことをいうものにすぎず、その論拠とするに足りな
い。また論旨は、憲法一五条の保障する投票秘密の利益はこれを放棄することを妨
げないことを理由として、右「○」の附記が投票者の何びとであるかを知らしめる
意味をもつものとしても、そのためにその投票を無効と解するのは、右憲法の条項
の解釈を誤つたものと主張するが、ひつきよう公職選挙法六八条五号の規定の解釈
適用を争うことに帰し、違憲の主張とは認めがたい。所論のような投票を無効とす
るのは公職選挙法が無記名投票制を採用する当然の結果というべきである。論旨は
いずれも理由がない。
 なお上告代理人は、このほか、原判決が検甲第三〇号、同第三二号ないし同第三
四号の四票の投票を無効として上告人の得票と認めず、また検票第二七号投票を上
告人と候補者Eとの間の按分票として上告人のみの得票と認めなかつたのを不服と
し、かつ、検甲第三〇号以外のこれら投票と原判決がD候補の得票とした検乙第四
号ないし同第六号の各投票、E候補の得票とした検甲第二八号投票とを対比して、
その判断を不公平とし、理由齟齬の違法があるものと主張する。しかし、D候補の
得票は一七〇八票、上告人の得票は一七〇二、九七四票であることは原判決の確定
したところであり、しかも、原判決の前示検乙第四号ないし第六号の各投票の効力
判断は正当と認められ、その他D候補の得票を争う論旨のすべて理由のないことは
前叙のとおりであるから、上記検甲第二七号ほか四票の投票が、その主張のように、
上告人の得票と認められるとしても、上告人の当選を無効とした本件被上告人の裁
決を違法として取り消すに足りない。従つて、原判決のこれら投票の効力判定の当
否を審査するまでもなく、原判決の判断の結果は動かしがたく、本件上告は棄却を
免れない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

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