弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     1 控訴人の本件控訴を棄却する。
     2 附帯被控訴人は附帯控訴人五名に対し、それぞれ金一八〇、〇〇〇
円に対する昭和三〇年一〇月一六日から支払ずみまで年五分の割合による金額を支
払え。
     3 附帯被控訴人は附帯控訴人A、同B、同Cに対し、それぞれ金五五
〇、六二四円ずつ、附帯控訴人Dに対し金一八五、三一二円、附帯控訴人Eに対し
金一、二八一、二四八円及びそれぞれ右各金額に対する昭和三八年五月九日から支
払ずみまで年五分の割合による金額を支払え。
     4 附帯控訴人らのその余の請求を棄却する。
     5 控訴費用は控訴人の負担とし、附帯控訴費用はこれを一〇分し、そ
の九を附帯被控訴人の、その一を附帯控訴人らの負担とする。
     6 この判決の主文第二、三項は、附帯控訴人A、同B、同Cが、それ
ぞれ金二一〇、〇〇〇円、附帯控訴人Dが金九〇、〇〇〇円、附帯控訴人Eが金四
五〇、〇〇〇円の担保を供するときは、仮りに執行することができる。
     7 控訴人(附帯被控訴人)が被控訴人(附帯控訴人)A、同B、同C
に対し、それぞれ金四一〇、〇〇〇円、被控訴人(附帯控訴人)Dに対し金二二
〇、〇〇〇円、被控訴人(附帯控訴人)Eに対し金七七〇、〇〇〇円の担保を供す
るときは、原判決及びこの判決の主文第二、三項の仮執行を免れるとができる。
         事    実
 控訴人(附帯被控訴人、以下控訴人という。)は、「原判決を取消す。被控訴人
(附帯控訴人、以下被控訴人という。)らの請求を棄却する。訴訟費用は第一、二
審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人らは、「控訴人の本
件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求め、附帯控訴
として「主文第二項と同旨及び控訴人は被控訴人A、同B、同Cに対し、それぞれ
金六三一、八〇六円ずつ、被控訴人Dに対し金二二五、九〇三円、被控訴人Eに対
し金一、四四三、六一二円及びそれぞれ右各金額に対する昭和三八年五月九日から
支払ずみまで年五分の割合による金額を支払え。附帯控訴費用は控訴人の負担とす
る。」との判決及び仮執行の宣言を求め、控訴人は、「本件附帯控訴を却下する。
もしこれが容れられないときは本件附帯控訴を棄却する。附帯控訴費用は被控訴人
らの負担とする。」との判決を求め、なお、担保を条件とする仮執行の免除を求め
た。
 被控訴人は請求の原因として次のとおり述べた。
 一、 Fは控訴人にタクシー運転手として雇われていたものであるが、昭和二八
年一二月九日午後一一時一五分頃控訴人の大三―二二、一〇八号事業用乗用自動車
を運転して時速四二キロメートルか四三キロメートルで阪神国道を東進し、西宮市
ab丁目c番地先の交差点付近に差しかかつたが、雨天で見通しやや困難であり、
道路面も湿り滑る危険のある状態であつた。このような場合自動車運転手である者
は、常に前方左右を注視するとともに、交差点付近における歩行者優先の原則に従
い進路前方を横断しようとする者があるときは、直ちに警笛を吹鳴し、即時急停車
をすることができるよう速度を減ずる等事故を未然に防止するため万全の措置を講
ずべき業務上の注意義務があるものといわなければならない。
 ところが、Fはこのような注意を払わず、そのまま時速四二キロメートルか四三
キロメートルで進行を続けたため、折柄前方約一五メートル先の道路上の横断歩道
でない地点を南から北に横断中のGの姿を発見したが、同人が避譲するものと軽信
し、急停車の措置を行わず漫然運転を継続し、近々数メートルに接近して初めて衝
突の危険を知り急停車の措置を講じたけれども及ばず、Gに自動車を衝突させ、そ
の結果Gは脳底骨折により翌一〇日午前一〇時頃死亡するに至つた。
 もつとも、前示交差点には横断歩道の設備があること、Gが右横断歩道の西方付
近の横断歩道でない地点を横断したことは認める。
 このように右事故はFの重大な過失に基づくものであつて、Fが控訴人に使用さ
れ控訴人の事業の執行について生じさせたものであるから、控訴人は民法七一五条
による損害賠償義務があることを第一次的に主張する。
 第二次的に控訴人自身の過失による損害賠償責任を主張する。すなわち、控訴人
はその使用する自動車の機械器具が完全であるかどうかを点検し、走行に危険のな
いことを確認しておかなければならない義務がある。
 ところが、Fの運転していた右自動車は、事故発生直後検査した結果によると、
制動装置は前輪にのみきき後輪にきかない不完全なものであるばかりでなく、速度
計も破損して動かないものであることが判明した。この点検を怠つたのは控訴人自
身の過失にほかならない。
 二、 Gは右事故のため四、四六四、九三五円の財産上の損害を受けたのである
が、その損害の内容は次のとおりである。Gは昭和六年六月一九日生れであつて、
昭和二四年三月H高等学校を卒業して日立工事株式会社に入社し、経理事務を担当
していたものであつて、死亡当時満二二歳であつたから、その平均余命は四四・五
年で満六六歳までである。
 Gが死亡した時の前月における現実の所得は、一ヶ月について、基本給三、〇八
〇円、第一加給二、六四七円、第二加給三、〇八〇円、地域手当三五〇円、時間外
勤務手当三、三八六円、割増賃金八四七円であつた。
 (1) (い) 基本給
 基本給の昇給率は右会社におけるGと同程度の者についてみると、昭和二九年度
七・三パーセント、昭和三〇年度七パーセント、昭和三一年度七・六パーセント、
昭和三二年度九・二パーセントであつて、平身七・七七五パーセントであるから、
昭和三三年度から満四四歳の昭和五〇年度までを右七・七七五パーセントで計算
し、昭和五一年度から停年の満五五歳までを右割合よりも低下した五パーセントで
計算すると、Gが満二三歳から満五五歳までに支給される基本給は別紙収入計算表
記載のとおりである。
 (ろ) 第一加給
 第一加給は一ケ月二五日出勤すると基本給の八〇パーセントが支給される。した
がつてGが満二三歳から満五五歳までに支給される第一加給は別紙収入計算表記載
のとおりである。
 (は) 第二加給
 第二加給は成績査定によるが、准職員の場合平均して基本給の一〇〇パーセント
が支給される。昭和三三年五月からさらにその率は増加したが、従前どおりの率で
計算すると、Gが前回期間に支給される第二加給は別紙収入計算表記載のとおりで
ある。
 (に) 地域手当
 Gが満二三歳から満五五歳までに支給される地域手当は、一ヶ月三五〇円が変ら
ない。
 (ほ) 時間外勤務手当
 時間外勤務手当は、一時間について次の算式によつて計算される。
 基本給+第一加給+第二加給+350円/7・5(時間)×25(日)
 Gが死亡した時の前月における時間外勤務手当として支給された三、三八六円は
一ケ月六六時間の実働によるものであるが、一般の時間外勤務の平均時間である月
二五時間に制限して計算すると、Gが満二三歳から満五五歳までに支給される時間
外勤務手当は、別紙収入計算表記載のとおりである。
 (へ) 割増賃金
 割増賃金は時間外勤務手当の二五パーセントであつて、Gが前回期間に支給され
る割増賃金は別紙収入計算表記載のとおりである。
 (と) 賞与
 前示会社におけるGと同程度の者に対して実際に支給された賞与は、昭和二九年
六月基本給の二八四パーセント九、四〇〇円、同年一二月同二七六パーセント九、
一〇〇円、昭和三〇年六月同二九四パーセント、一〇、四〇〇円、同年一二月同二
九八パーセント一〇、五〇〇円、昭和三一年六月同二九八パーセント一一、三〇〇
円、同年一二月同四二〇パーセント一六、〇〇〇円であつて、昭和二九年六月から
昭和三一年一二月までの賞与の基本給に対する比率は、平均六二三パーセントとな
る。そこで昭和二九年六月から昭和三一年一二月までの賞与は前示金額に従い、昭
和三二年六月から満五五歳の昭和六一年六月までの賞与は、前示昇給する基本給に
対する六二三パーセントの割合により計算すると、Gが満二三歳から満五五歳まで
に支給される賞与は、別紙収入計算表記載のとおりである。
 なお、右請求金額は、前示会社においてGと同程度の者に賞与として実際に支給
された金額と比較すると、はるかに少額である。
 Gの満二三歳から満五五歳までの各年度ごとにおける(い)(ろ)(は)(に)
(ほ)(へ)(と)の給与額から、それぞれ所得税法三八条一項一号別表第三に掲
げる給与所得についての源泉徴収税額、同条同項七号イ別表第四に掲げる賞与につ
いての源泉徴収税額を別紙収入計算表記載のとおり控除したうえ、計算の便宜上昭
和二九年一月一日を基準とし、各年度ごとに右日時を基準とする現在の価値をホフ
マン式計算法により年五分の中間利息を差引いて計算し、前示期間のものを合計す
ると七、五〇五、六〇八円となる。
 (2) 退職金
 前示会社における従業員退職金規程によると、退職金は身分により支給率を異に
するが、Gは昭和二六年九月から昭和二七年一一月まで一年三ケ月雇員であつて、
その支給率は八一パーセントであり、Gは昭和二七年一二月准職員となつたのであ
るが、一般の例に従い准職員の在職期間四年で昭和三一年一二月職員となるものと
すると、准職員の間の支給率は一五二パーセントであり、昭和三一年一二月からG
の停年の昭和六一年六月まで二九年六ヶ月間の支給率は一一、六八六パーセントで
あり、右在職期間合計三四年九ケ月の支給率合計は一一、九一九パーセントとな
る。停年による退職金は、停年退職時の基本給に右支給率を乗じたものに、さらに
一〇パーセント加算される。ところがGの停年退職時の基本給は二七、三四二円と
計算されるから、Gの停年による退職金は、次のとおり三、五八四、七八二円とな
る。
 27,342円×119・19×1・1=3,584,782円
 右三、五八四、七八二円から税金三七七、三三七円を控除した三、二〇七、四四
五円を計算の便宜上昭和二九年一月一日を基準として現在価値をホフマン式計算法
によつて計算すると一、二一〇、三五七円となる。
 (3) 停年退職後の収入
 Gは満五五歳の停年退職後少くとも満六〇歳まで就労可能であり、その収入はG
の満五五歳当時の収入の半額一ケ年四四六、一七四円を下らないが、これを前同様
ホフマン式計算法により昭和二九年一月一日を基準とする現在価値を計算すると別
紙収入計算表記載のとおりであり、合計八四〇、一六八円となる。
 以上(1)(2)(3)合計九、五五六、一三三円となる。
 (4) 生活費
 日本銀行統計局発行昭和三七年報本邦経済統計による勤労者世帯収入支出欄によ
ると、収入総額に対する実支出額の比率は、昭和二八年度六五パーセント、同二九
年度六四パーセント、同三〇年度六四パーセント、同三一年度六二パーセント、同
三二年度六一パーセント、同三三年度六一パーセント、同三四年度五九パーセン
ト、同三五年度五九パーセント、同三六年度五八パーセント、同三七年度五八パー
セント、以上平均六一・一パーセントであるから、同三八年度からGの満六〇歳と
なる同六六年度までの間の収入総額に対する実支出額の比率を六一・一パーセント
として計算する。
 ところで、Gの生活費は、その収入総額(退職金を除く。)に対する右比率によ
つて算出するのを相当とするから、昭和二九年度満二三歳から昭和六六年度満六〇
歳までのGの生活費を、別紙生活費計算表記載のとおり、各年度の総収入額をホフ
マン式計算法により算出した金額に、それぞれの比率を乗じて計算すると合計五、
〇九一、一九八円となる。
 もつとも、損害額を算定するについては、被害者の収入から被害者本人の生活費
を控除すれば足り、扶養家族の生活費を控除することを要するものではない。前示
勤労者世帯収入支出調における実支出額は、世帯員全員の食料費、住居費、光熱
費、被服費、雑費、租税等を合計した金額を記載したものであつて、世帯員全員の
生活費にあたるものであるが、被控訴人はとくにこれを控除することとしたもので
ある。しかしながら、G一人の生活費についていえば、たとえ同人が結婚し子供を
もつことによつて増加したとしても、少くとも右に掲げた金額より、はるかに少い
ものと考えられるから、被控訴人の主張する生活費の額は実際よりも著しく多く算
定してあるものである。
 右(1)(2)(3)の得べかりし収入合計九、五五六、一三三円から右生活費
合計五、〇九一、一九八円を控除した四、四六四、九三五円は、本件事故により失
つた得べかりし利益の総額についてホフマン式計算法により算出した現在の価値で
あり、控訴人はこれを賠償すべき義務があるものである。
 三、 被控訴人DはGと母を異にする兄であり、その他の被控訴人四名及びIは
Gと父母の双方を同じくする兄弟姉妹であつて、被控訴人Dは右四、四六四、九三
五円の損害賠償債権の一一分の一にあたる四〇五、九〇三円を、その他の被控訴人
四名及びIはそれぞれ、その一一分の二にあたる八一一、八〇六円を相続により承
継したのであるが、Iは昭和三一年七月二日控訴人に対する右損害賠償債権を被控
訴人Eに譲渡し、同月四日その旨を控訴人に通知した。そこで被控訴人らは当審に
おいて請求を拡張し、被控訴人五名に対し、それぞれ原審で認容された九〇〇、〇
〇〇円の五分の一である一八〇、〇〇〇円に対する本件訴状送達の日の翌日である
昭和三〇年一〇月一六日から支払ずみまで年五分の割合による損害金の支払を求め
るとともに、被控訴人A、同B、同Cに対しそれぞれ右八一一、八〇六円から原審
で認容された一八〇、〇〇〇円を控除した六三一、八〇六円、被控訴人Dに対し四
〇五、九〇三円から一八〇、〇〇〇円を控除した二二五、九〇三円、被控訴人Eに
対し一、六二三、六一二円から一八〇、〇〇〇円を控除した一、四四三、六一二円
及びそれぞれ右各金額に対する附帯控訴状送達の日の翌日である昭和三八年五月九
日から支払ずみまで年五分の割合による損害金の支払を求める。
 控訴人は答弁として次のとおり述べた。
 一、 被控訴人らは原審において、その請求全部を認容する判決を受けたもので
あるから、全部勝訴した被控訴人らから原判決に対し不服を申立てる余地はなく、
被控訴人らの附帯控訴は不適法として却下されるべきものである。
 二、 被控訴人主張の日時頃その主張の場合においてFの運転する自動車がGと
接触し、同人が死亡するに至つた事実及び被控訴人らとGとの身分関係は認める
が、その他の被控訴人主張事実をすべて争う。
 三、 Fは当時阪神国道上甲子園交差点付近北側車道上を制限速度四八キロメー
トル以内の四二キロメートルか四三キロメートルで先行自動車と一五メートルから
二〇メートルまでの間隔を保ち東進中、その東南方約一五メートルの西行電車軌道
上の横断歩道でない地点を北に向け横断しようとするGの姿を認め、警音器を鳴ら
すとともに急停車の処置をとつたのであるが、Gが先行自動車の通過直後横断を開
始したため急制動も及ばず、Gに接触したものである。
 Fは前示のように制限速度内で走行していたものであり、先行自動車に続いて警
音器を鳴らしながら進行していたものであるから、その進路を横断しようとする者
があろうとはとうてい予想することもできなかつたものであるうえ、西進中の自動
車の前照灯の光線のためGが横断するのを発見することができなかつたものである
から、Fに過失はなかつたものである。
 四、 仮りにFに過失があつたものとしても、右交差点には横断歩道の設備があ
るのにGはその西方付近の横断歩道でない地点を横断したものであり、また歩行者
が横断歩道でない地点において自動車の進路を横断しようとする場合は、左右の方
向を注視し、安全を確認したうえ横断すべきものであつて、多少とも危険を感じる
ような状況にあるときは、自動車の通過を待つべきものである。ところがGはFの
自動車の前照灯及び警音器によつてその接近を当然知ることができたわけであるか
ら、その進路を横断することが甚だ危険であることは明らかであるにかかわらず、
あえて横断したものであつて、Gにも過失があるものであり、損害賠償額の算定に
ついて考慮されるべきものである。
 五、 Fの運転する自動車には制動装置その他の故障はなかつた。
 六、 Gの昇格、加給、時間外勤務手当、割増賃金、昇任、賞与、退職金等はす
べて将来の本人、企業の成績によつて大きく左右されるものであつて、被控訴人の
これについての主張は、憶測により見積つたものであつて、確実な根拠を欠くもの
である。
 生活費は、収入金額と世帯員数、構成員等により著しい差異を生ずるものであつ
て、被控訴人主張のような収入金額と支出金額との平均比率を求め、これを収入金
額に乗ずるような算出方法では、生活費の合理的な額を算定することはできない。
 Gが本件事故により受けた損害の額は、余命期間中に得べかりし収入総額から、
G本人の要すべかりし生活費等その支出を免れた金額を控除した残額でなければな
らない。Gが生存していたならば、二六歳か二七歳で結婚し、二七歳か二八歳頃に
は第一子が、三〇歳までには第二子が出生し、早晩全国平均家族数四人か五人の世
帯主となるものと推認される。そうすると、Gが生存していたならば自分自身の生
活費のほかその扶養すべき家族の生活費を要するものであるが、Gが生存しない場
合は家族の生活費も、本人自身の生活費と同様支出を免れたものであるから収入総
額から控除しなければならない。
 被控訴人らはGの兄弟姉妹であるから、Gが配偶者を得ると、被控訴人らの相続
分は三分の一となり、Gに直系卑属ができると被控訴人らの相続分はなくなる。し
たがつて、被控訴人らがGの将来取得すべき利益を基礎とする損害賠償債権全部を
相続によつて取得するがためには、単に相続開始の時において被控訴人らが相続権
を有するというだけでは足りず、損害賠償債権が形成される全期間を通じてその相
続分に変更がないことが必要である。被控訴人らがGの損害賠償債権を相続によつ
て取得することができる範囲は、Gが配偶者を得るまでは全額てあつても、Gが配
偶者を得て直系卑属のない間は三分の一であり、直系卑属ができた後のものは包含
されないものといわなければならない。
 (証拠関係)
 被控訴人は、甲第二号証の一から七まで、第三号証から第六号証まで、第七号証
の一、二、第八号証、第九、第一〇号証の各一、二、第一一、第一二号証、第一
三、第一四号証の各一から三までを提出し、当審における証人J、K(第一回から
第三回まで)の証言、被控訴人E本人尋問の結果(第一回)を援用し、乙第一号証
の一から三までの成立を認め、乙第二号証の一、二の原本の存在及びその成立を認
めた。
 控訴人は乙第一号証の一から三まで第二号証の一、二を提出し、当審における証
人F、Lの証言を援用し、甲第三、第四号証、第六号証の成立は不知、甲第七号証
の一は郵便局作成部分の成立を認めるが、その他の部分の成立は不知、その他の甲
号証の成立を認めた。
 当裁判所は職権で被控訴人E本人の尋問(第二回)をした。
         理    由
 (附帯控訴の適否)
 控訴人は、被控訴人らは原審において全部勝訴判決を受けたものであるから、こ
れに対し不服を申立てる余地なく、附帯控訴は不適法であると主張するけれども、
第一審で全部勝訴の判決を得た原告も、被告の控訴により事件が控訴審に係属中
は、その請求を拡張することは許されるものであつて、請求の拡張は控訴審におい
ては附帯控訴の方式によるべきものである(最高裁判所昭和三一年(オ)第九一〇
号、同三二年一二月一三日第二小法廷判決民集一一巻一三号二一四三頁参照)。控
訴人の右主張は失当である。
 (不法行為の成否)
 一、 昭和二八年一二月九日午後一一時一五分頃Fの運転する自動車が阪神国道
の西宮市ab丁目c番地先の交差点付近でGと接触し、同人が死亡するに至つたこ
と及び右交差点には横断歩道の設備があるのに、Gはその西方付近の横断歩道でな
い地点を横断したことは当事者間に争がない。
 二、 成立に争のない甲第二号証の五から七まで、第五号証、第八号証、当審証
人Fの証言を総合すると、次の事実を認めることができる。
 Fは控訴人にタクシー運転手として雇われていたものであつて、前示日時控訴人
の事業用乗用自動車を運転し、時速四二キロメートルか四三キロメートルで阪神国
道北側車道上を、先行自動車と約二〇メートルの間隔を置いて東進し、横断歩道の
設備のある前示交差点のその西方付近に差しかかつたが、雨天で見通しやや困難で
あり、道路面も湿つて滑る危険のある状況であつた。このような場合、自動車を運
転する者は、常に前方左右を注視し、進路前方を横断しようとする者があるとき
は、直ちに警音器を鳴らし、急停車あるいは左右のいずれかに方向を転ずる等機宜
に即した万全の措置を講ずべき注意義務があるものである。ところが、Fは進路の
右斜め前方約一五メートルの西行電車軌道上の横断歩道でない地点を北に向け横断
しようとするGの姿を認め直ちに警音器を鳴らしたが、折柄同所を西進して来た自
動車の前照灯の光線により目がくらみ、同人が停止したかどうかを確認できなかつ
たにかかわらず、同人がその場で停止してFの自動車の進行を待つものと軽信し、
直ちに急停車の措置を講ずることなく、またGの挙動に注視して自動車の方向を適
切に変更する方法もとらず、漫然これまでの速度で運転を継続し、数メートルに接
近して初めて急停車の措置を講じたけれども、時すでに遅く車体前部左バンバーを
Gに衝突させ、五メートルか六メートル先の舗装道路上にはねとばし、脳底骨折の
傷害を負わせ、同人は昭和二八年一二月一〇日午後〇時四〇分死亡するに至つた。
 右認定を動かすに足りる証拠はない。
 三、 右認定事実によると、Fの自動車の走行速度が制限速度をこえていなかつ
たとしても、Fが前示のように他の注意義務を守らなかつた以上、右事故はFの自
動車運転上の過失によるものといわなければならないが、一方、被害者Gの側にも
右事故発生について過失があつたものである。
 すなわち、歩行者は横断歩道の設備のある場所の付近においては、その横断歩道
によつて道路を横断しなければならないものである。また、歩行者は自動車の進路
の直前を横断してはならないのである。ところが前示交差点には横断歩道の設備が
あるのに、Gはその付近の横断歩道でない地点を横断したものである。またGは西
行電車軌道上においてFの自動車に先行する自動車が通過した後約二〇メートルの
間隔を置いて東進するFの自動車をその前照灯によつて当然気がつくべきものであ
り、さらに約一五メートルの距離まで接近した際Fの鳴らした警音器によりその接
近を知つたはずであるから、当然自動車の通過を待つべきものであつて、自動車の
進路の直前を横断すべきものではない。それにもかかわらず、GはFの運転する自
動車の接近に注意を払わずその直前を横断したものであつて、これはGの過失とい
うほかなく、右過失がFの過失とあいまつて本件事故をひき起したのである。した
がつて、Gが右事故により被つた損害賠償額を算定するについて当然右の点を考慮
しなければならない。
 四、 前示のように控訴人はその事業のためFを使用するものであつて、Fがそ
の事業の執行について過失によりGに損害を加えたものであるから、控訴人は民法
七一五条に基づきこれを賠償する義務があることは明らかである。
 (損害賠償額)
 一、 前示甲第五号証によると、Gは昭和六年六月一九日生れであつて、死亡当
時満二二歳であつたことが認められ、成立に争のない甲第九、第一〇号証の各二に
よると、満二二歳の男子の平均余命は四四・五年余であり、就労可能年数は三八年
であることが認められ、当審における被控訴人E本人尋問の結果(第二回)による
と、Gは普通健康体の男子であつたことが認められるから、Gはなお少くとも四四
年間生きることができ、三八年間就労することができたものと推認される。
 二、 成立に争のない甲第一三、第一四号証の各一から三まで、当審証人Jの証
言により真正に成立したものと認められる甲第三号証、同証言、当審における証人
Kの証言(第一回から第三回まで)、被控訴人E本人尋問の結果(第一、二回)に
よると、次の事実を認めることができる。
 (一) GはH高等学校を卒業し、昭和二六年九月日立工事株式会社に入社し、
同社尼崎工場において経理事務を担当していた。
 Gの死亡した時の前月における給与所得は、一ヶ月について基本給三、〇八〇
円、第一加給二、六四七円、第二加給三、〇八〇円、地域手当三五〇円、時間外勤
務手当三、三八六円、割増賃金八四七円であつた。
 日立工事株式会社尼崎工場は昭和三二年二月日立機電工業株式会社に買収された
が、前者の従業員は全部後者に引継がれ、給与、退職金、停年制等の労働条件もそ
のままで変動はなかつた。したがつて、Gと同様日<要旨>立工事株式会社尼崎工場
に入社し、その後日立機電工業株式会社に勤務する者について、Gと同程度の学 要旨>歴、能力を有する者の実際の給与の状況を調査することによつてGの基本給の
昇給率、賞与、退職金、時間外勤務手当等を合理的に推認することができるのであ
り、これを後に掲げるように極めてひかえめに算出することとしたのである。もと
より勤労者の給与の状況、とくに昇給率、賞与等には個人差があり、また企業の成
績によつて影響を受けるのは当然であるけれども、被害者の勤務した会社又はその
後継会社において、学歴や能力について被害者と同一の程度の者が実際に受けてお
る給与の状況が明らかにされ、それに基づく将来の状況も合理的に推認され、しか
もその数値を極めてひかえめに算出した場合、被害者の将来の収入が少くとも右限
度に存在するものと推認するのが相当であつて、これをもつて控訴人の主張するよ
うに、単なる憶測であつて、確実な根拠を欠くものとすることはできない。
 (1) (い) 基本給
 基本給の昇給率は日立機電工業株式会社におけるGと同程度の学歴、能力を有す
る者についてみると、昭和二九年度七・三、昭和三〇年度七パーセント、昭和三一
年度七・六パーセント、昭和三二年度九・二パーセントであつて、平均七・七七五
パーセントであるから、昭和三三年度から満四四歳の昭和五〇年度までをを右七・
七七五パーセントで計算し、昭和五一年度から停年の満五五歳の昭和六一年度まで
を右割合よりも低下した五パーセントで計算すると、Gが満二三歳の昭和二九年一
月から満五五歳の昭和六一年六月までに支給される基本給は、別紙収入計算表の記
載とおりとなる。
 (ろ) 第一加給
 第一加給は一ヶ月二五日出勤すると、基本給の八〇パーセントが支給されること
になつておる。したがつてGが満二三歳から満五五歳までに支給される第一加給
は、別紙収入計算表記載のとおりである。
 (は) 第二加給
 第二加給は成績査定によつて支給きれるが、Gのような准職員の場合平均して基
本給の一〇〇パーセントが支給される。職員に昇格してもその率は下らない。日立
機電工業株式会社においては昭和三二年五月からさらにその率は増加したが、従前
どおりの率で計算すると、Gが前回期間に支給される第二加給は、別紙収入計算表
記載のとおりである。
 (に) 地域手当
 Gが満二三歳から満五五歳までに支給される地域手当は一ヶ月三五〇円が変らな
い。
 (ほ) 時間外勤務手当
 時間外勤務手当は一時間について、次の算式によつて計算される。
 基本給+第一加給+第二加給+350円/7・5(時間)×25(日)
 Gが死亡した時の前月における時間外勤務手当として支給された三、三八六円は
一ケ月六六時間の実働によるものであるが、一般の時間外勤務の平均時間である月
二五時間に制限して計算すると、Gが満二三歳から満五五歳までに支給される時間
外勤務手当は別紙収入計算表記載のとおりである。
 (へ) 割増賃金
 割増賃金は時間外勤務手当の二五パーセントであつて、Gが前回期間に支給され
る割増賃金は別紙収入計算表記載のとおりである。
 (と) 賞与
 前示会社におけるGと同程度の者に対して実際に支給された賞与は、昭和二九年
六月基本給の二八四パーセント九、四〇〇円、同年一二月同二七六パーセント九、
一〇〇円、昭和三〇年六月同二九四パーセント一〇、四〇〇円、同年一二月同二九
八パーセント一〇、五〇〇円、昭和三一年六月同二九八パ一セント一一、三〇〇
円、同年一二月同四二〇パーセント一六、〇〇〇円であつて、昭和二九年六月から
昭和三一年一二月までの賞与の基本給に対する比率は平均六二三パーセントとな
る。そこで昭和二九年六月から昭和三一年一二月までの賞与は前示金額に従い、昭
和三二年から満五五歳の昭和六一年六月までの賞与は、前示昇給する基本給に対す
る六二三パーセントの割合により計算し、なお従来の例に従い一〇〇円未満は四捨
五入すると、Gが満二三歳から満五歳までに支給される賞与は別紙収入計算表記載
のとおりである。
 なお、右金額は前示会社においてGと同程度の者に賞与として実際に支給された
金額と比較してみてもはるかに少額であつて、過当でないことが明らかである。
 税金は元来収入に対する公の負担であつて、得べかりし利益を算定するについて
支出として控除する必要はないのであるが被控訴人自ら給与所得、賞与についての
源泉徴収税額を控除することを主張しているので、その主張に従い別紙収入計算表
記載の金額を控除することとする。
 Gの満二三歳から満五五歳までの各年度ごとにおける(い)(ろ)(は)(に)
(ほ)(へ)(と)の支給給与額から前示税金額を控除した金額について、計算の
便宜上被控訴人の主張する昭和二九年一月一日を基準とする現価をホフマン式計算
法により年五分の中間利息を差引いて算出し、前示期間のものを合計すると七、五
〇五、六〇八円となる。
 (2) 退職金
 前示会社における従業員退職規程によると、退職金は身分により支給率を異にす
るが、Gは昭和二六年九月から昭和二七年一一月まで一年三ヶ月雇員であつて、そ
の支給率は八一パーセントであり、Gは昭和二七年一二月准職員となつたのである
が、一般の例に従い准職員の在職期間四年で昭和三一年一二月職員となるものとす
ると、准職員の間の支給率は一五二パーセントであり、昭和三一年一二月からGの
停年の昭和六一年六月まで二九年六ヶ月の支給率は、一一、六八六パーセントであ
り、右在職期間合計三四年九ヶ月の支給率合計は一一、九一九パーセントとなる。
停年による退職金は停年退職時の基本給に右支給率を乗じたものに、さらに一〇パ
ーセント加算される。ところが、Gの停年退職時の基本給は、前示のとおり二七、
三四二円と計算されるから、Gの停年による退職金は次のとおり三、五八四、七八
二円となる。
 27,342円×119・19×1・1=3,584・782円
 右三、五八四、七八二円から被控訴人の主張する税金三七七、三三七円を控除す
ると、三、二〇七、四四五円となるが、計算の便宜上被控訴人の主張する昭和二九
年一月一日を基準とする現価をホフマン式計算法により年五分の中間利息を差引い
て算出すると、一、二一〇、三五七円となる
 (3) 停年退職後の収入
 Gは満五五歳の停年退職後、前示のように満六〇歳まで就労可能であり、その収
入はGの満五五歳当時の収入(税金を控除したもの)の半額一ケ年四六六、一七四
円を下らないが、Gの満五五歳から満六〇歳までの一ヶ年四六六、一七四円の収入
について各年度ごとに前同様昭和二九年一月一日を基準とする現価をホフマン式計
算により年五分の中間利息を差引いて算出すると、別紙収入計算表記載のとおりで
あり、これを合計すると八四〇、一六八円となる。
 以上(1)(2)(3)合計九、五五六、一三三円となる。
 右認定をくつがえすに足りる証拠はない。
 (4) 生活費成立に争のない甲第一二号証の日本銀行統計局発行昭和三七年報
本邦経済統計によると、勤労者世帯収入支出調において、収入総額に対する実支出
額の比率は、昭和二八年度から昭和三七年度まで被控訴人主張のとおりであつて、
これを平均すると六一・一パーセントとなることが認められる。しかしながら、右
甲第一二号証をさらに詳細に検討すると、この実支出額は平均四人余の世帯員全員
の食料費、住居費、光熱費、被服費、雑費、租税等を合算したものであつて、世帯
主一人の生活費ではなく、一面この収入総額は世帯主収入が主要なものではある
が、それ以外の者の収入を含むものであることが認められるから、右比率をもつて
Gの収入に対する生活費の比率を表わすものとすることは適当ではない。
 しかしながら、損害額を算定するについて、被害者本人の生活費は収入を得るた
めに必要な支出と認められるから、収入からこれを控除しなければならないが、扶
養家族の生活費の支出と被害者本人の収入の間には直接の関係はないから、扶養家
族の生活費は収入からこれを控除することを要するものではない。
 ところで、右甲第一二号証によると、勤労者世帯収入支出調において、世帯主の
みの収入に対する、実支出額を世帯員数で除したものの比率は、昭和二八年度から
昭和三七年度までのいずれのものも、被控訴人主張の収入総額に対する実支出額の
比率最高六五パーセント、最低五八パーセントよりも、はるかに少いものであつ
て、被控訴人主張の生活費は実際よりも著しく多く見積られたものである。したが
つてG一人の生活費については、Gが世帯主となるものであつて、世帯主の生活費
は他の世帯員のそれよりも多く、またGが結婚し子供をもつことによつてその生活
費が増加するものとしても、とうてい被控訴人主張の生活費の額を超過するもので
はないのである。
 そこで被控訴人の主張に従つて昭和二九年度満二三歳から昭和六六年度満六〇歳
までのGの生活費を計算すると、別紙生活費計算表記載のとおり合計五、〇九一、
一九八円となる。
 右(1)(2)(3)の得べかりし収入合計九、五五六、一三三円から右生活費
合計五、〇九一、一九八円を控除した四、四六四、九三五円は、本件事故により失
つた得べかりし利益の総額についてホフマン式計算法により年五分の中間利息を差
引いて算出した現価にあたるのである。
 ところが本件事故の発生については被害者Gにも前示のような過失があるもので
あるから、控訴人の支払うべき損害賠償額はその一〇パーセントを軽減するのを相
当と認める。したがつて控訴人は四、〇一八、四四一円を賠償すべき義務があるも
のといわなければならない。
 被控訴人DはGと母を異にする兄であり、その他の被控訴人四名及びIはGと父
母の双方を同じくする兄弟姉妹であることは当事者間に争がないから、被控訴人D
は右四、〇一八、四四一円の損害賠償債権の一一分の一にあたる三六五、三一二
円、その他の被控訴人四名及びIはそれぞれその一一分の二にあたる七三〇、六二
四円を相続により承継したものといわなければならない。
 控訴人は、Gが生存していたならば二六歳か二七歳で配偶者を得るであろうし、
二七歳か二八歳で直系卑属を得るであろうから、被控訴人らのGの兄弟姉妹として
の相続分に変更を来すであろう。したがつて被控訴人らがGの損害賠償債権を相続
によつて取得することができる範囲は相続権を有する範囲に限定されなければなら
ないと主張するけれども、被控訴人らはGの死亡によりGが死亡当時有していた権
利義務を確定的に承継したものであつて、Gが結婚したり子供をもつたりすること
は、Gが生存していた場合の想定に過ぎず、Gが死亡した以上、その妻子が相続分
を取得する機会は永久に去つたものであり、被控訴人らが相続分に応じて取得した
ものに影響を及ぼすべきものではない。控訴人の右主張は理由がない。
 成立に争のない甲第七号証の二、当審証人Jの証言により真正に成立したものと
認められる甲第六号証、第七号証の一(郵便局作成部分の成立は争がない。)、同
証言、当審における被控訴人E本人尋問の結果(第一回)によると、Iは昭和三一
年七月二日控訴人に対する右損害賠償債権を被控訴人Eに譲渡し、同月四日その旨
を控訴人に通知したことが認められる。
 そうすると、控訴人は被控訴人A、同B、同Cに対し、それぞれ七三〇、六二四
円、被控訴人Dに対し三六五、三一二円、被控訴人Eに対し一、四六一、二四八円
を支払うべき義務があるものであるが、原審において九〇〇、〇〇〇円を認容され
ているので、被控訴人らの本訴請求は、控訴人が被控訴人五名に対し、それぞれそ
の五分の一である一八〇、〇〇〇円に対する本件訴状送達の日の翌日であることが
記録上明らかな昭和三〇年一〇月一六日から支払ずみまで年五分の割合による損害
金を支払うべきことを求め、また前示各金額から一八〇、〇〇〇円を控除したう
え、被控訴人A、同B、同Cに対し、それぞれ五五〇、六二四円被控訴人Dに対し
一八五、三一二円、被控訴人Eに対し一、二八一、二四八円及びそれぞれ右各金額
に対する本件附帯控訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな昭和三八年五
月九日から支払ずみまで年五分の割合による損害金を支払うべきことを求める限度
で正当としてこれを認容すべく、その余の部分は失当としてこれを棄却しなければ
ならない。そこで控訴人の本件控訴を棄却するとともに附帯控訴を一部容れること
とし、訴訟費用の負担について民訴法八九条、九二条、九三条一項本文、仮執行の
宣言及びその免除について同法一九六条を適用し、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 熊野啓五郎 裁判官 岩本正彦 裁判官 朝田孝)
生活費計算表
<記載内容は末尾1添付>
別紙収入計算表
<記載内容は末尾2添付>

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