弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人船木誠一郎の上告趣意は,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量
刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ,記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものと
は認められない。
付言すると,本件は,(1)暴力団組長の被告人が,同組員4名と共謀の上,他
の暴力団の元組長を路上で射殺したという殺人等,(2)上記(1)の犯行の共犯者の
一部らと共謀の上,同共犯者中の他の1名を絞殺し,その死体を土中に埋めたとい
う殺人,死体遺棄のほか,被告人単独による殺人未遂1件,傷害3件,覚せい剤の
自己使用1件等の事案である。(1)の犯行は,上部暴力団組織の現会長に対する反
対派の生き残りである被害者を亡き者にすれば,組織内で功績と評価され,地位が
上がると考えて敢行したもので,正に暴力団特有の論理に基づく反社会的な犯行で
ある。(2)の犯行は,(1)の犯行の共犯者1名が捜査の対象になったことを知り,同
人が逮捕されることにより自らの関与が発覚するのを恐れ,口封じのため敢行した
もので,自己本位で卑劣な犯行である。いずれも周到な準備の上で敢行された組織
的計画的犯行である。殺害態様も,(1)の犯行では,至近距離から2名がそれぞれ
けん銃を発射し,銃弾8発を被害者の背部等に命中させ,(2)の犯行では,3人が
かりで被害者の首に針金を巻き付けて左右から締め上げるなどしており,冷酷非情
で残虐である。2名の命を失わせた結果は誠に重大である。遺族の被害感情も非常
に厳しい。取り分け,(1)の犯行は,平穏な住宅街の路上での凶行であり,社会一
般に与えた影響も軽視できない。被告人は,これらの犯行を企図し,配下の組員に
命じてこれを実行させた主犯であって,(1)の犯行では,凶器のけん銃,実包を用
意して一方的に実行を命じたものの,命を受けた者がなかなか実行に及ぼうとしな
かったことから,繰り返ししっ責して執ように早期実行を迫り,具体的な殺害方法
まで指示するなどし,(2)の犯行では,殺害を命じた者から仲間を殺すことだけは
できないなどと犯行を思いとどまるよう懇願されながら,高圧的に実行を迫って強
引に承諾させるなどしており,各犯行は専ら被告人の発案,指示により犯されたも
のというべきである。しかるに,不合理な弁解をろうして,自らが命じたことを否
認しており,反省の情は認められない。殺人未遂の犯行も,散弾銃を4発発射し,
多数の鉛玉を被害者の腰部等に命中させたもので,被害者は,生命に対する重大な
危険にさらされ,重傷を負い,その後も重い障害に苦しんでいる。被告人には,改
造けん銃で被害者の下腹部に銃弾を命中させて重傷を負わせた殺人未遂の犯行に係
る前科を含む多数の服役前科があるのに,又もや本件各犯行に及んだもので,人の
生命,身体を軽んずる犯罪傾向が顕著に看取される。以上の事情に照らすと,被告
人の刑責は誠に重いというほかはない。そうすると,一部の事件で被害者との間で
示談が成立していることなどの事情を十分考慮しても,原判決が維持した第1審判
決の死刑の科刑は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得な
い。
よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のと
おり判決する。
検察官太田茂公判出席
(裁判長裁判官上田豊三裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官
那須弘平裁判官田原睦夫)

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