弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人山中唯二の上告趣意第一点は、違憲をいうが、その実質は、単
なる法令違反の主張であり、同第二点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出
でないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(原判決の維持した第
一審判決の確定したところによれば、被告人Aは、昭和二六年四月一日から福岡県
糸島郡a村議会の議員であつて、同村議会の土木委員会の委員長であり、第一審の
被告人B、同C、同Dは、同日から同議員にして右委員会の委員であつたが、a村
においては数年前より土木工事を施行するときは、同村長は、村行政の円満遂行の
意図の下に右土木委員会の委員長、委員(委員の数は委員長を含めて五名)、村議
会議長、同副議長を招集して、当該工事を請負入札とするか随意契約とするかなど
の工事施行方法の選定、請負入札予定額の決定、入札資格者の指名などの協議決定
方諮問し、同人らは右招集に応じて会合し右各事項に関して調査審議の上表決して
右諮問に応じ且つ工事施行の際には随時工事監督の任に当つていたものであるとい
うのである。そして、右村議会は、地方自治法二四三条二項、a村契約条例準則六
条の同意、又は、同法九六条一項九号、同条例準則五条等による議決により執行機
関たる村長の権限に属する契約の締結につき関与する権限を有するものであり、ま
た、同議会は同法一〇〇条による地方公共団体の事務に関する調査権又右土木委員
会は同法一〇九条によりその部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調
査権等に基き同村の工事を間接に監督し得べき権限を有するものである。従つて、
村議会議員たる被告人Aが前示a村土木委員会の委員長として前示第一審判決確定
の諮問に応じ又は随時工事監督の任に当つた行為は、村議員又は該土木委員会の委
員としての職務行為ではないが、慣例によるこれらと密接な関係のある行為という
ことができるのである。されば、原判決が右慣例上の行為を地方自治法や憲法の精
神に反しない適法なものとして容認した上本件贈収賄の構成を肯定したのは結局こ
れを正当として是認することができる)。
 被告人Eの弁護人水崎嘉人の上告趣意は、違憲をいうが、その実質は、単なる法
令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(なお、前示山中弁護
人の論旨についての説明参照)。
 被告人Fの弁護人高良一男の上告趣意第一点、第二点は、単なる法令違反の主張
であり(第一点につき前示山中弁護人の論旨についての説明参照。同第二点に関す
る原判示は正当である。)、同第三点は、事実誤認の主張であり、同第四点は、量
刑不当の主張であつて、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 被告人Gの弁護人山本彦助の上告趣意第一は、違憲をいうが、実質は、事実誤認、
量刑不当の主張を出でないものであり、同第二は、単なる法令違反の主張であつて
(この点に関する原判示は正当である)、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当
らない。
 被告人Fの弁護人遊田多聞の上告趣意第一点は、違憲をいうが、その実質は、単
なる法令違反の主張であり(前示山中弁護人の論旨に対する説明参照)、同第二点
は、単なる法令違反の主張であり(この点に関する原判示は正当である)、同第三
点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であり、同第四点は、量刑不当の主張で
あつて、すべて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同被告人の弁護人海野普吉、同西田公一の上告趣意第一点は、違憲をいうが、そ
の実質は、単なる法令違反の主張であり(前示山中弁護人の論旨に対する説明参照)、
同第二点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものであつて、刑訴四
〇五条の上告理由に当らない。
 被告人Hの弁護人佐山武夫の上告趣意第一点、第二点は、事実誤認、単なる法令
違反の主張を出でないものであり、同第三点は、量刑不当の主張であつて、刑訴四
〇五条の上告理由に当らない。
 また、記録を調べても、本件につき刑訴四一一条一号ないし三号を適用すべきも
のとは認められない。
 よつて、同四〇八条に従い、裁判官の全員一致で、主文のとおり判決する。
  昭和三五年四月二八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛