弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人の弁護人岡崎耕三の上告趣意は末尾添附の上告趣意書記載の通りである。
 <要旨>衣料品配給規則第三条第一項にいわゆる衣料品の販売の業とは利益を得る
目的で継続反覆して衣料品の販売をなすことを指称するものであるが、その
者が他に主たる営業を有していても又たとい販売の行為が一回であつても継続反覆
の意思が認められる限り販売の業と認めるに妨げない。今本件につきこれを観るに
原審公判調書中被告人の供述記載に依れば、被告人は家族多く生活困難なため利益
を得る目的で本件衣料品を他から購入してこれをAに転売したもので右衣料品は同
一規格品で取引数量も相当多量であることが認められ、右事実とA提出の買受始末
書の記載を綜合して考察すると被告人の所為は偶発的一時的のものでなく、継続反
覆の意思の下になされたことが優に窺われるので、原審が被告人の判示所為を目し
て販売の業を行つたものであると認定したのは相当であつて、原判決には所論のよ
うな法令の違反はない。論旨は理由がない。
 よつて旧刑事訴訟法第四百四十六条に従い主文のとおり判決をする。
 (裁判長判事 和田邦康 判事 秋元勇一郎 判事 小竹正)

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