弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意は、なんら刑訴法四〇五条所定の事由をいうものではないから、
同法四三三条の抗告理由にあたらない。
(なお、裁判所が、勾留中の被告人につき、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の
理由があつて勾留を継続する必要があると認め、勾留期間を更新する決定をした後
においても、保証金を立てさせ諸種の指定条件を付することにより罪証隠滅等の行
動を抑止できるものとして、刑訴法九〇条により職権で被告人の保釈を許す決定を
することは可能であり適法である。この場合、保釈許可決定がなされたからといつ
て、被告人につき罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が消滅したことにはな
らず、先になされた勾留期間更新決定がその根拠を失うことにもならないこと当然
であるといわなければならない。)
 よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり決定する。
  昭和四四年一一月五日  最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    色   川   幸 太 郎
            裁判官    村   上   朝   一

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