弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人三名弁護人安藤晋の上告趣意について。
 所論は単なる法令違反又は事実誤認及び量刑不当の主張をなすものであり、いず
れも刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。尤も論旨第一点の(2)所論の如
く、原判決は、その認定事実によれば被告人Aの収受した賄賂の価額は総計一万四
千三百七十五円となるにも拘わらず、同被告人に対し金一万四千五百七十五円の追
徴を命じている。これは原審の誤算にもとずくものであること明白であり、もとよ
り失当たるを免れ得ないところではあるが、かかる軽微な誤算があるとしても、(
執行に際し適当に措置し得ない訳ではないのであるから)いまだそれにより原判決
を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。
 被告三名弁護人小玉治行、同河村範男の上告趣意第一点について。
 原判決を熟読すれば、原審は第一審判決認定の事実の中、自ら無罪を言渡した事
実を除きその余の事実、すなわち被告人B、同Aに対する昭和二四年四月一五日附
起訴状記載の事実(但し原審は同被告人等の所為を各自の単独犯と認定している。)
及び同年五月四日附起訴状添附の犯罪表記載の被告人Bに関する「三」「四」「七」
「九」「一二」「一四」「一九」の各事実、被告人Aに関する「一」「三」「五」
「八」]「一〇」「一三」「一四」「一七」「一九」「二〇」の各事実(但し原審
は右「三」の被告人両名の所為を各自の単独犯と認定している。)被告人Cに対す
る同年五月四日附起訴状記載の第一乃至第三の各事実を認定し、これが認定の資料
として第一審判決挙示の該事実に関する証拠を引用していることを窺い知ることが
できる。されば原判決には所論のような違法はなく、論旨は憲法違反を云為するけ
れどもその前提を欠くものであり、刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。
 同第二点について。
 所論の採用し得ないことは、弁護人安藤晋の上告趣意に対する説明により明らか
であろう。(所論被告人Aの収賄現金及び饗応費の中「一七」三三一円とあるは三
百十五円の誤りであり、従つてその総額を一万四千三百九十一円と計算しているの
も亦誤りである)
 同第三点及び第四点について。
 所論は単なる訴訟法違反の主張に過ぎないものであり、刑訴四〇五条所定の上告
理由に該当しない。第三点の起訴状本文の記載は「……別紙犯罪表記載のとおり昭
和二三年一一月一五日頃a町D旅館E方で共謀の上同所F外数名より伯父Gの買収
を除外して貰う様請託を受け、之が便宜の取計をして貰う報酬の趣旨である事を知
りながら、一人当り八百円相当の酒肴の饗応を受けた外被告人Bは現金四万九千八
百円及び二千六百十円相当の饗応を受け、被告人Aは現金九千二百円及び四千三百
七十五円相当の酒肴及び遊興費の提供を受け以て公務員としてその職務に関し賄賂
を収受したものである」との趣旨と解し得るのであり、従つて所論の如く本文特記
の事実と犯罪表(三)掲記の事実とを別異の二個の事実として起訴した趣旨でもな
く、また一個の同一事実を二重に起訴した趣旨とも解すべきではない。されば、原
判決には所論のような違法はない。また原判決によれば第四点所論の土地が「農地
調整法又は自作農創設特別措置法規定の対象たる農地等」であることを認定判示し
た趣旨であることを了解し得るのであり、この点についても原判決には所論のよう
な違法は存在しない。その他記録を精査しても、本件につき刑訴四一一条を適用す
べきものとは認められない。
 よつて刑訴四一四条、三八六条三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり
決定する。
  昭和二六年一二月六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛