弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人大西美中の上告理由第一点について。
 論旨は、「二階の一間」の明渡を命じた第一審判決に釈明権不行使の違法がある
と主張する。しかし、原告たる上告人は勝訴の部分の特定しない不利益な判決に対
し上訴によりこれが是正を求め得ることは勿論であるが、かゝる不服申立のない本
件では裁判所が進んで釈明をなすの要はないものというべきである。又第一審判決
は二階の内一間の明渡を命じその余の二階の明渡請求を排斥したのであるが、上告
人はこの敗訴部分につき控訴しなかつたのであるから、その敗訴部分の中の六畳一
間については、原審が相手方の賃借権は認められなかつたとしても、これが明渡を
命じなかつたことは当然であつて、原判決には所論の違法はない。
 同第二点
 (イ)について。
 被上告人は管理契約終了以前受任事務たる、本件浴場経営のため浴場建物の屋根、
浴槽、雨樋の修繕等に四〇八五円を支出したこと、そしてその必要費は直ちに償還
を求め得られるものであるから、右契約終了するも法律上引続き該費用の償還を受
けるまで、該浴場建物(主文掲記の附属物を含む)を留置し明渡を拒み得べきであ
るとの趣旨に帰する原判決の判示は正当であつて、所論の如く管理契約終了後に生
じた費用についてのみ留置権の成立を認めた趣旨でないことは判文上明白である。
論旨引用の判例は本件に適切でない。又履行遅滞の責任がない以上損害賠償債務を
否定されたのも当然のことであつて、論旨は凡て理由がない。
 同(ロ)について。
 所論「看板」の費用は原判決も留置物に関する必要費又は有益費に該らないと判
示している。次に「す戸」「硝子建具」等は本来建物の構成部分でないことは明ら
かであるが、原審認定の必要費中には建物自体の修繕費も含まれており、単に附属
物に対し生じた必要費によつて建物を留置する場合ではない、のみならず、本件管
理契約の目的物は、「建物」のみではなく浴場経営に必要な附属設備を含めて、こ
れを「浴場建物」と称していたのであるから、その附属設備たる、す戸直し、硝子
建具の取替え費用を右浴場建物につき生じた債権と解した原判決は正当である。所
論は理由がない。
 同(ハ)について。
 (イ)において述べたとおり、被上告人は管理契約終了前本件浴場建物に関し必
要費の償還請求権を有し、契約終了後も右建物に対し留置権を有することは、原判
決の確定するところである。そして、原判決は被上告人は右契約終了後その留置物
について必要費、有益費を支出し、その有益費については、価格の増加が現存する
ものとなし、上告人に対しその償還請求権を有することを判示しているのであるか
ら、この償還請求権もまた民法二九五条の所謂その物に関し生じた債権に外ならな
いものである。従つて契約終了前既に生じた費用償還請求権と共に、その弁済を受
くるまでは、該浴場建物を留置し明渡を拒み得るものというべきである。しかして、
所論の浴場経営が民法二九八条二項但書の物の保存に必要な使用の範囲を逸脱する
ものかどうかは、同条三項の留置権消滅の請求権を生ぜしめるか否かの問題となる
に止まるのであるから、その消滅請求権を行使した事実のない本件においては、前
段説示のとおり留置権の存続を認むるの外ないことは明らかである。なお原審は所
論のような留置権消滅の請求をする趣旨かどうかを釈明する義務はない。論旨は理
由がない。
 同(二)について。
 上告人は建物明渡義務違背による損害賠償を請求したものであること、原判決引
用の第一審判決事実摘示により明らかであるから、所論は原審の主張に即しない主
張であつて、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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