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平成16年12月22日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成13年(ワ)3867号過払金返還請求事件
口頭弁論終結日 平成16年9月22日
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
被告は原告に対し,1億4321万5430円及びうち1億0340万9007円に対する平成
13年9月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
本件は,電気事業者である被告が養鶏業を営む原告に適用されるべき電気需給契約
の契約種別を誤ったこと,又は被告が原告に対し適切な助言をなさなかったために原告
が不合理な契約種別を選択したことによって原告が損害を被ったとして,原告が被告に
対し,債務不履行責任又は不法行為責任に基づき損害賠償を求めた事案(内金請求)
である。
1 争点判断の前提事実(当事者間に争いのない事実又は弁論の全趣旨によって容易
に認められる事実)
(1)原告は養鶏業を営む組合員で構成される農業協同組合である。
(2) 被告は,電気事業法(以下「法」という。)2条1項2号に定める一般電気事業者であ
り,愛知県,岐阜県(一部を除く。),三重県(一部を除く。),静岡県(富士川以西)及び
長野県をその供給区域としている。
(3)一般電気事業者は,一般の需要に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条
件について供給約款を定め,経済産業大臣の認可を受けなければならず(法19条),
かつ,原則として,供給約款以外の供給条件により一般の需要に応じ電気を供給しては
ならないとされており(法21条),被告においても認可を受けた電気供給約款に定める
供給条件に従って電気の供給を行っている。
被告の平成10年2月10日実施に係る電気供給約款(以下「約款」という。)及び電気供
給約款取扱細則(以下「細則」という。)の概要は別紙1の「電気供給約款」及び別紙2の
「電気供給約款取扱細則」のとおりである。約款は昭和47年当時から数次にわたる改
定を経ているが,各別紙に記載された条項に関してはその趣旨において昭和47年当時
と基本的な変更はない。
(4)原告は,昭和47年,現在の所在地において養鶏場を開設し,同年,被告に対し,電
気の需給契約の締結を申込み,原告,被告間に電気供給約款に基づく電気需給契約
(以下「本件契約」という。)が成立した。昭和47年当時から,原告の養鶏場敷地には鶏
舎のほか,組合員の住居が存在していた。
本件契約における契約種別は業務用電力であり,以後,被告は,平成12年3月1日ま
での間に,原告から数回の契約電力増加の申込みを受け,その都度,契約種別を業務
用電力として電気需給契約を更改した。
(5)原告は,平成12年3月,本件契約に適用されるべき契約種別を業務用電力から高
圧電力Aに変更するように被告に申し入れた。その後,原告と被告との間で交渉が重ね
られ,最終的には,本件養鶏場内に存在していた住宅等の設備21棟について,原告が
電気工事を実施し,被告において9本の電柱を新たに敷設する工事を含む配電線路建
設工事を実施することを経て,平成12年6月,前契約である業務用電力(1契約)が,高
圧電力A(1契約),従量電灯B(18契約),従量電灯C(3契約)及び低圧電力(2契約)
に分割された(以下「本件契約種別変更」という。)。
(6) 平成10年2月10日改定に係る業務用電力の単価と高圧電力Aの単価を比較する
と別紙3の「料金比較表」のとおりである。なお,同別表の基本料金は契約電力1キロワ
ット・1か月につき,夏季料金,その他季料金はその1か月の使用電力1キロワット時に
つき適用されるものであり,業務用電力の基本料金は標準電圧6000ボルトで供給を
受ける場合のものである。
(7) 原告は,平成13年4月23日付け催告書で,被告に対し過払い金1億2400万円の
返還を催告した。
2争点
(1)本件契約の締結の際,契約種別の選択をしたのは被告か否か。
契約種別の適用に誤りがあったか。
(原告の主張の要旨)
ア本件養鶏場の電気工事を原告から請け負った電気工事業者は,本件契約締結に先
だって,電気使用申込書に記載して,関係図面と共に被告に提出したが,その際には契
約種別は空欄となっていた。被告は,同申込書,関係図面に基づき,契約種別を業務用
電力と判断し,同申込書の契約種別欄に業務用電力と記載した。普通の電気工事業者
の業務知識でも一義的に明確な場合には,契約種別欄に記載を行うことはあるが,そう
でなければ,契約種別欄は空欄にして,電力会社の判断に委ねるのが実務の常態であ
る。
イ 仮に,本件養鶏場全体を1需要場所として,1契約種別の1需給契約を締結する申
込みが原告からあったと理解されるとしても,被告は契約種別の適用を誤った。
(ア) まず,付帯電灯の解釈上,本件養鶏場の敷地全体に高圧電力Aが端的に選択,
適用されるべきである。養鶏場における動力需要は,鶏という生物の飼育によって生じ
るもので,生物の飼育の特質上,悪臭等の生活環境上の不便を我慢しても,動力使用
場所に近接した養鶏場内に生物を管理する者が居住し,24時間の即応体制で管理に
当たらなければならないことに着目すると,養鶏場内の住宅における電気使用(電灯及
び小型機器の使用)が「動力を使用するために直接必要な作業用の電灯その他これに
準ずるもの」(約款3(7))に該当するといえるから,本件養鶏場の敷地全体について,約
款21(1)の高圧電力Aが適用されるべきこととなる。
(イ)次に,需要場所の把握という観点から見ると,本件養鶏場の動力には高圧電力A
が,社宅等には従量電灯や低圧電力が適用されることになる。
「需要場所」は,「構内」「建物」という概念を通じて把握されるものであるところ,例えば,
工場の「同一構内(1建物よりなる場合もこれに準ずるものとされる。)に付帯電灯となら
ない社宅,寄宿舎,厚生施設,事務所,製品直売店にあてられた独立の建物がある場
合には,同一構内であっても別の需要場所として扱われる(細則6(1)ハ(ヘ))。このよう
に,工場(動力及びその付帯電灯)には高圧電力A
が,社宅には従量電灯が,約款上当然に適用されることになる。そして,上記の「工場」
は動力需要の例示と考えられる。したがって,仮に,被告が本件養鶏場には,鶏舎等の
動力需要以外に社宅等にあてられた独立の建物があって,そこでは動力に付帯しない
電灯,小型機器の需要があると考えた場合,当該建物は「同一構内であっても別の需
要場所」であるから,本件養鶏場の動力には高圧電力Aが,社宅等には従量電灯や低
圧電力が適用されることになる。
また,本件契約種別変更の前後を通じ,本件養鶏場の構内,建物にも,そこで使用され
る契約負荷設備にも何ら変更はない。現行契約のように,需要場所が,鶏舎と住宅等に
分けて把握され,鶏舎に高圧電力A,住宅等に従量電灯,低圧電力を適用できるのであ
れば,本件種別変更以前から,そのような契約種別が適用されるべきであった。
(ウ) 更に,被告においては,養鶏場等については,その電力需要の80パーセント以上
が動力(=電気機器)に起因している場合には,当該場所に電灯,小型機器が存在して
いても,養鶏場全体に対し,契約種別として,高圧電力Aを適用しており,その際,被告
は,当該場所の電灯,小型機器が付帯電灯かどうかを詮索していない(以下,これを「8
割基準」という。)。そして,本件養鶏場の動力需要は,現状で,その電力需要の約98.
44パーセントである。被告が需要家一般に適用している判断基準である8割基準によ
れば,本件養鶏場は,住宅等における電灯,小型機器が鶏舎の動力の付帯電灯かどう
かを論ずるまでもなく,高圧電力Aが適用されてしかるべきである。
(被告の主張の要旨)  
ア電気需給契約の申込みに際しては,需要家が契約種別を決めて申込みを行う。た
だし,電気使用申込書の契約種別欄に記入漏れがあるような場合に,需要家に(多くの
場合,申込みを代行している電気工事業者を通して)確認した上で,被告担当者が契約
種別欄に契約種別を書き入れることがあり,その際にゴム印が便宜的に使用されること
はあるが,それは飽くまでも申込者である需要家の意思に基づいて行われるものであっ
て,被告側が申込み内容を決定しているわけではない。  
イ原告のイの主張は争う。需要場所がどのように確定されるかは,「構内」「建物」とい
う基準に,顧客側の主観的要素を加えて判断される。本件養鶏場の敷地全体における
電気の需要を,住宅部分とその余の部分に分けて把握すべきであるとの判断を行う前
提条件は,まず,住宅部分とその余の部分とを電気供給の単位として別々に区画するこ
とができ,かつそれぞれを電気需給単位としたいという意思が顧客に存在し,それが被
告に対して表示されることである。本件ではそのような事情はなかったのであるから,原
告の申込み内容をそのまま承諾し,本件養鶏場全体を1需要場所として1需給契約を締
結したことは約款に照らし何ら誤った取扱いではない。 
(ア)細則2(2)は,「社宅,寄宿舎,上記以外の事務所および厚生施設等に使用するも
のは,同一構内にあるものでも付帯電灯として取り扱いません。」と明確に定めており,
原告のいう住宅が付帯電灯に該当しないことは明らかである。そもそも付帯電灯は,
「動力を使用するために直接必要な作業用の電灯その他これに準ずるもの」(約款3(7))
というものであり,原告の主張するところは付帯電灯の概念を無原則に拡大することに
他ならない。
(イ)原告は,需要場所は構内,建物という概念を通じて把握されると主張しているが,
これは約款8(1)の「当社は,原則として,1構内をなすものは1構内を,1建物をなすもの
は1建物を1需要場所といたします。」という規定を根拠としているものと思われる。しか
し,このような,いわば単一の基準のみによって「需要場所」が確定されるという認識
は,「需要場所」概念の理解としては不十分である。電気需給契約上,「需要場所」概念
は電気供給の単位,すなわち電気需給契約の単位を確定する役割を果たしている。こ
の電気需給契約の単位という観点から見た場合には,電気の供給を受ける主体が事業
運営又は生活の基礎として独自の勢力を及ぼしている範囲を1需要場所とすることが最
も適切である。そして,この範囲を確定する原則的な基準が「1構内をなすものは1構内
を,1建物をなすものは1建物を需要場所とする」という約款の規定である。しかし,実際
には電気の需要の形態は様々であり,「構内」「建物」という単一の基準のみにより電気
需給契約の単位を確定することはできない。
細則6(1)によれば,「構内」のほかに「会計主体」という,いわば顧客側の主観的,意思
的要素が基準の一つとして示されている。この場合の「会計主体」とは,電気需給契約
締結の際には契約主体となり得ることを前提としている。ある区域内の各建物をどのよ
うな会計主体に属させるかは,まず,顧客の意思がもとにあって判断される問題であ
る。したがって,従来は,同一構内に存在する複数の独立した建物が同一会計主体の
下で1需要場所とされて1需給契約を締結していたとしても,このうちのある独立した建
物について会計主体が別個になった場合には,当該建物のみを新たに1需要場所とし
て従来の需給契約から分離し,別個の需給契約を新たに締結する可能性が生じる。こ
の他にも細則では,「構内」「建物」という基準のみで電気需給契約の単位を確定するこ
とが適当でないケースがあることを想定して,構内,建物の特殊な場合の取扱いを決め
ている(細則6(1)ハ)。細則6(1)ハ(へ)の規定における「別の需要場所とします」の趣旨
も,需要家が望めば別の需要場所にすることができるという趣旨であり,現在の電気供
給約款(平成14年8月8日届出。乙13)8(3)ニは,その趣旨をより明確にした規定とな
っている。
また,原告は,「本件契約種別変更の前後を通じ,本件養鶏場の構内,建物にも,そこ
で使用される契約負荷設備にも何ら変更はない。現行契約のように,需要場所が,鶏舎
と住宅等に分けて把握され,鶏舎に高圧電力A,住宅等に従量電灯,低圧電力を適用
できるのであれば,本件種別変更以前から,そのような契約種別が適用されるべきであ
った。」と主張しているが,本件契約種別変更前の本件養鶏場は,同一区域内に鶏舎,
住宅等の建物が存在し,同一会計主体のもとで一括して電気を使用するという申込み
であったのであるから,本件養鶏場全体を1需要場所として確定し,これに1契約種別を
適用したことに誤りはない。
原告は,住宅部分を別の需要場所として構成し直すことができるのは元々,住宅部分が
別の需要場所であるためである旨主張するが,本件養鶏場においては,各住宅等を別
々の会計主体とする申込みがなされ,需要場所を別々にすることが可能となったのであ
る。そして,電気設備についてもそれに応じた変更工事がなされたのである。
(ウ)原告の(ウ)の主張は争う。また,原告の主張する8割基準は存在しない。
電気需給契約の単位としての「養鶏場」については,実際に様々な電気使用形態があ
り,適用される契約種別は「業務用電力」である場合も「高圧電力」である場合もある。
(2)電気需給契約の締結の際,原告の契約種別の選択に関し,被告に助言義務があっ
たか否か。被告が同助言義務に反したか否か。
(原告の主張の要旨) 
ア仮に,需要家の申込みに応じて,需要場所や契約種別が変わるとしても,本件のよ
うな養鶏場が電気需要の申込みをしようとしている場合,ごく小規模なものはともかく,
養鶏場の電気需要は,通常「動力」が大半を占めているのであるから,それにもかかわ
らず,原告が一括して業務用電力で電気需給契約を申し込もうとしているのを被告が認
識したのであれば,需要家が錯誤に陥っているおそれがあるのであるから,養鶏場全体
につき一括して電気を使用する申込みをするのであれば業務用電力となってかなり割
高である旨指摘し,注意を促し,需要家の錯誤を取り除いて需給契約を締結すべきこと
は,電気事業者である被告に当然期待されることである。
イアの助言義務の根拠は次の各点にある。
(ア)経済的合理性
住宅等が混在する大規模養鶏場である本件養鶏場についていえば,様々な事項を把
握しなければ,電気料金の節約という目的のために適切な教示ができないというもので
はない。被告は,電気使用申込書の記載を踏まえて,本件養鶏場の現地を見分したの
であるから,動力需要が電力需要のほとんどを占める本件養鶏場において,一括して
業務用電力の適用を受ける場合と,鶏舎に高圧電力A,住宅等に従量電灯,低圧電力
の適用を受ける場合とを比較すると,後者が明らかに合理的であることを認識し,ある
いは認識し得たのである。
被告は,「教示を適切に行うためには個々の顧客の事情を十分に把握する必要があ
る。」旨を主張するが,動力比率の高い大規模養鶏場で,鶏舎と住宅が混在する場合に
は,別契約にすることが合理的であることは明らかであるから,被告の主張は理由がな
い。
(イ)変更の容易性
現行契約で,鶏舎部分に高圧電力Aの適用が可能であるのだから,従前も同様であっ
たはずである。契約種別変更の前後を通じ,本件養鶏場の「構内」「建物」にも,そこで
使用される契約負荷設備(電気機器)には何ら変更はなかった。
被告は,電柱9本を含む工事代金328万円余の配電線路建設工事を行っているが,同
工事も不可欠であったわけではなく,原告の側には特段の負担はなかった。また,別個
の契約で契約を締結することは,原告にとっては簡単なことであり,被告においても困難
なものではなかった。
(ウ) 別契約の約款適合性,約款の性格
(1)の原告主張欄のイ(イ)で主張したところによれば,同一構内に付帯電灯とならない社
宅,寄宿舎,厚生施設,事務所,製品直売所等にあてられた独立の建物がある場合に
該当すると判断した場合には,その部分を当然に別の需要場所にするか,又は,顧客
の申込み意思を確認しなければならない。
仮に,細則6(1)ハ(ヘ)が当然に別の需要場所となるということを定めたものではないとし
ても,約款,細則の定めは平易ではなく,顧客は約款に疎く,他方,被告が自ら約款,細
則を定めたことに鑑みれば,被告は顧客の申込み意思を確認しなければならない。同
一区域を1需要場所として割高な業務用電力の供給を受けることにするか,鶏舎の動
力とは別の需要場所として,電灯,小型機器を用いる住宅等には,従量電灯,低圧電力
の適用を欲するかどうかの意思を確認しなければならなかった。
(エ)差別性,8割基準
被告は,その専門知識と豊富な業務経験等によって,本件養鶏場において,鶏舎の動
力と住宅等の電灯,小型機器の電力需要がどの程度になるかは,契約締結の際に予
見できた。総体として,本件養鶏場の電力需要で動力需要が大半を占め,8割を優に超
えるであろうことは,被告にとっては,分析をするまでもなく,予想できたことである。本件
養鶏場は,昭和47年の開設の時から,ウィンドウレス鶏舎が建ち並び,住宅が混在す
るとはいっても,電力需要のほとんどが鶏舎の動力であった。被告の8割基準や大規模
養鶏場一般に対する取扱いに照らすと,本件養鶏場だけが,一括して業務用電力という
不合理な取扱いを受けてきた。
(被告の主張の要旨)
ア電気需給契約は,附合契約である。附合契約は,不特定多数の相手方との取引に
おいてその相手方の個々についてその都度契約内容を協議して決めることが困難であ
ることから,あらかじめ当事者の一方が特定した普通取引約款について相手方が包括
的に承認を行うことにより一律に契約をなし,それによって取引の簡易化,合理化を図
るものである。したがって,電気需給契約の申込みに対しては,被告は飽くまでも,顧客
からの申込み内容に基づいて,その内容が約款,細則に照らして支障のないものであ
るかどうかを判断し,支障がない限り,その申込みを承諾することとなっているに過ぎ
ず,それ以上に,そもそもその申込みの内容が顧客にとって「割高」となるかどうかを判
断し,「割高」となる場合には,これを指摘した上で契約を締結すべき義務を負っていな
い。このことは,約款6,細則5の規定からも明らかである。
被告は,附合契約であることから,顧客の申込み内容を正確に理解する必要がないと
か,錯誤を取り除いて需給契約を締結すべき義務はないと主張しているのではない。極
めて多数の,かつ,使用形態が多種多様な顧客を相手に行われ,また,その処理には
迅速性が求められている電気需給契約では,あらかじめ契約当事者の一方(被告)が
定めた約款について相手方(顧客)が包括的に承認を行うことにより一律に契約締結を
行うこととしているのであるから,申込み内容が顧客にとって割高となるかを判断し,割
高となる場合にはその旨を顧客に指摘した上で契約を締結すべき義務は存しないと主
張しているのである。
電気事業法により地域独占地位が認められている電力会社は,顧客に対する料金を恣
意的に定めたり,あるいは電気の使用者相互間に公平を欠く取扱いをすることができな
い。このため,電気需給契約において,顧客がまず約款を承認し,契約種別,供給電気
方式,需給地点,需要場所,供給電圧等を明確にして申込みを行い,申込みを受けた
電力会社は,その内容が約款に適合したものであるかどうかを審査し,それが妥当なも
のであれば,通常はそれに特段の変更を加えることなく供給承諾をする。例えば,需要
場所についていうならば,その確定の仕方が,「電気の使用形態からみて一体として区
分,把握しうる範囲」を確定したものとなっている限り,そのように確定された需要場所に
基づいて契約種別の判断を行うのであり,特定の契約種別を適用することを念頭にお
いて,需要場所の確定の仕方を変更することができるかどうかを申込者に確認すること
は行っていない。契約種別の変更を念頭において,会計主体,建物構造,電気配線の
方法等に関する工夫をするように,被告が積極的に助言,教示を行うことはそもそも需
要区分概念を定立している電気事業者としては自己撞着であり適当でない。
イ原告の主張の根拠についての反論
(ア)経済的合理性
電気需給契約の申込みを処理する過程において各契約で使用される負荷毎の使用電
力量を被告が正しく把握することは極めて困難であるので,契約分割等によって電気料
金がどのように変化するかを正しく予測することは事実上不可能である。
また,結果的に電気料金が節約されたこととなるためには,まず使用電力や最大電力,
最大電流,稼働時間の長さ,稼働の時間帯などの特性を負荷設備毎に把握する必要が
ある。そして,それらをどのように組み合わせて契約の単位とすることが電気料金節約
の点で有利なのかを判断しなければならない。本件養鶏場の場合でも,分離後の各契
約における使用電力量によっては,契約分割後の方が電気料金総額が高くなる場合も
あり得た。 このように,様々な事項を把握することによって初めて,電気料金の節約と
いう目的のために適切とされる教示がなし得るのであり,これを被告が,多くの顧客に対
して公平かつ適切に行うことは極めて困難である。
(イ)変更の容易性
これまで1契約であったものを複数の契約に分割するためには,会計主体を別にした
り,構造建物に変更を加えたり,電気配線を分離したりする必要がある。このようにかな
りの労力をかけて顧客の事情を把握しなければ適切になし得ない需要場所分割の教示
をすべての顧客に公平に実施するのは極めて困難である。
(ウ)別契約の約款適合性,約款の性格
そもそも同一構内における需要をどのように組み合わせて使用するのか,また,それら
需要の使用主体を誰にするのかは,電気使用のいわば主要要素といえる事項である。
需要の切り分け方によっては,受電すべき電圧が変化し,それに伴って,顧客側で敷設
すべき受電設備の変更すら必要となりかねない。したがって,ある場所での電気の使用
を計画する場合,一般にそれらはまず最初に顧客の側で検討,決定されているはずの
事項であり,被告において「顧客の申込み意思」を確認し,そのことで場合によっては申
込み内容を変更するという余地など通常は存しない。とりわけ,高圧以上の電圧で受電
する顧客の場合には,顧客自身が被告に電気使用を申し込む時点までには自家用電
気工作物の施設範囲を定めていることが通常であり,自家用電気工作物の施設範囲と
高圧受電する契約の需要場所の範囲とは通常一致しているからである。
(エ)差別性,8割基準について
原告の主張する8割基準は存在しない。
(3) 損害額
(原告の主張の要旨)
昭和48年分から平成12年分までの各年度の過払額とそれに対する損害金の額は別
紙4の「電気料金過払計算書」記載のとおりであるが,原告は,内金請求として,別紙5
の「本件請求計算書」記載の昭和62年分から平成12年分の過払額合計1億0340万
9007円及び各年度の過払額に対する平成13年8月31日までの確定損害金合計39
80万6423円の総計1億4321万5430円並びにうち上記過払額1億0340万9007
円に対する平成13年9月1日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延
損害金の支払を求める。
(被告の主張の要旨)
損害額についての原告の主張は争う。
第3争点に対する判断
1争点(1)について
(1)約款6には,需要家が新たに電気の需給契約を希望する場合は,契約種別,供給
電気方式,需給地点,需要場所,供給電圧,契約負荷設備,契約受電設備,契約電
流,契約容量,契約電力,発電設備,業種,用途,使用開始希望日,使用期間及び料
金の支払方法を明らかにして,申込みをすべき旨が定められているところ,乙14,17
号証,証人甲及び同乙の各証言によれば,昭和47年当時においても,契約種別,契約
負荷設備を含む前記各事項を需要家が記入することが予定された書式が用いられてい
たこと,業務として電力を用いる者の多くはある程度約款の内容に通じている電気工事
業者を通じて電気需給契約の申込みをしていること,その場合契約種別欄を記載しない
で申込みがなされるのはまれであること,原告においても電気工事業者と相談してその
申込み内容を決めた上,同電気工事業者を通じて本件契約に係る申込みをしたことが
認められる。これによれば,本件契約においても,原告の意を受けた電気工事業者が契
約種別を「業務用電力」,需要場所を「静岡県磐田郡a村b番地」(甲38号証,証人乙の
証言によれば原告の所在地の旧地番であり,同番地は本件養鶏場の敷地全体に及
ぶ。)と記載した上,申込みをなしたものと推認され,同認定を覆すに足りる証拠はな
い。   
(2)需要家が約款と適合しない契約種別を選択した場合には,被告においてこれを是
正すべき義務があると解されるから(この点は被告も争っていない。),本件契約におい
て業務用電力の契約種別の適用がなされたことに誤りがあったかどうかについて検討
する。
ア 契約種別は,供給電気方式,供給電圧及び使用期間などの差異により需要区分を
さらに細分化したもので(約款13ないし26),需要家との電気需給契約の単位となるも
のであるところ(約款8),電気の需給はそれを行う場所が存在することが前提となり,そ
の需要の場所における全体の需要特性を一体としてとらえることにより,どの需要区
分,契約種別を適用すべきかを決めるという過程を経るものと解される。したがって,ど
ういう単位で電気を使用するのかという需要場所の確定は需要区分及び契約種別の判
断に先んじて行われることになり,しかる後,契約種別の適否等の判断がなされること
になる。
これを前提に検討すると,原告は本件養鶏場の敷地全体を一つの需要場所として,契
約種別を業務用電力とする申込みをしたのであるところ,甲6,32号証及び弁論の全趣
旨によれば,本件養鶏場は,昭和47年当時からさく,へい等によって区切られ,公衆が
自由に出入りすることはできない区域であって,区域内の各建物が同一会計主体(原
告)に属するという約款8(1),細則6(1)イの要件を満たすと認められるから,本件養鶏場
全体を1需要場所ということができる。そして,同需要場所を前提とすると,原告の需要
は,1需要場所に,高圧又は特別高圧で電気の供給を受けて,電灯もしくは小型機器と
動力とをあわせて使用する需要であったと認められるから,約款19により,業務用電力
の契約種別が適用されることになる。したがって,需要場所の選択,これを前提にした
契約種別の適用のいずれにも誤りはなかったと認められる。
イ約款19(1),21(1)イ,細則16(1)イによれば,業務用電力と高圧電力Aの区別は,主
に電灯及び小型機器が付帯電灯に当たるか否かによって決せられることが認められる
ところ,原告は,「養鶏場内の住宅における電気使用は付帯電灯に当たるから,本件養
鶏場全体に高圧電力Aが適用されるべきであった。」と主張しているが,約款3(7)は「付
帯電灯は動力を使用するために直接必要な作業用の電灯その他これに準ずるものを
いう。」旨定め,細則2(2)は,「社宅,寄宿舎,上記以外の事務所および厚生施設等に使
用するものは,同一構内にあるものでも付帯電灯として取り扱いません。」と定めている
のであって,これらの規定に照らすと,原告の主張する養鶏場の特性を考慮に入れて
も,本件養鶏場敷地内の住宅の電気使用は付帯電灯に該当しないと解するのが相当で
ある。
ウ(ア)原告は,需要場所は構内,建物という概念を通じて把握されると主張
し,このことを前提に本件申込みに応じて業務用電力の適用がなされたのは誤りであっ
た旨を主張している。
原告の同主張は,約款8(1)の「当社は,原則として,1構内をなすものは1構内を,1建
物をなすものは1建物を1需要場所といたします。」及び細則6(1)イ「原則として,1構内
をなすものは1構内を1需要場所として取り扱います・・・」という各規定を根拠としている
と考えられるところ,需要場所は構内及び建物によって一義的に定まるものではなく,需
要家の意思を加えて判断されるべきものである。上記細則6(1)イにおいても,「「1構内
をなすもの」とは,さく,へい等によって区切られ,公衆が自由に出入りできない区域であ
って,原則として区域内の各建物が同一会計主体に属するものをいいます。」とあるの
であって,ある区域内の各建物をどのような会計主体に属させるかは,まず,需要家の
意思がもとにあって判断される問題であるといえる。このことからすると,需要家の意思
を抜きにして需要場所を確定すべきであるとする原告の主張は,約款の規定になじまな
いものといえる。
アにおいてみたように,電気需給契約上,「需要場所」概念は電気供給の単位,すなわ
ち電気需給契約の単位を確定する役割を果たしているものであって,単なる地理的概
念ではなく,電気を必要とする場所のうち電気の使用形態からみて一体として区分,把
握しうる範囲をいうものと解され,この判断に当たっての原則的な基準が「1構内をなす
ものは1構内を,1建物をなすものは1建物を需要場所とする」という前記の約款の規定
であると解される。そうすると,同一構内に存在する複数の独立した建物が同一会計主
体の下で1需要場所とされて1需給契約を締結していたとしても,このうちのある独立し
た建物について会計主体が別個になったような場合には,当該建物のみを新たに1需
要場所として従来の需給契約から分離し,別個の需給契約を新たに締結する可能性が
生じる。かような場合には,「構内」「建物」という基準のみで電気需給契約の単位を確
定することが適当でない場合があることが想定できる。細則6(1)ハの規定は,同イ,ロと
あわせてこれを読めば,上記の場合を想定して,構内,建物の特殊な場合の取扱いを
定めているものと解される。原告は,細則6(1)ハ(へ)の規定を,同一構内に付帯電灯と
ならない社宅等があった場合には,必ずこれを別の需要場所とし,当該部分とそれ以外
の部分とでそれぞれ別個の需給契約を締結することを定めたものと解した上,同規定を
自己の主張の論拠としているが,同規定は,細則6(1)ハの一環として解釈されなければ
ならず,前記細則6(1)ハの趣旨に照らすと,細則6(1)ハ(へ)の規定における「別の需要
場所とします」の趣旨は,需要家が望めば別の需要場所にすることができるという趣旨
であると解するのが相当である。平成14年8月8日届出に係る現在の電気供給約款
(乙13)の8(3)ニは,この趣旨をより明確にした規定となっている。よって,原告のこの点
の主張は理由がない。
(イ)また,原告は,「本件契約種別の変更の前後を通じ,本件養鶏場の構内,建物に
も,そこで使用される契約負荷設備にも何ら変更はない。現行契約のように,需要場所
が,鶏舎と住宅等に分けて把握され,鶏舎に高圧電力A,住宅等に従量電灯,低圧電
力を適用できるのであれば,本件種別変更以前から,そのような契約種別が適用される
べきであった。」旨主張しているが,本件契約種別変更前の本件養鶏場は,同一区域内
に鶏舎,住宅等の建物が存在したところ,本件申込みは,これについて同一会計主体
(原告)のもとで一括して電気を使用するという申込みであったのであるから,本件養鶏
場全体を1需要場所として確定し,これに1契約種別を適用したことに誤りはないと認め
られる。前記のように需要場所がどのように確定されるかは,「構内」「建物」という基準
に,需要家側の主観的要素を加えて判断されるのであって,本件養鶏場の敷地全体に
おける電気の需要を,住宅部分とその余の部分に分けて把握すべきとの判断をするた
めには,住宅部分とその余の部分とを電気供給の単位として別々に区画することがで
き,かつそれぞれを電気需給単位としたいという意思が需要家に存在し,それが被告に
対して表示されることが必要であるところ,本件契約種別変更に際して初めてその表示
がなされたわけであるから,それ以前に電気需要の区分がなされてしかるべきであった
とするのは根拠に欠ける主張であるといえる。
(ウ)さらに,原告は8割基準を根拠として契約種別の適用が誤っていたと主張している
が,原告が主張するところの8割基準が存在すると認めるに足りる的確な証拠はない。
甲15号証,証人丙の証言中には,被告の従業員である甲が本件契約種別を巡って原
告側と交渉した際,養鶏場等において動力比率が8割以上であれば,高圧電力が適用
される旨の発言をしたことが認められ,同事実は,原告の主張する8割基準の存在をう
かがわせるものであるといえる。しかし,証人甲の証言によれば,被告においては住宅
や社宅がなく,電灯機器が付帯電灯か否かの判断が困難である場合に限って動力比率
が8割以上である場合に高圧電力を適用した時期が過去に存したことから前記発言をし
たことが認められることに照らすと,同人の前記発言から原告主張事実を認めることは
できず,他に同事実を認めるに足りる証拠はない。
(3)以上の次第で,原告の主張は理由がない。
2争点(2)について
(1)1において認定したように,本件契約に係る原告の申込み内容からすると,本件契
約における契約種別は業務用電力に限られるといえる。これを前提として,なお,被告
に原告の主張するような助言義務があるといえるかが問題となるが,かかる義務を基礎
づけるような事情は認められない。
(2) 原告は,前記(第2の2(2)原告主張欄イ)の各点を挙げて,自己の主張を根拠づけ
ようとしているが,下記のとおりいずれもその理由がない。
ア経済的合理性について
住宅等が混在する多くの養鶏場において,原告の主張のように,住宅部分とそれ以外
を分割し,これを別の契約にする方が需要家にとって電気料の出費が大幅に少なくなる
ことがあるとしても,同事実を被告が把握していたり,又は容易にこれを把握することが
できたことを認めるに足りる証拠はない。  
また,乙17号証及び弁論の全趣旨によれば,被告においては,需要場所の確定の仕
方が,電気の使用形態からみて一体として区分,把握しうる範囲を確定したものとなって
いる限り,そのように確定された需要場所に基づいて契約種別の判断を行うが,特定の
契約種別を適用することを念頭において,需要場所の確定の仕方を変更することができ
るかどうかを申込者に確認したり,助言することは行っていないことが認められるところ,
このような取扱いは,需要区分概念,それを基礎とする契約種別を約款において定立
し,それを需要家において,承認の上,申込みをなすという約款の基本的立場に沿うも
のといえ,上記助言をすることはこれに合致しないものといわざるを得ない。また,電気
事業法により,地域的な独占的地位を認められている電気事業者は,電気の使用者相
互間に公平を欠く取扱いをすることは許されないと解される。この観点から見ても,上記
被告の取扱いには合理性があり,仮に被告が,養鶏場に限って需要家にとっての経済
的合理性を問題とし,これに基づく助言をするならば,他業種の需要家との間で公平性
を欠くことになりかねない。また,被告がすべての業種について需要家にとっての経済
的合理性を考慮することが不可能であることは明らかである。
イ変更の容易性について
需要場所を分割することは,これまで1契約であったものを複数の契約に分割すること
を伴い(約款8(2)),会計主体を別にすることが要件となる(細則6(1)イ)ほか,細則6(特
に(1)ハ(イ))によれば,構造建物に変更を加えたり,電気配線を分離する等の工事をす
る必要があることが認められるのであって,このように相当の手続及び労力等の負担を
伴うことになる需要場所の分割に関する教示をすべての需要家に公平に実施するのは
極めて困難であると認められる。
原告は,本件契約種別変更時の手続,工事内容に照らして,変更は容易である旨主張
しているが,本件全証拠によるも,本件契約種別変更が原告が主張するほど容易に行
われたとは認められない。むしろ,乙6号証,7号証の1ないし23,9ないし12号証,18
号証によると,本件契約種別変更に際して,原告から契約種別を高圧電力Aとする電気
需給契約の申込みがなされたほか,各住宅について個々の入居者からの電気需給契
約の申込みがなされ,原告において,本件契約における需給地点と各住宅をつないで
いた構内配線を撤去した上,被告において電柱9本を立て,当該電柱に係る電気架線
及び変圧器等の配電線路建設工事をなし,原告において所要の電気設備工事を実施し
たことが認められ(原告は,被告のした同工事は不可欠ではなかった旨主張するが,約
款55によれば,新たな電気需給契約の各々について1か所ずつ電気の需給地点が設
置されなければならず,同地点までの供給設備は被告の負担で施設する必要があり,
同規定に従って同工事がなされたと認められる。),原告,被告双方に相応の負担をか
けるものであったことがうかがえる。仮に原告にとって前記手続や工事が容易であった
としても,他の需要家にとって常に容易であるとは考えられない。会計主体を別にし,契
約を新たに締結することも,需要家側の内部事情によっては困難を極めることは容易に
想定できるものであって,被告が極めて多数の需要家についてこれらの事情を把握す
ることは不可能であるし,また,事情を把握できた需要家に限って助言をするというの
も,公平を害することになる。
ウ 別契約の約款適合性,約款の性格について
前記(特に1(2)ア,ウ)において判示したように,ある区域内の各建物をどのような会計
主体に属させるか,また,それら需要の使用主体を誰にするのかは,需要家の意思の
もとに判断される問題である上,この判断は契約の主体や契約の個数の変更と結びつ
くものであるから,これらの問題に立ち入って被告が助言をなすことを約款が予定してい
るとは到底認められない。
エ差別性,8割基準について
前記のように,原告の主張する8割基準が存在していることを認めるに足りる証拠はな
い。また,被告の電気供給区域内の敷地内に住宅が存する大規模養鶏場のうち本件養
鶏場だけが,業務用電力であったことを認めるに足りる証拠はない。また,仮に,同事実
があったとしても,これは,(ア)において認定した事実に照らすと,原告が養鶏場敷地全
体を1需要場所とし,契約種別を業務用電力として需給契約の申込みをなした結果にほ
かならないと認められる。
3以上の次第で,原告の請求はその余の点について判断するまでもなく,理由がない
のでこれを棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条を適用して主
文のとおり判決する。
名古屋地方裁判所民事第4部
裁判長裁判官佐久間邦夫
裁判官樋口英明
裁判官及川勝広
(別紙1)
電気供給約款
3 定義
次の言葉は,この供給約款においてそれぞれ次の意味で使用いたします。
(1) 低圧
標準電圧100ボルトまたは200ボルトをいいます。
(2) 高圧
標準電圧6,000ボルトをいいます。
(3) 特別高圧
標準電圧20,000ボルト,30,000ボルト,70,000ボルトまたは140,000ボルトを
いいます。
(4) 電灯
白熱電球,けい光灯,ネオン管灯,水銀灯等の照明用電気機器(付属装置を含みま
す。)をいいます。
(5) 小型機器
主として住宅,店舗,事務所等において単相で使用される,電灯以外の低圧の電気機
器をいいます。ただし,電灯と併用できないものは除きます。
(6) 動力
電灯及び小型機器以外の電気機器をいいます。
(7) 付帯電灯
動力を使用するために直接必要な作業用の電灯その他これに準ずるものをいいます。
(8) 契約負荷設備
契約上使用できる負荷設備をいいます。
6 需給契約の申込み
お客さまが新たに電気の需給契約を希望される場合は,あらかじめこの供給約款を承
認のうえ,次の事項を明らかにして,申込みをしていただきます。
なお,この場合には,所定の申込書を使用していただくことがあります。
契約種別,供給電気方式,需給地点,需要場所,供給電圧,契約負荷設備,契約受電
設備,契約電流,契約容量,契約電力,発電設備,業種,用途,使用開始希望日,使用
期間および料金の支払方法
また,契約負荷設備,契約受電設備,契約電流,契約容量および契約電力について
は,1年間を通じての最大の負荷を基準として,お客さまから申し出ていただきます。
8 需要場所および需給契約の単位
(1) 当社は,原則として,1構内をなすものは1構内を,1建物をなすものは1建物を1需
要場所といたします。
(2) 当社は,次の場合を除き,1需要場所について1契約種別を適用して,1需給契約
を結びます。
イないしニ (省略)
10 供給の単位
当社は,特別の事情がない限り,1需給契約につき,1供給電気方式,1引込みおよび1
計量をもって電気を供給いたします。
11 承諾の限界
当社は,法令,電気の需給状況,供給設備の状況,料金の支払状況その他によってや
むをえない場合には,需給契約の申込みの全部または一部をお断りすることがありま
す。この場合は,その理由をお知らせいたします。
13 契約種別
契約種別は,次のとおりといたします。
(「別紙契約種別」のとおり)
19 業務用電力
(1) 適用範囲
高圧または特別高圧で電気の供給を受けて,電灯もしくは小型機器を使用し,または電
灯もしくは小型機器と動力とをあわせて使用する需要で,次のいずれかに該当するもの
に適用いたします。
イ (省略)
ロ (省略)
21 高圧電力
(1) 高圧電力A
イ 適用範囲
高圧で電気の供給を受けて動力(付帯電灯を含みます。)を使用する需要で,次のいず
れかに該当するものに適用いたします。
(イ) (省略)
(ロ) (省略)
55 需給地点および施設
(1) 電気の需給地点(電気の需給が行われる地点をいいます。)は,当社の電線路また
は引込線とお客さまの電気設備との接続点といたします。
(2) 需給地点は,需要場所内の地点とし,当社の電線路から最短距離にある場所を基
準としてお客さまと当社との協議によって定めます。(以下省略)
(3) 需給地点に至るまでの供給設備は,当社の所有とし,工事費負担金または臨時工
事費として申し受ける金額を除き,当社の負担で施設いたします。  
71 保安の責任
当社は,需給地点に至るまでの供給設備および計量器等需要場所内の当社の電気工
作物について,保安の責任を負います。
(別紙2)
電気供給約款取扱細則
〔 〕内の数字は,供給約款の項数を表わす。
2 定義〔3〕
(2) 付帯電灯
「その他これに準ずるもの」とは,作業場の動力機能を維持するために必要な,次のよう
な電灯(小型機器を含みます。)をいいます。
イ 当該作業場の維持または運営のために使用する事務所の電灯
ロ 作業場の保守および保安のために使用する守衛所の電灯,保安用外灯等
ハ 現場作業員のために必要な浴場,食堂または医療室等の電灯
なお,社宅,寄宿舎,上記以外の事務所および厚生施設等に使用するものは,同一構
内にあるものでも付帯電灯として取り扱いません。
4 需給契約の申込み〔6〕
(1) お客さまが新たに電気の需給契約を希望される場合は,当社所定の様式によって
申込みをしていただきます。ただし,軽易な内容のものについては,口頭または電話等
で申し込むことができます。
(2)ないし(5) (省略)
5 需給契約の成立および契約期間〔7〕
お客さまの電気使用の申込みに対し,需給上の支障がないと判断した場合,当社は供
給承諾の意思表示を行ない,このときに契約は成立します。この場合,当社が意思表示
をしたときとは,次の日をいいます。
(1) (省略)
(2) (省略)
6 需要場所および需給契約の単位〔8〕
(1) 需要場所
イ 原則として,1構内をなすものは1構内を1需要場所として取り扱いますが,これによ
りがたい場合には,ロおよびハにより取り扱います。
「1構内をなすもの」とは,さく,へい等によって区切られ,公衆が自由に出入りできない
区域であって,原則として区域内の各建物が同一会計主体に属するものをいいます。
ロ 原則として,1建物をなすものは1建物を1需要場所として取り扱いますが,これによ
りがたい場合には,ハにより取り扱います。
「1建物をなすもの」とは,独立した1建物をいいます。ただし,複数の建物であっても,そ
れぞれが地上または地下において連結され,かつ,建物としての一体性を有していると
認められる場合は,「1建物をなすもの」として取り扱います。
ハ 構内または建物の特殊な場合の取扱いは,次によります。
なお,この場合には,必要に応じて連接引込線,共同引込線または分岐装置その他供
給設備の施設場所をお客さまから提供していただきます。
(イ) 一般の住宅
おも屋と一体であると認められる離れ,車庫,物置,倉庫等を有する住宅は,それらの
建物の全部を1需要場所としますが,おも屋と別世帯を営むものの住宅にあてられた独
立の建物は,これを別の需要場所とすることができます。
また,1建物に別世帯を営むものが居住する場合で,次のすべての条件に該当するとき
は,別世帯を営むものの居住部分を別の需要場所とすることができます。
a各居住部分の間が固定的な隔壁または扉で明確に区別されていること。
b各居住部分の屋内配線設備が相互に分離して施設されていること
c 各居住部分が世帯単位の居住に必要な機能(炊事のための設備等)を有すること。
(ロ) (省略)
(ハ) (省略)
(ニ) (省略)
(ホ) (省略)
(ヘ) 工場
1構内を1需要場所とします。ただし,1建物のみよりなる場合は,その建物を1需要場
所としますが,1建物に2以上の会計主体の異なる部分がある場合で,各部分が固定的
な隔壁で明確に区分され,かつ,共同設備がないときまたは各部分の所有権の異なる
ときは,各部分を1需要場所とすることができます。
また,同一構内(1建物よりなる場合もこれに準じます。)に付帯電灯とならない社宅,寄
宿舎,厚生施設,事務所,製品直売店等にあてられた独立の建物がある場合は,同一
構内であっても別の需要場所とします。
(ト) (省略)
(チ) (省略)
(注)1 自家用電気工作物で電気を使用されるお客さまの場合は,原則として1自家用
使用区域が1需要場所となります。
16業務用電力[19]
(1)適用範囲
イ「電灯もしくは小型機器と動力とをあわせて使用する需要」とは,同一需要場所内に
おいて,電灯(小型機器を含み,付帯電灯を除きます。)と動力との比重に関係なく,電
灯(小型機器を含み,付帯電灯を除きます。)と動力が併存する需要をいい,たとえば,
事務所,官公庁,学校,研究所,病院,新聞社,放送局,娯楽場,旅館,飲食店,商店,
百貨店,倉庫,寺院,アパートおよびトンネル等のようなものがあります。
ロ(省略)
ハ(省略)
(別紙3)
「料金比較表」
基本料金夏季料金その他季料金
a業務用電力 1,625.00  16.23 14.76
b高圧電力A 1,170.00  11.7010.64
b/a  0.72  0.720.72
(a,b欄の単位
は円)

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