弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は全部被告人Aの負担とする。
         理    由
 被告人A弁護人長野国助の上告趣意第一点並びに被告人B弁護人長野国助、同青
木彦次郎、同滝沢国雄の上告趣意第一点について
 各論旨中の(一)はいずれも刑法死刑の規定は憲法九条に違反するというのであ
るが、同条の規定から死刑廃止に至らねばならないと解すベき理由を見出すことは
できない。されば各論旨(一)はいずれもとるをえない。各論旨中の(二)及び(
三)はいずれも刑法死刑の規定はそれぞれ憲法一三条、三六条に違反するというの
であるが、そのとるをえないことは当裁判所昭和二二年(れ)第一一九号同二三年
三月一二日大法廷判例(判例集二巻三号一九一頁)の示すとおりである。されば被
告人両名をそれぞれ死刑に処した第一審判決を是認した原判決をもつて所論憲法の
各規定に違反すとなす各論旨はいずれも理由がない。
 被告人A弁護人長野国助の上告趣意第二点について。
 論旨は結局中止未遂の主張に対する原判決の判断は刑訴三三五条二項に違反する
というのであるから、明らかに刑訴四〇五条所定の上告適法の理由にあたらない。
そして原判決のこの点に対する判示は同条項にいわゆる法律上刑の減免の理由とな
る事実上の主張に対する判示として毫も欠くるところがないから、刑訴四一一条を
適用すべきものとも認められない。
 同第三点並びに被告人B弁護人長野国助、同青木彦次郎、同滝沢国雄の上告趣意
第三点について。
 論旨はいずれも結局判決の是認した第一審判決の量刑の不当を主張するにとどま
るものであるから、明らかに刑訴四〇五条所定の上告適法の理由にあたらないし、
また記録を精査しても刑訴四一一条を適用して原判決を破棄しなければいちじるし
く正義に反するとも思われない。
 被告人B弁護人長野国助、同青木彦次郎、同滝沢国雄上告趣意第二点について。
 論旨は被告人の犯行当時心神耗弱の状況にあつたとの主張に対する原判決の説示
は法令の違背であるとの主張であるから明らかに刑訴四〇五条所定の上告適法の理
由にあたらない。そして原判決のこの点に対する説示は正当で違法ということはで
きないから、刑訴四一一条を適用して原判決を破棄しなければいちじるしく正義に
反するものとはいえない。
 被告人両名弁護人安部万太郎の上告趣意第一点について。
 しかし、刑法死刑の規定が違憲のものでないことは被告人両名の弁護人長野国助
等の各上告趣意第一点について説明するとおりであつて、論旨に摘示する当裁判所
の判例を変更する必要を認めない。論旨はとるをえない。
 同第二点について。
 論旨に主張するような原判決の事実誤認、再審事由及び審理不尽の違法は全記録
を精査するもこれを認めるに足る証跡が発見されない。されば本件には刑訴四一一
条を適用すべきものとも認められない。
 被告人Aの上告趣意について。
 論旨は結局事実誤認の主張に帰し刑訴四〇五条所定の上告適法の理由にあたらな
い。そして論旨に主張する判示第三の強盗殺人同未遂の所為中殺人の所為は被告人
両名が強盗の犯行を終つて屋外に出た後に、C、D両名の行つたものであるとの事
実はこれを認めるに足る証跡を記録上発見することができないから、第一審判決並
びにこれを是認した原判決には所論の事実誤認は認められない。されば本件には刑
訴四一一条を適用すべきものとは思われない。
 よつて刑訴四〇八条一八一条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判
決する。
  昭和二六年四月一八日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    齊   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛