弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
1 原判決のうち被上告人が京労委平成11年(不)第6号京都市不当労働行為救
済申立て事件につき平成12年7月4日付でした命令の主文第2項に係る部分を破
棄し,第1審判決のうち同部分を取り消す。
2 被上告人が京労委平成11年(不)第6号京都市不当労働行為救済申立て事件
につき平成12年7月4日付けでした命令主文第2項を取り消す。
3 上告人のその余の上告を棄却する。
4 訴訟の総費用はこれを2分し,その1を被上告人の,その余を上告人の負担と
し,参加によって生じた訴訟の総費用はこれを2分し,その1を被上告参加人の,
その余を上告人の負担とする。
       理   由
 上告代理人中尾誠,同井関佳法の上告受理申立て理由第2について
 1 本件は,上告人が,被上告参加人を被申立人として申し立てた京労委平成1
1年(不)第6号京都市不当労働行為救済申立て事件(以下,この申立てを「本件
申立て」という。)につき被上告人が平成12年7月4日付けでした命令(以下
「本件命令」という。)の取消しを求める事案である。
 2 原審の適法に確定した事実関係は,次のとおりである。
 (1) 上告人は,京都市交通局に勤める公務員であり,京都交通労働組合に加入
し,同組合技術部電整支部の支部長をしていた者であったところ,平成11年4月
1日,京都市交通局洛西営業所庶務係長に昇任させる旨の人事異動通知(以下,こ
の人事異動を「本件異動」という。)を受けた。
 (2) 上告人は,本件異動が労働組合法7条1号及び3号の各不当労働行為に当た
るとして,被上告人に対し,本件申立てをした。
 (3) 被上告人は,本件申立てのうち,労働組合法7条1号に係るものについては
本件異動は同号の不当労働行為に該当しないとしてこれを棄却し(本件命令主文第
1項),同条3号に係るものについては労働者個人による申立ては認められないと
してこれを却下する(同主文第2項)旨の本件命令をした(以下,本件命令主文第
2項に係る部分を「本件却下部分」という。)。
 3 原審は,労働組合法7条3号の不当労働行為に係る救済申立ては,労働組合
がするのが原則であり,労働組合自体が御用組合化していて組合員個人の救済申立
てにより労働組合の自主性や組織力が回復,維持されるような特段の事情がある場
合を除き,組合員である労働者個人は救済申立て適格を有しないとした上,本件に
は上記の特段の事情はなく,本件却下部分は適法であるとして,その取消請求を棄
却すべきものとした第1審判決を是認し,同請求に係る上告人の控訴を棄却した。
 4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
 労働委員会による不当労働行為救済制度は,労働者の団結権及び団体行動権の保
護を目的とし,これらの権利を侵害する使用者の一定の行為を不当労働行為として
禁止した労働組合法7条の規定の実効性を担保するために設けられたものである。
この趣旨に照らせば,使用者が同条3号の不当労働行為を行ったことを理由として
救済申立てをするについては,当該労働組合のほか,その組合員も申立て適格を有
すると解するのが相当である。
 前記事実関係によれば,上告人は,本件異動が同条3号の不当労働行為に当たる
ことを理由として救済申立てをする適格を有するものというべきである。これと異
なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨
は,この趣旨をいうものとして理由があり,原判決のうち本件却下部分に係る部分
は破棄を免れない。そして,以上によれば,第1審判決のうち同部分を取り消し,
本件命令のうち本件却下部分を取り消すべきである。
 なお,その余の本訴請求に関する上告については,上告受理申立ての理由が上告
受理の決定において排除されたので,棄却することとする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 福田 博 裁判官 北川弘治 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 
修)

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