弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人山崎季治、同中山淳太郎、同花房多喜雄、同田中秀次、同君野駿平の上告
趣意第一点について。
 (一)論旨(1)及び(2)は憲法三七条違反をいうのである。しかし、原判決
は第一審判決が無罪とした被告人Aらの本件所為につき「原判決(第一審判決)は
採証の法則に違反して適法にして証拠力の十分具備している証拠の価値判断を誤り、
そのため事実を誤認し、罪となるべき事実を証拠がないとして認めず、或は誤つて
罪とならない事実を認めている違法を侵している。そのため、有罪を宣告すべきに
かかわらず、無罪を宣告しているのであるから右誤りは判決に影響を及ぼすことは
明らかであるといわなければならない。よつて、原判決(第一審判決)はこの点に
おいて破棄を免れない」として、第一審判決中右被告人らに関する部分を破棄した
上、更に刑訴四〇〇条本文を適用して本件を原裁判所である鳥取地方裁判所に差し
戻す旨を判示しているのである。即ち、原審は、事後審として、訴訟記録及び第一
審において取り調らべた証拠等を綜合して、本件第一審判決には判決に影響を及ぼ
すことの明らかな事実誤認、訴訟法違反ありとの判断を示しているに止まり、原審
としては、未だ右破棄した部分について、直に自判することを得る段階に到達して
いるものとは認めなかつたものであることは、判文上明瞭である。
 しかるに所論は、原審は既に自判に適していることを自ら判示しておるものであ
るといい、最早や第一審に差し戻すべき理由がないものであるとして、原判示の前
記の趣旨と異なるところをもつて原判示の趣旨であると解し、これを前提として原
判決の違憲をいうのであるから、右違憲の主張は前提を欠くものであつて、採るこ
とを得ない。
 (二)論旨(3)は憲法七六条違反をいうのである。しかし、所論引用の原判決
の「有罪の宣告をすべきにかかわらず、無罪を宣告しているのであるから右誤りは
判決に影響を及ぼすことは明らかであるといわなければならない云々」の文言は、
第一審判決が無罪の理由としたところに事実誤認、訴訟法違反があつて、その誤り
が判決に影響を及ぼすことが明らかである旨を判示する趣旨を出でないものという
べきである。従つて、差し戻しを受けた第一審裁判所は、第一審判決に事実誤認、
訴訟法違反があり、その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかであるとの原審の
判断の範囲内において更に審理をなすべき拘束を受けるに止まり、本件につき必ず
有罪の宣告をしなければならないというごとき拘束を受けるものではないと解する
を相当とする。所論は原判示を右と異なる趣旨のものと解し、差戻しを受けた第一
審裁判所ほ、有罪の宣告をするほかないものであることを前提として原判決の違憲
をいうのであるから、右違憲の主張は前提を欠き、採ることを得ない。
 (三)論旨(4)乃至(6)は、違憲をいう点もあるが、その実質は事実誤認、
単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第二点について。
 所論は違憲をいうが、その実質は事実誤認、単なる法令違反の主張に帰し、刑訴
四〇五条の上告理由に当らない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三二年一二月五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛