弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人芳谷今造の上告趣意第一点について。
 しかし原判決挙示の証拠によつて原判示の如く海産物仲立業を営んでいる被告人
の仲介により所論売買契約の成立した事実を認定できるのであるから論旨の(イ)
は原審が適法にした事実認定の非難に帰着し適法の上告理田とならない。また仲立
人はその媒介した行為につき当事者のために支払その他の給付を受けることはでき
ないが別段の意思表示又は慣習があるときは支払その他の給付を受けることができ
ることは商法第五四四条但書の明定しているところである。本件において原判決の
確定した事実は被告人の仲介によりD水産市場株式会社とE水産物株式会社との間
に所論売買契約が成立したのでD水産市場株式会社に送金方を求めたが送金がない
ので同会社の集出荷員Aが愛知県の本社まで帰つて代金を持つて来るが、若し自分
の留守中に本社から代金を送つて来たときは自分に代つてこれを受取つてE水産物
株式会社に支払つて貰いたいと依頼してAの印鑑等を被告人に預けて小樽市を出発
したところそれと入れちがいにD水産市場株式会社からB銀行C支店に対しA宛に
金百五十万円の送金があつたので被告人は前記の委託の趣旨に基いてAのためにこ
れを受取り保管中内金七十万円をE水産物株式会社に支払つたのみでその余の金員
八十万円を擅にその頃費消横領したというのであつて即ち被告人は買主側の特別の
意思表示によつてその仲介した売買契約の代金を受取りこれを保管していたもので
あるから、かかる場合にはその代金の保管は仲立人の業務上の保管と解すべきであ
る。然らば原判決が被告人の所為に対し業務上横領罪をもつて問擬したことは正当
であつて論旨の(ロ)はその理田がない。
 同第二点について。
 しかし原判決をみると「その余の金員八十万円を檀にその頃函館市等で自己の事
業資金等に費消横領したものである」と記載してあつて「その頃」というのは被告
人が百五十万円を受取つた昭和二三年四月二四日頃を指すものであることは判文上
明かであるから原判決は犯罪時の記載を欠如しているものではない。論旨はその理
田がない。
 同第三点について。
 しかし原判決の引用した証拠中にはAに対する司法警察官の告訴補充調書と記載
してあつて所論のように被告人に対する司法警察官の告訴補充調書とは記載してな
いのである。そして右Aに対する司法警察官の告訴補充調書は記録に存在するので
あるから論旨は理田がない。
 よつて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 田中已代治関与
  昭和二五年九月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
 裁判官栗山茂は出張中につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義

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