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平成14年(行ウ)第1号 新潟県に代位する損害賠償請求事件
(口頭弁論終結日 平成15年2月20日)
判決
主文
 1 原告の請求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
 1 被告は,新潟県に対し,金26万2500円及びこれに対する平成12年12月12日から
支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。
第2 事案の概要
   本件は,新潟県が平成12年の国勢調査における調査票の審査業務に従事する職
員に支給するブルゾンを購入したことは裁量権を逸脱・濫用する違法な財務会計
行為に該当するとして,新潟県M部N課長としてブルゾンの購入を専決した被告に
対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号
前段に基づき,新潟県に代位して,ブルゾンの購入代金26万2500円の損害賠償
を求める事案である(附帯請求はブルゾンの購入代金の支払日の翌日である平成
12年12月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金)。
 1 前提となる事実(以下の事実のうち,証拠を掲記したもの以外は当事者間に争いの
ない事実である。)
  (1) 原告は,新潟県の住民で,平成12年4月1日から平成13年3月31日までの間,
新潟県M部N課(以下,単に「N課」という。)統計情報班の主任であった者であ
り,被告は,この間,同課の課長の職にあった者である。
  (2) 統計法(平成11年法律第160号による改正前のもの。以下同じ。)4条1項は,
「政府が本邦に居住している者として政令で定める者について行う人口に関する
全数調査で、当該調査に係る統計につき総務庁長官が指定し、その旨を公示し
たものは、これを国勢調査という。」とし,同条2項は,「国勢調査は、これを十年
ごとに行わなければならない。但し、国勢調査を行った年から五年目に当る年に
は、簡易な方法により国勢調査を行うものとする。」と規定する。
    統計法に基づき,平成12年10月1日現在で,10年ごとに国が実施する「国勢調
査」が行われた。新潟県知事は,統計法18条,国勢調査令(昭和55年政令第98
号)13条,地方自治法施行令別表第一に基づき,法定受託事務として国勢調査
に係る調査票(以下「調査票」という。)の審査業務等を行い,具体的な審査業務
は,N課において行われた。
  (3) 被告は,調査票の審査業務を行う際に着用するために,ブルゾンを購入するこ
ととし,平成12年11月28日,Aとの間で1着2625円(消費税込み。以下同じ。)で
100着のブルゾンを購入する契約を締結し(支出負担行為。以下「本件契約締
結」という。),本件契約締結に基づく支出命令(以下「本件支出命令」といい,本
件契約締結と併せて「本件契約締結等」という。)を行った《証拠略》。
    なお,新潟県財務規則(昭和57年新潟県規則10号)4条2項により,需用費につ
いては30万円以上の行為の場合には課長の専決によるものとされているとこ
ろ,本件では,ブルゾンの他に,シール(長方型のもの及び丸型のもの)を購入
し,支出負担行為の総額が38万3250円になったため,N課長であった被告が本
件契約締結等を専決したものである。
  (4) 平成12年12月11日,本件支出命令に基づき,新潟県からAに対し,ブルゾン等
の購入代金38万3250円が支払われた。
  (5) 原告は,平成13年11月13日,新潟県監査委員に対し,本件契約締結等が違法
又は不当であるとして監査請求を行ったが,新潟県監査委員はこれを棄却し,同
年12月25日付けで原告に通知した《証拠略》。
 2 争点及び当事者の主張
   原告は,本件契約締結等は被告の裁量権を濫用又は逸脱しており,地方自治法2
条14項に反する違法な財務会計行為であると主張し,本件契約締結等を専決した
被告に対し新潟県に代位して損害賠償請求をするのに対し,被告は,本件契約締
結等に裁量権の濫用又は逸脱はないと主張する。
   したがって,本件の争点は,「本件契約締結等に裁量権の濫用又は逸脱があるか
否か」であり,争点に関する当事者の主張は以下のとおりである。
 (原告の主張)
  (1) 地方自治法2条14項は,「地方公共団体は,その事務を処理するに当たっては,
住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるように
しなければならない。」と規定している。また,公金を支出するに当たっては,そ
の裁量権を付与された目的に沿った裁量権の行使を適切に行わなければならな
い。
    本件契約締結等は,以下のとおり,上記に明らかに反し,適切な支出の範囲を超
え,裁量権の濫用又は逸脱のある違法なものである。
  (2) 国勢調査に係る審査業務は,平成12年11月1日から同年12月7日までのわず
か2か月足らずの間に行われている。このようなわずかの期間の調査のために
ブルゾンを支給した理由は,ブルゾンを着用することによりこの業務に従事する
職員であるか否かを容易に識別することができるからであると説明されている。
  (3) しかし,審査業務に従事する職員であることを識別するためであれば,写真入り
の識別プレートのようなものを着用すれば十分であり,そうすれば1人当たり
2625円という高額の支出をする必要はない。
    また,審査業務に従事する職員を容易に識別することができるようにする目的が
不審者の審査会場への入室を禁じるということにあるのであれば,例えば入り口
を取り囲むようにして審査業務に従事する職員の机をコの字形に配置することに
より入室者をチェックするような方法も考えられる。
    このような方法によることもできるのであるから,被告は裁量権を濫用又は逸脱し
て本件契約締結等を行ったというべきである。
  (4) 仮に,審査業務に従事する職員に対してブルゾンを支給する必要性が認められ
るとしても,下記アのとおり,少なくとも審査業務に従事しない職員についてはブ
ルゾンを支給する必要性はなく,また,下記イのとおり,ブルゾンを支給する必要
がある職員数を超えてブルゾンを購入する必要はないから,この部分は違法と
いうべきである。
   ア 本件では,N課の職員7名(被告,B課長補佐,C主査,D主事,E主任,F主
事,G副参事)は,審査会場における審査業務に従事していないにもかかわら
ずブルゾンが支給されていた。
     したがって,このような不必要なブルゾンを購入した本件契約締結等は裁量権
の濫用又は逸脱があり違法というべきである。また,本件契約締結等の全部
が違法といえないとしても,少なくとも,この7名分のブルゾンの購入部分,1万
8375円分は違法というべきである。
   イ 本件契約締結等により購入したブルゾンは100着であるが,ブルゾンの支給を
受けたN課の職員は48名であり,調査票の審査業務のために配置された非
常勤職員40名を加えてもブルゾンの支給を受ける対象となる者は88名にすぎ
ない。
     そうすると,当初から必要がないことが判明していたブルゾンを12着購入してい
ることとなり,このような不必要なブルゾンの購入をした本件契約締結等は裁
量権の濫用又は逸脱があり違法というべきである。また,本件契約締結等の
全部が違法といえないとしても,少なくとも,上記の12着のブルゾンの購入部
分,3万1500円分は違法というべきである。
 (被告の主張)
  (1) 本件のブルゾンの購入は,調査票に記載された個人情報が部外に漏洩すること
を厳に防止するとともに調査関係書類を紛失することを防止するため,審査業務
に従事・関与しない部外者の審査会場への入室規制の徹底を図る必要があった
ことから,新潟県M部に設置された国勢調査新潟県実施本部(以下「実施本部」
という。)のスタッフであることを遠くからでも一目瞭然に識別できるようにすること
を目的とするものであった。
    また,膨大な量の鉛筆で記入された調査票をチェックし,修正が必要であれば鉛
筆で書き直す作業及び収納ケース等の運搬作業により衣服が汚損することを防
止すること並びに5年に1度実施される重要な業務を確実に履行する役割を担う
実施本部スタッフの志気を高め,一体感を醸成することなども目的としていた。
  (2) ブルゾンは,審査会場に出入りを予定していた実施本部の職員53名と非常勤職
員38名の合計91名分のほかに,汚損・破損等を見込んだ予備を含めて100着を
購入したものである。
    実際には,審査会場に出入りすることとなった実施本部の職員46名と非常勤職
員38名の合計84名にブルゾンを支給し,また,破損等のために3着を再支給し
たため,合計87着のブルゾンが実際に支給された。
  (3) このような購入目的,購入数及び支給範囲に照らせば本件契約締結等は妥当
なものであり,その他,本件契約締結等は新潟県の財務規則等に定める事務手
続きに従って適正に行われているので,本件契約締結等が裁量権を濫用・逸脱
した違法なものであるということはできない。
第3 当裁判所の判断
 1 前記第2の1記載の事実に証拠《証拠略》及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の
事実が認められる。
  (1) 国勢調査の概要
    国勢調査は,統計法に基づいて行われる人口に関する全数調査であり,10年ご
とに行われる正式な国勢調査と正式な国勢調査の5年後に行われる簡易な方法
による国勢調査とがある。
    統計法に基づき,平成12年10月1日現在で10年ごとに行われる正式な国勢調査
が実施された。
    国勢調査は,調査票に下記の事項を記入させる方法で調査を行う(国勢調査令5
条1項)。調査票は,原則として,国勢調査員等が世帯ごとに配布し,及び取集す
ることとされている(同令9条1項)。
   ア 世帯員に関する事項
     ①氏名,②男女の別,③出生の年月,④世帯主との続柄,⑤配偶の関係,⑥国
籍,⑦現在の住居における居住期間,⑧五年前の住居の所在地,⑨在学、卒
業等教育の状況,⑩就業状態,⑪就業時間,⑫所属の事業所の名称及び事
業の種類,⑬仕事の種類,⑭従業上の地位,⑮従業地又は通学地,⑯従業
地又は通学地までの利用交通手段
   イ 世帯に関する事項
     ①世帯の種類,②世帯員の数,③家計の収入の種類,④住居の種類,⑤住宅
の床面積,⑥住宅の建て方
  (2) 国勢調査に関する個人情報の保護について
    統計法14条は,「指定統計調査・・・の結果知られた人,法人又はその他の団体
の秘密に属する事項については,その秘密は,保護されなければならない。」と
規定し,同法19条の2第1項は指定統計調査に関する事務に従事する者等が,
その職務執行に関して知り得た秘密に属する事項を漏泄・窃用した場合の罰則
(1年以下の懲役又は10万円以下の罰金)を定めているが,本件の国勢調査に
おいても,個人情報の保護等について,以下のような通知等がなされた。
   ア 総務庁統計局長は,新潟県知事に宛て,平成12年6月1日付けで「国勢調査に
関する事務の処理基準について(依命通知)」と題する通知により,地方自治
法245条の9第1項に基づき,都道府県が法定受託事務を処理するに当たりよ
るべき基準を通知した。この通知において,都道府県の事務を定めるととも
に,個人情報の保護については,「国勢調査を正確かつ円滑に実施するため
には,世帯のプライバシー意識に対する適切な対応を図るとともに,調査関係
者の守秘義務,封入提出調査票の取扱いなどに十分留意する必要があるの
で,調査員事務打合せ会において,個人情報保護に係る議題を設けるなど,
調査員指導の一層の徹底を図るよう説明する。」「また,秘密の保護や防災上
の観点から調査書類の厳重管理に遺漏のないよう,調査員・指導員の実査活
動から調査書類の審査に至る一連の調査事務の各段階における調査書類の
管理方法,保管場所等について十分に説明する。」としている。
     なお,この通知は,地方自治法245条の9第3項に基づき,市町村が法定受託事
務を処理するに当たりよるべき基準も通知しているが,そこでは,個人情報の
保護について,「調査票の記入内容の保護については統計法に規定されてい
るところであり,調査に携わる全ての者がこれを守ることはもとより,調査を円
滑に実施し正確な結果を得るためには,調査事務の各段階において関係者
に対する個人情報保護の徹底を図るとともに,適切な措置を講ずることが必
要である。」として,調査の実施に当たって徹底すべき事項を指示している。
   イ また,同局長は,新潟県知事に宛て,同年7月14日付けで「国勢調査に関する
事務の処理基準について(依命通知)」と題する通知により,地方自治法245
条の9第1項に基づき,都道府県が法定受託事務を処理するに当たりよるべき
基準を通知した。この通知は,調査書類の管理について,「市区町村から提出
された調査書類及び都道府県で作成した調査書類については,秘密の保護,
紛失・被災の防止等の観点から,統計センター所長に提出するまでの間の保
管場所,管理体制,輸送体制等についてあらかじめ具体的な管理要領を定め
るなどの処置を講じる。」としている。
   ウ さらに,総務庁統計局統計調査部国勢統計課長は,各都道府県統計主管課長
に宛て,同年10月2日付けで「平成12年国勢調査における個人情報保護の徹
底について」と題する書面を送付し,調査員の取集時等において個人情報保
護に係る問題が発生しているとして,①封入提出された調査票を開封しないこ
とや②調査書類の紛失等の報告が発生していることから,改めて調査書類の
厳重管理について指導を強化することを求めた。
   エ また,同課長は,各都道府県統計主管課長に宛て,同年10月13日付けで「平
成12年国勢調査における調査書類の厳重管理について」と題する書面を送
付した。同書面は,「調査員から市区町村へ調査書類が提出される段階にな
りました。今後とも,指導員,市区町村,都道府県の各段階においても調査書
類の厳重管理が徹底されますよう,受領,審査,管理体制のチェックをお願い
します。」としたうえで,「特に注意する事項」として,「市区町村,都道府県の庁
舎内又は保管倉庫等での火災・盗難」について,「庁舎・倉庫等における被災
等の防止措置(警備等を含めて)など」に注意するように求めている。
   オ 総務庁統計局・統計センターが定めた平成12年国勢調査・都道府県事務要領
(その2)では,留意事項として,「調査票を始め記入済みの調査書類について
は,紛失・被災の防止及び秘密保護の観点から,統計センターに提出するま
での各段階においてその保管場所,管理体制,輸送体制等に特段の注意を
払う必要があるので,その処置に遺漏のないよう留意するとともに,その旨,
市区町村にも注意を喚起する。」としたうえで,「市区町村における審査に当た
っては,その場所に配慮するとともに,審査担当職員の範囲を明確にし,担当
者以外の者の目に触れることのないようにする。なお,都道府県における審査
に当たっても,市区町村における審査と同様,特段の注意を払う。」こと等につ
いては特に留意するように促している。
  (3) 国勢調査に係る県の事務について
    国勢調査員等は,市町村長に対し,調査票を提出し(国勢調査令13条1項),市
町村長は,提出された調査票を審査し,必要な事項を記入するとともに,都道府
県知事に対し,当該調査票を送付しなければならないとされている(同条2項)。
そして,都道府県知事は,市町村長から送付された調査票を二次的に審査する
とともに,総務庁長官に対し,当該調査票を送付しなければならないとされてい
る(同条3項。ただし,平成12年政令第304号による改正前のもの)。
    都道府県及び市町村が行うこととされているこれらの事務は,法定受託事務とさ
れているため(国勢調査令13条,地方自治法施行令別表第一参照),その具体
的な事務処理については,地方自治法245条の9第1項に基づいて,各大臣が
事務処理に係る基準を定めることとされている。本件については,総務庁統計局
長が,「国勢調査に関する事務の処理基準について(依命通知)」と題する通知
を発し,その基準を通知した。
    この通知によると,調査書類の審査,調査書類の整理・提出,市区町村における
産業大分類の格付けの支援,都道府県要計表の作成,個人情報の保護等が県
の事務として定められており,それぞれについては,おおむね以下のような事務
を行うこととされている。
   ア 調査書類の審査について
     調査書類は,まず,第1段階として,抽出速報集計の対象として抽出された調査
票(1パーセントを抽出した調査票などを指す。以下「抽出対象調査票」とい
う。)の提出が求められ(以下,これを「第1次提出分」という。),第2段階とし
て,「抽出対象調査票」以外の調査票等の提出が求められている(以下,これ
を「第2次提出分」という。)。そこで,調査書類の審査についても,これに応じ
て,第1次提出分の審査,第2次提出分の審査が行われている。
    (ア) 第1次提出分の審査について
      第1次提出分の審査については,おおむね以下のような審査が予定されてい
る。
     a 調査書類の区分の検査
       第1次提出分の調査書類が①市区町村要計票,②調査区要図,③世帯名
簿,④調査単位名簿,⑤抽出対象調査票に正しく区分されているか検査
すること
     b 調査票の整理状況の検査
       抽出対象調査票について,①調査区番号,世帯番号順に整理されている
か,②抽出対象の調査区が正しく抽出されているか,③調査票表紙の所
定事項が記入されているかなどの事項について検査すること
     c 調査票枚数の検査
       区分されたそれぞれの調査票枚数を数え,世帯名簿又は調査単位名簿と一
致しているか,また,調査票表紙に記入された枚数と一致しているか検
査すること
     d 調査票の記入内容の審査
       調査票について,世帯人員の確認及び各欄の記入漏れの有無に重点を置
いて審査することなど
    (イ) 第2次提出分の審査について
      第2次提出分の審査については,おおむね以下のような審査が予定されてい
る。
     a 調査書類の区分の検査
       第2次提出分の調査書類が①抽出対象以外の調査票,②補助用の調査
票,③未使用調査票に正しく区分されているか検査すること
     b 調査票の整理状況の検査
       抽出対象以外の調査票について,①調査区番号,世帯番号順に整理されて
いるか,②単位区(調査区)仕切シートが単位区(単位区がない場合には
調査区)単位に作成されているか,③調査票表紙の所定事項が記入され
ているかなどの事項について検査すること
     c 調査票枚数の検査
       調査票枚数を数え,調査票表紙に記入された枚数と一致するか検査するこ

     d 調査票の記入内容の審査
       調査票について,世帯人員の確認及び各欄の記入漏れの有無に重点を置
いて審査することなど
   イ 都道府県要計表の作成について
     都道府県要計表の作成は,市区町村から提出された市区町村要計表(MO又
はフロッピーディスク)に基づき,要計表OA処理説明書を参考にして「要計表
作成システム」を用いて,パソコンによって行うこととされている。
   ウ 産業大分類格付け事務に係る検査について
     市区町村から提出された調査票の格付け内容について,検査を行い,誤りがあ
れば訂正することとされている。
   エ 調査書類の整理について
     調査書類を,①要計表,②調査区要図,世帯名簿及び調査単位名簿,③抽出
対象調査票,④抽出対象以外の調査票,⑤補助用の調査票等,⑥未使用調
査票に区分し整理するとともに,都道府県要計表等をMOに出力すること,プ
リントを作成すること,そのプリントを市区町村コード順に整理することなどの
事務を行うとされている。
   オ 調査書類の提出について
     調査書類は,第1次提出分と第2次提出分とに区分し,それぞれ定められた期
日までに統計センター所長に提出することとされており,提出に当たっては,
定められた区分に従って輸送箱に格納し,定められた方法に従って荷造りを
することが定められている。
  (4) 新潟県における審査業務について
    新潟県では,前記(3)の通知に従って平成12年の国勢調査における審査業務を
行った。その事務処理は以下のようなものであった。
   ア 新潟県知事は,国勢調査に係る実施体制を整えるため,M部に実施本部を設
置した。
     実施本部は,M部長を本部長,同部次長を副本部長,N課長(被告)を事務局
長とし,その他N課職員によって構成されていた。
   イ 新潟県知事は,総務庁から,平成12年12月12日までに第1次提出分の調査票
等の提出を求められていた。
     そこで,同年11月1日から同年12月7日までの間,新潟県庁西回廊大会議室に
おいて,前記(3)の通知に従い,第1次提出分の審査,整理を行い,調査票を
統計センター所長に提出した。
   ウ また,新潟県知事は,平成13年1月30日までに第2次提出分の調査票等の提
出を求められていた。
     そこで,平成12年12月12日に第1次提出分を提出した後,前記(3)の通知に従
い,第2次提出分の審査,整理を行い,また,都道府県要計表の作成や産業
大分類の格付け事務に係る検査を行い,これらを平成13年1月30日までに統
計センター所長に提出した。
   エ 新潟県が審査を行った国勢調査に関する書類は,記入された調査票95万
1269枚,調査区要図1万6888枚,世帯名簿6万4331枚,審査の結果光学読
取機(OCR)で読みとれなかったため書き直しが必要とされた調査票等5万
5746枚,市町村集計表2163枚の合計109万0397枚に上った。
   オ 上記のような審査業務及びその周辺業務に従事した職員は,実施本部の職員
53名及び審査業務のために臨時に雇用された非常勤職員38名の合計91名
であった。ただし,労働組合の職務に専従していたH主事が平成12年9月1日
に復職したため,同日以後,実施本部の職員は54名となった。
     このうち非常勤職員38名は,全員が審査業務に直接従事していた。これに対
し,実施本部の職員は,総務班,広報班,指導調整班,審査第1班ないし第6
班に分かれ,審査会場で審査業務その他の業務に直接従事するのは,審査
第1班ないし第6班及び指導調整班に所属する職員であった。また,総務班及
び広報班を統括する総務部主幹としてB課長補佐が,指導調整班及び審査
第1班ないし審査第6班を統括する実査部主幹としてI副参事がそれぞれ任命
されていたほか,全体を統括する本部長としてJ部長が,副本部長としてK次
長が,事務局長として被告がそれぞれ任命されていた。
     実施本部の事務分掌は,以下のとおりとされていた。
    (ア) 事務局長は,本部長の命を受け実施本部の事務を掌握する。
    (イ) 総務班
     ・ 人事,文書,予算及び経理に関すること。
     ・ 指導員及び調査員の公務災害及び安全対策指導に関すること。
     ・ 指導員及び調査員の身分に関すること。
     ・ ほかの班に属さない事項。
    (ウ) 広報班
     ・ 調査の広報,宣伝及び結果公表に関すること。
     ・ 報道機関との連絡調整に関すること。
     ・ 調査に関する一般からの照会・相談等に関すること。
    (エ) 指導調整班
     ・ 市町村事務の指導に関すること。
     ・ 調査区及び調査環境に関すること。
     ・ 調査票等の審査の総括に関すること。
     ・ 調査用品担当については,調査関係書類の申達及び調査用品類の受領・配
付に関すること。
    (オ) 審査班(第1班ないし第6班)
     ・ 調査票等の審査に関すること。
  (5) ブルゾンの購入経緯について
   ア 購入に至る経緯について
     N課生活統計班の人口・教育担当主査であるL主査ら本件の国勢調査の審査
業務を担当する担当者は,国勢調査において,前記(2)の通知等のとおり,個
人情報の保護に重点が置かれていたことを踏まえ,県の審査においても個人
情報の保護に重点を置く必要があると考え,審査業務に携わる職員に黄色の
ブルゾンを着用させることにより,審査関係者以外の者が審査会場に立ち入
った場合にはこれを容易に発見することができると考えた。また,審査業務で
は,鉛筆で記入された大量の調査票を1枚ずつ審査する必要があることから,
審査を実施する職員の衣類が汚損する可能性があるところ,このようにブル
ゾンを着用することにより,衣類の汚損を防止することもできると考えた。そこ
で,L主査は,被告に対し,審査業務に携わる職員に黄色のブルゾンを着用さ
せることを提案した。
     被告は,L主査からの提案を受け,個人情報の保護及び衣類の汚損防止という
目的にかなうことからブルゾンを購入することとした。
     ブルゾンの購入枚数については,実施本部の職員54名(当初の実施本部のメ
ンバーは53名であったが,前記のとおり,H主事が復職することが予定されて
いたため,ブルゾンを必要とする実施本部の職員は54名となる。)に加え,審
査業務のために非常勤職員を38名雇用することが予定されていたことから,
その合計92名分のブルゾンを調達する必要があると考え,さらに,ブルゾンが
汚損した場合等の予備として8着分を見込み,合計100着のブルゾンを購入す
ることとした。
     なお,現実には,実施本部の職員のうち47名及び非常勤職員38名の合計85名
に85着が支給され,さらに,ブルゾンに汚損が生じたため,2着のブルゾンが
再支給された。
     なお,原告は,実施本部の総務班に属していたが,ブルゾンの支給を拒んだた
め,原告にはブルゾンは支給されなかった。
   イ 購入手続について
     被告は,カタログを参考にしてメーカー,品番等を指定したうえでこれを取り扱う
2社から見積書を徴求し,見積額が低かったAとの間で,平成12年11月28日,
1着2625円で100着のブルゾンを購入する契約を締結した(本件契約締結)。
     そして,被告は,同日,本件支出命令を行い,同年12月11日にブルゾン及びブ
ルゾンと一括で購入したシールの代金合計38万3250円が新潟県からAに対
して支払われた。
 2 争点に対する判断
  (1) 地方自治法232条1項は,「普通地方公共団体は,当該普通地方公共団体の事
務を処理するために必要な経費・・・を支弁するものとする。」としている。地方公
共団体がその事務処理のために必要な物品を購入する行為は,当該地方公共
団体の行政上の事務を処理するための物的基礎を確保する行為であるから,事
務処理との関係での当該物品の必要性,物品購入に係るコスト,その他諸般の
事情を勘案して行われるものであり,その契約の要否及び内容等については,
地方公共団体の長及び地方公共団体の長から権限の委任等を受けた者の裁
量に属するものというべきである。
    もっとも,地方自治法2条14項が「地方公共団体は,その事務を処理するに当つ
ては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げる
ようにしなければならない。」と規定し,また,地方財政法4条1項が「地方公共団
体の経費は,その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて,これを
支出してはならない。」と規定していることに照らすと,地方公共団体の事務を処
理するための物品の購入についての地方公共団体の長等の裁量権には一定の
限界が存在し,地方公共団体の事務処理との関係で当該物品を購入する必要
性が明らかに認められないなど,その裁量権の行使に逸脱・濫用があると認め
られる場合には,物品の購入に係る財務会計行為は違法になると解される。
  (2) これを本件についてみるに,被告は,調査票の審査業務を行うに当たり,①個
人情報の保護を徹底するために,審査会場への部外者の入室を防止する必要
性,及び②審査業務に従事する職員の衣服の汚損を防止する必要性等があり,
これらの目的を達成するために黄色のブルゾンを購入の上,審査業務に携わる
職員に支給したと主張している(実施本部スタッフの志気を高め,一体感を醸成
することなどは,これらの目的に比べると副次的なものと認められる。)。
   ア そこで,まず,調査票の審査業務を行う上で上記①,②の必要性が存在するか
について検討する。
     前記1(1)のとおり,調査票には,世帯員の氏名はもとより,国籍,居住期間,5年
前の住居の所在地,就業状況,家計の収入の種類といった極めて私的な要
素が強い個人情報が記載されている。このような個人情報が収集されるの
は,行政その他国政の運営を行うための基礎資料を得るための必要性があ
るからであり,国勢調査においては,申告の義務があるとされる(国勢調査令
10条1項)一方で調査票を統計上の目的以外に使用することが禁止され(統
計法15条1項),事務に従事する者等が職務執行に関して知り得た秘密に属
する事項を漏らした場合には罰則が定められている(同法19条の2)。このよう
な極めて私的な要素が強い個人情報が外部に漏れるならば,個人情報を漏
らされた当該個人に大きな打撃を与えるばかりか,国勢調査に対する国民の
信頼が失われ,国政の運営を行うための基礎資料を得ることが困難となり,
国政の運営に著しい支障をきたすことにもなりかねない。そこで,このような個
人情報が記載されている調査票の管理には万全を期す必要があるというべき
であり,前記1(2)の通知等はこのことを明らかにしているものというべきであ
る。したがって,国勢調査に係る事務を処理する上で,個人情報の保護のた
めに必要な措置を講ずることは,事務処理に携わる者の責務というべきであ
り,そのための経費を支出することも合理的な範囲内で許容されるというべき
である。
     また,前記1(3)及び(4)のとおり,調査票の審査業務は,鉛筆で記入された膨大
な量の調査票の一枚一枚について記入漏れがないか,区分が正しいかどう
かをチェックし,調査票の枚数を数え,それを輸送箱へ格納し,搬出するなど
の業務であるから,この審査業務に従事する職員の衣服が汚損するというこ
とも十分考えられるところであり,その防止のために必要な措置を講ずること
も合理的な範囲内で許容されるというべきである。
   イ このように,上記①,②の目的を達成することは,国勢調査に係る事務を処理
する上で必要と認められるから,このための物品の購入は合理的な範囲内に
ある限り被告の裁量権の範囲内にあるというべきである。
     本件では,黄色という目立った色のブルゾンを着用させることで審査業務に携
わる職員とそうでない者を一目で判別できることとなり,審査業務に関わりの
ない部外者が審査会場に立ち入ることを防止することができること,同時に,
審査業務に従事する職員がブルゾンを着用することにより,その衣服の汚損
を防止することができること,また,購入したブルゾンの価格は1着2625円で
あり,これらの目的等に照らし不相当に高額とはいえないこと,その他ブルゾ
ンの購入が不合理であると認めるに足る事情がないことに照らすと,上記①,
②の目的で本件のブルゾンを購入することを決定した被告の判断は,不合理
とはいえず,その裁量権の範囲を逸脱・濫用するものではないというべきであ
る。
   ウ したがって,本件契約締結等が被告の裁量権を逸脱・濫用した違法な財務会
計行為であるということはできない。
  (3) この点について,原告は,①審査業務に従事する職員であることを識別するの
であれば,写真入りの識別プレートのようなものを着用すれば十分である,②審
査会場は,吹き抜けに面した部分から短い廊下を経て入り口が設けられていて
無関係な者が間違えて入る構造になっていない上,仮に無関係な者が入室して
も気づけばすぐに退出すると考えられる,③不審者の入室を禁止するためには,
入り口を固めておくこと,例えば入り口を取り囲むようにして審査業務に従事する
職員の机をコの字形に配置することで足りるなどと主張する。
    しかし,いかなる手段によって個人情報の保護という目的を達成するかの判断は
基本的には被告の裁量の問題であり,それが合理的な範囲内にあれば,裁量
権の逸脱・濫用の問題は生じないというべきであることは既に説示したとおりで
ある。そして,その判断は,単に個人情報の保護を図るためのコストを少なくする
という観点からのみ行われるのではなく,調査票の審査業務という本来の業務を
どのように進めるかということと相まって合理的な判断が求められるものである。
    本件について検討すると,審査会場は,一般食堂及び喫茶室の設けられた県庁
舎二階西回廊にあり,個人情報を入手しようとして故意に入室する者を含めて部
外者が立ち入るおそれがあることが認められる《証拠略》。そして,このような部
外者が立ち入った場合,黄色のブルゾンを着用していれば遠くからも一目で審査
業務に従事している職員であるか否かを判断することができるが,写真入りの識
別プレートのようなものでは非常勤職員を含む多数の職員が審査業務に携わる
中で部外者を識別するのは困難で,審査業務に従事する職員とそれ以外の者を
容易に識別することによって部外者の入室を防ぎ,もって調査票に記載されてい
る個人情報を保護するという目的からすると,その機能は劣ることとなる。また,
審査業務に従事する職員の机をコの字形に配置することなどにより部外者の立
ち入りを防止する方法も考えられないではないが,このような方法によると,調査
票の搬入及び搬出作業が困難になることは明らかであり,調査票の審査業務と
いう本来の業務に支障をきたすことが容易に想定できる。したがって,被告は,
個人情報の保護の必要性を重視して,また,併せて業務遂行上の必要性も考慮
し,ブルゾンを購入することとしたものであり,前記(2)のとおり,個人情報の保護
の必要性が極めて重要なものであることにかんがみると,このような被告の判断
は,不合理なものということはできず,原告の主張を採用することはできない。
  (4) また,原告は,仮に審査業務にブルゾンが必要であるとしても,①審査業務に直
接従事しない職員にブルゾンを支給する必要はないから,審査業務に従事して
いないN課の職員に支給された7着分の購入は違法になると主張し,また,②ブ
ルゾンを支給する職員数を超えてブルゾンを購入する必要はないから,その部
分(原告は,その数を12着であると主張する。)は違法になると主張する。
   ア 上記①について
     原告は,N課の職員7名(被告,B課長補佐,C主査,D主事,E主任,F主事,G
副参事)は,審査業務に従事していないからブルゾンを必要としないのにブル
ゾンが支給されていたと主張している。
     証拠《証拠略》によると,E主任,C主査,D主事及びF主事はいずれも総務班に
所属していたこと,G副参事は広報班に所属していたこと,B課長補佐は総務
班及び広報班を統括する総務部主幹の地位にあったこと,被告は事務局長
の地位にあったことが認められる。前記1(4)オの各班の事務分掌に照らすと,
総務班及び広報班に属していたE主任ら及び事務局長であった被告は審査
業務に直接従事していなかったと認められる。
     しかしながら,本件でブルゾンを支給することとした目的の一つは,審査業務に
従事する職員に黄色のブルゾンを着用させることにより,審査業務に従事する
職員とそれ以外の者を容易に識別することによって部外者の審査会場への入
室を防ぎ,もって調査票に記載されている個人情報を保護するという点にある
のであり,実施本部の職員は,審査業務に直接従事はしなくても総務及び広
報という形で国勢調査に係る業務に携わっていたのであるから,当然に審査
会場へ立ち入る可能性があるというべきであり,《証拠略》の証言によると,実
際にも審査会場に立ち入っていたことが認められるから,これらの職員にブル
ゾンを支給する必要がなかったということはできず,これらの職員の分も含め
てブルゾンを購入した本件契約締結等に被告の裁量権を逸脱・濫用した違法
があるということはできない。
   イ 上記②について
     前記1(5)アに認定したとおり,被告は,実施本部の職員54名に加え,審査業務
のために非常勤職員を38名雇用することが予定されていたことから,その92
名分のブルゾンを調達する必要があると考え,さらに,ブルゾンが汚損した場
合等の予備として8着分を見込み,合計100着のブルゾンを購入することとし
たものである。
     まず,総務班,広報班に所属する実施本部の職員等も含めて92名にブルゾン
を支給すると予定したことについては,前記アのとおり,これらの者も国勢調
査に係る事務に携わる者であって,審査会場に立ち入る可能性があったこと
に照らすと,不合理ということはできない。そして,前記1(3)及び(4)のとおり,
審査業務は,鉛筆で記入された約95万枚という膨大な量の調査票の一枚一
枚について記入漏れがないか,区分が正しいかどうかをチェックし,調査票の
枚数を数え,それを輸送箱へ格納し,搬出するなどの業務であることに照らす
と,このような業務によってブルゾンが汚損する可能性は否定できず,その場
合の予備を見込んであらかじめ大目にブルゾンを購入することも不合理なこと
とはいえず,前記1(5)アのとおり,実際に2着が再支給されていることに照らす
と,8着程度の予備を見込んだことに被告の裁量権の逸脱・濫用はないという
べきである。
     なお,原告は,現実に支給されなかった12着分について,本件契約締結等が違
法になると主張する(ただし,前記1(5)アのとおり,87着が支給されているの
で,現実に支給されなかったのは,13着である。)。しかし,本件契約締結等の
段階では,上記のとおり,92名に対しブルゾンを支給することが予定されてい
たのであるから,予備を見込んでブルゾン100着を購入するとした被告の判断
に裁量権の逸脱・濫用があるか否かについては,92名に対しブルゾンを支給
することを前提として判断すべきであり,原告の主張を採用することはできな
い。
   (5) したがって,本件契約締結等に裁量権の逸脱・濫用は認められず,これが違
法であるということはできない。
第4 結論
   以上のとおり,原告の請求は理由がないからこれを棄却し,訴訟費用の負担につ
いて行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
   新潟地方裁判所第2民事部
       裁判長裁判官   犬   飼   眞   二
   裁判官加   藤       聡
   裁判官大野和明は転補のため,署名押印できない。
       裁判長裁判官犬   飼   眞   二

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