弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人馬淵分也の上告趣意(原審弁論要旨による趣意を含む。)第一点ないし第
三点は、いずれも公職選挙法にいわゆる「選挙権」および「被選挙権」は、国民の
権利ではなくして義務であるということを前提として違憲(前文、一条、四四条、
四七条、一四条)をいうのであるが、右「選挙権」とは、選挙人たる地位を、「被
選挙権」とは、選挙人団によつて選定されたとき、これを承諾し、公務員となりう
る資格を、それぞれ意味するものであつて、ともに、一面において、国民の義務で
あると同時に、他面において、国家の活動に参与する地位または資格をひろく権利
と呼ぶならば、権利(参政権)であるということができるものと解すべきであるか
ら、所論違憲の主張は、いずれもその前提を欠き、同第四点は、単なる訴訟法違反、
事実誤認の主張であつて、すべて刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。
 また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり決定する。
  昭和四二年八月二八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外
            裁判官    色   川   幸 太 郎

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