弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
     当審における訴訟費用中国選弁護人林信一に支給した分は被告人Aの負
担とする。
         理    由
 被告人両名の弁護入石川浅、並びに被告人Aの弁護人林信一の各上告趣意は、末
尾に添附の別紙記載のとおりである。
 弁護人石川浅の上告趣意について。
 第一点
 所論は、控訴趣意として主張されてないし、原審の判断していない事項であるか
ら、適法な上告理由とならない。のみならず、いわゆる犯意の継続があつたからと
て、それだけで数個の行為を一罪として処断しなければならないという理由の存し
ないことは、当裁判所のつとに判例とするところであるから、この事実を前提とす
る憲法違反は当らないし、法令の解釈に誤りもない。論旨はとるを得ない(昭和二
五年(れ)第一二九一号同年一二月一九日第三小法廷判決、集四巻一二号二五七七
頁。昭和二六年(れ)第一三一号同年五月八日第三小法廷判決、集五巻六号一〇一
二頁参照)
 第二点、第三点
 論旨は、原判決の事実誤認、量刑不当を主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理
由に当らないし、また記録を調べても同四一一条を適用する事田もない。論旨は理
由がない。
 弁護人林信一の上告趣意について。
 第一点
 論旨は、刑法二六条第一項第二号は憲法三八条一項に違反し無効である原審はか
かる無効な法律を適用して憲法違反を敢えてしていると言うのであるが、このこと
は控訴趣意に主張なく、原審も判断しない事項である、論旨は名を憲法違反に藉り
実質は原審の量刑不当を主張するに過ぎず、その前提を欠いているからとるを得な
い。
 所論は、刑訴四〇五条に当らないし、記録を精査しても同四一一条の事由もない。
 第二点、第三点
 論旨は、原判決には刑訴四〇五条二号、同四一一条一号所定の事由あり破毀すべ
きものなりとし、当裁判所昭和二三年(れ)第一八〇七号同二四年三月三一日第一
小法廷の判決を引用し、本件につき原審が第一審判決を容認したことが、判例違反
であるとか、刑法二五条一号を曲解したとか、適用を誤つたとか非難するけれども、
第一審における量刑は不当であるとの控訴趣意に対して原審は「……諸般の事情を
参酌考察するに、原審の同被告人に対する懲役六月の科刑は相当であつて所論量刑
不当の主張は採用すべき限りでない」と判断したに過ぎないのであつて、所論が縷
々述べる如く、原審が実刑を科し、重ねて執行猶予を附しなかつたのは、被告人に
前科があることを考慮したたあであるとの判断を下したわけでない。
 しかも所論は、いずれもこのことは控訴趣意に主張なく原審も判断してないので
原判決を非難するのは不適法であり認容できない。
 第四点、第五点
 事実審裁判所が被告人に対し執行猶予を付するかどうかを定めるのは、その自由
裁量に属することは、当裁判所の屡次判例とするところである(勿論この場合の自
由裁量とは、これを事実審の専恣に任せるという意味でないことは当然である)記
録を調べても原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないから、
論旨はいずれも理由がない。
 よつて、刑訴四〇八条、一八一条(被告人Aの分)により裁判官全員一致の意見
で主文のとおり判決する。
  昭和二七年七月二九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    川   村   又   介
            裁判官    木   村   善 太 郎
 裁判官小林俊三は差支えのため署名押印することができない。
         裁判長裁判官    井   上       登

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