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平成25年1月24日判決言渡
平成24年(行コ)第12号産業廃棄物最終処分場等設置許可処分取消請求控訴事

主文
1本件訴訟は,平成24年5月22日,控訴人の控訴の取下げにより終了
した。
2控訴人補助参加人の平成24年5月25日付期日指定申立書による口頭
弁論期日指定申立て以後の訴訟費用は控訴人補助参加人の負担とする。
事実
1本件は,福島県知事が控訴人補助参加人に設置を許可した産業廃棄物処理施設
の予定地の近隣住民である被控訴人らが,控訴人に対し,主位的には福島県知事
による上記処分の取消しを求め,予備的には福島県知事に対する上記処分の取消
しの義務付けを求めた事案である。
原審は,被控訴人らの主位的請求に係る訴えを却下し,予備的請求を認容した。
控訴人補助参加人は,これを不服として控訴をしたが,控訴人は,控訴をせず,
かつ,控訴人補助参加人のした上記控訴を取り下げた。
2控訴人補助参加人は,本件訴訟につき,平成24年5月25日付期日指定申立
書をもって,口頭弁論期日の指定を申し立て,その理由として,上記産業廃棄物
処理施設によって産業廃棄物処理事業を営むことを目的として設立された控訴人
補助参加人は上記判決の効力の及ぶ第三者に該当することが明らかであるところ,
最高裁昭和40年6月24日第一小法廷判決によれば,判決の効力の及ぶ第三者
による補助参加はいわゆる共同訴訟的補助参加と解されるので,控訴人補助参加
人には共同訴訟参加に準じた訴訟追行権が認められるべきであるから,控訴人が
単独でした本件控訴の取下げは無効である旨主張する。
3これに対して,被控訴人らは,期日指定の必要はなく,本件控訴を却下するべ
きである旨の意見を述べ,控訴人は,期日指定の申立てを却下し,控訴人が行っ
た控訴の取下げを有効と認めて,訴訟終了宣言をするべきである旨の意見を述べ
た。
理由
1本件記録によれば,以下の各事実が認められる。
(1)被控訴人ら外1名は,平成19年11月27日,控訴人に対し,本件主位的
請求に係る訴えを提起し,平成20年5月19日,本件予備的請求に係る訴え
を追加した(なお,外1名である原審相原告Aは,平成23年7月15日,訴
えを取り下げた。)。
(2)控訴人補助参加人は,平成20年11月11日,原審に「補助参加の申立書」
と題する書面を提出して,控訴人を補助するため補助参加の申立てをした。上
記書面には,控訴人補助参加人が訴訟の結果について利害関係を有するとの記
載があるが,その根拠法条について格別の記載はない。
控訴人補助参加人は,平成20年11月18日,原審第5回口頭弁論期日に
おいて,本件訴訟への参加形態として民事訴訟法上の補助参加を維持するのか
改めて行政事件訴訟法上の訴訟参加をするのかについて同年12月2日まで
に明らかにする旨述べ,同月1日,同日付準備書面をもって,原審に,本件参
加の申立てが民事訴訟法42条以下の規定による補助参加である旨通知した。
控訴人補助参加人作成の上記各書面は当事者双方に送達されたが,補助参加に
ついて異議は述べられず,また,原審は行政事件訴訟法22条所定の手続を執
らなかった。
(3)原審は,平成24年4月24日,被控訴人らの主位的請求に係る訴えを却下
し,予備的請求を認容したところ,控訴人補助参加人は,同年5月1日,これ
を不服として控訴をした。
(4)控訴人は,平成24年5月22日,原審に,控訴人補助参加人のした本件控
訴を全部取り下げる旨の控訴取下書を提出した。
2以上の認定事実によれば,控訴人補助参加人がした本件控訴は,控訴人の平成
24年5月22日付け控訴取下げによってその効力を失い(民事訴訟法45条2
項),本件訴訟は終了したものというべきである。
この点について,控訴人補助参加人は,判決の効力の及ぶ第三者による補助参
加はいわゆる共同訴訟的補助参加と解され,控訴人補助参加人には共同訴訟参加
に準じた訴訟追行権が認められるべきであるから,控訴人が単独でした控訴取下
げは無効である旨主張する。
確かに行政事件訴訟特例法の下においては,第三者が判決の効力を受けるにも
かかわらず,当事者適格が認められないため自ら共同訴訟参加することができな
い結果,その権利利益が不当に害されることとなるといういわば立法の不備を補
い共同訴訟参加に係る規定を準用ないし類推するため,補助参加についても共同
訴訟的補助参加と解釈すべきものとされてきたのであるが,そうした不都合を解
消すべく判決の効力を受ける第三者についても共同訴訟参加又はこれに準じた訴
訟参加をすることのできる制度が法令上明文で定められた場合には,最早そうし
た共同訴訟参加に係る規定を準用ないし類推する基礎となる必要性及び許容性が
失われることとなるものと解される。そして,行政事件訴訟法はその22条にお
いて訴訟の結果により権利を害される第三者は,その申立てにより,受訴裁判所
の決定をもって訴訟参加することができること及び訴訟参加した第三者について
は民事訴訟法40条1項ないし3項が準用される結果,共同訴訟参加に準じた参
加ができることを定め,上記のような立法の不備を解消するに至っている。それ
にもかかわらず,こうした訴訟参加の手段を採ることなく民事訴訟法上の補助参
加を選択した場合,すなわち,行政事件訴訟法が従前の立法の不備を補い,その
制度を利用し得る者について一定の要件を定め,受訴裁判所の判断の下で自ら参
加することができるという自己完結的な訴訟参加制度を整えたにもかかわらず,
当事者の異議がなければ無条件で訴訟参加が認められるような民事訴訟法上の補
助参加を選択する場合についても,これをいわゆる共同訴訟的補助参加と解して,
民事訴訟法40条を類推するなどして共同訴訟参加をしたのと同様の効力をなお
認めるべき理由はこれを見出すことができない(最高裁昭和63年2月25日第
一小法廷判決・民集42巻2号120頁参照。なお,控訴人補助参加人が援用す
る最高裁昭和40年6月24日第一小法廷判決・民集19巻4号1001頁は,
行政事件訴訟法22条のような共同訴訟参加に準じた参加の規定がないため自ら
訴訟参加をする途が制度上保障されていたとはいえない行政事件訴訟特例法の下
での事案であって,本件に適切ではない。)。
上記の1(2)のように,控訴人補助参加人は,行政事件訴訟法22条に基づき
共同訴訟参加に準じた参加ができる本件訴訟の結果により権利を害される第三者
であることが明らかであるにもかかわらず,これによることなく,あえて民事訴
訟法上の補助参加を選択した以上は,民事訴訟法の定める補助参加人としての地
位に基づく権限を有するにすぎず,被参加人である控訴人の訴訟行為と抵触する
訴訟行為を行うことができない結果,控訴人がした控訴の取下げは,控訴人補助
参加人の同意の有無に関わりなく,有効というべきものである。本件のように,
共同訴訟参加が認められる場合,共同訴訟参加をするか補助参加をするかは当事
者の選択に委ねられているから,その選択した参加形態による効果の違いを受け
る結果,控訴人の控訴取下げによって控訴人補助参加人のした控訴の効力が失わ
れることは,処分権主義の観点からみて当然の帰結というべきものである(もっ
とも,現行の行政事件訴訟法の下においても,補助参加についてはなおこれを共
同訴訟的補助参加と解する考え方もあるから,上記のような解釈は控訴人補助参
加人にとって不意討ちとなる面もないとはいえないが,上記認定のとおり,控訴
人補助参加人にはその参加の申立ての際,改めて行政事件訴訟法上の訴訟参加を
するかどうか熟慮する機会も与えられていたのであるから,その点は上記判断を
左右しない。また,上記の熟慮の機会は,その経緯に鑑み,原審の訴訟指揮の下
で与えられたものとうかがわれることに照らせば,その職権の行使に違法な点は
ないというべきである。)。
よって,控訴人補助参加人の上記主張は採用できない。
3以上の次第で,本件訴訟は終了しているから,その旨を宣言することとし,主
文のとおり判決する。
仙台高等裁判所第2民事部
裁判長裁判官佐藤陽一
裁判官鈴木陽一
裁判官小川直人

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