弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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            主     文
       本件上告を棄却する。
            理     由
 弁護人大熊裕起の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36
条,98条2項違反をいう点は,死刑制度が憲法のこれらの規定に違反しないこと
は当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷
判決・刑集2巻3号191頁)及びその趣旨に照らして明らかであるから,理由が
なく,自首に関して判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引用するものであ
って,本件に適切でなく,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は
事実誤認,単なる法令違反,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらな
い。
 所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認めら
れない。付言すると,本件は,被告人が,(1) 金欲しさから,Aら共犯者と共に
,会社事務所から現金600万円余の在中する金庫を窃取し(窃盗),その約2か
月後に,古美術店の経営者宅で,女性を羽交い締めにして後ろ手錠を掛けるなどし
た上,現金100万円の在中する金庫を強取し(強盗),(2) その数日後,これ
ら犯行の主導的な立場にあった共犯者の1名(当時43歳)から,配下のように扱
われるなどしたことに我慢がならなくなり,Aほか1名と共に,睡眠導入剤入りの
飲料を飲ませて眠らせた上,アイスピックで後頸部を突き刺し,更に頸部をひもで
締め付けて窒息死させて殺害し,犯行の発覚を防ぐため,その死体をこん包し,コ
ンクリートブロックを取り付け,人里離れたダムに運んで投棄し(殺人,死体遺棄)
,(3) さらに,その約1年後,金欲しさから,Aと共に,Aの知り合いである古
美術商(当時50歳)を,多額の現金を持参させた上で殺害して現金を強取する犯
行を計画し,架空の取引話により同人を誘い出し,アイスピックで後頸部を突き刺
し,スパナで頭部を強打し,更に頸部をひもで締め付けて窒息死させて殺害した上
,約430万円の現金を強取し,犯行の発覚を防ぐため,(2)と同様に死体をこん
包するなどしてダムに投棄した(強盗殺人,死体遺棄)という事案である。上記各
犯行は,罪質が極めて悪質であり,取り分け殺人,強盗殺人の各犯行は,動機に酌
量の余地がなく,計画的で,殺害の態様が冷酷,非情,残忍であって,結果も甚だ
重大であり,遺族の処罰感情も厳しく,社会に与えた影響は大きい。被告人は,殺
人,強盗殺人の各犯行において,Aと共に犯行を計画,準備し,積極的に実行行為
に及んでいる。これらの事情に照らすと,被告人に前科がないこと,本件各犯行を
反省して被害者らに対する謝罪の意思を表していることなど,被告人のために酌む
べき事情を十分考慮しても,被告人の罪責は誠に重大であり,無期懲役の第1審判
決を破棄して被告人を死刑に処した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所も
これを是認せざるを得ない。
 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
 検察官宮崎雄一 公判出席
(裁判長裁判官 今井 功 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 修 裁判官 中川
了滋 裁判官 古田佑紀)

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