弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件を札幌高等裁判所に移送する。
         理    由
 一件記録によると、本件仮処分の本案訴訟が原告(反訴被告)を相手方とし被告
(反訴原告)を申立人とする札幌地方裁判所昭和四二年(ワ)第一五一六号土地所
有権移転登記手続(反訴、所有権確認)請求事件として係属し、同裁判所が昭和五
〇年一月三〇日相手方の本訴請求を棄却し申立人の反訴請求を認容するとの判決を
したこと、ついで、右本案訴訟は、相手方の控訴提起に基づき控訴人を相手方とし
被控訴人を申立人とする札幌高等裁判所昭和五〇年(ネ)第二〇号土地所有権移転
登記手続本訴請求、所有権確認反訴請求控訴事件として係属し、同裁判所が昭和五
一年一二月一三日相手方の控訴を棄却するとの判決をしたこと、これに対し相手方
が同月二七日同裁判所に上告状を提出して上告の提起をしたので、現在同裁判所に
おいて上告受理手続が行われていることが明らかである。
 このように、仮処分の本案訴訟についてされた控訴判決に対し上告の提起がされ
ても、原裁判所において当該事件につき上告受理手続が行われているときには、事
情変更による仮処分取消申立事件は、本案がなお控訴審に係属しているものとして
控訴裁判所の管轄に属するものと解するのが相当である。したがつて、本件は札幌
高等裁判所の管轄に属するものというべきであるから、これを同裁判所に移送すべ
きものとし、主文のとおり決定する。
   昭和五二年二月二八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岸       盛   一
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸   上   康   夫
            裁判官    団   藤   重   光

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