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平成11年(行ケ)第117号 審決取消請求事件
平成11年9月2日口頭弁論終結
判決
原      告     ローランド株式会社
代表者代表取締役     【A】
訴訟代理人弁護士     島田康男
訴訟復代理人弁護士  黒田彩霧
訴訟復代理人弁理士  【B】
被      告     特許庁長官 【C】
指定代理人        【D】
同     【E】
主文
 原告の請求を棄却する。
 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 原告
 特許庁が平成5年審判第17678号事件について平成11年2月18日にした
審決を取り消す。
 訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告
 主文と同旨
第2 当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯
 原告は、平成4年3月24日、「WORKSTATION」の欧文字と「ワーク
ステーション」の仮名文字とを2段に横書きしてなり、指定商品及び商品区分を第
24類「楽器その他本類に属する商品」とする商標(以下「本願商標」という。)
の登録出願(平成4年商標登録願第33198号)をしたが、平成5年7月14日
(謄本送達日)拒絶査定を受けたので、平成5年9月2日、拒絶査定不服の審判を
請求した。特許庁は、これを平成5年審判第17678号事件として審理した結
果、平成11年2月18日、「本件審判の請求は成り立たない。」との審決をし、
その謄本は平成11年3月29日原告に送達された。
2 審決の理由
 審決の理由は、別紙審決書の理由及び更正決定の各写しのとおりである。要する
に、株式会社リットーミュージック発行「キーボードマガジン」6月号の「ワーク
ステーション・シンセサイザー大全」の特集(甲第2号証。発行は平成7年6月1
日である。以下「甲第2号証刊行物」という。)、株式会社立東社発行「THE楽
器VOL.2キーボード/多重録音編'90→'91」(甲第3号証。発行は19
90年(平成2年)6月18日である。以下「甲第3号証刊行物」という。)及び
ヤマハ株式会社の商品カタログ「1997 YAMAHA DIGITAL MU
SICAL INSTRUMENTS」商品カタログ(甲第4号証及び乙第3号
証。1997年(平成9年)10月の作成である。以下「甲第4号証刊行物」とい
う。)の記載によれば、「ワークステーション」及び「Workstation」
の各文字は、楽器との関係からみれば、楽器の一種、すなわち、「シンセサイザー
にシーケンサーとエフェクトが内蔵され、1台で音楽造りが行える環境を整えた機
器(楽器)」の意味合いで理解、認識されていると認められるから、これらの文字
からなる商標が楽器に使用された場合、取引者、需要者はこれを商品を識別すべき
標識とは認識しないので、本願商標は、上記機能を備えたシンセサイザーに使用し
ても、商品の品質、機能を表示するにとどまるものであり、上記以外の楽器に使用
するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法3条1項3号及び
同法4条1項16号に該当する、というものである。
第3 原告主張の審決取消事由の要点
 審決中、甲第2号証ないし甲第4号証刊行物に、審決認定の各記載があるとした
部分は認めるが、その余の認定判断の部分は争う。
 審決は、「ワークステーション」及び「Workstation」の各文字が、
楽器との関係からみれば、「シンセサイザーにシーケンサーとエフェクトが内蔵さ
れ、1台で音楽造りが行える環境を整えた機器(楽器)」の意味合いで理解され、
認識されているものと、挙示の各証拠により認定し、この認定に基づき、本願商標
が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当すると判断した。しかし、審
決の上記認定は、証拠評価の誤りに基づく誤りであり、したがってこれを前提とす
る上記判断も誤りであるから、審決は、違法であり、取り消されるべきである。
1 甲第2号証刊行物中の審決の挙げる記載は、「ワークステーション」及び「W
orkstation」が楽器の一種として認識されているとする審決の根拠とな
るものではない。
(1) 甲第2号証刊行物には、審決の認定した記載の前提として、「“ワークステー
ション”という言葉は、実体があるようで、実はけっこう曖昧に使われている。
「ワークステーションとはこういうものを指す」という定義はない」という記載が
ある(32頁左欄1~6行目)。
 このように審決認定の記載自体が、「ワークステーション」や「Worksta
tion」の意味内容について明確な定義はない、としたうえでのものであるか
ら、上記記載からこれらの言葉の意味内容と審決認定のように一義的に定めること
はできないはずである。
(2) 甲第2号証刊行物の36頁及び42頁の「ミュージシャンに聞く」との表題の
記事には、それが株式会社コルグ及びエンソニック社の機器を推薦する欄であるに
もかかわらず、「ワークステーション」との言葉は全く使用されていない。
(3) 甲第2号証刊行物には、株式会社コルグに関する記事として、「ハイ・クオリ
ティの音源、シーケンサー、エフェクターを一体化した“ミュージック・ワークス
テーション”のコンセプトが受け入れられ、10万台を超えるビッグ・ヒット商品
となった。国産初の本格的ワークステーションの誕生である。」(甲第2号証36
頁左欄)というものがある。
 他方、株式会社コルグが「ミュージックワークステーション」の語を用いるの
は、楽器の種類としてではなく、商標としてであることは、後に述べるとおりであ
る。
 そうすると、甲第2号証刊行物の記事の筆者は、商標及び商標法に対する理解不
足から、文章作成の際、「ワークステーション」の語を安易に使用し、結果的に誤
用したものというべきであり、このような説明による記事は、審決認定の事実を認
める根拠とはなり得ない。
2 甲第3号証刊行物の「ワークステーションの頂点」との文言を含む株式会社コ
ルグの商品広告も、審決認定の根拠になるものではない。
(1) 平成3年9月3日、原告は、株式会社ヤマハとの間で、それぞれ、相手方(過
半数の株式を有する子会社を含む。)が、電子楽器又はそれに関連する商品につい
て商標「MUSIC WORKSTATION/ミュージックワークステーショ
ン」の使用をすることに対して、自己の有する商標権に基づく権利主張をしない、
との契約を締結した。
 株式会社コルグは、当時株式会社ヤマハが過半数の株式を有する子会社であった
から、株式会社コルグによる「MUSIC WORKSTATION/ミュージッ
クワークステーション」の使用が、商標としての使用であることは明らかである。
(2) これを前提にした場合、甲第3号証刊行物における「ワークステーションの頂
点」との文言は、ヤマハ株式会社の子会社であった株式会社コルグが、ヤマハ株式
会社が商標として用いてきた「MUSIC WORKSTATION/ミュージッ
クワークステーション」の一部を取り上げて表記しているにすぎないものであるこ
とが明らかである。このことは、「ワークステーションの頂点」の下に「音楽創造
のための機能をすべて1台に、それも専門機以上の性能で集約させる。コルグが他
社に先駆けて発表した「MUSIC WORKSTATION」。その中でもTシ
リーズは、88keyピアノ鍵盤(T1)をはじめとする鍵盤バリエーション、大
量のデータストックやPCMデータのロードも可能にするディスクドライブ、そし
てaiシンセンスシステムの音の幅を格段に広げる大容量波形ROMなどの搭載に
より、まさにHighest Positionと言える、音楽創造ステーション
です。ミュージックワークステーション、Tシリーズ、妥協のないクリエイティブ
ワークを望む全ての人に、コルグからのプレゼンテーションです。」と記載され、
宣伝対象の「Tシリーズ」なる楽器が、「ミュージックワークステーション」とい
う商標で販売されている楽器の中で頂点を極める高性能のものである旨が示されて
いることによっても、裏付けられるところである。
3 甲第4号証刊行物の「Workstation」という語も、審決認定の根拠
にはならない。
 「Workstation」の下の写真横に記載されている製品型番号真上に
は、「MUSIC SYNTHESIZER」又は「MUSIC PRODUCT
ION SYNTHESIZER」と記載されているだけであり、同刊行物末尾の
価格表には、「ワークステーション」の分類はなく、「WORKSTATION」
と記載された頁中に掲載されている機器(「W7 Version 2」及び「W
5 Version 2」。これらは、甲第2号証刊行物において「ワークステー
ション」と位置づけられている「W7」及び「W5」の後継機である。)がシンセ
サイザー/キーボード」の分類に入れられている。
 このように、甲第4号証刊行物には、「ワークステーション」という音楽機器の
分類はなく、そうである以上、これが「ワークステーション」の語が音楽機器の一
種を意味するとする審決認定の根拠となることもあり得ない。
4 審決のいう「シンセサイザーにシーケンサーとエフェクトが内蔵され、1台で
音楽造りが行える環境を整えた機器(楽器)」を指し示す一般的な呼称、用語は、
「オール・イン・ワン」なのであって、「ワークステーション」ではない。このこと
は、甲第3号証刊行物中の「楽器/音楽業界おもしろ用語辞典90~91」と題す
る記事中に、「オール・イン・ワン」の用語の説明として、「最近は流行のキーボー
ドの形態で、1つのボディの中にシンセサイザー、シーケンサー、ドラムマシン、
エフェクターといった複数の機材を内蔵しています。このタイプのメリットは、面
倒なセッティングなしに演奏や曲創りを楽しめる点でしょう。」(206頁)と記
載されていることからも明らかである。
5 審決の認定が誤りであることは、別の面からも明らかである。
 すなわち、原告をはじめ、株式会社ヤマハ、株式会社コルグなどの音楽機器製造
業者も、有名楽器店も、現在、楽器の分類として「ワークステーション」という語
を用いず、審決のいう「シンセサイザーにシーケンサーとエフェクトが内蔵され、
1台で音楽造りが行える環境を整えた機器(楽器)」については、「シンセサイザ
ー&キーボード」、「キーボード」、「シンセサイザー・デジタルピアノ関係」、
「シンセサイザー」、「キーボード・シンセサイザー」、「シンセサイザー・キー
ボード・エレクトリックピアノ」等を用いており、このことは本件審決時において
も同様であったと推認される。このような状態の下で、取引者、需要者が、「ワー
クステーション」の語に審決認定の意味を与えることはあり得ない。
第4 被告の反論の要点
 審決の認定判断は正当であって、審決に原告主張の違法はない。
1 審決は、甲第2号証刊行物中の原告も認める記載から、「ワークステーショ
ン」の語は、楽器を取り扱う取引者、需要者の間においては、「シンセサイザーに
シーケンサーとエフェクトが内蔵され、一台で音楽造りが行える環境を整えた機器
(楽器)」を表すもの、あるいは「これに類する一台で音楽造りが行える環境を整
えた機器(楽器)」を表すものと理解されていると認定したものであって、原告主
張のように「ワークステーション」の語を一義的なものと認定したのではない。
 甲第2号証刊行物の45頁の「最新機種徹底比較」の記事には、同記事の筆者と
は異なる複数の者がコメンテーターとして明記されていること、同刊行物を出版し
た株式会社リットーミュージックが音楽関連事業を主な事業の一つとする企業であ
ることからすると、原告主張のように、同刊行物が「ワークステーション」という
語を誤用したまま出版されたと考えるのは、不自然というほかはない。
2 甲第3号証刊行物に記載されている株式会社コルグ社の広告に用いられている
「ワークステーションの頂点」という語句は、広告において、大きく表された「ワ
ークステーションの頂点」の文字が商品の写真とともに中央部に顕著に表示されて
おり、このような広告の体裁からすれば、これに接する取引者、需要者は、「写真
の商品がワークステーションの中で頂点に立つもの」であることを表したものと理
解するのが自然である。
3 甲第4号証刊行物においては、原告が「W7」及び「W5」の後継機であると
いう「W7 Version 2」及び「W5 Version 2」が掲載され
ている頁をはじめ3頁にわたって、「Workstation」の文字が記載され
ており、その文字の大きさや体裁は、他の頁の「Sinthesizer」、「S
inthesizer/Sampler」、「Electronic Pian
o」などと同様である。
 このことは、同刊行物の作成者であるヤマハ株式会社自身も、「Worksta
tion」の語を甲第2号証刊行物と同義のものとして使用していることを物語る
ものであり、これに接した取引者、需要者も同様に認識するものというべきであ
る。
4 審決の認定が正しいことは、前述の株式会社リットーミュージックが発行した
「シンセサイザーの全知識」第4版(1998年5月1日発行)に、8章にわたっ
て本文が組まれ、第8章が「ワークステーション」に当てられ、「音源、エフェク
ター、シーケンサー、ミキサー・・・。従来は別々の機材だったこれらの要素を1
台に詰め込んでしまったのがワークステーションだ。最後に、DTM時代には欠か
すことのできないワークステーションについてまとめておこう。」との記載に続
き、ワークステーションについての説明がなされていることによっても裏付けられ
るところである。
第5 当裁判所の判断
1 甲第2号証刊行物について
(1) 甲第2号証によれば、甲第2号証刊行物には、「ワークステーションという楽
器」という大見出しの記事の冒頭の部分に、「今では、シンセサイザーの代名詞と
いってもいいほど身近な言葉になった“ワークステーション”だが、キミはどれだ
け、ワークステーションについて理解しているだろうか。ローランドの新製品、X
P-50の登場を機会にここで“楽器”としてのワークステーションについてもう
一度考えてみることにしよう。」(32頁上段1~7行目)との記載があり、「ワ
ークステーションっていったい何だろう」という小見出しの後には、「“ワークス
テーション”という言葉は、実体があるようで、実は結構曖昧に使われている。
「ワークステーションとはこういうものを指す」という定義はないのだが、一般的
には「キーボード・タイプのシンセサイザーにシーケンサーとエフェクトが内蔵さ
れ、1台で音楽づくりが行える環境を整えた機器(楽器)」という意味で使われる
ことが多いので」(同頁左欄3~10行目)、「まずはじめは、ワークステーショ
ンとはどういう楽器/機器なのかについて、簡単に整理しておこう。ワークステー
ションに含まれるさまざまなブロックであるキーボード、音源、シーケンサー、エ
フェクターなどは、いずれも単独の機器としても存在しているし、MIDIを使え
ば簡単にシステム化できる。」(同欄15~22行目)という記載があり、「ワー
クステーションが生まれた背景」という小見出しの後には、「現在では、ワークス
テーションもすっかり楽器の1つのジャンルとして定着しているが、ワークステー
ションが登場してきた背景には、実にいろいろな要素がある。」(同頁右欄3~6
行目)という記載があることが認められる。
 甲第2号証刊行物の上記記載によれば、「ワークステーション」という語は、同
刊行物の発行された平成7年6月ころ、既に、楽器との関係では、楽器の一種、す
なわち、キーボード・タイプのシンセサイザーにシーケンサーとエフェクトが内蔵さ
れ、キーボード、音源を含め、それ1台で音楽づくりを行うことができる環境を整
えた機器(楽器)、あるいはこれに類する機器(楽器)という意味で使われること
の多いものとなっていたことが認められる。
(2) また、甲第2号証によれば、甲第2号証刊行物の34頁には、「5大メーカー
の最新機種を概観」という小見出しのもとで、「ワークステーションは、各メーカ
ーの様々なモデルがあるが、ここではメーカーごとの特徴と、その大まかな概要だ
けを簡単に整理しておくことにしよう。」(34頁右欄9~12行目)という記載
があり、これに続いたローランド(原告)、コルグ、ヤマハ、ヤンチャン及びエン
ソニックの製造業者5名が挙げられており、ローランド(原告)の欄には、「ロー
ランドは、音源やシーケンサーなど、すでに定評のあるモデルを統合してワークス
テーション化してきており」(同欄14~17行目)との記載、コルグの欄には
「コルグはM1登場以来、Mシリーズ、Tシリーズ、01/Wシリーズと、一貫し
てワークステーションをメインモデルに位置づけており、」(同欄26~29行
目)との記載、ヤマハの欄には「ヤマハの最近のワークステーションは、“ミュー
ジック・シンセサイザー”W5/W7という、シンプルな名前だが」(同欄38~4
1行目)との記載、ヤンチャンの欄には「ヤンチャンのK-2000JV3は、ワ
ークステーションのベーシックな部分をすべてカバーしながらも」(同欄50~5
2行目)との記載、エンソニックの欄には「エンソニックは・・・サンプラーとそ
れを統合したサンプリング・ワークステーション(ASRシリーズ)には絶大な人
気がある。」(35頁左欄1~5頁)との記載があることが認められる。
 上記記載において、「ワークステーション」という語は、ローランド(原告)、
コルグ、ヤマハ、ヤンチャン及びエンソニックの5製造業者の製造する音楽機器を
総称する名称として使用されており、ある特定の業者の商品と結び付いて使用され
てはいないことが明らかである。
(3) 原告は、甲第2号証刊行物に「“ワークステーション”という言葉は、実体が
あるようで、実はけっこう曖昧に使われている。「ワークステーションとはこうい
うものを指す」という定義はない」との記載があるのをとらえ、「ワークステーシ
ョン」の意味内容を審決のように一義的に認定するのは誤りであると主張する。
 しかし、審決が、甲第2号証刊行物の記載を、「ワークステーション」の語が、
楽器との関係で一般にどのような意味で認識されているかについての認定をするた
めの資料にしただけであることは、審決の記載自体で明らかであり、「ワークステ
ーション」の語が一義的な意味内容を有していないからといって、楽器との関係
で、審決認定のように認識されないことになるわけのものではないから、原告の上
記主張は、主張自体失当である。
 原告は、甲第2号証刊行物の「ミュージシャンに聞く」との表題の欄には、それ
が株式会社コルグ及びエンソニック社の機器を推薦する欄であるにもかかわらず、
「ワークステーション」との言葉が全く使用されていないことを挙げて、審決の前
記認定を論難するが、上記両社の機器を推薦する欄に「ワークステーション」の語
が用いられていないからといって、同刊行物で述べられている意味で用いられない
ことになるものではないことは明らかであるから、失当である。
 原告は、株式会社コルグが「ミュージックワークステーション」の語を商標とし
て使用していたとして、これを根拠に、甲第2号証刊行物の記事における「ワーク
ステーション」の使用は誤用であるとも主張する。
 しかし、株式会社コルグが「ミュージックワークステーション」の語を商標とし
て使用していたとしても、「ワークステーション」の語が同刊行物で述べられてい
る意味で一般に用いられないことになるものではないことは明らかであるから、こ
れを根拠に誤用をいう原告の主張も失当である。
2 甲第4号証刊行物について
 甲第4号証及び乙第3号証によれば、甲第4号証刊行物の6頁から8頁にかけ
て、見出しと広告記事とを区別するように横線が引かれ、その上段にいずれも「W
orkstation」という欧文字が大きく記載されており、上記横線の下に、
具体的な音楽機器の広告文及び写真が掲載されていること、及び、これらの「Wo
rkstation」の文字の大きさや字体、文字と模様、広告文あるいは写真な
どの関係は、他の頁の「Sinthesizer」、「Sinthesizer/
Sampler」、「Electronic Piano」などの場合と同様であ
ることが認められ、これらの事実からすると、「Workstation」という
語は、他の頁の「Sinthesizer」などと同じく、3頁にわたって掲載さ
れている各音楽機器の種類を示すものとして使用されているとみるのが相当であ
る。
 甲第4号証刊行物の「Workstation」の下の写真横に記載されている
製品型番号真上には「MUSIC SYNTHESIZER」、「MUSIC P
RODUCTION SYNTHESIZER」と記載されているだけであるこ
と、末尾の価格表には「ワークステーション」の分類はなく、「WORKSTAT
ION」と記載された頁中に記載されている機器が「シンセサイザー/キーボー
ド」の分類中に入れられていることを根拠として、同刊行物において「Works
tation」という語が音楽機器の一つの種類を意味するものとして使用されて
いるとはいえないとする原告の主張は、採用することができない。原告主張の事実
は、「WORKSTATION」の語の当てられる機器に別の語が当てられること
もあることは意味し得ても、「WORKSTATION」の語が上記のように使用
されていることと何ら矛盾するものではないからである。
3 以上によれば、審決が挙げた甲第3号証刊行物の記載の有する意味のいかんに
かかわらず、甲第2号証刊行物と甲第4号証刊行物のみから、審決認定の事実は、
認め得るものというべきである。
4 原告は、甲第3号証刊行物の記載を根拠に、審決のいう「シンセサイザーにシ
ーケンサーとエフェクトが内蔵され、1台で音楽造りが行える環境を整えた機器
(楽器)」を指し示す一般的な呼称、用語は、「オール・イン・ワン」なのであっ
て、「ワークステーション」ではないと主張する。
 しかしながら、仮に甲第3号証の発行された平成2年6月ころ、「オール・イン・
ワン」という語句が原告主張のように用いられていたとしても、これをもって、そ
の後の時点において、「ワークステーション」という語が上記の機器(楽器)を意
味するものとして用いられることがあったことを否定する根拠とはなし得ないこと
は自明というべきであるから、採用できない。
5 音楽機器製造業者や楽器店に楽器の分類として「ワークステーション」の語を
もともと使用していなかった者、あるいは使用しなくなった者があるからといっ
て、直ちに、この語に審決認定の意味が与えられないことにも、あるいは、この語
からいったん与えられていた審決認定の意味が失われることにもなるものではない
から、音楽機器製造業者や楽器店が現在楽器の分類として「ワークステーション」
の語を使用していないとして、これを根拠に審決の認定の誤りをいう原告主張も採
用できない。
第6 以上によれば、原告主張の審決取消事由は理由がなく、その他、審決の認定
にはこれを取り消すべき瑕疵は見当たらない。よって、原告の請求を棄却すること
とし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、
主文のとおり判決する。
  東京高等裁判所第6民事部
  裁判長裁判官山  下  和  明
       裁判官山  田  知  司
       裁判官宍  戸      充

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