弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人横田隼雄の上告趣意其の一について。
 原判決挙示の証拠によれば、被告人は昭和二一年三月二八日神戸区裁判所に於て
懲役一年に処せられ、同年五月九日右刑は確定して服役し、同年九月項正味四ケ月
で仮出獄したというのであつて、その後仮出獄を取消されたという証拠はないので
あるから、翌二二年五月には刑の執行を受け終つたものと認めることができる。従
つてこの点において原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。
 同其の二の1について。
 前科は罪となるべき事実ではないから、そのことに関して正式の証拠調べを必要
としないのみならず、所論公判調書中の「前科調書」という記載が、「戸籍回答書
の前科欄」を指するものであることは明白であるから、論旨は理由がない。
 同其の二の2について。
 原判決は所論第一審公判調書又は検事の聴取書中の供述記載を証拠として採用し
ているのではなく、原審公判廷において被告人がこれ等の書類を読聞かされて「そ
の通り相違ありません」又は「その通り問違がありません」と答えた供述を証拠と
して採用したのであるから、仮りに所論のように前記公判調書又は検事の聴取書中
の供述が強制にもとづくものであつたとしても、原判決には所論のような違法はな
く、論旨は理由がない。
 同其の三について。
 原判決をその挙示の証拠と照らし合わせてみれば、被告人が被害者Aに対して刃
渡二寸余のナイフを突付けたときには、被告人において暴行の故意があつたこと又
は少くとも傷害につき未必の故意があつたことが認められ、而もその結果Aに傷害
を負わせたのであるから、原判決がその所為を強盗傷人としたのは正当であつて、
所論のような違法はない。又所論診断書の「B」が「A」の誤記であることは、肩
書住居、年齢及び本件犯罪事実等に照して明白であるから、この点についても論旨
は理由がない。
 同其の四について。
 原審第三回公判において裁判長が「なお調べたい事があるので本日判決言渡は延
し、次回公判期日は追而指定する」旨告げたからとて、これを所論のように弁論再
開したものと認めなければならない理由はない。従つて原審裁判所が第四回公判期
日に判決を言渡したことには、所論のような違法はない。論旨は理由がない。
 同其の五について。
 仮りに裁判が迅速を欠いたとしても、その故を以て判決を破棄する理由とならな
いことは、当裁判所の判例の示す通りである(昭和二三年(れ)第一〇七一号同年
一二月二二日大法廷判決)。 それ故論旨は採用することができない。
 以上の理由により旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 十藏寺宗雄関与
  昭和二六年三月二七日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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